Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

カテゴリー: フランス

情熱の国・スペイン

2019.05.23

【357日目 14,113km】

 

 

強風のサイクリングで疲れ果てた体を癒したら、

再び海岸線を南へと下っていきます。

 

 

 

モンペリエの街を離れると

また海沿いにはいくつもの池がある湿地帯が広がっています。

青空の下、平坦な水辺を走るのがなんとも気持ち良い。

 

 

 

ふと横に目をやると

たくさんのフラミンゴたちが。

穏やかな水面に立つ

ピンクの鳥の群れの姿は

とても優雅。

 

 

 

 

道の脇には牧場がいくつもあり、

カマルグの地域では半野生化している

気品ある白い馬たちが。

世界の中でも最古といわれる

品種だそうです。

 

 

 

 

道を進んでいると

今度は空を舞うフラミンゴたち。

なかなか近づくことはできませんが

日本では野生のものを

見ることができないので

かなり新鮮。

 

 

 

この日はカマルグの自然公園で

吹き荒れた暴風が止んでおり、

のんびり海辺のサイクリングを

楽しめました。

起伏もないし気持ちが良い。

 

 

 

 

 

 

 

途中で休憩に寄ったスーパーで出会った

イタリア人サイクリストの“ロベルトさん”と一緒に

キャンプ場で1泊。

フランスの旅もあと100kmほどで終了です。

 

 

 

カバンの中に1週間ほど入れてた

トマトソースでパスタ。

腐ってるかどうかの瀬戸際だったけど

残念ながらお腹壊しました。

トマトソースは

お早めにお召し上がりください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる日も南に向かって漕ぎ出します。

湿地が広がるこのあたりは道も平坦で漕ぎやすい。

 

 

 

幹線道路から外れているので

対向車もほとんどおらず

とても快適に走ることができました。

フランスはほとんど

田舎ばかり走ってます。

 

 

 

 

水辺にいるのはフラミンゴだけでなく

沢山の種類の鳥たちが集まります。

エサが欲しいのか

人間を見ると寄ってくるヤツら。

 

 

 

 

 

ひざを痛めているロベルトさんとは

途中でお別れ。

再び1人になると

黙々と海岸を南に進んでいきました。

 

 

 

 

 

国境まで数十kmというあたり。

平坦な湿地帯も終わり

起伏の多い山が連なる

地域に差し掛かってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

あと1つ山を越えれば国境という所で

この日もキャンプ場にチェックイン。

ディナーはプロヴァンスで出会った

ミツコさんからいただいた

たらこスパゲッティ(生風味)。

 

 

 

(生風味)ってなんだろう?

と思いつつ調理してみると

これがまた美味しい。

茹でたパスタにあえるだけ。

これも立派な日本食です。

 

 

 

 

夏に向かっているヨーロッパ。

なかなか日が沈まないので

9時前ごろまでずっと明るい。

キャンプの時は雰囲気出ないし、

早く暗くなってくれた方が良いのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は出発と同時に山登りが始まります。

車の通らないひっそりとした道を

時に自転車を押しつつせっせと登る。

 

 

 

海辺から一気に峠の上まで

登ってきました。

国境にまたがるピレネー山脈の

東端にあたるこのあたりは

圧巻の景色です。

ただ山頂だけあって風がすごい。

 

 

 

 

 

 

峠がそのまま国境になっていました。

 

ほとんど人の通らない山道なので

看板も何もないけれど

ここから20ヵ国目となる「スペイン」の旅が始まります!

情熱の国はどんな出会いを与えてくれるのか。

 

 

 

国境を越えると

緩やかな下り坂が数十kmに及んで

続いていました。

天気が崩れそうなので

少し急いで先を目指します。

 

 

 

 

急ぐあまり間違って

高速道路に侵入してしまいました。

料金所をこっそりくぐって出るとき

非常ベルみたいなのが鳴って焦ったけど

誰も追いかけてこないのでセーフ。

もう罰金なんて払いたくない…。

 

 

 

 

 

 

国境から70kmほどの「ジローナ」という街。

 

予定していたキャンプ場が見つからず途方に暮れていると

雨が降ってきたので、

近くの農家さんに相談すると

ビニールハウスにテントを張ってもいいということに。

 

 

 

暖かいし、雨も防げるし、

予想以上に快適なキャンプ場所を

発見です。

でも夏場は暑そう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明けると

うってかわって晴天が広がりました。

 

フランスと隣り合ったスペイン北東部の

このあたりはカタルーニャ地方。

最近よく、独立を巡った論争が話題になっている所です。

 

 

 

山間部から海辺に出ると

また道は平坦になります。

この日は南西に向かい

海沿いをただただひた走りました。

 

 

 

 

 

ジローナのビニールハウスから

100kmほど走った夕方、

ビルが増え交通量も多くなり

都会のにおいが

プンプンしてきます。

 

 

 

 

 

 

 

そして、フランス・モンペリエから走ること4日。

スペイン随一の大都市

「バルセロナ」に到着です!

 

 

ラテンの大国を走り出す前に

この街でしばらくのんびりしまーす。

 

 

 

暴風ふたたび

2019.05.18

【350日目 13,696km】

 

 

プロヴァンスの新緑を駆けた抜けたあとは、

再び海岸線へ戻り

西へと向かいます。

 

 

 

ホストのフローレンスさんとミツコさんが

見送りの際に告げてくれた

「今日と明日は、風が強いよ。明日は特に!

このあたりの風はホントに強いんだからね!!」

という言葉。

 

このときは「まあ、何とかなるでしょ」と

さほど気にも留めず

穏やかな景色の中走り始めました。

 

 

 

 

 

 

海のほうへ向かうとほとんど起伏はなく

快調に走って、お昼過ぎには60kmを走って

「アルル」の街へ。

 

 

 

プロヴァンス地方の中でも、

美しい街並みが人気で

多くの観光客が訪れるアルルの街。

昔ながらの街並みが残っています。

 

 

 

 

 

中心部には

大きな円形闘技場がありました。

かつてヨーロッパを広く治めた

ローマ帝国の遺産です。

 

 

 

 

 

かの有名な画家ヴァン・ゴッホが

愛したことでも有名なこのアルル。

名画「夜のテラス」の題材となった

カフェが現在でも残っていました。

こういうとこでフランスだなぁと

実感します。

 

 

 

フランスでは自炊ばかりだったので

記念にこのカフェに入店。

このあたりで有名な

水牛の煮込み料理を頂きました。

そりゃもちろん美味しいけど

値段は¥2,000、…高い。

 

 

 

街を数km離れると

ゴッホ作「アルルの跳ね橋」の

題材になった橋。

偉大な芸術家の感性をくすぐるのが

プロヴァンス地方の風景です。

 

 

 

 

 

 

 

アルルの街を離れると

そのまま南のほうへと下っていきます。

 

 

 

アルルから南に20kmほど下った

「カマルグ」と呼ばれる一帯は、

海水と淡水の混ざった大きな池が

いくつもある湿地帯となっており

自然公園として保護されています。

 

 

 

 

この湿地帯に集まるのは

たくさんの鳥たち。

春のこの時期には

フラミンゴがやって来ていました。

(遠くて見えづらいですが

白い点がフラミンゴです。)

 

 

 

一部区域が鳥たちの

保護観察地域となっており

有料で立ち入り出来るように

なっていました。

湿地の横に建てられた小屋から

スナイパーのように鳥たちを覗きます。

 

 

 

期待に胸を膨らませ

いよいよ覗いてみますが、

1羽たりともいませんでした。

鮮やかなピンクのフラミンゴはどこ?

時間帯が悪かったのか?

 

 

 

 

鳥たちが立ち寄りやすいように

人間の手によって整えられた静かな池。

僕が鳥なら思わず立ち寄りたくなるけど

残念ながら来るタイミングを

間違えたみたいです。

仕方ないけど、やっぱり残念…。

 

 

 

 

 

 

この日は自然公園の近くにあるキャンプ場へ。

設備の整った最新のキャンプ場だったらしく

1泊なんと¥2,000。

 

「もっと安くしてシルブプレ」と交渉するも

値段が変わるわけもなく、

他のキャンプ場を探そうかと悩んでいたところに

とある女性が声を掛けてくれました。

「私たちの借りてる敷地に一緒に泊まりなよ。

人数増えてみんなで割ったら安くなんじゃん」

 

娘さんと2人で写真のバスに乗って

カマルグに遊びに来ていた「マリエルさん」。

かつてのスクールバスをキャンピングカーに

改造してしまったファンキーなフランス人お母さんです。

 

 

 

車内はさすがに広々としていて

もちろんキッチンも付いています。

ベッドもあるし

こんなバスに乗って旅ができたら

本当にどこまでだって行けそう。

 

 

 

 

お言葉に甘えて

晩ご飯までご馳走になることに。

民家だけでなくキャンプ場でも

人のお世話になるとは…。

つくづく人の優しさに感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、テントで夜を明かした翌朝。

深夜未明からやけに強い風が吹いてたのですが

朝になっても吹き止んでいませんでした。

 

ただキャンプ場に2泊するのも嫌なので

覚悟を決めてペダルを漕ぎだします。

 

 

 

広大な湿地帯はどこまでも続いており、

大きな池に挟まれた1本道を

強風の中かろうじて前に進みました。

ただあまりにも強い風に

漕いでも漕いでもほとんど進まず

1時間近く走って3kmがやっと。

 

 

 

 

 

 

この日、あたり一帯に吹き荒れたのは

「ミストラル」と呼ばれる

この地域特有の風。

アルプス山脈からローヌ川流域に強く吹き降ろす風は

時に時速100kmにもおよび

1日中吹き止まないどころか数日続くこともあるそう。

 

 

「このままじゃ今日の予定距離は進めないな」と

思い始めた矢先、

さらに風は勢いを増して

ついにまったく前進できなくなりました。

 

これ以上は進めないと判断してUターンすることに。

今度は背中から吹く風に押されて

ペダルを全く漕いでないのに時速は30kmにも達するほど。

 

しかし、風の向きは一定でなく

時に横からも吹いてくるので走行は実に不安定。

ついには突風に煽られ

「ギャンッ!」と自転車ごとひっくり返されてしまいました。

 

 

 

「もうやだ、自転車なんか漕ぎたくない」

と乗っけてくれるトラックをあてもなく待ち続けることに。

 

しかし、待てど暮らせど自動車1台すら通らないので

とりあえず落ち着きを取り戻すためにも

一度キャンプ場に戻ることに。

 

 

 

あいかわらず吹き続ける強風のなか

お昼過ぎごろなんとかキャンプ場に戻ると、

そこには昨晩一緒に泊まったマリエルさん母娘がまだいました。

 

「ちょうどアンタの話してたことなの、

こんな風のなか自転車漕げるわけないわよ。

風が落ち着くとこまで送ってくわ。」

 

何とか前へ進む方法が見つかったと安堵しつつ

自転車を積んでしばらくバスに揺られました。

 

 

 

 

 

キャンプ場から

20kmほど進んだところで

降ろしてもらい、親子とはお別れ。

風も若干ながら弱まっており

再び西へと進み始めます。

道路横の池にはフラミンゴがのんびり。

 

 

 

湿地帯を抜けだすと主要道路に合流し

遅れを取り戻すかのように

ペダルをグルグルまわして

すっ飛ばして走ります。

休憩もとらず

ただただ前に進みました。

 

 

 

 

 

 

たどり着いたのはモンペリエの街に住む

Warm Showerのホスト

「アンソニーさん&ジェラルディンさん一家」のお宅。

 

事前に「この日に着くからね」と連絡していたので

なんとしても到着しておきたかったんです。

 

 

 

3人の子供がいるアンソニーさん一家は

家族みんなで世界各国を

自転車で旅してきた自転車家族。

今年の夏もヨーロッパを回るそうです。

英語もばっちりの子供たちは

元気で本当に良い子たち。

 

 

 

滞在中はフランスの家庭料理を

たっぷり堪能させてもらいました。

この日のメニューは「ラタトゥイユ」。

一緒に料理させてもらって

各国のご当地レシピ盗みまくってます。

これも旅の醍醐味。

 

 

 

滞在中ずっとお家のごはんを

ご馳走になってましたけど、

冷蔵庫にあるものでぱぱっと

簡単につくる料理が

どれも凄く美味しいんです。

恐るべしフランス料理。

 

 

 

天気が悪かったこともあって

結果的に3日間もお世話になりました。

しかもほぼ外には出ることなく

ずーっと家でまったり。

おかげでプロヴァンス地方からの

疲れもすっかり癒えました。

 

 

 

 

 

 

大陸を渡る自転車旅の楽しさと辛さを知る者同士

たっぷり旅の話を楽しませてもらいました。

 

アンソニーさん一家

素敵な時間をありがとう!

(長女はスペインに修学旅行中)

 

 

 

クロアチアで見舞われた強烈な季節風・ボラにも劣らない

フランスの「ミストラル」。

ここまでの暴風に再び襲われるとは予想もしていませんでした…。

 

 

過酷な自然に翻弄されながら、

出会う人の優しさに癒されながら、

まだまだ旅は続きます。

 

 

 

南仏プロヴァンス

2019.05.14

【348日目 13,503km】

 

 

ニースにてオルダさん一家とはお別れ、

またひとり旅が始まります。

 

 

 

ニースでは1日だけ休暇を取りました。

 

海辺の風が気持ち良い街ですが

いかにもリゾート地といった様子で、

ズンズン鳴ってる音楽に身を揺らせ

お酒をグイグイ飲むような人たちの場所なので

貧乏な旅人が寄り付くには場違いだったように感じます。

 

ということで

ニース名物の延々と続く海辺を走りながら出発。

 

 

 

そのまま海岸を進めば

映画祭で有名な「カンヌ」や

南フランスの大都市「マルセイユ」を

訪ねることもできたけど、

リゾート地はお腹いっぱいなので

山へと入り込んでいきます。

 

 

 

海岸部から内陸へ移動する際には

山を越えなければなりませんでした。

傾斜は緩やかですが

登りがどこまでも続いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

70kmほど走ったこの日、

山奥に湖を発見。

久々にキャンプ場ではない

完全なる“野宿”をすることに。

 

 

 

4月下旬のフランスでは

日がとっぷり沈みきるのは

夜の9時頃なので

8時なんてまだまだ明るい。

料理をしながら湖畔の静寂を

1人占めしてやりました。

 

 

 

この日の朝まで

賑やかなニースに滞在してたので、

改めて

静かな自然の尊さを感じつつ

テントの中眠りにつきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと

湖はもやがかかって何とも幽玄な雰囲気。

 

ただ山を越えたことで

海辺に比べて気温が下がってしまったので

少し風邪気味に…。

ゆっくり休める場所もないので覚悟を決めて進んでいきます。

 

 

 

イタリアから国境を越えてすぐ

フランス南東部のこのあたりは

「プロヴァンス」といわれる地域。

広大な土地の遠くに山がそびえる

一帯はワインが有名。

日の光が気持ちよく降り注ぎます。

 

 

 

日が高くなるにつれ

気温も上がって来たけれど

少しづつ体に悪寒が…。

朝の気温の低下が確実に影響してます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということでこの日はわずか40kmほどを走って

「ドラギニャン」という町のキャンプ場に

早めのチェックイン。

 

体調悪いし安宿とろうかなとも思ったけど、

最低でも¥6,000からなのでやっぱりテント泊です。

 

 

 

体を温めるため

パスタのクリーム煮。

イタリアを脱出しても

まだまだパスタ生活は

続いていくんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、体調は改善しないものの

悪化はしていないのでなんとか進みます。

走れば治ると信じる。

 

 

 

この日も雲ひとつない青空が

広がりました。

気だるい体にムチ打って

なんとか前に進んでいきます。

 

 

 

 

 

小さな村が点在している

プロヴァンスの道。

ローマを目指して走った

イタリア・トスカーナを

思い起こさせます。

 

 

 

 

この日もキャンプ場へ。

走っている最中は

アドレナリンが出てるから

なんとか気力を保てるけど

走り終わる頃には疲れが

どっと押し寄せて倒れそうになります。

 

 

 

しんどい時こそ

しっかり食べるようにしてます。

とにかく野菜を鍋に放り込んでしまえば

栄養は摂れる。

しっかり食べたらしっかり寝る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニースを出発してから4日目。

この日には目的の場所へ到着する予定。

 

 

 

色鮮やかな花が咲き乱れる

プロヴァンス地方。

このあたりイメージ通りの

フランスといった感じです。

優雅な気分でのんびり

ペダルを漕いでいきました。

 

 

 

峠を越えた向こうに見えたのは

家々が身を寄せ合う町「ボニュー」。

プロヴァンスにはこのような

山の上に砦のごとくつくられた

町がいくつも存在しています。

 

 

 

 

上から見下ろすと

土色の瓦とその向こうに広がる緑が

目の前に広がります。

しばらく海ばかり眺めてたから

山の景色がとても新鮮で落ち着く。

 

 

 

 

ボニューの町を下りて

さらに西へ。

田舎にもこのような自転車専用道が

整備されているフランス。

イタリアにも負けない

さすがの自転車先進国です。

 

 

 

 

 

 

そしてプロヴァンス地方の西の端、

「キャブリエール」という小さな村で迎え入れてくれた

Warm Showerのホスト“フローレンスさん”のお宅へ。

フランスで地元の方のお家へお邪魔するのは

これが初めて。

 

 

 

到着するとさっそく玄関先のポーチで

夕食をご馳走に。

「フランス料理じゃなくてごめんね」

と食べさせてくれたのはボロネーゼ。

イタリアが近いこともあって

やはりパスタは日常食みたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

到着の翌日、フローレンスさん宅から

ひょいと出かけたのは

プロヴァンス地方で最も楽しみにしていた場所

「ゴルド」。

 

前日に訪れたボニューと同じように

山上に多くの家々が密集したこの地域特有のつくりで、

これらは“鷹の巣村”などと呼ばれているそう。

 

その鷹の巣村の中でも

最も形が綺麗といわれ、

国内外から多くの観光客を集めているのが

このゴルド。

“フランスで最も美しい村”と形容されることもあるそうです。

 

 

 

離れてみれば美しいのですが、

村の中に入り込んでしまえば

ホテルやお土産ものが並ぶ

ごく普通の村でした。

絶景は遠くから見るもの。

 

 

 

 

村の高台からはプロヴァンスの

緑地が広がっている様が

よく見渡せます。

結構起伏もあって

よくここを漕いできたもんだと

我ながら感心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなプロヴァンスの片田舎でのめぐり会いについて。

 

フローレンスさんのお家に

到着した日の夕食時の会話。

 

「日本に帰りたくなることないの?」

「帰りたいとは思わないけど、日本食が恋しくなるときはあるよ」

「それならこの近くに日本人住んでるわよ!」

 

 

ということでフローレンスさん夫妻と歩いて向かったのは

フランス人の旦那さん、息子さんと一緒に

現地で暮らして15年にもなるという

京都ご出身の“ミツコさん”のご自宅。

 

久しぶりに飲むカルピスに大興奮し、

さらに翌日の昼ご飯をご馳走になることに決定。

 

 

 

白ごはんに味噌汁、梅干しなどなど

レストランとは違う

家庭ならではの日本食を

ご馳走になりました。

最初みそ汁を口に含んだ時の

感動が忘れられない。

 

 

 

さらにデザートには

「パウンドケーキ

~プロヴァンスの小豆を添えて~」

を頂きました。

母国の味に取って代われるものなんて

ないですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちら、お世話になったホストのフローレンスさんご夫妻。

 

離れて住む息子さんたちもみんな

自転車に乗って旅をするのが好きな

サイクリストだそう。

 

 

 

かつてはパリに住んでいたけど、

現在はプロヴァンスで

悠々自適のスローライフを

送ってらっしゃいます。

仲の良い穏やかなご夫婦でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発の朝、見送りにきてくれた

ミツコさんとミキオくん(息子さん)と一緒に。

 

旅をする日本の方とはよく会いますが

現地で暮らす方とお会いすることはなかなかありません。

 

住んでいるからこそ分かるフランスの事情など

面白いお話を色々聞かせてもらいました。

 

さらに、

伸び放題になっていた髪もさっぱり散髪してもらいました。

(写真じゃわかりにくいけど…。)

 

 

出会いは予想できないから面白い。

この調子でフランス進んでいきます!

 

 

 

サイクリスト家族

2019.05.9

【343日目 13,226km】

 

 

イタリア最後の都市ジェノヴァで

体を休めて、ジェノヴェーゼをたっぷり堪能した後は

いよいよ次なる国フランスへと向かいます。

 

 

 

ここから数日間とにかく海沿いを走っていく行程。

内陸側には山がずらっとそびえているので

海岸沿いの道を走らざるを得ない

という具合です。

 

 

 

割と起伏があって交通量も多いのですが

サイクリングの定番コースらしく

自転車専用道が

かなり整備されていました。

歩行者の方にさえ気を付ければ

かなり快適。

 

 

 

イタリアももうすぐお別れなので

ランチは奮発して「海鮮パスタ」。

一口食べた途端、

口いっぱいに広がるのは

地中海の香り。

イタリアの食と離れるのが寂しいです。

 

 

 

 

 

 

ランチを済ませて

引き続き走り始めた路上で出会ったのは

大きなバッグを携えたサイクリストの集団。

 

これまでに多くのサイクリストと出会ってきましたが、

この時に出会ったのはなんと

ご夫婦2人にお子様連れ(男の子)の4人家族!

 

小っちゃい子のほうにいたっては

コロコロ付きの自転車に乗ることもままならないらしく

お母さんの後ろにちょこんと座っていました。

 

 

 

半年近くかけて

ヨーロッパを周遊しているという

チェコからお越しの

「オルダさん一家」。

前日にアルプスの高嶺から

降りてきたばかりだそうです。

 

 

 

同じくフランス方面へ

向かって走るということで

しばらく一緒に走行することに。

ひとり旅の身なので

誰かと一緒に走るのは

本当に久しぶり。

 

 

 

一人前に自転車を漕ぐ長男くん。

坂道や車の多い道は

お父さんとゴムひもを繋いで

必死についていきます。

6歳で毎日数十km走るのは

信じられない。

 

 

 

休憩がてら浜辺によると

子供たちはパンツ一丁で水遊び。

その日の気温にかかわらず

海があればどこでも入りたがるそう。

子供のエネルギーってホント

尽きることがないですよね。

 

 

 

さらに毎日欠かせないのがアイス休憩。

食べさせないと

子供たち泣きわめくみたいです。

「毎日2人分って馬鹿になんないから」

ってお母さんもぼやいてました。

 

 

 

 

自分一人の世話しながら

旅するだけでも大変なのに、

小さな子供2人連れてなんて

想像もつかないです。

まあ、こんな可愛い笑顔見せられたら

疲れだって吹き飛ぶけど。

 

 

 

 

 

 

夕方にはキャンプ場へ。

大人数のほうが若干割安になるなんてメリットもあるんです。

一家の大きなテントの隣に張らせてもらいました。

 

 

 

オルダさんたちも

食事はパスタ。

ヨーロッパにいる限り

一番安くて手軽なメニューであることは

間違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくる日も朝から

オルダさんたちと元気よく走り始めます。

 

 

 

ジェノヴァ以西に大きな都市はなく

のんびりとしたほどほどの住宅街が

延々と広がっています。

オルダさん達がいなかったら

退屈してたかもっていうような道。

 

 

 

 

公園で休憩。

写真にはうつってないけど

左側で遊具を巡って

壮絶な兄弟げんかが勃発しており、

後ほど2人ともお母さんに全力で怒られ

大泣きすることになります。

 

 

 

小さな頃に

何か国も渡る壮大な冒険をした子供は

どんな大人になるんだろうか。

この子たちの将来がすごく楽しみ。

なんてこと考えながら

後ろから眺めて走ります。

 

 

 

この日も前日同様キャンプ場へ。

やはりどのサイクリストに聞いても

沿岸部での野宿は難しいらしく

テント泊でもお金を払わざるを得ない

状況です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルダさん一家と出会って3日目。

キャンプ場を出ると

さっそく登り坂を上っていきます。

 

 

 

そして坂を下った先に待っていたのは

イタリア-フランス国境!

18ヵ国目となるフランスに突入です。

 

 

なお、EU圏内の26ヵ国が加盟する

“シェンゲン協定”というものがありまして、

加盟国間はパスポートの査証なしで

自由に行き来できるという取り決めがあります。

 

しかし同時に、

「外国人は加盟国内での連続滞在期間は90日まで」

というルールもあり

僕がスイスやドイツへ足を延ばさず

最短ルートでヨーロッパを抜けようとする理由もここにあるのです。

 

物価が高いのでどのみち長くも居たくはないんですけど…。

 

 

 

フランス最初の街はメントン。

しばらく海沿いの似たような

リゾート地が続いてるので、

国の違いなんてものも

あまり感じられませんが。

 

 

 

 

僕1人でいても

写真パシャパシャ撮られるのに

家族連れとなればそりゃしょっちゅう。

いままで何人の人のスマホに

自分の写真が収まっただろうか、

というくらい撮られてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリア-フランス国境からわずか10kmあまり走ると

何と次なる国にたどり着いてしまいました。

 

 

中世の都市国家として生まれ、

現在も地中海沿いに存在する「モナコ公国」。

国連加盟国としては世界最小の国家です。

(バチカン市国は正式加盟していません。)

 

 

 

ヨーロッパ各国の富豪たちが別荘を持つことでも有名で

海沿いに高層ビルが立ち並んでいました。

いわゆる「タックス・ヘイブン」といわれる国なので

みんなモナコで資産をごそごそしてるみたいです。

 

 

 

中心にあるモンテ・カルロ地区には

綺麗な浜辺やカジノがズラリ。

絵に描いたようなバカンス地です。

 

 

 

 

 

 

モナコといえば

世界的に有名なF1レース

「モナコグランプリ」。

コチラはテレビ放送でも見たことがある

下り坂の急カーブ、

「ローズヘアピン」。

 

 

 

常設されている縁石には

タイヤ痕がしっかりと残っています。

一般車両がこんなに

乗り上げないと思うのでやっぱり

レース中に付いた痕でしょうか。

 

 

 

 

ローズヘアピンを下った海沿いの車道。

この低いトンネルも

レースカーが猛スピードで走るの

観たことあります。

まさか自転車で走ることになるとは。

 

 

 

 

毎年5月に開催される

モナコグランプリ。

今年もシーズンが近づいているので

観客席が着々と準備中でした。

改めてF1中継を観るのが

楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

30分ほどモナコ市街を走ると

またフランスに戻ります。

かなり海岸沿いの起伏が激しいですが

一家はせっせと上る。

僕は後ろからついてってるけど

1人の時とペースほぼ変わりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日の夕方、イタリアとの国境から30kmほどにある

海岸リゾートで有名な「ニース」に到着。

 

そして、引き続き海沿いを進むオルダさん一家とも

ここでお別れ。

楽しい3日間をありがとうございました、

これからも気を付けて旅を続けてください。

(お別れ記念に写真撮ればよかった…。)

 

 

 

この「ニース」。

2016年7月に残虐なテロ事件の

現場となってしまった場所です。

今はそれを微塵も思わせない

賑やかで明るい雰囲気。

 

 

 

 

 

 

 

オルダさん一家に続いて

引き続き海岸にそって進む予定でしたが、

リゾート地ばかりが続くので予定変更して

山へ向かうことにしました。

 

その前に疲れたのでニースで休憩します!

 

 

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