Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

猛吹雪

2019.01.10 | トルコ

【231日目 8,638km】

 

 

カッパドキアでのんびりと年末年始の休みを過ごした後は、

再び自転車にまたがり西へと向かいます。

 

 

いよいよ2019年の走り始めと意気込んだこの日は

朝から強い風と雨。

出発を遅らせて

天気予報を確認しつつ空模様をうかがっても、

これから数日間天気は安定しないようなので

腹をくくって小雨のなかいよいよ出発しました。

 

 

 

道は決して過酷ではないものの

強い風のせいで

思うようにペダルを漕げません。

さらに時折強まる雨のため

休みを取りつつ

ゆっくり進みました。

 

 

 

予定の半分も走れなかったこの日は

「ハシベクタシュ」という

小さな田舎町で一泊。

通りを歩いても

誰一人すれ違わない淋しい町でした。

 

 

 

 

 

 

 

明くる日も曇天の下を走り始めます。

寒いし、気持ちのいい天気ではないですが

雪が降ってないのが救い。

 

 

 

走り始めてわずか3kmのところで

サドルに違和感を覚え、

自転車を確認してみると

およそ4カ月ぶりのパンク。

脇に建つ民家の軒下で

ささっと修理させてもらいました。

 

 

 

前日に到着予定だった

「クルシェヒル」に着きここで一泊。

トルコの田舎では1,000円前後で

割に良いホテルに泊まれるから

助かってます。

 

 

 

 

 

 

 

大変だったのが

カッパドキアを出発してから3日目のこと。

走り始めにパラパラと降っていた雨は

気がつくと雪に変わっていました。

 

 

この日走行予定の100kmをこなすために

急がねばとペダルを踏みしめますが

50kmを走った昼前ごろに状況は悪化。

猛吹雪に見舞われ、視界はほとんど奪われました。

 

 

 

みるみるうちに雪は積もっていき、

さすがに走行不可能と判断して

自転車を押しながら

助けを求めてたどり着いたのは小さな村「ハミット」。

 

 

 

ひと気のない村の通りを歩くと

ある建物に中年の男たちが集まっており

「ここで休んでけ」と、

声を掛けてもらいました。

 

 

 

 

 

建物の中に足を踏み入れると、

何やら無数の大人たちが

テーブルを囲んでおり

かなり活気が溢れています。

 

 

 

 

 

そこにいる人たちは皆

麻雀のような遊びに興じており、

どのテーブルも満席。

いわゆる“雀荘”のような所で

順番待ちの人もいるほどの

大賑わいでした。

 

 

 

キョトンと立ち尽くしていると、

「これに着替えろ」と

雪でびしょ濡れになった服の替わりを

用意してくれたり

昼ごはんまで食べさせてくれたりと

まさに至れり尽くせり。

 

 

 

ギャンブルに没頭する男たちの

ダーティな遊び場で出会ったのは、

トルコの心優しき

ジェントルマンたちでした。

平日の昼間から

ずっと遊んでたけど…。

 

 

 

 

 

 

そんな雀荘(らしき場所)で出会ったのは

近くに住む“トールガさん”。

「今夜はウチで泊まっていいよ」と、

優しく迎え入れてくれました。

 

 

 

同居する

おじいちゃん、おばあちゃん

との夕食。

思えばトルコで

地元の方の手料理をご馳走になるのは

はじめてのこと。

 

 

 

真ん中に座るのが

“トールガさん”。

雪に埋もれた小さな村で

ゆっくり穏やかな時間を

過ごすことがました。

 

 

 

 

経験したことのないような猛吹雪の中

1人ぽつんとたたずみ

一時はどうなることかと思いましたが、

そんな状況だからこそ与えられる

素晴らしい出会いってものがあります。

 

 

寒さはまだまだ厳しいけれど、

なんとか進んでいけそうです。

 

 

 

1年のはじまり、カッパドキア

2019.01.9 | トルコ

【227日目 8,473km】

 

 

パムッカレでの観光を終え、

再びバスに乗って“カッパドキア”に戻ってきました。

世界屈指の絶景を堪能しつつ

年を越すことにします。

 

 

 

ウネウネ、ニョキニョキと

不思議な形をした奇岩が

あたりに広がるカッパドキア。

 

 

 

 

 

 

火山の噴火によって

堆積した地層が

数万年という年月をかけ

風化、侵食され

この地が形成されたそう。

 

 

 

 

 

 

パムッカレから戻ると、

自転車で到着した時とうって変わり

奇岩群が雪をかぶっていました。

この時期ならではの貴重な風景です。

 

 

 

6,000~8,000年前には

人類が居住しはじめていた

といわれるカッパドキア。

岩肌には無数の穴があり

洞窟住居の形跡が残っています。

 

 

 

 

視界に収まる程度の広さだと

思っていたのですが、

じっくり見て回ると

バスに乗っても

とても1日では足りないほど。

 

 

 

 

奇岩群のなかに

ひっそりたたずむ

通称“ラクダ岩”。

ほかに

アザラシやライオンもいます。

 

 

 

 

 

 

世界遺産に登録されているカッパドキア。

実は、自然景観だけでなく

文化的価値もあわせ持った複合遺産として登録されています。

 

 

 

キリスト誕生直後の

2,000年前ごろ、

現地に根ざしていた土着の宗教を

押しのけるようなかたちで

定着したキリスト教。

 

 

 

地理的に、

イスラム勢力との衝突が多かったこの地域。

キリスト教徒は逃げ隠れるように

岩の中を暮らしの場として選びました。

 

 

 

教会や修道院、住居など

当時の生活を物語る遺跡。

現在、残っているのは

11世紀ごろに

建てられた(掘られた)

ものだそうです。

 

 

 

洞窟の中の壁には

藍やクルミを染料とした

色鮮やかな“フレスコ画”が

描かれています。

絵にダメージを与えないため

残念ながら撮影禁止でした。

 

 

 

 

 

カッパドキアの中心に位置し、

ホテルが密集していて観光の拠点になる町が

“ギョレメ”。

 

 

 

レストランや旅行会社など

世界各地からやってくる観光客を

ターゲットとしたお店が

ひしめき合っていました。

 

 

 

 

 

 

町中を歩いていても

そこら中に大きな岩が

ズシンとあらわれます。

 

 

 

 

 

 

かつての洞窟住居も

現在はその多くが

旅行者を迎えるためのホテルへと

改築されています。

 

 

 

 

宿泊したホテルの相部屋。

岩を掘っているので窓はなし。

ヒンヤリして寒いのかと

思ってましたが、

保温性があるのか意外と

暖かったです。

 

 

 

 

 

カッパドキアの名物料理

“テスティケバブ(壺焼きケバブ)”。

ふたのついた壺を

トンカチでパッコンと割ります。

 

 

 

 

 

中から出てくるのは

肉と野菜の煮もの。

羊肉、鶏肉もありますが

このとき食べたのは牛肉。

串焼きのケバブにくらべマイルドで

寒い季節にぴったりの1品です。

 

 

 

 

 

ギョレメ滞在中にお世話になっていたのが

ムラートさんと日本人・りょうこさんの

ご夫婦が営む旅行会社 “Bridge Of The World”。

 

 

日本で出会ったお二人が4カ月ほど前にはじめたお店には、

沢山の日本人旅行者の方が

観光ツアーや気球などのアクティビティーを

申し込みにやってきていました。

 

 

貧乏旅行ゆえに

いくつものツアーには

参加できなかったにもかかわらず、

訪れるたびチャイでもてなしてもらい

すっかりくつろぎの場となりました。

 

 

 

 

大晦日の夜には

元コックでもあるムラートさんの

手料理をごちそうになりました。

おかげで楽しい年越しを

過ごせました。

 

 

 

強引な客引きやぼったくりも多い

海外の人気観光地にありながら

安心の日本人スタッフ駐在のお店です。

 

カッパドキアご訪問の際は、ぜひお立ち寄りください!

https://www.instagram.com/bridge_of_the_world

 

 

 

お店で出会った日本人の方々と

町を見下ろす丘の上で年越しのカウントダウン。

 

町中のあちこちから無数の花火が上がる様子は

1年に1回きりのド派手な光景。

2019年は最高の幕開けでした!

 

 

いつもよりちょっと贅沢なホテルでのんびり充電したら

今年もいよいよ走りはじめます!!

 

 

 

2018年、走り納め

2018.12.29 | トルコ

【221日目 8,473km】

 

トラックに乗ってやって来たシワスで3日間過ごしたのち

再び自転車に乗って進みはじめます。

 

 

 

標高が1,000m近くまで下がっているので

遠くを眺めても雪は見当たりません。

気温も5℃くらいまで上がって

少し漕ぐと暑さを感じるほど。

 

 

 

久しぶりに123kmと

長距離を気持ちよく走ったこの日は

「ゲメレク」という田舎町で1泊。

心地よい疲れの中

ゆっくり眠りました。

 

 

 

 

翌日も平坦な道を80kmあまり走り

トルコ中部の大都市「カイセリ」に到着。

有名な観光地もないので

翌朝すぐ発つことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

シワスから続けて走ること3日目。

久々に爽快な青空が広がったこの日は

2018年最後の走行、

今年の走り納めです。

 

 

 

大都市カイセリから

400mほど標高の高い台地。

霊峰“エルジェス山”を背に

進んでいきます。

 

 

 

 

 

この日の行程は短めの70kmほど。

旅が始まった今年、

思えば遠くへ来たもんだと

しみじみ感じつつ

ペダルを漕ぎつづけました。

 

 

 

 

15時頃、目的地である村

「ギョレメ」に到着。

村の中には奇妙な岩が

ウニョウニョと生えています。

 

 

 

 

 

 

 

高台から見下ろしたギョレメ。

 

実はこの村、奇岩群が織りなす絶景で

世界的にも有名な観光地“カッパドキア”の

ど真ん中に位置しているんです。

 

年末年始の冬休みということで、

しばらく自転車を置いて

ここでのんびり年越しを過ごしたいと思います。

 

 

 

ユーラシア大陸を渡る中でも楽しみにしていたカッパドキア。

 

早速じっくりと観光したいところでしたが、

年越しまでしばし日にちもあるということで

はやる気持ちを抑えつつ

まずはバスに乗って遠く離れた別の観光地へと

足を伸ばすことにしました。

 

 

ところが

向かう道中ちょっとしたハプニングが…。

 

 

 

予定通り走りはじめた

ギョレメ発の夜行バスは、深夜0時に

とあるターミナルでなぜか停車。

トルコ語のアナウンスが流れますが

よく分からないので

そのまま寝入ってしまいました。

 

 

 

到着予定の朝6時、目を覚ますと

そこはまだ

深夜に停まったターミナルのまま。

実はこの時、広範囲で大雪が降り

先の道路で大勢が病院に運び込まれる

大事故が発生し道路網は大混乱。

 

 

 

停車してから約12時間後の正午。

待ち続けた末、警察の通行許可がおり

半日ぶりに走りはじめたバスは拍手喝采に包まれました。

 

本来、早朝に着く予定だったのですが

遅れながらもその日の夜7時に何とか目的地に到着。

 

 

 

 

 

ギョレメから西へおよそ500km、

やってきた観光地は

「ヒエラポリス-パムッカレ」。

 

 

 

紀元2~3世紀、

2000年近いほどの昔に反映した

古代ローマ帝国の遺跡群。

石造りの宮殿が崩れながらも

所々その姿を残しています。

 

 

 

 

なかでも圧巻は

丘の上に立つ半円形の劇場。

最上部からすり鉢状の底にある

舞台を見下ろすと

その大きさが感じ取れます。

 

 

 

 

 

 

そして、

ヒエラポリス遺跡観光の目玉ともいえるのがこちら

「パムッカレ」。

 

溢れ出る温泉水に含まれる石灰によって

丘の斜面に大きなお皿が幾重にも重なった棚田のような

絶景が出来上がったそうです。

 

 

 

しみ出るお湯の温度は

38℃ほど。

石灰岩を汚さないよう

皆はだしになります。

 

 

 

 

 

かつてはローマ帝国の

温泉保養地として栄えたパムッカレ。

数百人の兵士たちが同時に浸かって

汗を流したそうです。

 

 

 

 

 

冬場の石灰岩の上は

すっかり冷えきっています。

脇の水路を流れるお湯に足を浸すのが

本当に気持ち良い。

 

 

 

 

 

 

 

数年前まではお皿の1枚1枚に

しっかりお湯が溜まって、

石灰の白と水の青がより美しい絶景を作り出していた上に

深い所では全身浸かることもできたとか。

 

 

 

しかし、

開発が進み周囲に建つホテルたちが

温泉水をひいたことで

パムッカレは干上がりつつあるそう。

お湯を返せ。

 

 

 

 

 

 

バスで一緒になった中国の方と。

 

干上がりかけていることで

「がっかり遺産」なんていう前評判も聞いておりましたが、

上から見下ろす景色は綺麗だし

のんびり足湯につかるのも気持ち良くて

しっかりパムッカレを満喫させてもらいました。

 

 

再びバスでギョレメに戻り、

今度はカッパドキアを楽しみたいと思います!

 

 

ということで2018年の自転車旅はこれにて終了。

それでは、皆さん良いお年を!

 

 

師走にシワス

2018.12.27 | トルコ

【212日目 8,190km】

 

 

エルジンジャンを出て

次の街を目指します。

 

予定ではここから3日間かけて

1,000mの峠を2つ超えるという

トルコ入国以来の過酷な道のりを行くつもりでした。

…つもりでした。

 

 

ところが、

出発から30kmほどのところで

上り坂を一生懸命漕いでいたときのこと。

 

 

後ろからやってきた大きなトラックの運転手が

クラクションを鳴らして合図をしてきました。

「ここからは坂がキツいし、ひどい寒さだ。」

 

それでも道路に雪はないし

何とか自力で進む意思を伝えると、

「やめとけ、街まで乗っけてやる。」

 

 

地元の人がやめろって言ってるし

人の優しさを無下にできないし

ということで、迷いながらも

お言葉に甘えることにしました。

 

 

 

 

 

厳冬の険しい道をゆけるのも

こうやって

いざという時の助けがあるからだと

感謝を抱きつつ車体に揺られました。

 

 

 

 

 

しかし、

トラックの助手席に座りながら

雪景色を眺めていると

胸の中にはモヤモヤが。

 

 

 

 

確かに寒そうだし、坂も急だけど

「これなら自転車でイケてた」とぼんやり思ったんです。

ここに来るまでに

2,000mの峠も越えてきたし、

氷点下のアイスバーンの道も走ってきたし。

 

現地の人の言うことをきくのも大事だけど、

それと同じくらい

自分を信じて突き進むのも大事だと強く実感しました。

 

 

 

ただ、

言葉も通じない見ず知らずの旅人を

放っておけない暖かい人情が

トルコの人々の心に

宿っているのを感じました。

“アルメットさん”本当にありがとう!

 

 

そんなことを考えつつ

気づけば泊まるつもりだった村を過ぎ

トラックはどんどん目的の街に近づきました。

 

 

 

3日間の行程をすっ飛ばしてやって来たのは

トルコ東部最大級の都市“シワス”。

「師走」に「シワス」です、ダジャレなんです。

 

 

街の中央通りには

ブティックや高級レストランも立ち並び

これまでのトルコの都市と比べても

かなり発展していて賑やかです。

 

 

 

 

 

近代的な建物がたち

自動車が行きかう景色の真ん中に

堂々たるモスクがそびえ立つのも

シワスの特徴。

“これぞトルコ”といった街並みです。

 

 

 

 

さらにこのシワスから100kmあまり離れた街に

「ディヴリーイの大モスクと病院」という、

イスラム建築の最高峰ともいわれ

世界遺産にも登録されている

800年前の遺跡があるんです。

 

 

ホテルのスタッフや街中で会った人も

「あの建築は素晴らしい」「ぜひ見ておくべきだ」

と口を揃えて絶賛するほど。

 

英語の通じない人が多いなか

何とか行き方を調べ、

2時間半バスに乗ってたどり着きました!

 

 

はい、改修工事中。

立ち入り禁止。

 

 

「日本からはるばる来たんだぞ!」

と、無理を言って

敷地内には入れてもらいましたが

鉄骨と屋根に覆われて

ほとんどなにも見えません。

 

 

 

 

帰り際に振り向いてみましたが

やはり何も見えません。

改修が終わるのは2年後だそう。

というか、バスの運ちゃんか誰かが

「今は見れないよ」って

教えてくれてもいいと思うんですけど。

 

 

 

 

そんなこんなで数日間過ごしているシワス。

あっという間に過ぎてしまう師走。

 

今年もあと少しですな。

 

 

 

白銀をゆく

2018.12.25 | トルコ

【209日目 8,154km】

 

エルズルムの街を3日間ほど堪能したのち

次なる場所へと走りはじめます。

 

 

 

エルズルム周辺はこれまでより標高が低いので

寒さも和らぎ雪も少ないのではと予想してたのですが

出発前夜に激しい雪が降り

走りはじめるとやっぱり白銀の世界。

道路も泥まじりの雪でビチャビチャでした。

 

 

 

 

 

日本ではなかなか

お目にかかれない規模の雪原を

横に見ながら

延々とペダルを漕ぎます。

 

 

 

 

 

深い雪景色のなかに

突如ぽつんと現れる町や村。

レストランで休憩すると

寒さゆえに

休み終えて出発するのが億劫になります。

 

 

 

 

 

 

起伏の多さは相変わらずで

この日も400mほどの峠を越えました。

重いペダルを必死に漕ぐのはつらくても

のぼっている最中は体が温まるので寒さを感じません。

 

峠の頂上から眺める

雪をかぶった山々が波打つように連なる風景は息をのむ素晴らしさ。

この季節ならではの光景です。

 

 

 

 

 

下りの坂も急傾斜すぎず

気持ちよく滑り降りていきます。

標高が下がるにつれ雪も減っていき

走りやすくなりました。

 

 

 

 

 

90kmほど走行したこの日は

「タルチャン」という

小さな町に泊まることに。

 

 

 

 

 

 

日が暮れ始めると

通りにはほとんど人がいなくなります。

地元の人も

家に閉じこもりたくなる寒さ。

 

 

 

 

 

 

 

明くる日も西へ向かって走ります。

標高も1,500mを下回ると雪はなくなりました。

1日中走っても雪を見なかったのは久々な気がする。

 

 

 

 

ゆるやかな下りがほとんどの道のりを

90km走ってたどり着いた町が

「エルジンジャン」。

 

 

 

 

 

 

大きすぎず小さすぎずの中級都市

といったところでしょうか。

ここしばらくどの町にも

安いホテルがたくさんあるので

宿探しがとても簡単で助かってます。

 

 

 

 

 

 

街中にはとくに見どころはないのですが

少し離れたところに地元の人に人気の観光スポットがありました。

 

エルジンジャンの町から20kmほど、

バスで1時間弱揺られたところにある「ギルヴィクの滝」。

 

小さな滝がいくつも集まっており

あちこちから水が流れている不思議な景色で

“トルコで1番美しい滝”とも言われているそう。

 

 

 

気温が氷点下近くまで下がるこの時期は

滝の凍った姿が見れるかもと

期待して向かいましたが

結果は、“半凍り”でした。

岩の壁を伝い落ちる水が

ところどころ凍っています。

 

 

 

1m以上はあろうかという大きなつららが

何百、何千と並んでぶら下がる

幻想的な光景。

まさに

自然が作り出した芸術品です。

 

 

 

 

 

こごえる寒さのサイクリングにも慣れつつあり、

冬ならではの魅力を何とか見出せそうです。

 

ただ、

これからもっと雪が降り積もって道が閉ざされたら

この旅はどうなってしまうのでしょうか。

 

どうしよう。

 

 

 

エルズルム到着

2018.12.21 | トルコ

【204日目 7,964km】

 

ホラサンを発ち、

さらに西へと進んでいきます。

 

 

 

ここしばらく天気は良好。

冬の青空は空気が透き通って清々しい気分で走れます。

 

この日は平坦に見えて

ゆるやかな上り坂がずっと続いていました。

90kmの道のりのほぼすべてが上りで

太ももには着実に疲労が溜まっていきます。

 

 

 

 

 

7時間にわたり

ゆっくりゆっくり上り続けて

たどり着いた所が「エルズルム」。

トルコで最初に訪れた都市・カルス

を上回るほどの大きな都市です。

 

 

 

 

ホテルやビルが乱立し

沢山の車が行き交っています。

ヨーロッパとの距離が近いからか

よく目にするのは

BMW、フィアットなどの欧州産。

もちろんトヨタや日産も走ってます。

 

 

 

標高1,500mの高所にあることから

スキーリゾートでも有名なこの街からは

すぐそこに雪山も望めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

街中には近代的なビルだけでなく

イスラム教の歴史ある建築物も堂々たる存在感を表しています。

 

2本の塔が印象的なコチラは“チフテ・ミナーレ・マドラサ”。

イスラムの神学校ですが

石造りの重厚な見た目はどこかアルメニアの教会にも似た雰囲気。

宗教は違えど地理的に近いことで

互いに影響を与え合ったのでしょうか。

 

 

神学校の近くにある3つの尖塔

“ユチ・キュンベット”は

細かい彫刻などの装飾がなされた霊廟なのですが

誰を弔ったものかは分かっていないそうです。

 

 

 

 

 

街の中心部には

ショッピングモールもあります。

中央アジアなどの商業施設は

たいてい閑散として空虚感が漂うのですが

こちらは割と賑わっていました。

 

 

 

 

フードコートには

旅の始まり中国以来のマクドナルドが!

日本生まれでも何でもないけれど

久々に見るとちょっと落ち着きます。

 

 

 

 

 

“マンガルバーガー”なるものを注文。

若干ケモノ臭かったので

おそらく羊肉のバーガーです。

セットにナゲットを加えて約400円。

激安ではないですが

やはり日本の相場に比べると安い。

 

 

 

 

 

中央アジアからイラン、コーカサスにかけて

単調な食事が続いておりましたが

中華料理、フランス料理に並んで

“世界3大料理”の1つに数えられるトルコ料理。

確かにその食材、味はこれまでの国よりも豊か。

ここ数日で味わったものをご紹介します。

 

 

“キョフテ”

羊や牛の挽き肉を

卵と玉ねぎをつなぎにしてこねて焼いた

まさにトルコ風ハンバーグ。

空腹時にガツンと食べ応えありです。

 

 

 

 

“バルク・ウズガラ”

そのまんま「魚の塩焼き」です。

この時は食べたのはカツオでした。

黒海、地中海に挟まれたトルコは

海鮮料理も豊富。

レモンを絞ってどうぞ。

 

 

 

“マンティ”

小麦粉でつくった皮で

挽き肉などの具を包んで茹でた

トルコ風ギョウザ。

トマトソースとヨーグルトをかけて

あっさり召し上がれ。

 

 

 

“ピデ”

パン生地にお肉たっぷりの具と

チーズをのせて焼いた料理。

ピザの原型だという説もあるとか。

濃厚で結構お腹にきます。

 

 

 

 

“ストゥラッチ”

お米のはいった

トロットロの焼きミルクプリン。

甘さたっぷりの定番スーツは

脂っこい肉料理の後にピッタリ。

 

 

 

 

 

ここエルズルムの名物料理として有名なのが「ジャー・ケバブ」。

焼肉料理を総称して“ケバブ”と呼ぶそうですが、

こちらはマリネ(酢漬け)した羊肉を

回転させながらローストするもので

垂直ではなく横方向にして焼くのが特徴。

 

 

薄切りにしたものが鉄串に刺さった状態で提供されます。

塩をパパッとかけるだけのシンプルな味付けなのですが

肉の旨みたっぷりでこれまた美味しい。

 

 

このように種類豊富なトルコ料理。

味覚は国や文化によってそれぞれなので

どれが美味しいとは一概には決められませんが、

料理に対してどれだけ工夫するか、手をかけるかという点で

これまでの国のなかでも

中国とトルコは群を抜いていると感じます。

 

しかしトルコ料理はまだこんなものではありません。

西に向かえばさらなるグルメがあると聞いております。

 

究極の食を求める旅、

まだまだ続きます。

 

 

 

寒さ増してくトルコの道

2018.12.16 | トルコ

【202日目 7,877km】

 

カルスで2日間ほど身を休めたら

西に向かってまた走りはじめます。

 

 

 

日に日に下がっていく気温。

知ったところで良いことは何もないから調べてすらないですが

おそらく1℃か0℃くらいでしょうか。

 

吹く風は冷たいけども

走行中に雪が降っていないのが救いです。

 

 

 

 

 

夏のように体力を使い切ってしまうと

バテて風邪をひくのがこわいので

毎日少しづつ進むことにしています。

この日もわずか60km足らずを走り

「サルカムシュ」の町に到着。

 

 

 

 

たどり着くまでの道路に雪はなかったのに

町の中は雪がどっしりで

歩道はかっちかちのアイスバーン状態。

しかも坂の多い所だったので

自転車を押すのも一苦労です。

 

 

 

 

面白いのが

通りを歩く現地の人も

ツルツル滑りまくって

コケそうになってること。

この場所で幾度冬を越せども

全然、雪に慣れてない様子です。

 

 

 

 

 

イランを離れてから

アルメニア、ジョージアの人はシャイなのか

あまり声を掛けられることはなかったのですが、

トルコに入ってまた明るい笑顔とともに

声を掛けられることが増えた気がします。

 

 

夕食時のレストランで同席した地元の女子学生。

散々キャッキャと話したあとで

「写真送っといてねー」と言い放ち去っていきました。

 

親日国として知られるトルコ。

陽気でフレンドリーな人が多いです。

 

 

 

 

 

翌日早くに走りはじめると

空気は前日よりも

ぐっと冷え込んでいました。

ついに道路も

凍ってアイスバーンになってます。

 

 

 

 

主要道路を外れて

車の少ない道をひとり寂しく漕いでいると

横を列車が走っていきました。

写真を撮っていると

中から手を振ってくれるたくさんの人。

こんなちょっとしたことで元気が出ます。

 

 

 

 

 

 

雪の積もった峠を越え

冷たい風にさらされながら

長い下り坂をおりると

小さな集落にたどり着きました。

 

 

 

 

 

通りに立つおじさんに「休んでいきな」

と呼び止められ建物の中へ。

ごうごうと燃えるストーブに

あたりながら飲む甘いチャイ(紅茶)は

前に進む活力を与えてくれました。

 

 

 

 

 

 

さっきまで真っ白だった景色が一変。

平坦な道はなく常にアップダウンを繰り返しているので

1日走っているあいだに

雪があらわれたり突然なくなったり。

汗をかいたり、こごえたりと体温調整が大変です。

 

 

この日もおよそ70kmを走り「ホラサン」の町に到着。

立ち寄ったレストランの愉快な店員さんたちが

教えてくれたホテルに向かいベッドに倒れ込みました。

 

 

世界を旅するサイクリストの悩みの種が“野犬”。

 

彼らのテリトリーに入ると

野生の咆哮とともに親の仇でもあるかのごとく

執拗に追われるわけですが

こっちから「おいでおいで」すると

意外となついてくるものだと最近発見しました。

 

犬って顔は怖くても、

根はいいヤツが多いです。

 

 

 

冬山の洗礼

2018.12.15 | トルコ

【199日目 7,747km】

 

国境付近の町「チュルドゥル」を出発し、

いよいよアジアからヨーロッパへの玄関口である

トルコのサイクリングがはじまります。

 

しかし、意気揚々と走りだしたトルコの道に

冬山の厳しさをまざまざと見せつけられました。

 

 

 

ホテルを出てしばらく走るとそこに綺麗な湖。

透き通る空の下で

気持ちの良い湖畔のサイクリングが楽しめたのも

ほんの束の間のこと。

 

ここからわずか30分ほど走ると

天気は急変し、あたりは雪に覆われ

台風並みの暴風が吹き荒れ始めたんです。

 

手はかじかみ耳はちぎれそうなほど冷え切っているうえ

激しい風で前には進めず後ろにも戻れずまさに絶体絶命!

(カメラを取り出す余裕もありませんでした…。)

 

困り果てていたその時

後ろから1台のワゴン車が通りがかり、

降りてきたドライバーは無言のまま

後ろのトランクを開ると

ジェスチャーで「自転車をのせろ!」と

示してくれました。

 

さっきまで広がっていた青空が

一瞬で灰色の雲に覆われ強風が吹くとは

さすがに山の上。

予想のできない天候は

冬山の油断できないところです。

 

湖から標高が300mほど下がり

雪も減り、風が穏やかになったところにある

小さな町でおろしてもらいました。

 

 

 

車をおりてすぐレストランで食べた牛肉とジャガイモのスープ。

芯まで冷えきった体にしみわたる美味しさでした。

 

 

しっかり体力も回復して

相変わらず冷たい風が吹くなか40kmを走りました。

 

 

 

たどり着いた

トルコ最初の都市は「カルス」。

7万人ほどが住む

トルコ東部最大級の都市です。

 

木もはえない荒野のような風景のなか

どこかから街をまるごと持ってきたかのように

とつぜん都会になりました。

 

通りを歩けば活気に溢れていて

笑顔で声を掛けられます。

アルメニアの首都エレバン以降

あまり元気のない場所が続いていたので

街歩きの楽しさがよみがえりました。

 

 

オスマン帝国の前身である

“セルジューク・トルコ”時代の要塞などの

歴史遺跡もあるカルス。

ヨーロッパからの観光客もいました。

 

イスラム教国家であるトルコにありながら

アルメニア式の教会もあります。

まだ国境からさほど離れていないので

周辺国の文化が交わっているよう。

 

 

 

宿泊先のホテル。

夜が氷点下まで下がるようになってから

野宿や現地の方の家に泊まったりする

機会が減ってます。

 

寒いせいか自転車で走ってても人を見かけることが少なく

地元の方々との交わりも少ないです。

 

ホテル泊はゆっくり休めるし、気楽だけど

ワクワクもちょっと少ない。

 

冬は淋しい季節だ。

 

 

 

 

あっという間のジョージア、そしてトルコへ!

2018.12.11 | ジョージア トルコ

【197日目 7,692km】

 

 

無事アルメニアを出国してやってきたのは

8ヵ国目となる「ジョージア」。

国境から40kmほどの田舎町「アハラカルキ」に到着しました。

 

特に観光地もない静かな町です。

これまで山中では部分的に雪が降り積もっている所はありましたが

いよいよ町中にもちらほら雪が見えるようになりました。

 

このジョージア。

ワインや伝統料理が評判で長居する観光客もいるそうですが、

これから厳しい冬を迎えるうえで

自転車での進行速度が鈍ることが予想されるため

観光はせず早々と次のトルコに向かうことにしました。

 

アルメニアから直接トルコに入ればよいのですが、

隣り合う両国の関係が悪く国境が閉鎖されているので

一度ジョージアに入国する必要があったのです。

 

アルメニアの山々によって疲労困憊状態のため

この町で3日ほど休憩。

美味しそうなレストランもないので毎日自炊しとりました。

 

 

疲れが癒えたらいよいよ出発。

いちおう道路には雪はないですが

見渡す限り真っ白の景色のなかを走りだします。

 

交通量が少ないうえに、雪が積もっていることもあって

あたりは本当に静寂の世界。

寒さと同時に清々しさも感じます。

 

 

不思議なことに、

若干の起伏がある程度でほとんど標高は下がっていないのに

ある丘を越えると突然雪が消え去りました。

 

「アハラカルキ」の町を出発してから30kmほど走ると

ジョージア-トルコ国境に到着。

 

ジョージアに入る際はかなりスムーズに入国できましたが、

ここではかなり入念な荷物検査を受けました。

数年前にはテロが起こっていたり、

シリアの隣でもあるトルコ。

警備の目を光らせているのが感じ取れます。

 

 

いよいよ国境を越えて入国すると

一気に400mをのぼる峠が待っていました。

本当に休む間を与えてくれません。

 

ここしばらく標高1,500~2,000mのあいだを

ひたすら上ったり下りたりしています。

そして気温は5℃から-5℃。

走っている最中は身体も温まっていますが、

少し止って休むと一気に冷え込みます。

 

 

峠を下った先にあるのが「チュルドゥル」という町。

声を掛けてきた警察が町はずれのホテルへと案内してくれました。

 

1泊1,200円なので

物価はこれまでの国とも大きくは変わらない様子。

 

 

入国後、記念すべき1食目の食事は

やっぱりケバブ。

イランには失礼ですが、ケバブの味はトルコの勝ち。

 

 

ということで

アジアとヨーロッパが出会う国、

地中海と黒海に挟まれた大国“トルコ”の旅がはじまります!

 

 

アルメニア出国

2018.12.7 | アルメニア

【193日目 7,632km】

 

大成さんとも別れを告げて、ふたたび1人に。

「スピタック」という町から

北側のアルメニア-ジョージア国境に向けて走りだします。

 

 

アルメニアを出るまで残り100kmあまりなのですが、

山ばかりであることに加えて日が短くなっていることもあり

1日の移動距離も短くなってしまいます。

 

これまでは1日当たり120~130kmほど平気で走れていましたが、

アルメニアに入ってからは100km未満に留まっているのが現状。

やはり冬のサイクリング、

穏やかな季節とはわけが違います。

 

この坂の少し前にトンネルがありました。

中国で旅を始めて以来トンネルはほとんどなく、これで5本目くらい。

困ったことにこれまでどのトンネルも日本のように灯りはついておらず

中に入ると完璧な暗闇。

 

どれも猛スピードで間近を走り去る自動車に肝を冷やすような

命がけの走行でした。

 

今回の2kmにおよぶトンネルも前日から不安だったのですが

トンネルに到着していざ突入しようとした時、

後ろから通りがかった車のドライバーのおじさんが

「自転車で通るのか? 危ないからオレが後ろから守ってやる」

 

駅伝の監督車のようについてきてくれることで、

道を照らしてくれると同時に後続車の追突を防いでくれたのです!

出国直前に、

アルメニア男児の粋な思いやりを感じた出来事でした。

 

 

この日はわずか50km足らずを走り

「ギュムリ」という町で1泊。

 

市役所(写真右)も西洋風の洗練されたデザイン。

こじんまりとした田舎町です。

 

街の中心にある教会を訪れると結婚式が行われていました。

この旅でもかなりの結婚式に出くわしてます。

良いこと良いこと。

 

 

翌朝、日も昇りきらない8時前(日の出がかなり遅いんです)に

標高2,200mに位置する国境に向かい走りはじめます。

 

ギュムリの町が標高1,500m前後なので、700mの上昇。

毎日数百m上るのが日課になってきています。

少しは慣れてる気がするけど

やはり数十kmにおよぶ上りは辛い。

 

村が時々あるくらいで建物はほとんどなく車もあまり通らない、

まさに荒涼とした風景のなかアップダウンを繰り返し進んでいきます。

 

冷たい風を避けて休むような場所もない。

前を向いてひたすら漕ぎ進むだけ。

 

 

出発から5時間ほど。

黙々と進み続け、道ばたに雪も見えてきたころに

アルメニア-ジョージア国境が見えてきました。

 

観光バスはおろか地元の人もほとんどいない、

物流トラックが数台のみというこれまでで最も閑散とした国境です。

パスポートや荷物チェックも、

自転車に乗ったままドライブスルーのごとく

簡潔に(いい加減に)終了しました。

 

 

広大な砂漠が広がるイランとはうって変わって、

起伏の激しい山間に古い教会が美しく点在する

小ヨーロッパのような国でした。

 

短い間でしたが、

さようならアルメニア。

 

 

 

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