Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

果てしない森を進む

2024.04.28 | アラスカ

【13日目 555km】

 

“グレナレン”の高価な宿で体を休めると

また走り始めます。

アンカレッジからまっすぐ漕いできたグレンハイウェイが

ここで南北に分かれます。

目指すは北の方向、国境前最後の町“トック”。

3日かけて到着する予定。

 

 

 

針葉樹林帯を

まっすぐ突っ切る道を

ひたすら走っていきます。

結果的になんですが

この景色がこれから3日間

ほぼ変わりません。

 

 

 

この針葉樹は“スプルース”といって

要は松です。

僕はギターが好きなので

とても馴染みがある木なのですが

こればっかり続くので退屈。

朝から晩までずっとこの景色。

 

 

 

自転車の荷台は

ヒモで何でもくくりつけられる

便利スペースとなっています。

食べ物から服にゴミまで。

見た目を損なうトイレットペーパーも

ここにくくると便利なんです。

 

 

 

ランチに定着しつつあるベーグル。

刻みピクルスとマヨネーズを塗って

コショウをパッパ。

まだまだこれだけでは

物足りないので新たな仲間を

加えたいところ。

 

 

 

 

80kmを走ったこの日の夕方、

道端の商店に到着。

3日かけて走る250kmの区間に

お店はここたった1軒だけ。

とても貴重な補給地点です。

サハラ砂漠よりモノも人も少ない…。

 

 

 

お店の人の許可をもらい

建物裏の林にテントを張りました。

やはり熊やムースが怖いので

少しでも人の気配のするところが

安心します。

寒さも若干和らいで-5℃ほど。

 

 

 

 

 

 

 

 

グレンナレン出発2日目。

前日とほとんど、というか

全く分からない道を進みます。

 

 

 

前日の商店で買った

玉ねぎ(1玉¥300)が

ベーグルに仲間入り。

シャキシャキの触感と

ちょっとした辛みが

いいスパイスになります。

 

 

 

ランチを済ませよっこらせと立ち上がると

30m後方に動物の影が…。

馬か、牛かと目を凝らして見ると

ムースではないか!

遠くではあるけど

ついにムースと遭遇できました。

 

 

 

食料はあるものの

水が無くなってしまった夕方。

民家を発見し「あのぅ…」と

声をかけさせてもらいました。

出てきたおじいちゃんは“ジーンさん”。

「もう遅いしここでテント張りなよ」

 

 

 

どこかの川辺でキャンプと

思ってたけど

お言葉に甘えて

庭で寝かせてもらいます。

ゆっくりのんびり

パスタを茹でる。

 

 

 

 

 

 

 

 

グレナレン出発3日目。

ジーンさんと記念に写真撮りたかったのに

なかなか起きてこないのでそのままこっそり出発させてもらいます。

 

 

 

 

出発地のアンカレッジから

ずっと降り積もっていた雪が

この日を境にぐっと減りました。

山の岩肌が見えるのが

とても新鮮。

アラスカってずっと真っ白と思ってた。

 

 

 

 

そして道端にヒラヒラと舞う蝶を発見。

確かに春が訪れているのを感じます。

人も少ないし、寒いしで

どこか寂しさが漂う景色でしたが

こんなことですごく感動します。

もう寒いのやだ。

 

 

 

 

国境の町“トック”まで

10kmほどの地点。

スクールバスに追い越されました。

何気ないことですが、

誰もいない場所をずっと走ってると

人の気配を感じた時にすごく嬉しい。

 

 

 

 

 

 

そして「トック」の町に到着。

といってもグレナレンと同じで交差点に建物が数十軒ある程度。

過去の旅でもいろいろな地域を走りましたが、

アラスカの人口密度ってホントに低いんだろうなって思います。

 

 

 

マシになったとはいえ

まだまだ続く寒さに耐えかねて

モーテルへ。

 気温を気にせず

自由に野宿ができる季節が恋しい。

暑さより寒さのが絶対しんどい。

 

 

 

 

 

と、たった数日前の-15℃の夜が懐かしいほど

大きな出来事のない道のりでした。

実際、こんな特筆すべきことのない日々の方が

自転車旅の日常だったりします。

カナダ国境まであと少し…。

 

 

 

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