Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

カテゴリー: モーリタニア

23ヵ国目・セネガル

2019.08.29

【453日目 18,778km】

 

夏のサハラ砂漠を抜け、

モーリタニア南部から隣国・セネガルまであと少し。

引き続き南下を続けます。

 

 

 

モーリタニアの首都・ヌアクショットを発って

3日目の朝。

緑豊かな国立公園の道を走り始めます。

 

 

 

穏やかな朝の湿地帯では

牛たちものんびり。

付近には小さな集落もあるようなので

おそらく半野生化している

家畜たち。

 

 

 

 

空を映す水面でのどを潤すロバの親子、

その上を漂う水鳥。

砂漠を走り終えた先に待っていたのは

樹木が生い茂り

動物たちが暮らす

サバナ(サバンナ)地帯です。

 

 

 

水辺をバシャバシャと走って進むのは

イボイノシシ(写真左上)。

このコだけでなく、

家族連れなど合計20頭くらいは

見たんじゃなかろうか。

とにかくいっぱいいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく進むと公園のエントランスへ。

公園を走り終えようというこの場所で

入場料の¥600を取られました。

「お金取んの?」と思ったけど

すごい気持ち良い道だったから

よしとする。

 

 

 

そしてさらにガタガタの未舗装路を

進みます。

緑の数がどんどんと増えていく。

サハラとサバンナ、

異なる気候の境目を

肌で感じることが出来ています。

 

 

 

 

 

 

そして10kmほど走ったところで

モーリタニア=セネガル国境に到着。

ほんの2週間ほどの滞在でしたが、

観光地巡りをしてないぶん、

モーリタニアは

人の優しさが特に心に残る砂漠の国でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2つの国の間にまたがるのはセネガル川。

橋を渡って入国審査へと向かいます。

 

 

 

 

 

 

やってきた23ヵ国目は「セネガル」。

公用語がフランス語であるほど、

かつて植民地支配していた

フランスの影響を強く受けていながらも

国民の多くがイスラム教を信仰している国。

 

昨年のワールドカップで日本と対戦したことも

記憶に新しいこの国が、

西アフリカの旅では最後の国となります。

 

 

 

 

 

 

モーリタニア側の未舗装路も終わり

綺麗なコンクリートを

気持ちよく走り始めます。

道ばたには相変わらず

ゴミがいっぱいだけど…。

 

 

 

 

こちらに手を振ってきた子供たち。

肌の色が違う外国人は

とにかく目立ってしまいます。

人懐っこくて元気な

セネガルの少年たち。

 

 

 

 

すると今度は、前から牛の大群が。

サハラを越えてから

途端に牛が増えたけど

このあたりの牛はとにかく

つのがデカい。カッコいい。

 

 

 

 

国境から20kmほど走れば

少しづつ街のニオイが

漂ってきました。

人と車の量が着実に

増えてくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、到着したセネガル最初の町は

「サン・ルイ」。

天気はあいにくの曇りですが…。

 

 

 

この街には2泊する予定なので

ゲストハウスへ。

ドミトリー(相部屋)で

¥1,500。

モーリタニアに続き、

あまり安くはないようです。

 

 

 

到着した日に食べたのは

ヴェトナム料理“フォー”。

せっかくだから現地料理を食べねば

という意識などありません。

やっぱりアジア料理は落ち着く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やってきたセネガル北部の「サン・ルイ」。

実は国内でも数少ない

世界遺産に登録された場所なのです。

 

 

 

大西洋に臨む水辺の街は

かつて植民地としてこの地を支配した

フランス文化を色濃く残す場所。

この文化的景観が

非常に価値があるとのこと。

 

 

 

 

碁盤目状に並んだ建物は確かに

ヨーロピアンな雰囲気を醸しています。

でも、正直これで世界遺産なの?

っていう感じがしなくもないのですが。

ちょっとうす汚れた感じが

良く言えば、渋い。

 

 

 

 

 

街を歩けば

至るところで子供たちがサッカーに

熱中しています。

どこがコートかも分からないけど

みんな必死にボールを追う。

 

 

 

 

日本人だよ、と伝えると

「ホンダ!カガワ!ナガトモ!

カワシマ!̪シバザキ!・・・」

もういいよってくらい日本代表選手の

名前を連呼してくれました。

ワールドカップの名残だろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

港には何隻ものボートが停泊していました。

モーリタニアの水産業がさかんだったように

ここセネガルでも漁は重要な産業であるよう。

 

 

 

ただ残念なのは

とにかくゴミが酷い。

居住区の一画でもあるというのに

地面を埋め尽くすのは

ゴミ、ゴミ、ゴミ。

掃除をしなさい。

 

 

 

 

 

 

 

ということで

無事23ヵ国目のセネガルまで

やってくることが出来ました。

 

この調子でアフリカ大陸前半のゴールまで向かいます!

 

 

 

 

サハラ脱出!

2019.08.25

【452日目 18,715km】

 

西サハラ=モーリタニアの国境から南へとひた走り

たどり着いたのは

首都・ヌアクショット。

 

 

 

砂漠の真ん中にある

モーリタニア最大の都市はいかなるものかと

散策をすると、

これがもうゴミ、ゴミ、ゴミ。

 

 

 

ゴミを踏まずして歩くことは

不可能というほど

とにかく街中がゴミだらけ。

当然ニオイもかなりのもの。

おまけに砂埃も相当スゴイです。

 

 

 

 

そんななかでも

元気に暮らす地元の子供たち。

「写真撮ってよ」と親しげに

近寄ってきました。

さらには

お礼に僅かながら小銭を頂く始末。

 

 

 

なんでこんなに街中に捨てるんだろう

と思うけど、ゴミ処理システムは

確立してないだろうし…。

大した観光地がないことからも

「世界一しょぼい首都」なんて

言われるとか。

 

 

 

イスラム教国らしく

モスクもあります。

さすがにこの周辺は

若干ながら綺麗ではありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中心の一番汚いであろうエリアから

少し離れたところにある

ゲストハウスに滞在しました。

 

 

 

数千円の高値が続いていた

モーリタニアの宿ですが、

コチラは¥600。

砂漠の疲れを癒すため

4泊もしてしまいました。

 

 

 

水のない砂漠を走ってたので

これまで蚊はいなかったのに、

人の暮らす都市ともなれば

やっぱり奴らは現れます。

かゆくてかゆくて寝苦しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疲れが癒えたらヌアクショットを出発。

10kmほど走れば都市圏を抜け、ご覧の風景。

サハラ砂漠はもう少し続くようです。

 

 

 

ただこれまでより家の数も増え、

砂の大地に木が生えています。

もう何十kmに渡って

何もないということはなさそう。

 

 

 

 

 

道ばたのモスクで昼休憩。

この時、

弱いながら向かい風が吹いており

なかなかスムーズに進めません。

 

 

 

 

 

再び走り出すと

目の前にはラクダが。

ちゃんと左右を見て

車が来てないのを確かめてから

渡ってましたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

110kmを走って夕方、

「ティグエンド」という村に到着。

 

 

宿探しの前に飲み物を買いに商店へ行くと、

英語ペラペラな男性が声を掛けてきて

「俺んち泊まって来なよ!」とのこと。

 

 

 

イギリスで働いており数年ぶりに

帰国したという“アドゥラミさん”。

「旅人を助けるのは当たり前だよ」

という嬉しい言葉。

 

 

 

 

 

離れにマットレスを用意していただき、

ここでゆっくり休ませていただきました。

夕ご飯までごちそうになって

至れり尽くせり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

人の家にお世話になった時は

相手のお顔を忘れないためにも

記念写真を撮らせてもらうのですが、

僕が出発するときになっても寝ていたアドゥラミさん。

 

「気をつけてね、良い旅を。おやすみ…zzz」

 

起きてくれませんでした。

昨日撮っときゃよかったと思いつつ

この日も出発。

 

 

 

道の両脇にはまばらながらも

木々が立ち並ぶようになりました。

一瞬にしてではなく

少しずつ変わっていく景色を

堪能できるのは

自転車旅の良いところ。

 

 

 

気温は30℃ちょっとでしょうか。

西サハラよりも暑くはなってるけど、

路肩に小さな商店がいくつもあるので

水分補給は簡単です。

大量に水を運ばなくてもいいから

助かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

隣国・セネガルに向かうにおいて、

主要道(オレンジ)を進み

「ロッソ」という街で越境する予定だったのですが、

■国境であるセネガル川を渡るためにボートにすし詰めにされる

■入国審査の際にワイロを請求される

との悪評があったので、

外れの田舎道(青)を進んで「ディアマ」の国境を目指すことに。

 

途中、国立公園もあるので

景色もいいのではと淡い期待。

 

 

 

実際の分かれ道。

右側に行く車は少なく

多くの人が

主要道を進み

ロッソに向かっているようでした。

 

 

 

 

進んだ先には多くのアップダウンが…。

疲れは溜まるけど、

徐々に増えていく緑に心が和む。

いよいよ砂漠を渡りきろう

というところなのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、分かれ道から30kmほど。

緑の生い茂った一帯に瑞々しい湿地帯があらわれました!

 

モロッコから走り続けることおよそ2,000km。

明らかな標識なんかはないですが

この瞬間、サハラ砂漠縦断を達成したことに!

 

不安だらけでしたが、人の助けもあり

無事渡り切ることが出来ました。

 

 

 

さらに進んだ先は、

決して交通量の多い道ではないので

舗装もされておらず

牛が堂々と闊歩しています。

過酷な地帯を越えた安心感と達成感で

胸を弾ませのんびり走ります。

 

 

 

国境であるセネガル川に沿った

未舗装路が50kmにも及びます。

どのみち今日の到着は無理なので

ガタガタ道をゆっくり進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

道を外れた、あたりに人もいない所で

この日は野宿。

夜になれば十分涼しいです。

 

 

 

アフリカにも売ってます、

夏の風物詩。

水辺なのでおそらく夜は

いっぱい蚊が出てくるはず。

 

 

 

 

 

ディナーは

久しぶりのインスタントラーメン。

キャンプってくせになるもので

久々に1泊すると

次の日もやりたくなるんですよね。

 

 

 

国境までもう少し。

 

 

 

首都・ヌアクショット

2019.08.21

【447日目 18,504km】

 

掘立小屋の食堂を営むセイドゥさんとお別れした

モーリタニア入国3日目の朝。

再び南を向き始めた道路を進んでいきます。

 

 

 

南に向いたことで横風はまた追い風に変わりました。

ただ少し内陸に入ったせいか

風自体が弱め。

もっと強く吹いてほしいけど

自然にわがままを言っても仕方がない。

 

 

 

70kmほどを走ったお昼頃。

道路脇にガソリンスタンドと

小さな商店を見つけたので

ここで一休み。

 

 

 

 

 

かなり人懐こい

モーリタニアの人たち。

道中で

旅に興味を持ってくれる人に出会うと

本当に元気をもらえます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これまで涼しかったサハラ砂漠も

この日からかなり暑くなってきました。

やはり南に下りてきているからなのか。

ここにきてはじめて

夏を感じているかもしれない。

 

 

 

 

とはいえ乾燥してるし

35℃いかないくらいだと思うので

日本の酷暑に比べるとマシなのかも。

なんとかバテることなく

走ることが出来てます。

 

 

 

 

モロッコにまけない程の頻度で

軍や警察の検問があります。

毎回パスポートを出すのは手間だけど

しっかり治安維持してくれてるようで

旅人からするとひと安心。

 

 

 

 

モーリタニア軍の方と。

アフリカ系とアラブ系の人々が共存する

モーリタニアを象徴する写真です。

そこに平べったい顔をした

日本人も混ざってみる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

150km近く走ったこの日は“シャミ”の町に到着。

しかし予定していたモーテルがなんと¥7,500。

モーリタニアには安宿の概念があまりないみたいです。

 

 

 

「えー、高いよ!高い、高い!!」と

駄々をこねると

現在使っていないらしい倉庫らしき

ところで寝かせてくれました。

シャワー付きとはいえこれでも

¥1,500だし、やはり高い…。

 

 

 

夕食はまたもやチェップ。

決して食のバリエーションが

豊富ではないらしいモーリタニア。

それでも素材が良いのか

お米と魚が本当に美味しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モーリタニア入国4日目。

ひきつづきひたすら南下するのですが

この日は弱いながらも向かい風が吹いてました。

ずっと追い風って聞いてたのに話と違う…。

 

 

 

朝から気温も上がって

体力が奪われます。

どこまでもつづく砂漠を

ノロノロと走るのは

精神的にも参ります。

しんどい…。

 

 

 

昼過ぎに道ばたお家の小屋で

休憩させてもらうことに。

日陰でくつろぎながら

パンを頬張る。

 

 

 

 

 

休んでると小さな女の子が

謎の生命体の赤ちゃんを

見せてくれました。

体長2cmほどの哺乳類っぽい生き物。

「正体分かるよ」という方は

早急にご連絡ください。

 

 

 

再び走り始めますが

午後から向かい風が強くなり

走行不可能と判断。

砂漠の真ん中で

無駄に体力を奪われることは

何としても避けなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

予定の半分も満たない70kmを走ったところで

集落を発見。

小さな商店で水を買い求めると、

男の子に導かれ

大きなテントへと連れていかれました。

 

 

テントの中では、男性3人組が

村の大勢の女性に

なにやらプレゼンテーションを行っております。

こちらに気づいた男性たちは英語が堪能。

事情を説明すると今晩ココに泊めてもらえることに。

 

 

 

この時、村には

男性3人組以外がほぼ女性。

基本的に女性(特に未婚)は

撮影禁止なので

あまり村の様子を撮影出来てません。

 

 

 

 

夜は魚料理を頂くことに。

海が近いこのあたりは

「魚が美味しいんだよ」と

村の方が胸を張る一品です。

 

 

 

 

 

出てきたのがコチラ。

見た目はシンプルですが

この揚げた白身魚が絶品で

食べた瞬間に口いっぱいに

旨味が広がるんです。

アフリカ大陸暫定1位。

 

 

 

こちらのとんがり屋根の

可愛らしい小屋で寝させてもらいます。

砂漠の夜は気温が下がるけど

寒くもなく暑くもなく

快適に寝ることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、出発前の記念撮影。

 

実は、

左側の僕を挟んだ男性3人組は

エネルギー関連の外資系企業に勤めるモーリタニア人で、

付近で採れる鉱石の有用性と危険性を

砂漠の村々に説明する広報活動をされており、

昨日のプレゼンがまさにそれ。

僕と同じようにこの村に泊まられてました。

 

右側が集落のトップである女性たち。

このあたりの地域は女性の立場がかなり強いそう。

この時だけは撮影許可を頂きました。

 

 

 

 

 

 

モーリタニア出国5日目。

この日も向かい風で思うように進まない。

おかげに起伏も多い。

 

 

 

毎日風を受けて進みまくってた

西サハラがもう懐かしい。

風を貯金できたらいいのにという

よく分からないことまで考えるほど

暑いし、疲れてきてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼に到着した村で長めの休憩。

ばったり出会った村長らしき男性に

ボロボロになった学校を案内されました。

 

「日本人の力で建て替えることができないだろうか?」

無力で申し訳ない…。

 

 

 

涼しくなった夕方に

もうひと踏ん張り。

モーリタニアの海沿いに大きな街は

ほとんどなく、

この日も数軒が並ぶだけの

小さな集落を発見。

 

 

 

コチラの宿に

泊めてもらうことにしました。

どうやらこのカタチの小屋が

この地域の定番みたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モーリタニア入国6日目。

休養日をとることなく8日間も走っているので

疲労で体はボロボロ。

なかなか思うように前へ進みません。

 

 

 

それでも何とか這うように

進んでいると

数日振りに都市空間が見えてきました。

もうすぐで休める…。

 

 

 

 

 

そして国境から走ること500km。

ついにモーリタニアの

首都・ヌアクショットに到着です。

 

 

 

 

 

 

サハラ砂漠もぼちぼち終盤。

ホント、疲れた…。

 

 

 

22ヵ国目・モーリタニア

2019.08.13

【443日目 18,196km】

 

追い風の助けを受けて

どこの国でもない地域・西サハラを脱出。

次なる国の始まりです。

 

 

 

やって来た22ヵ国目は“モーリタニア”。

 

正式名称「モーリタニア・イスラム共和国」の名の通り

イスラム教を信仰する国家で、

人口は400万人ほど。

国土の9割が砂漠が占める砂の国です。

 

主要産業の1つが水産業で、

特に日本で消費されているタコの30%が

ここモーリタニア産だとか。

はたして現地で美味しいタコは食べられるのか?

 

 

 

 

道路状況の悪い国境をなんとか越えたけど

すでに15時ごろになっていたこの時は

疲れてフラフラ。

国境越えってなんとなく

神経が磨り減る場面でもあります。

 

 

 

国境から10kmほどで

東西に分かれる分岐点に到着。

予定では東側(写真左側)に

向かうつもりでしたが…

 

 

 

 

 

 

国境越えで体力を奪われていたことと

これまでの追い風が厳しい横風になることを考慮し、

疲れを癒すためにも

この日は50km先にあり

半島の先端に位置する最寄り都市“ヌアディブ”

に向かうことに。

 

また逆戻りする必要があるけど

この時は疲れて早く休みたかった…。

 

 

 

追い風に乗っかり

勢いよく半島を南下していきます。

ここ2週間ほど風ありきで走ってるから

足がなまってるんじゃなかろうか

と心配。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヌアディブに到着し、

ゆっくり休もうと安宿を探し始めたこの時

モーリタニアの厳しい現実を知りました。

 

訪ねたホテルはいずれも¥4,000越え。

 

 

もっと安いところがあるはずと

疲れた体にムチを打つけど、

街はゴミだらけで臭いし

車のクラクションはうるさいし

自転車乗りながらイライラ、イライラ。

 

 

 

なんとか見つけた最安値が

¥3,000。

モロッコでは

¥600前後で泊まれてたのに。

でも砂まみれで野宿する元気もなく

なくなくチェックイン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モーリタニア入国2日目。

もう1日休みたかったけれど

ホテルが高いので出ていかざるを得ません。

 

前日の分岐点まで北上して戻る必要がありますが

「一度走った道は交通機関で戻っても良い」

というルールがこないだ制定されたので

またもやヒッチハイクをすることに。

 

 

 

1時間近く粘ったころ

北の国境方面に向かうという

1台の軽トラが泊まってくれました。

言葉通じないけどタダでいいのかな?

タダでありますように。

 

 

 

 

荷台に自転車を乗っけると

トコトコ走り出してくれました。

風を直に感じられるオープンカーで

砂漠を突き進むのは

最高に気持ちが良いです。

砂がすごいけど…。

 

 

 

ゆっくりゆっくり進んで1時間ほど、

荷台に揺られ続けて昨日の分岐点までやってきました。

軽トラの運ちゃんはお金をせびることもなく

国境の方へと去っていきました。

(タダだ!)

 

ここからは覚悟を決めて

強い横風を受けて進まねばなりません。

 

 

 

横風と共に舞う砂のつぶてが

頬にぶつかって痛いのなんの。

追い風のない砂漠はここまで

厳しいものなのか…。

早く南に向かって走りたい。

 

 

 

 

遠くに見えるのは鉱石を積んだ鉄道。

連結車両の全長が3kmにもなる

こちらの列車は世界一の長さだとか。

確かに途切れることなく

延々と続いていました。

 

 

 

 

さらに途中では

飛行機の翼らしきものを発見。

ここで組み立てるわけはないし

何をするつもりなんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分岐点から走り始めて40kmほど。

日も傾き始めたころに集落に到着しました。

 

道ばたに建てられた掘立小屋の中に商店を発見。

冷たい飲み物を求めて向かうと

背後から一人の男性が。

「俺んとこレストランやってるから食べてってよ」

 

 

 

国境で働くセイドゥさんが家族と営む

小さなレストランにお邪魔しました。

(ただの小屋だけど…)

小さな男の子が元気で

ホントに賑やか。

 

 

 

 

でてきたのは

モーリタニア料理“チェップ”。

ご飯の上に魚と野菜がのっただけだけど

食べやすくてとても美味しい。

1人前が50ウギア(¥150)の

激安価格。

 

 

 

仲良し家族と話をしていると

今夜ここで泊まっても良い

ということになりました。

モロッコから人の誘いに

乗りすぎな気がするけどいいのかな?

まあ、いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

集落の名前は“ボン・ラヌアー”。

モーリタニア突入してからの特徴は

一度道路を外れてしまうと

とにかく砂だらけということ。

タイヤが埋まって村の中には

自転車の乗り入れができません。

 

 

 

砂漠に沈んでいく夕陽。

サハラでは

ゆっくり夕陽を拝んでなかったけど

この時は実に幻想的で美しかった。

 

 

 

 

 

1晩お世話になるセイドゥさんの食堂。

壁は段ボールで張り合わされています。

ご自宅は少し離れた

別の場所にあるそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

セイドゥさんとの1枚。

 

舞い上がる砂と値段の高いホテルで

第一印象の良くなかったモーリタニアですが、

いざ走り始めると、

心優しい人が暮らしている場所であることに気づかされます。

 

これからこの国を進んでいくのが楽しみ。

 

 

 

国境へ

2019.08.13

【441日目 18,089km】

 

西サハラも終盤に差し掛かり

一気に国境を目指して南へ下ってまいります。

 

 

 

滞在していたダフラは半島の先端に位置しており、

南下するためには

来た道を40kmも戻らなければなりません。

しかも向かい風。

 

 

この時

「一度走った道であれば

交通機関を使って戻っても良いものとする」

という都合のいいルールが制定されました。

 

ということで分岐点までヒッチハイク。

 

 

街の外れで待つこと30分ほど。

やっとつかまったのは

「¥2,000で乗っけてやる」という

おっちゃん。

少し高いけど、時間ももったいないし

お願いすることに。

 

 

 

車に自転車を積んだら

さっそく発車。

車に乗ってしまうと

風が吹ているかどうかすら

分かりません。

 

 

 

 

1時間足らずで

分岐点のガソリンスタンドに到着。

ここからサハラ縦断の本線に戻り

自力で漕いで進んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりこの日も追い風。

勢いよく背中を押してくれる砂漠の風が

なんとも心地よい。

このままアフリカ最南端まで連れてってくれたら

どれだけいいだろう。

 

 

 

途中で水や食料を入手できない

いわゆる“無補給地帯”。

この日はサハラでの最長区間

150kmが待ち構えている予定。

風に身を任せ

少しでも早く行きたいところ。

 

 

 

ところが出発から100kmのところで

地図にはなかった

ガソリンスタンドを発見。

日陰を求めて休憩させてもらいました。

 

 

 

 

 

さらに走って、

この日は170km。

道の傍らにひっそりと建つ

食堂が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時すでに18時ごろ。

店に入って少し話をすると

店主が、

「今日はもうここで寝ていくだろう」

 

 

 

前後数十kmに及んで

建物一つない砂漠のど真ん中。

これまで何人ものサイクリストを

泊めてきたというこの食堂。

旅人たちのオアシスです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダフラ出発2日目。

食堂を後にしてこの日も走ります。

西サハラの旅もぼちぼち終わり。

 

 

 

南に行くにつれ

どんどん交通量が減っています。

数十分に1台通るかどうか。

広大な砂漠の景色を独り占め。

 

 

 

 

 

80kmほど走ると昼頃には

小さな村に到着。

各町や村に着くたび

モロッコ警察や軍の検問が待ってます。

 

 

 

 

 

国境までもう少しという所で

この日は早めのチェックイン。

午後はのんびりとホテルで

休憩して過ごすことにします。

 

 

 

 

 

砂漠の数少ない宿ということで、

アフリカを縦断するバイカーに

ワゴンで世界を周る家族など

国籍や旅の手段も様々な

旅人と出会うことが出来ました。

(写真撮ってないけど…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダフラ出発3日目、

いよいよ国境越えの日です。

朝から風が強い。

 

 

 

これまでずっと平坦だったのに

この日はかなり起伏がありました。

砂漠にも色々な地形があるようです。

 

 

 

 

 

 

実質モロッコが支配する地域

“西サハラ”。

政治的には不安定らしいけど、

旅をしていて

特に物騒な様子はありませんでした。

というか人がほとんどいないし。

 

 

 

お昼前には国境到着。

出国しようとするトラックの行列が

見えてきました。

自転車も待たされるんだろうか。

 

 

 

 

越境の前に傍らにあった食堂で

腹ごしらえ。

西サハラ最後のタジンです。

肉はなんと“ラクダ”。

結構脂っこくて

豚肉に似ている印象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよ西サハラを離れる時がやって来ました。

といってもここは領有権を主張する

モロッコの管理下なので、

モロッコの出国スタンプが押されます。

トラックの脇を抜けスイスイ行かせてもらいました。

 

 

 

パスポートチェックの後、

次なる国・モーリタニアのゲートまでは

3kmほど。

ここでもトラックの行列がすごかった。

 

 

 

 

この国境間のいわゆる“緩衝地帯”が

めちゃくちゃ。

アスファルトの道が途絶えた先は

深い砂の大地。

渋滞の理由はこれでした。

タイヤが砂に埋もれて進めないんです。

 

 

 

僕も自転車で大苦戦。

国家間を結ぶ大事な道がなんでこんなに

ぐだぐだなんだろう。

もはやこの世の終わりのような

荒涼とした大地が広がってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか砂の上を押しきり

モーリタニア側の入国審査に到着。

事前申請の必要ないアライバルビザ(¥6,500)を

取得するとスムーズに入国。

 

モーリタニア旅の始まりです!

 

 

 

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