Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

ユタ州突入

2024.07.19 | アメリカ

【91日目 5,642km】

 

 

ワイオミング州ジャクソンにて

チャック&カレンさんに提供して頂いた宿で休むこと3日。

 

疲れもとれた出発の朝。

「なあリョウスケ、わしの充電器のコードとったじゃろ。返しなさい」

とチャックさん。

僕「いや、荷物確認したけどないよ。」

C「いやいや、3日も滞在してるし絶対わしのヤツ使ったはず…。」

僕「でも持ってないよ。てかチャックのタイプBじゃん。Bなんか使いませーん」

C「え?タイプBとかCとかあんの?」

僕「あるよ!もっかい身の回り見てよ」

そんなやり取りをして1時間後。

 

「ごめんごめん、車の中にあったわ」とニコニコ顔のチャックさん。

こんなやりとりは世界中でおこなわれてるんだろうなとしみじみ感じつつ、

二人に別れを告げて出発しました。

 

 

 

ジャクソンから目指すのは

「ヴァーナル」という街。

5日ほどかかるだろうか。

イエローストーンとは打って変わり

途中に見どころも特に無いようで

走るばかりの日々が続きそうです。

 

 

 

ランチは昨日の残りのチャーシュー。

ゆで卵もたんぱく源になるけど

気温がどんどん上がってきており

持ち運びには向かない。

これからは夏仕様の

キャンプ飯も考えねば。

 

 

 

遠くに見えるロッキー山脈。

カナダ北端からのお付き合いだけど

そろそろ見納め。

自転車で走るとよく分かるけど

途切れず延々と山嶺が続く

大陸ならではのスケールに圧倒されます。

 

 

 

この日悩まされたのが野営地探し。

住宅が密集した街にテントは張れず

平原広がる郊外はフェンスが敷かれ

寝る場所が見つからない。

“どこでも寝れるでしょ”と下調べを

していないのがあだとなる。

 

 

 

21時まで走り続け

やっとキャンプ場を発見。

1泊¥4,000ほどと高額。

貧乏旅において

まず節約したいのが宿泊費。

これが続くとやってられないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャクソン出発2日目。

起伏の少ない平坦な道を今日も漕ぎ進めます。

 

 

 

モンタナから続く大平原が

乾いた荒野へと変化しつつあり

耕作地も減ってきています。

見てるだけで喉が渇くような風景。

こんな景色が海のように

どこまでも続いています。

 

 

 

夕方、“ファーソン”という集落に到着。

後々知ったのですが右の建物が

地域で大評判の

アイスクリーム屋さんとのこと。

¥600と高額なのでやめたけど

食べとけばよかった…。

 

 

 

この日も野営地探しに苦労。

公園を見つけて

まずは食事をしていると

警察がじろじろ見てくるので

退散することに。

ワイオミングの野宿は難しい。

 

 

 

教会の敷地の隅で

テントの許可を頂きました。

日が長いことも野宿が難しい原因です。

もっと早く暗くなれば

どこかに隠れてできるのに、

と犯罪者になったような気分。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャクソン出発3日目。

お世話になった教会の方が、

「キリスト教に興味はあるかい?」と分厚い聖書を渡そうとしてくれます。

「いや、ちょっと荷物になるし、うーん」

「こっちのちっちゃいヴァージョンもあるよ」

「いや、僕は信心深い方じゃないし…、うん大丈夫」と言葉を濁し退散しました。

お世話になったのになんだか申し訳ない気分でございます。

 

 

 

イエローストーン以降、文字通り

雲一つない快晴が続いております。

天気を気にしなくていいのは

旅において本当に楽。

ただこれからは気温が気になるけど…。

すでに日中かなり暑い。

 

 

 

写真では見えにくいですが、

道路脇には数百kmに渡って

フェンスが延々と敷かれています。

これだけ広大なのに土地にこだわるのは

不法侵入・占有が多いからだろうか。

ヨーロッパより野宿難しいかも。

 

 

 

昼過ぎには「ロック・スプリング」に到着。

このあたりでは大きな街で

当然野宿もできそうにないのですが、

この日はここでゆっくり過ごそうという

狙いがありました。

というのも…

 

 

 

今日は7月4日の独立記念日。

至る場所で国旗が掲げられ、

夜には街中で花火が上がるとのこと。

ただ思ったほどお祭りムードでもなく

パレードもやってないよう。

普通の祝日といった印象です。

 

 

 

せっかくだから現地の人と過ごそうと思い

キャンプ場に向かうと、

なんとテントを張るだけで1泊¥9,000。

聞き間違えかと思い

「え?パードゥン?」と疑ってしまう。

これが通常価格なようです。

 

 

 

「いいもん、独立記念日なんか関係ないもん」

と行くあてもなく公園で時間を潰します。

街の規模にもよるそうですが

地方の小さなところでは

さほど大きなイベントはないのだとか。

ちょっと拍子抜け。

 

 

 

綺麗な公園で野宿もできそうになく

街のはずれの自動車修理工の方の

敷地にてなんとかテントを張ることに。

毎日人頼みでキャンプ地を探すのも

精神的に疲れるし、

なにより迷惑な気もしてくる。

 

 

 

とっぷり日も暮れた22時。

さぁ花火があがるぞ、とカメラを構えるも

「…、…。……。…、パーン。…パン」

いや、玉数少な!そして低っ!

写真すら撮れず、期待外れの

7月4日が終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャクソン出発4日目。

ロックスプリングを出ると、延々と続く長い上り坂が待っていました。

 

 

 

「フレーミング渓谷」というこの地域。

家屋は全くなく、見晴らしの良い

谷間の景色を眺めつつ

緩やかな坂を進みます。

追い越していく車も少なく

ストレスなく走れる。

 

 

 

日を避ける影など何一つない一本道。

真っ正面から走ってきたドライバーさんに

水をもらいました。

しかも、クーラーボックスで

キンキンに冷えたもの。

火照った体を気持ち良くクールダウン。

 

 

 

見下ろす渓谷にははじめて

赤土の大地を拝めました。

イメージ通りのアメリカの荒野です。

遠目から見ると

層になっているのがよく分かる。

北米ならではの自然の景観です。

 

 

 

そして夕方17時頃。

アメリカ中部のユタ州に突入。

モンタナ、ワイオミングに続く

3つ目の州です。

恐竜の化石がたくさん

発掘されることでも有名だそう。

 

 

 

「ダッチ・ジョン」という小さな町の

外れにて、人目を忍ぶ場所を発見。

日の入りは21時半ごろでしょうか、

夏至は過ぎたけれど

まだまだ日は長いようです。

暗くなる前に眠る。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャクソン出発5日目。

この日も朝から上り坂で標高2,500mの峠を目指します。

 

 

 

前日の上り坂がキツかったこともあり

ほとんど漕ぐことが出来ない…。

そんなに急な坂じゃないのに

時速4kmで押して歩く。

暑さもこたえて

もうクタクタ。

 

 

 

昼過ぎにようやく峠の頂上へ。

途中でクラシックカーの

イベントをやっていたようで

おしゃれな車がいっぱい走ったのに

そんなの写真撮る余裕がないほど

疲れ切ってました。

 

 

 

峠から一気に坂を下り

標高1,500mの地点にやってきます。

ユタ州に入って一気に気温が上がったのか

空気がもわっと暑苦しい…。

下り坂でも爽やかな

涼しい風は吹きません。

 

 

 

そしてついに「ヴァーナル」到着。

するとちょっとしたトラブルが。

マクドナルドでWi-Fiをつなぐと

事前連絡していたホストさんからメール。

「ごめん!家族の急用で街を出なきゃ。

今夜泊められないわ!」とのこと。

 

 

 

あてにしていたWarmshowerの宿泊先が無くなり焦っていたところに、

再度連絡が入ります。

「友達が泊めてくれるからそっち向かってくれ」

 

 

 

 

 

 

ということでやってきたのが

「ジャレドさん」のお宅。

急なお願いにも関わらず

庭先のRV車に水と電気を通して

泊まれるようにしてくださいました。

素晴らしいホスピタリティ。

 

 

 

5日間走行が続いたので

到着翌日はお休み。

涼しいお家で

のんびり休ませてもらいました。

アメリカ入ってから

街をじっくり見てない気がする…。

 

 

 

 

 

 

貴重な週末にお邪魔させてくださった

ジャレドさんご一家。

仲良く明るい皆さんでした。

 

自転車乗りのコミュニティサイト“Warmshower”。

ほどほどに使っていこうと思っていましたが、

時にキャンプ場ですら¥5,000を超えるアメリカでは

大いに頼ってしまっています。

 

 

 

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