Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

寒さと物価高、アラスカの洗礼

2024.04.24 | アラスカ

【9日目 318km】

 

 

休業中カフェでの野宿場所から撤収。

あまりに寒くまともに動けるのは朝10時頃からでしょうか。

あと5分、もう5分なんて思いながら

やっと重い腰が上がりました。

 

 

さぁ、今日も張り切っていこう

とペダルを踏みこむと

前輪がパンクしてました。

「もう今日休んでいいですか」

って言いたくなるけど

仕方ないのですぐ直す。

 

 

 

再び漕ぎだすとかなり長い上り坂。

ただ傾斜はゆるいので

時間をかけてゆっくり上っていきます。

今日は天気が良いうえに

風も穏やかで

比較的漕ぎやすい日です。

 

 

 

キャンピングカー旅行者の方に

差し入れを沢山いただきました。

冒険的なことが大好きな

アメリカの方々。

実は道中かなりたくさんの人に

話しかけられています。

 

 

 

 

 

 

この日も道は激しいアップダウン。

極寒のキャンプがこたえて

はやくも体力が尽きそうです。

徐々に体を慣らせばいいけれど

ウォーミングアップにしては

このあたりの山々はかなり厳しい。

 

 

 

とはいえ眼前の山々は

やっぱり美しい。

3日ほどずっとこんな景色ですが

特に晴天の下だと目を奪われます。

はやく町に着きたいけど

ずっと見ていたいような気持ちもある。

 

 

 

 

 

15時頃、へとへとになりながら

“ガンサイト・マウンテン”という地域に到着。

久しぶりに商店を見つけました。

「お前、アンカレッジからここまできたのか!

お疲れ様、もうここからは道は緩やかになるぞ」

とガタイのいい店主が労わってくれました。

 

 

 

とたんに道が平らになり

すぐそこに見えた山々も

ほとんど見えなくなってしまいました。

どうやら一番厳しい地域は

走り終えたようです。

ちょっとした達成感。

 

 

 

周囲の針葉樹が

どんどん深くなっていきます。

本当にわかり易く地形も

かわってしまいました。

それにしてもアラスカはだだっ広い。

3日間ずっとまっすぐ。

 

 

 

さきほどの商店の店主から聞いていたロッジを発見。

かなり疲れ果てておりキャンプをする元気がありませんでした。

値段は¥10,000、高い!

夕方を迎え既に寒くなりつつあるけど、すぐイエスといえる値段じゃない。

「仕方ないわね、¥8,000でいいわ」

 

 

 

体が凍えていたので

「ノー」という言葉は出ませんでした。

疲れもありベッドに倒れこみます。

ストーブが暖かい。

ダウンを着込まずに

寝られるって素敵。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、引き続きグレンハイウェイを東に走ります。

もう山中じゃないのでほぼ平坦ですが

ずっと同じ景色が続いて退屈。

 

 

 

横を見れば針葉樹の森。

これが延々と数十kmほど

続くことになります。

昨日までさんざん山に

苦戦してたけど、それが懐かしいほどに

変化のない道が続く。

 

 

 

途中、川が凍っていました。

この日の最高気温は0℃。

ただ夜中の-15℃が厳しすぎて

0℃は暖かいという感覚に

なりつつあります。

寒いの嫌いだけど順応しているのか。

 

 

 

昨日までの道を思えば

「今日はのんびりデイでしょ」なんて思ってましたが、

地味に厳しい日となりました。

道路わきにある商店がことごとくシーズンオフで休業しており

食べるものが無くなってしまったんです。

“オープン”なんて書いてあるけど全然やってない。嘘つき。

 

 

 

昨日、道中もらった

ナッツとチョコレートで食いつなぐ。

ホントこれが無かったら

どうすればよかったんだろう。

リスのように

ちまちま食べていきます。

 

 

 

 

正面に白い山、脇に針葉樹。

この景色が数時間変わることなく

続いていきます。

途中漕ぎながら眠たくなってくるほど。

「わー!」とか「おー!」とか

叫んで眠気を覚ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてジェイソンさん宅から4日。

“グレナレン”という町に到着。

町というよりも交差点に建物が数軒ある程度ですが。

 

 

 

グレナレンの町で

一回疲労をリセットしたかったので

宿を探すことに。

数軒訪ねて一番安かったのが

¥22,000!

噓でしょ…と愕然としました。

 

 

 

ただ空腹と寒さと疲労で

体力の低下を感じたので

ちょっとだけまけてもらい

泊まることに。

この時期のアラスカの宿泊事情

かなり厳しいです。

 

 

 

という具合に、

走行序盤から苦戦を強いられています。

反省点としては、分かってたことだけど来る時期が早すぎました。

キャンプ場やお店が本格オープンするのは

春を迎えた5月から。

 

また、食料をどれだけ持っておく、行動食を切らさない、など

これまでの旅で培った勘もだいぶ鈍っておりました。

まあ、でもそんなこんな含めての旅です。

徐々に慣れていこう。

 

 

 

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