Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

作者別: ryosuke

南の真珠・マラケシュ

2019.07.20

【414日目 16,302km】

 

フェズを出発してから

荒野を走り続けること4日目。

引き続きマラケシュを目指して走ります。

 

 

 

朝早く、

泊まっていたフキネ・ベンヌ・サラの大通りを

勢いよく漕ぎ出しました。

 

 

 

町を抜けると

あっという間に

何もない荒野の風景に戻ります。

目的の場所まで

200kmを切ると

もうすぐ着くという感覚。

 

 

 

このあたりやたら家畜用の干し草を

積んだ馬車を見かけました。

ただの草じゃんって思うけど

有名産地とかあるんだろうか?

 

 

 

 

 

この日は曇りだったので

暑すぎることなく

快適に走ることが出来ました。

30℃前後くらいでしょうか。

最近はヨーロッパの方が

40℃越えで大変らしいですが。

 

 

 

マラケシュに近づくにつれ

山が減ってきています。

この日の道はほとんど平坦で

汗だらっだらになることも

ありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100kmあまり走ったところで

「エル・ケッラ・デ・スラーナ」の町に到着。

もう地名なんて全然覚えられません。

 

 

 

町で出会った人に

ホテルを紹介してもらいました。

ほどほどの規模の町であれば

安いホテルが簡単に見つかるので

助かります。

 

 

 

 

ベッドとイスだけが置かれた

何とも質素な部屋が600円。

Wi-Fiも付いてるので

コスパは非常に良いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝もありがたいことに曇り空。

涼しい風を感じながら走り始めます。

 

 

 

マラケシュまではもう100km足らず。

この数日は景色が大して変わらないので

ただただ距離を縮めていくために

ペダルを漕いでいるという

気がしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お昼には道路わきの食堂でタジン。

鍋がずらっと並んでるので

ついつい食欲をそそられます。

 

 

 

この野菜たちの下に

やわらかい羊肉が眠っています。

味付けはどこも似通ってますが

具材が店ごとにちょっと違うんです。

お店の人が蓋を持ち上げて

湯気がもわっと立ち上がる瞬間が好き。

 

 

 

 

 

 

 

 

お腹を満たしたら

午後からもう一頑張り。

少しづつ交通量が増えているのがわかります。

 

 

 

そしてマラケシュ市内に入ってきました。

車や人の数も増え、

あたりはかなり賑わっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてフェズから走ること5日間、

500kmほどにおよぶ荒野の道のりの末、

「マラケシュ」に到着です。

 

 

 

毎度のことながら

到着の日は宿から動けません。

近くにあったカフェで

ラクダ肉のハンバーガーを食したら

この日はぐっすり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観光大国モロッコの中でも

1番の人気観光地であろう場所「マラケシュ」。

 

イスラム王朝の都市として栄え、

1,000年ほどの歴史を持つこの街。

その風情ある街並みから“南の真珠”と称されてきたそう。

 

 

 

これまで訪れた他の街と同じように

中心部には旧市街の

「メディナ」が広がっています。

ただフェズほど混沌とはしておらず

ゆったりと歩いて見れるのが

マラケシュの良いところ。

 

 

 

通りには

絨毯、ランプ、革製品、スパイスなど

アラブの国ならではの

みやげ物をそろえた店が

ずらっと並んでいます。

フェズで浪費したのでここでは自重。

 

 

 

モスクや庭園もあるのですが

マラケシュでの楽しみ方はやっぱり

街歩き。

メディナで迷子になりながら

フラフラさまようのが楽しい場所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とつぜん地元の人が声を掛けてきて

「タンネリ(皮のなめし場)見せてやる」と

言ってきました。

 

 

「絶対お金せびってくるクセに」と思いつつ

せっかくなので見に行くことに。

フェズのモノに比べると

やはりスケールはぐっと下がります。

 

 

 

見学が終わるとやっぱり

「チップくれ、チップ!」

と言ってきます。

「ヤダよ、絶対払わないから!」

と応えると、罵詈雑言を吐き

彼は去っていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

多くの人が集まるのは

メディナに隣接した「フナ広場」。

 

フルーツジュースの屋台が無数にあり

歩いているだけでそこらじゅうから呼び込みの声が聞こえます。

 

 

 

オレンジジュースが1杯50円。

日中歩いて疲れたら

何杯でも飲めちゃいます。

ひんやり冷えてて

これがすごく美味しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして「フナ広場」が

本来の魅力を見せてくれるのは日が沈んだ後。

ずらっと並ぶ屋台の明かりが夜の闇に浮かぶ様子は

実に圧巻。

 

写真や映像でもよく見られる

モロッコの象徴的なワンシーンです。

 

 

 

言ってしまえば広場の周りは

屋台とみやげ物屋が

あるくらいなんですが、

ヨーロッパを中心にあらゆる国からの

観光客の人々が悠久の街の

夏の夜を楽しんでいます。

 

 

 

 

 

 

夜になってフナ広場に姿を現した屋台は

ほぼすべて地元モロッコの伝統料理のお店。

 

 

 

魚の揚げ物やタジンにクスクス、

これまでのモロッコ旅で味わってきた

料理達がフナ広場では総出演です。

ガイドブックに載ってるような

定番メニューはおそらく

ここですべて食べられるはず。

 

 

 

タジンはフェズからの道中

食べまくってたので

魚介の盛り合わせを食べることに。

砂漠の国だけにどこでも海産物が

食べられるワケではないので

かなり美味しく感じられました。

 

 

 

フェズで食べたカタツムリが

マラケシュでも待ち構えていました。

揚げ物をさんざん食べた後でも

ペロッといけるクセになる美味さ。

ヘンなものにハマってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

このマラケシュをもって

モロッコの観光地巡りは終了。

ここからはさらに南下して

サハラ砂漠へと向かいます…。

 

 

荒野を走る

2019.07.15

【411日目 16,108km】

 

迷宮都市フェズを発とうとした朝、

突然なぞの腹痛に苦しみ出発を2日延期。

フェズでは予定オーバーの5日間も滞在してしまいました。

 

 

 

体調が戻ったら改めて出発。

500km近く離れた大都市マラケシュを目指して

進み始めます。

 

 

 

街を離れてもしばらくは

人の多い町が続いていました。

町さえあれば補給ができるので

暑さの中でもとりあえず安心。

水だけは絶やさずに

走らねばなりません。

 

 

 

それでも朽ち果てた家が増えていき、

南に下りるにつれて

過酷な砂漠地域に向かっているのを

感じます。

ちょっと怖いけど、

ワクワクもしている今日この頃。

 

 

 

小さな集落で食堂を見つけ

昼食をとることに。

走行中は

肉類、豆類のたんぱく質を

摂るようにしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼の休憩をはさんだら

午後から再び走行開始。

さらに家屋は減って

渇いた荒野が延々と続いていました。

 

 

 

だだっ広い荒野でも

家畜を見るとひと安心。

動物がいるということは

近くに人間もいるということ、

倒れても助けてくれる人はいる…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100km近く走ったこの日は

“アムガッセ”という小さな集落に到着。

野宿場所を探してウロウロしていると

地元の警察官がやって来て

「ここでキャンプはダメだ!」とのこと。

 

そうはいってもホテルなどあるはずもないので

テントを張らせてくれるお家を探すことに。

 

他人のお家にお願いするときは

玄関もしくは門の前に立って

「こんにちはーー!(現地語)」と

元気よくニコニコ笑顔で挨拶しています。

 

 

 

すると一軒目で

快く受け入れてくださったのが

“モハメドさん”。

この旅で何人目のモハメドさんだろう?

とにかく裏庭にテントを

張らせてもらいました。

 

 

 

テントを張らせてもらい

水浴びが終わったら、

何と食事までご用意いただきました。

申し訳なくていつも断ろうとしますが、

断り切れたためしがありません。

優しい人はどこまでも優しい。

 

 

 

テントを張ったにもかかわらず

「こっちのが気持ち良いよ」と、

軒下に布団を敷いてもらいました。

中央アジアでも何回かあったけど

星空の下に布団敷いて寝るのって

最高に気持ち良いです。爆睡。

 

 

 

 

 

 

翌朝も朝食をご馳走になり準備が整ったら

モハメドさんともお別れ。

言葉も通じない人間に優しくしてくれて

本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発するなりあたりは何もない荒野。

しかも起伏はかなりのもので、

どこまで行っても変わらない風景を

せっせと進んでいきます。

 

 

 

主要道ではないにもかかわらず

道は安定して舗装されており

交通量も多くはないので

走りやすいのは助かります。

ただ暑い…。

 

 

 

 

昼頃に休憩に寄った店で

ジュースを飲んでると

「腹減ってんだろ?食べろ」

と無料でサンドウィッチを

ごちそうになりました。

ありがたや。

 

 

 

休憩していた村を離れると

また同じような荒野の風景。

山を越えた向こうにまた山が見えると

本当にげんなりします。

どこまで続くのか…。

牛に注意。

 

 

 

徐々に日が傾いてきました。

今日もぼちぼち寝床を探さねば。

といっても道路脇に

隠れやすい場所がないので

この日も農家さんの庭にお願いしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると何もない荒野の中に

このあたりではかなり立派な2階建ての建物がありました。

 

ご挨拶して話を聞いてみると、

ここは“エッディさん”はじめ複数の家族が

共同で農場を運営しているところ。

このあたりは何もないからここで泊まっていきなさいと

ありがたく宿泊許可を頂きました。

 

 

 

しかも外ではなく

応接室のようなところを

開けていただけました。

かなりしっかりしたお家。

割と裕福なんだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

一晩ゆっくりさせていただくと

またこの日も出発です。

フェズを出発してから3日目。

漕ぎ始める前には子供たちと記念撮影。

 

 

 

撮影を終えて、いざ出発!

と思ったら後輪のパンクが発覚。

1月のトルコ以来

実に6か月ぶりのパンク。

出発直前に気づくのは

本当に気持ちが萎える…。

 

 

 

 

 

 

 

 

パンク修理が完了したら

気を取り直していよいよ出発。

まあ、景色は前日までとなんら変わり映えしません。

 

 

 

何もない荒野に“注意!”の看板。

何もなさ過ぎて眠たくなるような道の

どこに注意すればいいのだろうか。

 

 

 

 

 

 

お昼ごろには

割と大きな街に到着。

暑さのあまり食欲はないのですが、

次の町が数十km離れてる時は

とりあえず食べとかなければ

体力が持ちません。

 

 

 

 

 

 

 

 

あたりを探しても見当たるのはケバブ屋さんばかりでした。

ここは自分で直接

肉屋さんから肉を買うスタイル。

 

 

 

買った肉を持っていくと

近くのお店で焼いてくれます。

このおじさんの仕事は

持ち込まれた肉を

美味しく焼くこと。

 

 

 

 

300円ほどで

それなりの量が食べられます。

モロッコでは羊や鶏よりも

牛肉を食べる機会が多いですが

値段の割にかなり美味しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

栄養を蓄えたらさらに西へ。

起伏はほとんどなくても、

景色が変わらないせいかすごく疲れる気がする…。

 

 

 

夕方には

「フキネ・ベンヌ・サラ」

という町に到着。

予想以上に大きな町なので

ホテルに泊まることに。

 

 

 

 

シングルルームで

¥2,000足らず。

エアコンはついてないけど

疲れを取るには十分の快適さでした。

やっぱりベッドはよく眠れる。

 

 

 

 

こんな感じでひたすら荒野を進んでます。

マラケシュまであと200km。

 

 

 

迷宮都市・フェズ

2019.07.11

【405日目 15,827km】

 

 

シャウエンから2日かけてたどり着いた街「フェズ」。

自転車はひと休みしてのんびり観光です。

 

 

 

モロッコに旅行にやって来た人のほとんどが訪れるほどの

人気観光地であるフェズ。

 

青の町・シャウエンと同じく、

“メディナ”という城壁に囲まれた旧市街があり

世界遺産にも登録されているこの一画が

そのまま観光の見所となっています。

 

 

 

“ブルーゲート”と呼ばれる門をくぐり

メディナの内部へと入り込むと、

そこには古くから続く

アラブの世界が広がっています。

 

 

 

 

 

路地の幅はせいぜい2~3m、

すれ違う人と

肩がぶつかりそうになるほど狭く、

とうぜん自動車は入ってることが

出来ません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街の高台から見下ろしたフェズのメディナ。

昔ながらの建物がぎゅっと密集しているのがよく分かります。

 

 

 

複雑に配置された家々が

つくりあげる小さな通りの数は

1000を超えるともいわれ

まさにこのフェズは迷宮都市。

旅で慣らした方向感覚も

全く役に立ちません。

 

 

 

観光客が練り歩く主な通りが

2本あるのですが、

そこをはみ出てしまうと

地元の方の生活エリアに

迷い込んでしまいます。

 

 

 

 

夏の暑さとアラブ人たちの熱気で

溢れかえる旧市街。

ヨーロッパにはない

エネルギッシュな商人の町です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メディナの中にあるのは家屋やお土産屋だけではありません。

細い路地の中に突然、荘厳なモスクが現れます。

 

 

 

建物の規模はあまり大きくないものの

彫刻は非常に細かく繊細で

建物そのものが芸術品。

久々に見たけど、

やっぱりモスクはしびれます。

 

 

 

 

なかでも「カラウィーン・モスク」は、

859年に神学校として設立され

現在でも教育機関として機能しており

現存する最古の大学として

ギネスブックに登録されているそうです。

でも、イスラム教徒以外立ち入り禁止。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

フェズの象徴ともなっているのが

メディナの中に位置する“タンネリ”。

 

このタンネリは動物の皮をなめす作業場となっており、

蜂の巣のようにずらっと並んだ大きな桶の中には

なめしに使うタンニンの液がたっぷり。

 

 

 

数百年前から続く伝統的な

皮のなめし。

この時も暑い中、

職人さんがせっせと

作業をされていました。

 

 

 

 

近くの革製品のお店の方の案内で

作業を間近で見せてもらうことが

出来ました。

こういう職人さんの仕事を近くで

見るのってたまらないです。

渋くてカッコいい。

 

 

 

なめすのは牛だけでなく

羊、ヤギ、ラクダなど色々な動物の皮。

見学している間にも

作業場には

次々と皮が運ばれていました。

 

 

 

 

作業場一帯に立ち込めるのは

独特のニオイ。

1番スゴイところだと

ドブと生ごみと野良犬が混ざったような

とても素敵なニオイがします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ということでフェズの名産品はもちろん革製品。

タンネリの作業場を見学した後は

「さぁ、買っていけ」と

もの凄い勢いでセールストークが始まります。

 

 

 

なかでも有名なのは

“バブーシュ”という

モロッコスタイルのスリッパ。

革の柔らかさが

足をスッポリ覆ってくれて

素晴らしい履き心地です。

 

 

 

他にもカバンやベルトを筆頭に

あらゆる数の革製品のお土産屋さんが

これでもかというほどに

通りに連なっています。

観光地でのセールストークって

割と楽しくて、嫌いじゃないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらにこの街は革製品だけでなく赤銅も名産。

歩いているとどこからともなく

カンカンと鐘を打ち鳴らすような音が聞こえてきました。

 

ときどきテレビで猛スピードの餅つきとか見ますけど、

あんな感じで抜群のコンビネーションの職人技を見せてくれました。

 

 

 

商人だけでなく

職人の街でもあるモロッコのフェズ。

街の片隅で、こちらには目もくれず

黙々と作業をおこなう

仕事人があちこちにいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェズでのんびり過ごす間に

モロッコの定番料理を堪能しました。

 

まず1品目は「クスクス」。

北アフリカだけでなく、

中東やヨーロッパでも食べられているコチラ。

小麦からできた粒状の食材で

世界最小のパスタと言われているそうです。

 

上には野菜や肉の煮物や炒め物がのっており

これだけでお腹いっぱいの定番モロッコ料理!

 

 

 

続いて食べたのは「タジン」。

とんがった蓋が有名なタジン鍋で

香辛料をふんだんに使った煮込み料理。

この時食べたはチキンでしたが、

羊肉や野菜など色々な

食材や味付けがあるそうです。

 

 

 

そして、通りの屋台で食べたのが

「カタツムリ」。

これが貝みたいで旨味があって

結構美味しいんです。

近くでじっくり見たら食欲失せるんで

勢いでどんどん食べるのがコツ。

 

 

 

 

 

 

 

 

スペインでもらった特別賞のトロフィーを持って走っていると

「これ何?ねぇねぇ何なの??」と、

しょっちゅう聞かれて

いちいち説明するのもめんどくさいので

日本に送ることにします。

 

加えて、フェズの魅力的な工芸品に購買欲をそそられて

おみやげ爆買いしちゃいました。

お気をつけて日本まで行ってらっしゃいませ。

 

 

 

‹お知らせ›

旅で出会った方のご縁を通じて、

「Grobal Travel Channel」という

インターネットラジオに出演させていただきました。

 

オーストラリアに拠点を置く局なので全編英語ですが、

旅について色々お話していますので是非聞いてみてください!

https://www.globaltravelchannel.com

 

 

 

心優しきアラブ人

2019.07.6

【403日目 15,827km】

 

 

青の町・シャウエンでの観光を終えると

次なる場所へ向けて走り出します。

 

 

 

シャウエンが位置するのは山の上。

走り始めは

一気に傾斜を滑り降りていきました。

 

 

 

海辺に比べて緑が増えました。

何もない土色の岩山に比べれば

見てるだけで

暑さが和らぐような気がします。

気持ちの問題だろうけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

走り始めて1時間ほどのこと、

道の途中で大きな荷物を携えた

ブラジル人サイクリストと出会いました。

(写真撮り忘れたけど…)

 

彼は僕がこれから向かう西サハラから北上してきたらしく、

1ヵ月近く走ったモロッコで

最初に出会ったサイクリストが僕だとのこと。

 

 

他のサイクリストがいないということは

間違った季節に間違った国を走っているということなのか…。

それほどこれからやってくる暑さは厳しいのか…。

いや大丈夫。絶対に大丈夫。

…うん、大丈夫大丈夫。

 

 

 

昼は小さなカフェで休憩。

「なんか食べさせて」というと、

煎り卵が出てきました。

料理というより

ホントただの煎り卵。

 

 

 

 

午後からは比較的道は平坦。

ただ14時頃になると

ギラギラ輝く太陽に

汗が止まりません。

まだ35℃まであがってないだろうけど

かなり暑い…。

 

 

 

とにかく頻繁に休みを取ります。

スペインとあまり変わらないと

思っていたけど、

やっぱりかなり暑くなってます。

1日の走行計画を見直さねば…。

 

 

 

 

ヨーロッパと違って

自転車乗りの方はいなくなったけど、

ロバが引く馬車(ロバ車?)が

すごく多いんです。

いつ着くの?ってくらい

遅いので追い越してきますけど。

 

 

 

少し涼しくなってきた夕方、

そろそろ野営地を探そうと

思ったところで、

「ジョルフ・エル・メルハ」

という町が見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寝床を探す前にまずは腹ごしらえ。

この日のディナーは道ばたのケバブ屋さん。

 

 

 

炭火焼きのビーフケバブ。

つまりバーベキューなのですが

これが疲れた体に染み渡る

美味しさ。

 

 

 

 

 

値段はおよそ300円。

イランでは毎日食べすぎて

ケバブにはうんざりだったのですが

久々に食べるとやっぱり美味しい。

モロッコ後半には

また飽きるんだろうか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

さすがに町のなかにテントは張れないので、

少し離れた場所で集落を発見。

テントを張らせてくれないかと頼んだところ

集落のモスクに泊めてもらえることになりました。

 

 

 

完全なる野営を予定してたけど、

屋根の下に

なんと布団まで敷いていただきます。

蚊はすごい出るけど…。

文句言うな。

 

 

 

 

さらに

「お腹減ってないかい?」と

お食事まで提供していただく始末。

モスクには宿直の方がおられるので

本当に至れり尽くせり。

 

 

 

 

突然やって来た異国からの旅人を

暖かいおもてなしで迎え入れてくれるモロッコの人たち。

同じイスラム教国である中東・イランを思い出しました。

心優しきアラブ人に感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は朝から曇り。

曇り空ってどんよりして好きじゃないけど、

さすがにモロッコの暑さのなかでは

嬉しい気持ちが上回ります。

 

 

 

あたりは牧畜をおこなう

小さな集落がときどきあるのみ。

人間よりも

牛や羊を見かけることの方が

多いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前の晩モスクで現地の方の優しさに触れたこの日に

ちょっと悲しい出来事が。

 

小さな集落を通過する際に

子供たちに石を投げられました。

しかも背中に命中。

 

イラッとしたけど、

実はこれアフリカを走るサイクリストによくあることで

人種差別というよりも

子供たちは多分ふざけて遊んでるだけ。

(許せないけど…)

 

 

でも、

その1時間後には車で通りがかったおじさんに

「ようこそモロッコへ、楽しんでけよ!」と、

冷たいペットボトルの水を頂きました。

 

旅には色んな側面があって、

なるべく明るく楽しい面を見るようにしなければ

長い旅を続けていくことは出来ないです。

体調を整えるのと同じくらい、

心のバランスを保つことも大事。

ポジティブ、ポジティブ。

 

 

 

この日は前よりも

かなり起伏が激しく

時には自転車を押しながら

ゆっくりゆっくりと進んでいきました。

 

 

 

 

 

午後からは雲がなくなり、

青空が広がりました。

同時に気温も上昇、

暑い日の上り坂は本当に過酷。

ふらふらになりながら

黙って歩を進めます。

 

 

 

 

 

 

 

 

峠を越えたはるか向こうに

目的の街がぼんやりと見えてきました。

 

 

 

さらにいくつかの坂を越えて

市街地に突入です。

ほっとするけど

モロッコの街はかなり汚くて

でっかいゴミ箱の中にいる気がする。

クサい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

シャウエンから走ること2日。

暑さのせいでたった2日間なのにどっと疲れたけど、

シャウエンにならぶ人気観光地フェズに到着です!

 

 

 

青の町・シェフシャウエン

2019.07.2

【400日目 15,634km】

 

モロッコの玄関口タンジェを出発し

ついにアフリカ旅が開始。

まずはモロッコの一大観光地を目指します。

 

 

 

道ばたで野宿をした翌朝、

天気は快晴。

前日に引き続き気持ちよく走り出すも

待ち構えていたのは長く続く上り坂。

 

 

 

午前中は涼しいのでまだマシだけど

これからモロッコ南部までは

山が続く予定なので不安。

峠を越えた向こうにはまた峠。

モロッコは初っ端からハードです。

 

 

 

 

このあたり路肩は

あまり整備されていないけど

交通量が少ないのが救い。

さほど車を気にすることなく

走ることが出来ました。

 

 

 

 

昨晩の野営地から40kmほど、

最後に大きな坂を上り切ると

目的の町が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やって来たのは「シェフシャウエン」、

モロッコで最初の観光地です。

 

 

 

着いたのはお昼過ぎだけど

2日間走っただけで体はバテバテ。

宿にチェックインした後は

そのままベッドに倒れ込む。

夜に中華だけ食べたら

この日は終わりです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日はいよいよ観光開始。

 

家の壁から階段まで

すべてが真っ青に塗られたシェフシャウエン。

 

地元の人からもシンプルに「シャウエン」と呼ばれ、

“青の町”として有名な景色は

世界中からの多くの観光客を魅了しています。

 

 

 

「メディナ」と呼ばれる

城壁で囲われた旧市街は特に真っ青。

迷路のように入り組んだ路地の

目に飛び込んでくる一面の青。

現実離れした絵画のような

空間です。

 

 

 

この時、朝食前の朝8時ごろ。

地元の方と時々すれ違うくらいで

他の観光客もおらず、

青の世界を独り占め。

幾度となくシャッターを

押してしまいます。

 

 

 

朝の時間帯は

細い路地まで日が差し込んでこず、

少し影のある

深い青を楽しむことが出来ます。

無機質ですごく幻想的。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧市街を見下ろす丘の上から眺めた

シャウエンの町並み。

 

およそ500年前に

スペイン・イベリア半島を追われたイスラムの人々が

地元の民族やユダヤ人と共に住み始めてできたというこの町。

 

 

 

山の斜面に民家が密集している様子は

かつてイスラム王朝が支配していた

スペイン・アンダルシア地方

にも似ています。

人の移動と共に文化も海峡を越えた

というのがよく分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

気になるのがシャウエンが青く塗られている理由。

町の人にも聞いてみたのですが、

誰も明確な理由を知りません。

 

ただ広く知られている説が2つあるようで、

まず1つがイスラム教、ユダヤ教ともに

“青”を神聖な色と捉えているからという説。

 

そしてもう1つが

「青は蚊が嫌う色だから」という説。

 

 

 

実際にシャウエンでは、

8月になっても蚊はいないらしく

お年寄りの方もこの町では

蚊に刺されたことがないそう。

なんとも合理的な理由ですが

真相はいかに…。

 

 

 

 

 

 

 

 

日中に再び旧市街を歩くと

朝とはまた違った様子を楽しむことが出来ました。

 

 

 

現地の伝統工芸の絨毯が

壁一面にズラリ。

ビビットな色が

青の景色によく映えます。

 

 

 

 

 

朝は何もなかったのに

物凄い数のみやげものが

路地に現れていました。

毎日出したりしまったり

大変そうだけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人気の撮影スポットには人が殺到。

順番待ちをしなければ撮れないほど。

朝はあんなに静かだったのに、

もの凄い賑わいです。

 

 

 

日の光に照らされた青もまた素敵。

時間帯によって色の映え方が

違って見えるのが面白いです。

暑くてずっと歩いてられないので

宿に戻ったり、また出かけたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャウエンの町には

たくさんのお土産屋さんがひしめいていますが

その中で流暢な日本語を操って声を掛けてくる男の子が…。

彼の名は“モハメドくん”、17歳。

 

 

 

4年前から本格的に外国語の勉強を

始めたというモハメドくん。

アラブ語、英語、フランス語、

スペイン語、中国語がペラペラ。

1番苦手だという日本語も

かなりのレベルです。

 

 

 

日本語を教えながら一緒にディナー。

言葉巧みに言い寄ってくる商人は

山ほどいますが、

彼からは純粋に日本語を勉強したい

という気持ちが伝わってきました。

楽しい時間だったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャウエンの町を歩いていると

お土産屋さんでしょっちゅう目にするのが

手のひらに目が描かれたこのマーク。

 

 

調べてみると、

“ファティマの手(またはハムサ)”と

呼ばれるもの。

 

イヴィル・アイ(邪視)という呪いの視線を除ける効果があり、

北アフリカや中東で広く知られているそうです。

 

 

 

要は事故や災難から

身を守ってくれるお守り。

タクシードライバーなんかも

交通安全を祈願して

ミラーからぶら下げているとか。

 

 

 

 

キーホルダーやマグネット、

財布やバッグの柄にいたるまで

とにかく色んなものにおいての

モチーフとなっている

ファティマの手。

 

 

 

 

アクセサリー屋さんに行って

アフリカを走行する旨を伝えると、

「ファティマの手は

君の旅にぴったりのお守りだよ!」

とのことで、

さっそく作ってもらうことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

色はもちろんシャウエンブルー。

(汚い足見せてゴメンなさい。)

 

 

危険な自動車や盗人、マラリア。

ゾウやライオンにカバ。

アフリカ大陸には危険な存在がうようよしていますが

そんなヤツらを

“ファティマの手”で退けながら進んでまいります!

 

 

 

アフリカ上陸

2019.06.28

【398日目 15,594km】

 

ユーラシア大陸最後の町「タリファ」に着いた後は

しばらく、のんびりまったり。

 

ヨーロッパの滞在期限が90日間だったのですが、

ビザ失効1日前の89日目まで

スペインの端っこで往生してやりました。

 

 

 

疲れもしっかりとれたら

いよいよアフリカに向かいます。

荷物をまとめてタリファの港へ。

 

 

 

フェリーに乗って進むのは

地中海と大西洋の境でもある

ジブラルタル海峡。

わずか20kmほどの航路を

1時間足らずで

渡り切ってしまいます。

 

 

 

離れていくイベリア半島を見送りながら

思いのほか激しくうねる波の上を

揺られました。

時間短縮のためか、

入国スタンプも

船上で押されてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

アフリカ旅はじまりの国であり

21ヵ国目となるのは「モロッコ」。

公用語はアラブ語、ベルベル語ですが

多くの人が流暢なフランス語を話せるそう。

トルコ以来のイスラム文化圏に突入です。

 

 

 

港の簡易的な入国審査を7秒くらいで終えると、

モロッコの玄関口「タンジェ」の街に到着です。

熱気にあふれていると思いきや、

意外とスッキリとした印象。

 

 

 

特に海沿いの大通りは

綺麗に整備されており、

ゆるー南国の雰囲気。

イメージしていた「アフリカ感」は

まだしばらくお預けか。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は走行せずにタンジェの街で過ごすことに。

港からほど近い旧市街の安宿で1泊します。

 

 

 

海沿いを見たときには

感じませんでしたが、

旧市街に入り込むと

途端にイスラムの雰囲気が漂います。

もうヨーロッパじゃないんだな…。

当たり前だけど。

 

 

 

これまで訪れた国の中では

やはり同じイスラム文化圏の

イランに近い気がします。

迷路のような街と

鼻を突いてくる香辛料の匂い。

 

 

 

宿に荷物を置いたら地元の食堂へ。

勧められるがままに食べたのは

「魚の揚げ物」。

モロッコ旅の楽しみの一つは

その豊かな食文化。

これはまぁ普通の魚だったけど。

 

 

 

この日はあてもなく街をぶらぶら。

商店をのぞいてみると

ヨーロッパに比べ物価が下がったこと

を確認して安心しました。

おそらくこの旅で最も物価の高い

地域は抜け出せたはず。

 

 

 

宿の屋上から見渡すタンジェの旧市街。

いわゆる先進国といわれる国々を走るうちに薄らいでいた

旅のゾクゾク感が蘇ってくるのを感じます。

これから始まるアフリカ旅が本当に楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

 

これからアフリカ大陸を南下していくのですが

①モロッコ→セネガル間、西サハラ地域を走行

②セネガル→ケニア間、今回の旅初めての空路移動

③ケニアから南アフリカ喜望峰を目指して南下

という流れで走行していく予定です。

 

アフリカ大陸すべて陸路で縦断したいところですが、

旅全体のスケジュール、季節を考慮した結果

このような計画となりました。

 

この旅で最も楽しみにしていた大陸・アフリカ。

忘れられない素敵な出会いに恵まれますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで

タンジェの街で1晩すごしたのちは

いよいよアフリカの大地を走り始めます。

 

 

 

とはいってもまだスペインと

さほど離れていないこともあってか、

アンダルシア地方と似たような

渇いた茶色の丘が続く風景。

道もしっかり舗装されています。

 

 

 

時にあらわれる路肩の商店で

フルーツを買って休憩。

アフリカでは頻繁に休みを取りつつ

“疲れ果てない!”

をモットーに走るつもりです。

ゆっくりコツコツ進むスタイル。

 

 

 

昼を過ぎると

一気に気温が上がりました。

少しでも上り坂になると

汗が噴き出してくる。

それでも気温はまだ30℃ちょっと。

慣れねば…。

 

 

 

 

 

 

 

 

80kmほど走ったこの日は道路から離れた

大きな木の下で野宿。

地元の人曰く、

「モロッコはどこでもキャンプできる」そう。

助かります。

 

 

 

夕食は相変わらずのパスタ。

せっかくなのでアフリカ流の料理を

マスターしてやろうと考えてます。

といいながら

しばらくパスタばかりだろうけど。

 

 

 

人が近寄ってこない場所を

選んだつもりでしたが、

テントで休んでいると

牛をつれた人が。

この後、

羊の大群も横切っていきました。

 

 

 

ついに始まった旅の第2章にあたるアフリカ編。

決して無理せず、しっかりご飯食べて

健やかに旅の日々を過ごしてまいりたいと思います。

 

 

ユーラシア大陸完走!

2019.06.24

【394日目 15,514km】

 

スペイン・イベリア半島の最南端を目指す前に

まずはマラガの街を

散策してみることにします。

 

 

 

スペイン6番目の人口を誇る都市「マラガ」。

多く人を抱える大都市としては

ヨーロッパで最も南に位置している街です。

 

 

 

中心部には

ブランド店などが並ぶ大通り。

沢山の観光客たちが闊歩していました。

かの芸術家ピカソを

生んだ場所でもあります。

 

 

 

 

マラガの街に集まる人々の目的は

“コスタ・デル・ソル(太陽の海岸)”

と評される美しい海岸。

結構な割合でヌーディストがいるので

写真を撮るのは一苦労。

(皆さん下ははかれてましたよ。)

 

 

 

実はこの街で、

10か月前にキルギスでお会いした

日本人の旅人の方と束の間の合流。

再会を祝してちょっと奮発。

海の幸を遠慮なく平らげました。

 

 

 

 

複数人だと色んなメニューが

食べられるから素晴らしいです。

料理って1人で黙々とではなく、

「美味しいね。」「そうだね。」

と笑顔で食べるもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぶしい日差しが照りつけるマラガの街で

3日間ほどのんびりしたら、

いよいよスペイン

そしてユーラシア大陸最後の地

を目指して走り始めます。

 

 

 

マラガを抜けても

海岸沿いは人の多く住む

住宅街が続いており、

交通量の多いバイパスに沿って

走って行きます。

 

 

 

 

風が吹き抜けるからなのか

海沿いの道はあまり暑くもなく

起伏も少ないので

力強くペダルを踏みしめて

ぐんぐんと進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

100kmあまり走ったこの日は

小さな町のビーチにテントを張ることに。

基本的には海辺一帯は野宿禁止みたいだけど

茂みに隠れてこっそりしちゃいます。

 

 

 

目の前は地中海。

日が傾きはじめる頃には

誰もいなくなり、

波の音を聞きながら

ゆっくりと眠りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、目を覚ますと東から眩しい朝日が

煌々と輝き始めていました。

今日は旅の節目ともなる特別な日。

 

 

 

前日に引き続き

海沿いのバイパスを

南へ南へと進んでいきます。

 

 

 

 

 

 

目の前にひろがるイベリア半島の大地。

この景色ももう間もなく

見納めとなります。

目に焼き付けるように

噛みしめて走る。

 

 

 

 

お昼の休憩を挟んで、

最後に待ち構えるのは

標高300mほどの山。

午後からは少し気温も上がって

のどがカラカラになりながら

何とか登っていきます。

 

 

 

峠を越えると最後は

長い下り坂。

強く吹き始めた風は止むことがなく

海峡が近づいていることを

予感させます。

 

 

 

 

そして、坂を下った先には

「タリファ」と書かれた看板が。

スペイン・イベリア半島の

最南端の位置する岬の町に

やって来ました。

 

 

 

 

 

強く気持ちのいい風が吹き抜ける

小さな町を走りぬけた先には

港が見えてきました。

やっとここまで来たんだと

少しずつ胸が高鳴っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてついに、

スペイン・イベリア半島タリファの港に到着です!

 

青い空の下に広がるのは

スペインとモロッコに挟まれたジブラルタル海峡。

さらに向こうにうっすらと見えるのは

これから向かうアフリカ大陸。

 

 

 

ということで

1年余りに及んだユーラシア大陸横断の旅は

ここタリファの地で終わりを告げます。

 

一部交通機関を使用した区間もありましたが、

確かにこの足で(タイヤで)

地球上最も大きな大陸を踏みしめてまいりました。

 

掛かった日数:394日

走った距離:15,514km

訪れた国:20ヵ国

使ったお金:約100万円

出会った人たち:数知れず

 

 

この旅路での経験を勇気と自信に変え、

この先に待ち構えている

アフリカ大陸の旅を乗り越えてまいります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タリファ到着のこの日は、

ユーラシア完走を祝してビーフステーキ。

安宿泊まれるくらい高かったけど

ヨーロッパ最後のご馳走です。

 

 

 

 

 

 

ボートに乗ってアフリカに向かう前に

しばらくタリファの町でゆっくりすることにしました。

ヨーロッパの滞在ビザももう少し残ってるので。

 

 

 

これまでに見たスペイン南部の

典型的な町並み。

歩いているだけで落ち着く

白い壁がどこまでも続きます。

 

 

 

 

 

特に観光資源があるわけでもなく

町の観光客は決して多くはありません。

最果ての町なので、

都市からのアクセスが

すごくいいわけでもないし。

 

 

 

 

ひっそりとした町を抜けて

海辺に向かうとビーチは大賑わい。

ヨーロッパの人って

本当に海が好きみたい。

平日なのにすごい人が集まってました。

 

 

 

 

大洋に面し、強い風が吹き続ける

タリファの町はカイトサーフィンの

スポットとして有名。

広大なビーチには

無数のカイトサーファーたち。

 

 

 

 

 

 

 

 

移動の疲れも癒えて

気持ちの準備が整ったら、

いよいよ新たなる大陸「アフリカ編」の始まりです。

 

今は不安しかないですが、

きっと現地に着けば

 

忘れられない素敵な出会いが待っているはず。

 

 

さよならユーラシア。

待ってろアフリカ。

 

 

 

アンダルシアを走る

2019.06.20

【389日目 15,346km】

 

グラナダをしっかりと満喫した後は

スペイン南部の都市マラガを目指して進みます。

 

 

 

グラナダの街を離れると

あっという間に山の中。

またもや暑さとの戦いが始まります。

 

 

 

海の見えない内陸部は

どこを走っても山だらけで、

平らな道はほとんどなし。

常にのぼっているか

下っているか。

疲れる一方です。

 

 

 

山中といえど

原生林はほとんどなく、

アンダルシア地方には

みかんやオリーブ畑が広がっています。

どこまでものどか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダから60kmあまり走って着いたのは

山間の小さな街「アルアマ・デル・グラナダ」。

遠くからでも目を引くのは白い家々。

 

 

 

このあたりは温泉が湧いており、

川沿いに無料で入れる場所を発見。

さっそくパンツ一丁になり

汗と一緒に疲れも

流してしまいます。

やっぱり温泉、気持ち良い。

 

 

 

温泉で出会ったのは

アンダルシア地方の

旅行ガイドをしている“フランさん”。

一緒にアルアマの町を

散策してみることにしました。

 

 

 

 

グラナダでも見た

石灰を使った白い壁が並ぶ町並み。

迷路のような路地の幅が狭いのは

暑い日差しが差し込まないように

しているのではないか、

という僕の予想。

 

 

 

窓辺に飾られた真っ赤な花が

家の壁に映える風景は

ほんとうに絵画の様。

ここにお住いの方々の

美意識の賜物です。

 

 

 

 

観光客は一人もすれ違うことなく

たまに住民の人と出会うだけ。

美しい真っ白な空間は

観光用のテーマパークではなく

あくまで人が暮らすための町

だということが分かります。

 

 

 

町から見える

岩がむき出しになった断崖。

緑豊かな日本では見ることのない

大陸ならではの

ダイナミックな光景です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観光を終えてフランさんに別れを告げると、

村から少し離れた農場の隅っこで

テントを張らせてもらいました。

 

海沿いは人がたくさんいるけど

山間部に入ってしまえばこっちのもの。

どこでも野宿できちゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も青空の下、

元気よく走り始めます。

遠くに岩山が眺めながら進むのが気持ちいい。

 

 

 

空が澄み渡っていると

切り立つ岩山の迫力が

一層際立ちます。

ワイルドな光景が広がる

スペイン南部。

 

 

 

 

舗装された公道を

ずっと進んでいるのですが、

すれ違う車はほとんど無し。

荒涼とした空間を

1人占めにしながら

黙々と走りつづけます。

 

 

 

山を一つ越えたと思ったら、

その向こうにはどこまでも

起伏が続いています。

迂回する道など無く、

一つ一つゆっくりと越えていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日も前日と同じく

農場の隅で野宿。

 

近くに小川でも流れてたら最高ですが

文句なんて言える立場じゃありません。

静かな夜の中、ぐっすり眠らせもらいます。

 

 

 

夕食は相変わらずパスタ。

ヨーロッパを抜け出しても

これが続くんだろうな。

…だって簡単なんだもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる日はうってかわって

朝から曇天。

アンダルシア地方で青空を拝めないのは

はじめてのことです。

 

 

 

といっても、

あっという間に雲は流れ

昼前には晴れ間が見えてきました。

絶えず移り変わるところは

やはり山の天気。

 

 

 

 

道すがら立ち寄ったのはヤギ牧場。

広大な丘陵地帯で放牧を行うようです。

こんな穏やかな場所で育ったら

気持ち良いだろうな、

ヤギになりたい…。

 

 

 

 

ときどき現れる村は、

いずれも山の麓に

ぎゅっと身を寄せ合うように

白い家々が密集してます。

「ここが村!」って感じで

とても分かりやすい。

 

 

 

午後からは

すっかり天気も良くなり、

青空のもと勢い良く

山の間を縫って走ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダを発って3日目。

「エル・チョロ」といわれる地域にやってきました。

 

湖をとり巻くように遊歩道が整備されたこのエリア。

実は、ここにやって来たのには理由がありまして…

 

 

※参考写真

それが、

「カミニート・デル・レイ(王の小道)」という

大渓谷の壁に沿った補助道を歩く

スリル満点の人気アクティビティ。

 

インターネットで事前にチケットを購入しようとしたところ

2か月先まで予約はいっぱい。

それでも

「1人なら現地で当日券が手に入るよ」と、

複数の情報筋から聞いていたのを信じて

突撃してみることに。

 

入り口ゲートに着くとスタッフのお姉さんがいました。

 

「あのぅ、予約はしてないんですけどもぉ…。

でも1人だけなんで入場させてもらえ…」

「ダメよ。帰りなさい。」

 

 

 

うつむきながら

来た道を引き返しました。

ヨーロッパの人気観光地はどこも

数か月前に予約をするか

旅行会社を通して手配するように

心がけましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

エルチョロのアクティビティを諦め

そのまま南へ向かうと

夕方にはアロラという小さな町に到着。

 

 

 

 

 

 

休みなく自転車を漕いだ上に

山道を歩いたことで

疲労が溜まったのか、

頭痛が起こり熱中症気味に。

見つけたモーテルにふらふら状態で

駆け込みました。

 

 

 

暑いなか毎日全力で漕いでたら

体力なんて持ちません。

余裕をもって

のんびり進んでいかねば。

人間いつも健康第一です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一晩寝れば体力は回復。

海岸を目指して南下していきます。

 

 

 

山だらけの風景が

ビルも増えて

道も平らになってきました。

3日振りの都会のニオイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼過ぎ、

スペイン最後の大都市「マラガ」に到着です!

 

ヨーロッパの旅もあと少し。

 

グラナダでひと休み

2019.06.16

【383日目 15,101km】

 

日ごと増していく暑さの中、

たどり着いたのは

スペイン南部アンダルシア地方を

代表する観光都市「グラナダ」。

 

 

 

ここでお世話になっていた

WarmShowerのホストは“ディヴィットさん”。

冬場はスキーインストラクターをされている

アクティブな方です。

 

 

 

お家を留守にされることが多く、

貸切状態で

気持ちよく過ごさせてもらいました。

ここを拠点にグラナダ観光を

楽しみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダは観光地といえど

街の規模は割にこじんまりとしていて

人口はおよそ25万人。

広さも十分歩いて回れるほどです。

 

 

 

長い歴史のなかで

時代の波にもまれつづけたグラナダ。

それを象徴する古くからの遺産が

街の中心に

今もその姿を残しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小高い丘の上から街を見下ろしているのは

「アルハンブラ宮殿」。

 

グラナダはもちろん

スペインを代表する歴史遺産であり、

多くの観光客は

ここを訪れるためにグラナダにやってくる

というような場所です。

 

 

アフリカ北部から海を渡り

数百年に及んでスペイン南部を占領したイスラム王朝によって、

9世紀ごろから増築を繰り返し建てられたのがこの宮殿。

 

キリスト教カトリックの

レコンキスタ(スペイン国土回復運動)によって

王朝が陥落した後も、

あまりにも素晴らしい建築物だということで

破壊されることなく現在にいたるまで

その姿を留めてきました。

 

 

ものすごく歴史的価値のある場所だということで

当然この場所への観光は大人気。

 

インターネットで入場チケットを購入しようとしたところ

数か月先まで予約はいっぱい。

 

当日券を手に入れるには

早朝から長蛇の列に並んで

ダフ屋のおっちゃんと競争する必要があるということで

泣く泣く入場は断念。

 

 

 

現地の人曰く、

「この宮殿を見なきゃ

グラナダに来た意味はない」とのこと。

いいんです、いいんです。

宮殿から解き放たれるエネルギーを

たっぷり吸収したので。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、街のほぼ中心に建つのは

「グラナダ大聖堂」。

 

およそ200年の建築期間を経て

18世紀に完成したカトリックの大聖堂は

大きなビルのないグラナダにおいて

抜群の存在感。

正面に立つと圧倒されます。

 

 

 

内部はまさに豪華絢爛。

広いだけでなく

繊細な彫刻、装飾に目を奪われます。

イスラムに支配されつづけた街で

「ここはキリスト教の土地だ」と

高らかに宣言しているかのよう。

 

 

 

グラナダ陥落と同時に

スペイン国内のイスラム王朝は滅亡。

異なる宗教建築が共存していることは、

この場所が

土地争奪戦の最前線であったことを

象徴しているように感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

宮殿のふもとにあり、大聖堂を取り囲むように広がるのは

イスラム王朝時代の旧市街「アルバイシン地区」。

 

オスマン帝国文化圏でも見てきた

古くからのこる迷路のような住宅街。

アルハンブラ宮殿とあわせて

世界遺産に登録されています。

 

 

 

印象的なのは爽やかな白い壁。

ヨーロッパでは豊富に産出される

石灰が使われてます。

外壁が白いことで

熱を逃がすこともできるとか。

暑い地域ならではの工夫です。

 

 

 

イスラムの建築様式と

地中海沿いであるという要因が

重なってできる

この土地ならではの町並み。

あぁ、アンダルシア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダならではの食の楽しみ方があるらしく

昼間から賑わうバル(居酒屋)へ。

どこも列ができるほど人で溢れてます。

 

 

 

グラナダ名物の食事サービスが

「タパス」。

要は日本の“突き出し”にあたるもの。

(“お通し”?)

最初の1皿だけでなく

飲み物を頼むごとに付いてきます。

 

 

 

毎回違うものが色々出てくるタパス。

数軒はしごしながら

お店ごとのタパスを楽しむのが

グラナダ観光の定番。

何が出てくるかわからないから

おもしろいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダ滞在中は市内観光だけでなく、

デイヴィッドさんや彼の友達と一緒に

山登りも楽しんできました。

 

といっても麓からではなく

車で移動して2,000m近い高さからのスタート。

 

 

 

グラナダからわずか30kmほどの南に

連なるのは「シエラネバダ山脈」。

スペイン最高峰のムラセン山を

有しています。

といっても3,480mなので

富士山の勝ち。

 

 

 

スペイン語で「雪の積もった山脈」を

意味するシエラネバダ。

アメリカにも

同じ名前の山脈がありますが、

デイヴィッドさん曰く、

「こっちがホンモノ」とのこと。

 

 

 

傾斜はきつくなく

気温もさほど低くないので

ピクニック気分でのんびり登ります。

といっても3,000m付近になると

わずかながら息が切れて

酸素が薄いのを実感できました。

 

 

 

丸みを帯びた地平線の上に広がる

一面の深い青は

空というよりももはや

すぐそこにある宇宙を

感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間足らずで目的の3,393m峰に到達!

本格的な登山ではないけれど、

下に広がる絶景もあいまって

この時の達成感は素晴らしかったです。

世界の山を登りながらの旅するのも楽しそう。

 

 

 

この日は登りませんでしたが

さらに向こうには山脈の最高峰が見えます。

 

頂上目指して

少しずつ登っていくっていいですよね。

長い距離を進む自転車旅と感覚が似てる気がする。

帰国したら日本の山々も登ってみようかな…。

 

 

 

面白いのが登った後のこと。

スペインには

伝統的な昼寝文化“シエスタ”があります。

 

この時もデイヴィットさん達、

「ちょっとシエスタするわ。」と

いきなり寝はじめました。

大のオトナ達が地面にごろごろ。

何とも愛らしいぞ、スペイン人!

 

※この昼寝文化がスピーディな現代社会において、

スペイン経済を停滞させてるという説もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観光したり、山に登ったり

気が付けば5日間も滞在してしまったグラナダの街。

 

のんびりリラックスした後は、

さらにスペインの南端へと向かいます!

 

 

 

特別賞受賞

2019.06.12

【380日目 15,101km】

 

 

 

スペインも後半戦に突入。

ムルシアから次なる場所へと走り始めます。

 

 

 

天気は雲一つない快晴。

午前中の間は暑さを気にすることもなく

気持ちよく漕ぎ出します。

 

 

 

ヨーロッパ全体に言えることですが

スペインでも自転車文化は盛ん。

いたるところで

何人もの本格的な

ロードバイク乗りの人たちに

追い抜かれていきました。

 

 

 

主要の幹線道路に沿って走ってます。

路肩は狭いけど

そこまで交通量がないので

割と余裕をもって

進むことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうど昼頃にたどり着いたのは「ロルカ」という町。

中央にある高台に立つと

町の全体を見下ろすことが出来ます。

 

 

 

渇いた荒野の中にあらわれた

土色の石で造られた家々。

同じヨーロッパとはいえ

イタリア、フランスとは

明らかに違うスペインならではの

町という雰囲気です。

 

 

 

特に重要な観光名所はないらしく

散策している観光客の人とも

ほとんどすれ違うことはありません。

でも、何気ないただの町角が

すごく綺麗な場所でした。

 

 

 

 

再び走り始めて

午後にはスペインの

最も南に位置する

「アンダルシア州」に

突入しました。

 

 

 

 

この日はあまりの暑さに

かなり疲れが溜まったので

スペインで初めて宿に泊まりました。

30℃は優に超えてたと思います。

といっても去年の中央アジアは

毎日これ以上の暑さだったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベッドでしっかり休んだら翌日も朝から走り始めます。

ムルシアあたりから緑は減っていましたが、

このあたりからさらに渇いた荒野へと

景色が変わっていきました。

 

 

 

暑い時期のサイクリングは

涼しい午前中に

どれだけ距離を稼ぐかが大切。

暑さと同時に着実に戻ってくるのは

中央アジアの砂漠を走った時の感覚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

面白いことが起こったのは、

お昼に何か食べようと

「オルラ・デル・リオ」という

小さな町をウロウロしていた時のこと。

 

何か自転車のイベントをしていたらしく

サイクリストの集団に出くわしました。

 

 

パシャパシャと写真を撮っていると

「お前もついてこいよ!」と手招きされたので

何もわからぬままとりあえずついて行ってみることに。

 

 

 

たどり着いたのは

町の外れにある大きな倉庫。

中にはサイクルジャージを着た

サイクリスト達が100人ほど

いたでしょうか。

 

 

 

 

聞けば、この日

午前中は自転車レースをしており

午後からはこの倉庫で

打ち上げのパーティーが行われるそう。

会場に入るなり大勢の方に囲まれ

スペイン語の質問が飛び交いました。

 

 

 

パーティ-で皆が食べるのは

大きな鍋で炊かれた「巨大パエリヤ」。

スペインではイベント時の恒例なのか?

これで約100人分はあります。

何でも“デカい”ってだけで

興奮しますよね。

 

 

 

 

「特別ゲストなんだからお前も食え!」

と言われたので

遠慮なくご相伴にあずかりました。

こないだバレンシアの有名店で食べたけど

なんら遜色ないほど美味しかった。

きっとデカい鍋だから美味しいんです。

 

 

 

食事を済ませると

自転車レースの表彰式が始まりました。

少年の部、女性の部と

順に発表され、

表彰されていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてなんと、

日本からの特別ゲストとして

“リョウスケ・トモタケ”が

町長特別賞を受賞してしまいました!

 

 

日本でも手にすることのないトロフィーを

スペインの片田舎でもらうことになるとは…。

ふらっと立ち寄っただけなのに、

気を使っていただいて申し訳ない。

 

自分の好きで誰のためにもならない旅をしてるのですが

こうして現地の人たちに暖かく迎えられると

心から嬉しく思います。

 

こんな思いもよらぬ出会いがあるから

「また先へ進んでいこう」

という気持ちになるんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、パーティーが終わると

もう少しだけ進んでおきたかったので

再び走り始めます。

乾いた大地はどこまでも続く。

 

 

 

 

 

岩山のふもとに

人の来なさそうな場所を見つけ

テントを張ることに。

日が沈まないから

気温も下がらない。

 

 

 

 

 

日が長いぶん自転車を漕げる時間も

長くなるのですが、

毎日長時間漕いでられないので

正直8時ぐらいになったら

もう暗くなってほしい。

文句言っても仕方ないけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野宿で夜を明かすと

引き続き走り始めました。

山の中にも自転車専用道が整備されており、

とても助かります。

 

 

 

 

遠くを眺めれば風力発電の風車が。

風車って牧歌的で好きなんですけど、

これがあるってことは

風が強い地域ということなので

「びくっ」と不安になってしまいます。

この時は強風は吹いてなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

小さな町で一休みして

午後から再び走り始めたとき、

ちょっとしたハプニングが…。

 

 

荒野の道を何となく走っていると

知らないうちに自動車専用のバイパスに侵入しておりました。

 

ビュンビュンとすごい勢いの車に

追い抜かれつつおろおろしていると

バイクに乗った警察がやってきます。

 

「ここは自転車走行不可だから次の出口で降りなさい。」

 

バイパスを降りたところで他に道は無いしどうしよう、

と悩んでいるとガソリンスタンドを発見。

しばらくしてやって来たワンボックスバンのドライバーさんに

事情を説明すると、自転車ごと載せてくれることに。

 

とてもスムーズにヒッチハイク成功です。

人にやさしさに助けられてばかり。

 

 

 

車を降ろしてもらった先に着いたのは

「グラディックス」という町。

遠くの山の頂には雪が見えるけど

まだまだ暑い…。

 

 

 

 

 

全然下調べをしてなかったけど

ものすごく綺麗な街並みでした。

スペインの小さな町って

どこも真ん中に教会が建ってて

美しいところが多いです。

 

 

 

 

この日も暑いうえに

目的地に早くついてしまい

日没まで時間がありすぎるので

キャンプではなく

宿に泊まることに。

 

 

 

 

クーラーが効いてなくても

屋内は涼しいし、ベッドはふかふか。

幸せ…。

キャンプばっかりしてると

初めてやってきた宿でも

快適すぎて家みたいに感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐっすり眠って

明くる日は山を越える行程。

気合を入れて出発です。

 

 

 

起伏もかなり激しくなってきました。

暑い中での上り坂は

本当に過酷。

景色を楽しむ余裕もなくなります。

 

 

 

 

 

したたる汗をぬぐうこともせず

黙々と山を登り、

峠にたどり着きました。

ここからは下り坂。

 

 

 

 

 

気持ちよく滑降していると

緑も増えた山の中に

鮮やかなエメラルドグリーンの湖が。

断崖でなければ服を脱いで

飛び込んでしまいたいほど

綺麗な水辺でした。

 

 

 

やがて斜面も緩やかになり

平坦な道を進んでいきました。

スペイン南部は

緑が減ったり増えたり

とにかく景色がコロコロ変わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてたどり着いたのは

スペイン南部の観光都市「グラナダ」。

 

この街でしばし疲れを癒し、

観光を楽しみたいと思います!

 

 

 

町の自転車屋さん

2019.06.8

【375日目 14,805km】

 

バレンシア地方での滞在を終え

次なる場所へと向かっていきます。

 

 

 

これまでスペイン東側の海沿いを走ってきましたが、

クリェラの町からは

少しだけ内陸の山の中へと突入。

 

 

 

しばらく大きな幹線道路沿いを

走ったので

それなりに交通量もあります。

たくさんの車に追い抜かれつつ

少しずつ進みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発から50kmほど走ったお昼頃。

ちょろっと立ち寄ったのは

山の麓にある町「ハティバ」。

 

 

 

 

山のゆるやかな斜面に

昔ながらの白い壁をした家屋が

立ち並んでいます。

とても静かな場所でした。

 

 

 

 

 

路地をさまよっていると

町の中央に建つ教会の鐘楼が

見えます。

迷子になりそうになるけど

この教会を目印になんとか

抜け出すことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

午後から走行再開。

傾斜が徐々に急になり

わずかながら

標高が上がっていくのが分かります。

足に力を入れてせっせとのぼる。

 

 

 

 

この日から気温が一気に上がりました。

朝の走行開始時から半袖で走ったのは

今季初めて。

スペインもそろそろ南部に

差し掛かる頃です。

 

 

 

 

降り注ぐ日差しが強く

どんどん体力が奪われていきます。

ただこれから暑くなる一方なので

これに慣れていかねば。

先が思いやられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山をのぼった一帯が農耕地帯になっており

野宿場所を探すのに意外に苦戦。

ひっそりとした誰もいない公園を見つけ

テントを張ります。

 

 

 

この日のメニューは

手抜きインスタントラーメン。

安い袋ラーメンって

結構どの国でも売られてるので

かなり助かってます。

美味しいのはあまりないけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も朝から快晴、

この日はほとんど下り坂の予定なので

気持ちよく走り始めました。

 

 

 

暑さは前日と相変わらず。

山上だから若干涼しい気はするものの

少し走れば汗がしたたります。

これから休憩の頻度が

ものすごく増えそう。

 

 

 

 

これまで海沿いばかりだったので

スペインでは

山をじっくり見てませんでした。

南部の乾燥した内陸部では

大きな岩山がいくつもあるようです。

目前にしたときの迫力がすごい。

 

 

 

前日に山をのぼっていたときの

緑豊かな景色とはうって変わり、

乾燥した地域であることが

一目でわかります。

この景色を見るだけで

のどが渇いてくる…。

 

 

 

山を降りると道路も平坦になり

車の数も多くなりました。

目的の街まで颯爽と

駆け抜けていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やって来たのはスペイン南東部に位置する

ムルシア州の州都「ムルシア」。

中心を流れるセグラ川のほとりに立つ大聖堂が印象的。

 

 

 

州都なので賑やかなのかと思いきや

こじんまりとしていて

割と静かな街でした。

街をぶらぶらする程度なら

ちょうどいい気温です。

自転車漕いだら暑いけど。

 

 

 

街の中心部を訪れても

観光客が殺到しているということもなく

とても過ごしやすい場所です。

これがスペインの

“普通の街”なんだろうなという感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ムルシアの街で受け入れてくれた

WarmShowerのホストは“フアンさん”。

到着した日の夜は

自宅アパートの屋上でディナーをご馳走になりました。

 

 

 

 

そんなフアンさんは

ムルシア中心部の街角で

自転車屋さんを

営んでらっしゃいます。

 

 

 

 

 

店内をのぞいてみると

修理機材や自転車部品がびっしり。

僕がたどり着いた時も

複数のお客さんの対応中で

かなり繁盛しているようでした。

 

 

 

 

バルセロナでパーツを一新してから

なぜかペダルを重く感じていたので

チェックしてもらうことに。

細かい説明をしなくても原因を究明し

ささっと調整してくれる姿は

まさに職人です。カッコいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

自転車屋の作業場のすぐ横が

居住スペースになっており

ここに泊めてもらってました。

実は家電とソファー以外はほぼすべて

フアンさんによる手作りなんです。

 

 

 

 

机や棚はもちろん、

床張りや電気配線まで

自分でやってしまったのだとか。

大学では工学でなく

経済学を勉強していたということで

自転車修理も含めすべて独学です。

 

 

 

 

 

 

 

 

かつては首都・マドリードで

システムエンジニアとして働いていたフアンさん。

 

「やるべき仕事は終わってるのに、

上司が席を立つまでは帰れないような日々にウンザリ」

と感じて故郷に戻ったそう。

どの国も似たようなもんですね…。

 

 

さらに旅人としての一面も持つ彼。

この夏には2ヵ月間お店を休み、

写真の黄色い自転車に乗って

イランの北隣・アゼルバイジャンまで向かうのだとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅のWiFiパスワードが

「Cars are shit(車なんてクソくらえ)」であることからも

溢れる自転車愛が感じられるフアンさん。

 

 

創造力いっぱいの彼のライフスタイルに

ものすごく刺激を与えられた

ムルシアでの滞在でした。

 

 

 

近代都市バレンシア

2019.06.4

【370日目 14,577km】

 

テント泊を続けながら

引き続きスペインを南下していきます。

 

 

 

スペイン各所には「Via Verde(緑の道)」

と呼ばれる自転車道が整備されており

とても走りやすくなっています。

 

 

 

イタリアやフランスのものと同様

かつての鉄道用線路を

サイクリングコースにしたようです。

極端な曲がりも少ないので

景色を満喫しながら

ゆったり走るのが気持ち良い。

 

 

 

途切れながらではあるけど

スペイン全土に広がるので

休暇ごとに色んなコースを走るのが

スパニッシュサイクリスト達の

楽しみだそうです。

 

 

 

 

時々パン屋などで

休憩に立ち寄りながらこの日も

ゆっくり進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は「プラヤ」という

小さな町のキャンプ場に宿泊。

 

 

 

最近サラミにはまってまして

テントをはり終えたら

ゆっくり食べるのが恒例。

イタリア発祥の乾燥肉ですが

ヨーロッパのどの国でも

たくさん売られています。

 

 

 

どんどん日が長くなっていく

この季節。

夕方6時なんてまだまだ青空全開。

本当に真っ暗になるのは

夜10時頃です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日もとにかく南へと走ります。

長く続くVia Verede がありがたい。

 

 

 

まもなくスペイン第3の都市

「バレンシア」が近づいてきます。

交通量も徐々に増えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日はバレンシアを素通りして

少し南にある町「クリェラ」へ。

お世話になる宿泊先へと向かいます。

 

 

 

クリェラで泊まったのは

個人のお宅ではなく、

いわゆるノマドワーカーたちへの

貸事務所の様なアパート。

こちらもWarm Showerを通じて

知った場所です。

 

 

 

オーナーがサイクリング好きな方で

自転車旅の人には

無料で宿泊させてくれるというもの。

色んなところで

自転車ならではの恩恵を受け取ってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クリェラの町に到着した翌日は

電車に乗って

バレンシアの観光にくり出しました。

 

 

 

スペイン東側沿岸のほぼ中央に位置する

バレンシア州の州都「バレンシア」。

 

マドリード、バルセロナに次いで

国内3番目の人口を誇る大都市です。

北部のバルセロナに比べると

雨も少なく気温も高く

イメージ通りのスペインといった気候。

 

 

観光客がまず向かうのは

旧市街の中心地にある「ビルヘン広場」。

多くの人が集まる賑やかな場所です。

 

 

 

広場を見守るように立つのは

「サンタ・マリア大聖堂」。

キリストが最後の晩餐の際、

使用した(可能性が高い)という

聖杯が収められています。

ありがたや。

 

 

 

大聖堂の横に建つ鐘楼の上にのぼれば

バレンシア旧市街が一望できます。

古い建物と新しい建物の

コントラストが面白い。

 

 

 

 

 

広場ではフラメンコの

パフォーマンスをしていました。

ふらっと見ただけなのに

物凄い迫力に一瞬で圧倒されます。

スペイン滞在中に生演奏付の踊りを

見ておかねば。

 

 

 

 

 

 

 

 

さらに広場から少し離れたところには

観光名所ともなっている中央市場。

要は普通の市場なのですが

100年近い歴史を誇り

とても活気に溢れていました。

 

 

 

地中海沿いの港湾都市だけあって

目を引くのは豊富な海産物たち。

魚、エビ、貝、イカ、タコ

とにかく何でもあります。

宿が近かったら

何か買って帰りたいのに…。

 

 

 

もちろん海鮮だけでなく

肉も野菜も揃っています。

どの国に行っても市場は

熱気があって

見ているだけでワクワクしてしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歴史ある街バレンシアですが

旧市街を離れた河川沿いの一画には

まったく違う顔ものぞかせています。

 

それが「芸術科学都市」といわれる

現代建築物群。

 

 

10数年前に完成した

劇場、水族館、プラネタリウム、博物館

などの複合施設となっているこの一帯。

建物そのものが芸術作品のようで

あたりには

別空間の雰囲気が漂っています。

 

 

 

もちろん中に入れば

色々見所もあると思うのですが、

周辺を散歩するだけでも

ちょっとした未来空間を味わい

近代都市としての

バレンシアを楽しむことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再び旧市街に戻ると

バレンシアが生んだグルメを堪能するため

事前に調べていた人気のレストランへ。

 

 

 

注文したのは伝統料理「パエリヤ」。

スペインといえば

まず思い浮かぶこの料理、

発祥の地はここバレンシアです。

熱々の鍋に平べったく盛られたのは

海鮮と一緒に炊きこまれたお米。

 

 

 

 

バルセロナを発って

初めてまともなレストランで

食事をしましたが

これは本当に美味しかったです。

特に、おこげのカリカリが。

 

 

 

 

 

といった感じでスペイン前半は

道も穏やかで非常にのんびり進んでいます。

この調子で南部まで楽しんでいきます!

 

 

 

スペイン南下

2019.05.31

【366日目 14,420km】

 

バルセロナのマルコさんの家を出発して

いよいよ

スペインの大地を南へ走り始めます。

 

 

 

バルセロナは大都市であるにもかかわらず

思いのほか車の流れもスムーズ。

自転車を漕ぐのも苦戦することなく

30分ほどで都市部を抜けだすことが出来ました。

 

 

 

バルセロナの南は

ひたすら平坦な道が続いています。

所々にある町で休みを取りつつ

進んでいきました。

スペインは割とドライバーの

マナーが良い気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

100kmほど走ったこの日は

「タラゴナ」という街の郊外の

海辺にあるキャンプ場にチェックイン。

強い風にあおられ

この時はテントを立てるのも一苦労でした。

 

 

 

夕食はパスタ。

色んな形のパスタを試した結果

やっぱり麺状のスパゲッティが

1番美味しいということが

解明されました。

茹で加減も慣れてるので分かりやすい。

 

 

 

 

 

 

 

 

キャンプ場で出会ったのは

アーチェリーの大会に出場するため

スイスから数か月にわたり

自転車で旅をしているという女性サイクリスト。

後ろの白い大きな筒は弓だそう。

 

「旅をしている期間を練習に充てなくていいのか」

なんて聞いちゃダメです。

旅人の思考回路なんて他人からしたら

理解できるものじゃないことがほとんどなので。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、キャンプ場からすぐ近くの観光名所に

向かってみることに。

 

山の中にひっそりとたたずむのは

「ラスファレラス水道橋」。

紀元前1世紀につくられたローマ帝国の遺産です。

 

 

 

この橋、

2000年以上の昔に

これだけの橋をつくるとは

「悪魔の仕業に違いない!」

ということで

“悪魔の橋”の異名を持ちます。

 

 

 

橋の上部は

歩けるようになっています。

人とすれ違うのが困難なほど

幅が狭いことからも、

通行用ではなく

水を運ぶためだと分かります。

 

 

 

 

 

水道橋の観光を終えると

前日に引き続き走り始めます。

海辺は綺麗に整えられて

非常に走りやすい。

 

 

 

 

 

 

 

 

出発からわずか30kmほどのこと。

自転車専用道を走っていると

ジョギング中のとある男性が声をかけてきました。

 

「俺も自転車に乗って世界を旅してたんだよ。

今はこの街のホテルで住み込みで働いてるから

今日は1晩泊まっていきなよ!」

 

 

路上でまさか旅の同志との出会い。

この日もう少し進む予定でしたが

急いでないので誘われるがまま泊めてもらうことに。

 

 

 

ホテルの主催する自転車ツアーの

ガイドをしているという

スイス人“マティアス”さん。

立派なリゾートホテルのベッドで

寝かせていただくことに。

 

 

 

 

寝床のみならず

食事までごちそうになりました。

なんとなんとビュッフェスタイル。

職員関係者ということで

無料で食べさせてもらいます。

あぁ、幸せ…。

 

 

 

貧乏旅人である以上

ヨーロッパでのビュッフェなんて

なかなか

ありつけるものじゃありません。

ここぞとばかりに

胃袋に詰め込んでやります。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーラシア、オセアニア地域を2年半かけて

旅してきたマティアスさん。

 

日本を走った際には

我が故郷・広島も走ったらしく、

地元のソウルフード“お好み焼き”を絶賛してくれました。

 

 

もうじきガイドの勤務を辞めて

再びヨーロッパの旅へと出発するそうです。

安全に気を付けてお互い良い旅しましょう!

(マティアスさんのブログ→https://www.umunum.ch/

 

 

 

 

 

 

 

 

マティアスさんに別れを告げると

再び南へ下っていきます。

 

 

 

天気は安定していて

暑すぎずとても気持ちが良い。

スペインは南に行くにつれ

降水量も減ってくるそうです。

 

 

 

 

 

似たような風景がどこまでも続きます。

海岸は走りやすいけど

道は退屈…。

あまり印象に残らない道が

延々と続きました。

 

 

 

 

午後からは一気に風が強まりました。

遮蔽物が何もないので

体は吹きさらしの状態。

漕いでも漕いでも進まない道を

少しづつ前と向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして海辺のキャンプ場へ。

ここしばらく海岸沿いには

ものすごくたくさんのキャンプ場が並んでいます。

値段を聞いてまわっては安いところにチェックイン。

 

 

 

夕方早めについて

のんびりご飯の準備をしているときが

癒しの時間です。

波の音を聞きながら

ひとりでまったり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルセロナを出発してから4日目。

この日はおもに幹線道路沿いを走っていきました。

 

 

 

西の内陸側に目をやると

山が連なっています。

海側よりも内陸側の方が

走るのは楽しそうだけど、

ビザの期限もあり

そこまで回り道できないのが悔しい。

 

 

 

同じような景色が

どこまで続くんだろうか。

素敵な出会いはやはり

どこにでもあるわけじゃなく

ときに旅は退屈…。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日は「オロペサ」という

小さな町のキャンプ場にチェックイン。

平日だったこともあってか

おそらく客は僕一人。

 

 

 

夕食はやっぱりパスタ。

そろそろ違うものをと思いつつ

結局、

楽なものに落ち着いてしまいます。

 

 

 

 

 

このままではどんどん

アウトドアでのパスタの

腕前が上がってしまいます。

栄養摂れるし美味しいのは良いけど

そろそろ変わり種レシピも覚えよう。

 

 

 

 

という風に

幹線道路に沿ってしまってるので

若干刺激が少ないながら

穏やかなスペインの旅が続いています。

 

さらに南へ向かえば

「これぞスペイン」な風景に出会えるはず…、多分!

 

 

 

のんびりバルセロナ

2019.05.27

【362日目 14,113km】

 

 

ユーラシア大陸の終盤となる国・スペインに到着。

先を急がず

まずはバルセロナの街を楽しむことにします。

 

 

 

街の中心に位置しており

バルセロナの象徴ともいえるのは

あまりにも有名な「サグラダ・ファミリア」。

 

これまで各国の偉大な建築物を見てきましたが、

その中でも

間近ではじめて見た時の衝撃はトップレベルです。

とにかくデカい、そして美しい。

 

 

 

建築家アントニオ・ガウディ

の設計に基づき、

1882年に着工された

未完成の教会。

完成予定はガウディ没後100年の

2026年になるそう。

 

 

 

実は数年前、当初申請していた

工事作業の期限を超過してるのが発覚し

違法建築となってしまったそう。

カトリック教会がバルセロナ市に

およそ47億円の解決金を払うことで

落ち着いたらしいです。

 

 

 

それでも毎日ものすごい数の

観光客が訪れており

支払いの目途はたっているそう。

なんせ入場料は¥4,000なので

ものすごいお金が動いてます。

僕は外から眺めるだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて向かったのは街の高台にある「グエル公園」。

こちらもサグラダ・ファミリアと同じく

ガウディの作品です。

 

地元の実業家「グエルさん」とガウディが

芸術と自然が溶け込んだ住宅地をつくろうと張り切ったものの、

発想がぶっ飛びすぎてて誰も住もうとせず

市の所有になってしまったというこの公園。

 

 

 

見晴らしは抜群で、

バルセロナの街を見下ろし

向こうには海の見える最高の場所。

ガウディは純粋無垢な感性を持った人

だったんだろうなというのが

感じられる場所です。

 

 

 

この公園の人気スポットが

階段の真ん中に居座るトカゲ。

まあ、ただのトカゲなんですけど

みんな写真撮っていたので

撮ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはガウディのライバルである

建築家ドメネクが設計した「サンパウ病院」。

 

芸術には人を癒す効果があるとし

施設には多くの装飾が施されている様。

現在、病院機能は隣接する新病棟に移され

ここは文化遺産として保護されています。

 

 

 

という具合に

世界遺産に登録されている代表的な場所を訪れてみましたが

イタリア・ローマと同じで入場料が高く、

長い行列に並ばなければならないものばかりなので

簡単に眺めただけで終わってしまいました。

 

 

 

バルセロナの魅力は街の雰囲気そのもの

だったのではないかと思います。

 

もちろんもの凄い数の人がいるのですが

大都市なのになぜかせかせかした感じがなく、

ゆったりとした印象でした。

これがラテンの国なのか。

夕方にふらふら散歩してる時が一番楽しかった気がする。

 

 

 

商業地区を離れて旧市街に行くと

のんびりおしゃべりしたり

友達とお酒を飲んだりと

みんな楽しそう。

古い建物がいっぱいあって

すごく落ち着く雰囲気です。

 

 

 

スリなどの軽犯罪が多いため

「バルセロナに行くときは気を付けろ」

と散々注意を受けており

少し緊張してたのですが、

実際来てみると

なかなか居心地のいい場所。

 

 

 

バルセロナといえば

世界最強の「FCバルセロナ」。

街角には

スタジアム外では唯一の

オフィシャルショップがありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧市街のなかに突如現れた

赤ちょうちんと見覚えのあるキャラクター。

お店の名前は、

「MUTENROSHI RAMEN (武天老師ラーメン)」

 

 

 

店内は和風のものや

ドラゴンボールグッズで

溢れていました。

 

 

 

 

 

 

頼んだのは味噌ラーメン。

日本のラーメン屋さんと

同じレベルとまではいきませんが、

かなり寄せてきてます。

これは美味しかった、

ごちそうさまです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルセロナ滞在中にお世話になっていたのは

現地在住のイタリア人“マルコさん”のお宅。

 

 

 

彼に出会ったのは旅の途中、

ウズベキスタンのサマルカンドでのこと。

偶然同じ宿に泊まっており、

「バルセロナに着いたら家においでね」と

お誘いいただき、別れたのはもう8ヵ月前の話。

中央アジアから遠く離れたスペインでの再会です。

 

 

 

大都市の安宿は盗難トラブルが多く

あまり泊まりたくないので

ものすごく助かります。

荷物も散らかし放題

させてもらいました。

人様の部屋を散らかすな。

 

 

 

日本文化が大好きで来日経験もある

マルコさんの本棚には

漫画がびっしり。

日本語読めないけど

持ってるだけで嬉しいそうです。

日本が愛されるのはこちらも嬉しい。

 

 

 

 

居間で寝かせてもらってたのですが

毎朝、東側の窓から差し込む朝日で

目を覚ますのが本当に気持ち良かった。

というか最近テント泊ばかりなので

屋根の下で寝られるだけで幸せ。

旅の疲れが飛んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

マルコさん宅滞在中は

友達と一緒に

地元のスペイン料理を食べに行ったり、

 

 

 

 

 

 

街で一番と評判の

イタリア料理を食べに行ったりと、

とにかく食べてました。

どれも本当に美味しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルセロナで果たすべき重要ミッションは

自転車のメインテナンス。

スペインを走り終えた後に待っている

この旅の次なるステップへと備えます。

 

 

 

タイヤを交換するつもりでお店に行くと

1年近く走ったのに

タイヤにはほとんどダメージがなく、

むしろペダルやチェーン回りの部品を

交換する必要がありました。

餅は餅屋ですな。

 

 

 

その他予備のパーツも併せて購入。

この先向かっていくのは

自転車ショップなどない僻地です。

期待と不安が高まってきている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バルセロナに住むマルコさんに

代理で受け取ってもらっていたのは

日本からの大切な贈り物。

 

 

旅を支援してくださっている

ダイアテック株式会社様 から

GIRO社製ヘルメット「Syntax MIPS AF white silver」

をご提供頂きました。

なんと2019年の最新モデル!!

 

 

 

 

 

イタリア入国の際の

木への衝突事故により、以前のものは

内側の緩衝材が破損しちゃいました。

ヘルメットとして機能しないので

一足先に帰国してもらいます。

また帰ったら会いましょう。

 

 

 

改めて新しいヘルメットで安全を確保しつつ

旅を進めてまいります!

 

 

 

 

 

 

 

結局、バルセロナには5日間も

居座り続けてしまいました。

マルコさん本当にありがとうございます。

 

人生で初めてやって来たヨーロッパで

こうして人との縁をつむぐことができており、

改めて旅の素晴らしさを感じているところでございます。

 

 

自転車もリフレッシュしたし

ヘルメットも手に入ったし準備万端。

ユーラシア大陸最後の国・スペインを走り始めます!

 

 

 

情熱の国・スペイン

2019.05.23

【357日目 14,113km】

 

 

強風のサイクリングで疲れ果てた体を癒したら、

再び海岸線を南へと下っていきます。

 

 

 

モンペリエの街を離れると

また海沿いにはいくつもの池がある湿地帯が広がっています。

青空の下、平坦な水辺を走るのがなんとも気持ち良い。

 

 

 

ふと横に目をやると

たくさんのフラミンゴたちが。

穏やかな水面に立つ

ピンクの鳥の群れの姿は

とても優雅。

 

 

 

 

道の脇には牧場がいくつもあり、

カマルグの地域では半野生化している

気品ある白い馬たちが。

世界の中でも最古といわれる

品種だそうです。

 

 

 

 

道を進んでいると

今度は空を舞うフラミンゴたち。

なかなか近づくことはできませんが

日本では野生のものを

見ることができないので

かなり新鮮。

 

 

 

この日はカマルグの自然公園で

吹き荒れた暴風が止んでおり、

のんびり海辺のサイクリングを

楽しめました。

起伏もないし気持ちが良い。

 

 

 

 

 

 

 

途中で休憩に寄ったスーパーで出会った

イタリア人サイクリストの“ロベルトさん”と一緒に

キャンプ場で1泊。

フランスの旅もあと100kmほどで終了です。

 

 

 

カバンの中に1週間ほど入れてた

トマトソースでパスタ。

腐ってるかどうかの瀬戸際だったけど

残念ながらお腹壊しました。

トマトソースは

お早めにお召し上がりください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる日も南に向かって漕ぎ出します。

湿地が広がるこのあたりは道も平坦で漕ぎやすい。

 

 

 

幹線道路から外れているので

対向車もほとんどおらず

とても快適に走ることができました。

フランスはほとんど

田舎ばかり走ってます。

 

 

 

 

水辺にいるのはフラミンゴだけでなく

沢山の種類の鳥たちが集まります。

エサが欲しいのか

人間を見ると寄ってくるヤツら。

 

 

 

 

 

ひざを痛めているロベルトさんとは

途中でお別れ。

再び1人になると

黙々と海岸を南に進んでいきました。

 

 

 

 

 

国境まで数十kmというあたり。

平坦な湿地帯も終わり

起伏の多い山が連なる

地域に差し掛かってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

あと1つ山を越えれば国境という所で

この日もキャンプ場にチェックイン。

ディナーはプロヴァンスで出会った

ミツコさんからいただいた

たらこスパゲッティ(生風味)。

 

 

 

(生風味)ってなんだろう?

と思いつつ調理してみると

これがまた美味しい。

茹でたパスタにあえるだけ。

これも立派な日本食です。

 

 

 

 

夏に向かっているヨーロッパ。

なかなか日が沈まないので

9時前ごろまでずっと明るい。

キャンプの時は雰囲気出ないし、

早く暗くなってくれた方が良いのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は出発と同時に山登りが始まります。

車の通らないひっそりとした道を

時に自転車を押しつつせっせと登る。

 

 

 

海辺から一気に峠の上まで

登ってきました。

国境にまたがるピレネー山脈の

東端にあたるこのあたりは

圧巻の景色です。

ただ山頂だけあって風がすごい。

 

 

 

 

 

 

峠がそのまま国境になっていました。

 

ほとんど人の通らない山道なので

看板も何もないけれど

ここから20ヵ国目となる「スペイン」の旅が始まります!

情熱の国はどんな出会いを与えてくれるのか。

 

 

 

国境を越えると

緩やかな下り坂が数十kmに及んで

続いていました。

天気が崩れそうなので

少し急いで先を目指します。

 

 

 

 

急ぐあまり間違って

高速道路に侵入してしまいました。

料金所をこっそりくぐって出るとき

非常ベルみたいなのが鳴って焦ったけど

誰も追いかけてこないのでセーフ。

もう罰金なんて払いたくない…。

 

 

 

 

 

 

国境から70kmほどの「ジローナ」という街。

 

予定していたキャンプ場が見つからず途方に暮れていると

雨が降ってきたので、

近くの農家さんに相談すると

ビニールハウスにテントを張ってもいいということに。

 

 

 

暖かいし、雨も防げるし、

予想以上に快適なキャンプ場所を

発見です。

でも夏場は暑そう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明けると

うってかわって晴天が広がりました。

 

フランスと隣り合ったスペイン北東部の

このあたりはカタルーニャ地方。

最近よく、独立を巡った論争が話題になっている所です。

 

 

 

山間部から海辺に出ると

また道は平坦になります。

この日は南西に向かい

海沿いをただただひた走りました。

 

 

 

 

 

ジローナのビニールハウスから

100kmほど走った夕方、

ビルが増え交通量も多くなり

都会のにおいが

プンプンしてきます。

 

 

 

 

 

 

 

そして、フランス・モンペリエから走ること4日。

スペイン随一の大都市

「バルセロナ」に到着です!

 

 

ラテンの大国を走り出す前に

この街でしばらくのんびりしまーす。

 

 

 

暴風ふたたび

2019.05.18

【350日目 13,696km】

 

 

プロヴァンスの新緑を駆けた抜けたあとは、

再び海岸線へ戻り

西へと向かいます。

 

 

 

ホストのフローレンスさんとミツコさんが

見送りの際に告げてくれた

「今日と明日は、風が強いよ。明日は特に!

このあたりの風はホントに強いんだからね!!」

という言葉。

 

このときは「まあ、何とかなるでしょ」と

さほど気にも留めず

穏やかな景色の中走り始めました。

 

 

 

 

 

 

海のほうへ向かうとほとんど起伏はなく

快調に走って、お昼過ぎには60kmを走って

「アルル」の街へ。

 

 

 

プロヴァンス地方の中でも、

美しい街並みが人気で

多くの観光客が訪れるアルルの街。

昔ながらの街並みが残っています。

 

 

 

 

 

中心部には

大きな円形闘技場がありました。

かつてヨーロッパを広く治めた

ローマ帝国の遺産です。

 

 

 

 

 

かの有名な画家ヴァン・ゴッホが

愛したことでも有名なこのアルル。

名画「夜のテラス」の題材となった

カフェが現在でも残っていました。

こういうとこでフランスだなぁと

実感します。

 

 

 

フランスでは自炊ばかりだったので

記念にこのカフェに入店。

このあたりで有名な

水牛の煮込み料理を頂きました。

そりゃもちろん美味しいけど

値段は¥2,000、…高い。

 

 

 

街を数km離れると

ゴッホ作「アルルの跳ね橋」の

題材になった橋。

偉大な芸術家の感性をくすぐるのが

プロヴァンス地方の風景です。

 

 

 

 

 

 

 

アルルの街を離れると

そのまま南のほうへと下っていきます。

 

 

 

アルルから南に20kmほど下った

「カマルグ」と呼ばれる一帯は、

海水と淡水の混ざった大きな池が

いくつもある湿地帯となっており

自然公園として保護されています。

 

 

 

 

この湿地帯に集まるのは

たくさんの鳥たち。

春のこの時期には

フラミンゴがやって来ていました。

(遠くて見えづらいですが

白い点がフラミンゴです。)

 

 

 

一部区域が鳥たちの

保護観察地域となっており

有料で立ち入り出来るように

なっていました。

湿地の横に建てられた小屋から

スナイパーのように鳥たちを覗きます。

 

 

 

期待に胸を膨らませ

いよいよ覗いてみますが、

1羽たりともいませんでした。

鮮やかなピンクのフラミンゴはどこ?

時間帯が悪かったのか?

 

 

 

 

鳥たちが立ち寄りやすいように

人間の手によって整えられた静かな池。

僕が鳥なら思わず立ち寄りたくなるけど

残念ながら来るタイミングを

間違えたみたいです。

仕方ないけど、やっぱり残念…。

 

 

 

 

 

 

この日は自然公園の近くにあるキャンプ場へ。

設備の整った最新のキャンプ場だったらしく

1泊なんと¥2,000。

 

「もっと安くしてシルブプレ」と交渉するも

値段が変わるわけもなく、

他のキャンプ場を探そうかと悩んでいたところに

とある女性が声を掛けてくれました。

「私たちの借りてる敷地に一緒に泊まりなよ。

人数増えてみんなで割ったら安くなんじゃん」

 

娘さんと2人で写真のバスに乗って

カマルグに遊びに来ていた「マリエルさん」。

かつてのスクールバスをキャンピングカーに

改造してしまったファンキーなフランス人お母さんです。

 

 

 

車内はさすがに広々としていて

もちろんキッチンも付いています。

ベッドもあるし

こんなバスに乗って旅ができたら

本当にどこまでだって行けそう。

 

 

 

 

お言葉に甘えて

晩ご飯までご馳走になることに。

民家だけでなくキャンプ場でも

人のお世話になるとは…。

つくづく人の優しさに感謝です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、テントで夜を明かした翌朝。

深夜未明からやけに強い風が吹いてたのですが

朝になっても吹き止んでいませんでした。

 

ただキャンプ場に2泊するのも嫌なので

覚悟を決めてペダルを漕ぎだします。

 

 

 

広大な湿地帯はどこまでも続いており、

大きな池に挟まれた1本道を

強風の中かろうじて前に進みました。

ただあまりにも強い風に

漕いでも漕いでもほとんど進まず

1時間近く走って3kmがやっと。

 

 

 

 

 

 

この日、あたり一帯に吹き荒れたのは

「ミストラル」と呼ばれる

この地域特有の風。

アルプス山脈からローヌ川流域に強く吹き降ろす風は

時に時速100kmにもおよび

1日中吹き止まないどころか数日続くこともあるそう。

 

 

「このままじゃ今日の予定距離は進めないな」と

思い始めた矢先、

さらに風は勢いを増して

ついにまったく前進できなくなりました。

 

これ以上は進めないと判断してUターンすることに。

今度は背中から吹く風に押されて

ペダルを全く漕いでないのに時速は30kmにも達するほど。

 

しかし、風の向きは一定でなく

時に横からも吹いてくるので走行は実に不安定。

ついには突風に煽られ

「ギャンッ!」と自転車ごとひっくり返されてしまいました。

 

 

 

「もうやだ、自転車なんか漕ぎたくない」

と乗っけてくれるトラックをあてもなく待ち続けることに。

 

しかし、待てど暮らせど自動車1台すら通らないので

とりあえず落ち着きを取り戻すためにも

一度キャンプ場に戻ることに。

 

 

 

あいかわらず吹き続ける強風のなか

お昼過ぎごろなんとかキャンプ場に戻ると、

そこには昨晩一緒に泊まったマリエルさん母娘がまだいました。

 

「ちょうどアンタの話してたことなの、

こんな風のなか自転車漕げるわけないわよ。

風が落ち着くとこまで送ってくわ。」

 

何とか前へ進む方法が見つかったと安堵しつつ

自転車を積んでしばらくバスに揺られました。

 

 

 

 

 

キャンプ場から

20kmほど進んだところで

降ろしてもらい、親子とはお別れ。

風も若干ながら弱まっており

再び西へと進み始めます。

道路横の池にはフラミンゴがのんびり。

 

 

 

湿地帯を抜けだすと主要道路に合流し

遅れを取り戻すかのように

ペダルをグルグルまわして

すっ飛ばして走ります。

休憩もとらず

ただただ前に進みました。

 

 

 

 

 

 

たどり着いたのはモンペリエの街に住む

Warm Showerのホスト

「アンソニーさん&ジェラルディンさん一家」のお宅。

 

事前に「この日に着くからね」と連絡していたので

なんとしても到着しておきたかったんです。

 

 

 

3人の子供がいるアンソニーさん一家は

家族みんなで世界各国を

自転車で旅してきた自転車家族。

今年の夏もヨーロッパを回るそうです。

英語もばっちりの子供たちは

元気で本当に良い子たち。

 

 

 

滞在中はフランスの家庭料理を

たっぷり堪能させてもらいました。

この日のメニューは「ラタトゥイユ」。

一緒に料理させてもらって

各国のご当地レシピ盗みまくってます。

これも旅の醍醐味。

 

 

 

滞在中ずっとお家のごはんを

ご馳走になってましたけど、

冷蔵庫にあるものでぱぱっと

簡単につくる料理が

どれも凄く美味しいんです。

恐るべしフランス料理。

 

 

 

天気が悪かったこともあって

結果的に3日間もお世話になりました。

しかもほぼ外には出ることなく

ずーっと家でまったり。

おかげでプロヴァンス地方からの

疲れもすっかり癒えました。

 

 

 

 

 

 

大陸を渡る自転車旅の楽しさと辛さを知る者同士

たっぷり旅の話を楽しませてもらいました。

 

アンソニーさん一家

素敵な時間をありがとう!

(長女はスペインに修学旅行中)

 

 

 

クロアチアで見舞われた強烈な季節風・ボラにも劣らない

フランスの「ミストラル」。

ここまでの暴風に再び襲われるとは予想もしていませんでした…。

 

 

過酷な自然に翻弄されながら、

出会う人の優しさに癒されながら、

まだまだ旅は続きます。

 

 

 

南仏プロヴァンス

2019.05.14

【348日目 13,503km】

 

 

ニースにてオルダさん一家とはお別れ、

またひとり旅が始まります。

 

 

 

ニースでは1日だけ休暇を取りました。

 

海辺の風が気持ち良い街ですが

いかにもリゾート地といった様子で、

ズンズン鳴ってる音楽に身を揺らせ

お酒をグイグイ飲むような人たちの場所なので

貧乏な旅人が寄り付くには場違いだったように感じます。

 

ということで

ニース名物の延々と続く海辺を走りながら出発。

 

 

 

そのまま海岸を進めば

映画祭で有名な「カンヌ」や

南フランスの大都市「マルセイユ」を

訪ねることもできたけど、

リゾート地はお腹いっぱいなので

山へと入り込んでいきます。

 

 

 

海岸部から内陸へ移動する際には

山を越えなければなりませんでした。

傾斜は緩やかですが

登りがどこまでも続いていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

70kmほど走ったこの日、

山奥に湖を発見。

久々にキャンプ場ではない

完全なる“野宿”をすることに。

 

 

 

4月下旬のフランスでは

日がとっぷり沈みきるのは

夜の9時頃なので

8時なんてまだまだ明るい。

料理をしながら湖畔の静寂を

1人占めしてやりました。

 

 

 

この日の朝まで

賑やかなニースに滞在してたので、

改めて

静かな自然の尊さを感じつつ

テントの中眠りにつきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと

湖はもやがかかって何とも幽玄な雰囲気。

 

ただ山を越えたことで

海辺に比べて気温が下がってしまったので

少し風邪気味に…。

ゆっくり休める場所もないので覚悟を決めて進んでいきます。

 

 

 

イタリアから国境を越えてすぐ

フランス南東部のこのあたりは

「プロヴァンス」といわれる地域。

広大な土地の遠くに山がそびえる

一帯はワインが有名。

日の光が気持ちよく降り注ぎます。

 

 

 

日が高くなるにつれ

気温も上がって来たけれど

少しづつ体に悪寒が…。

朝の気温の低下が確実に影響してます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということでこの日はわずか40kmほどを走って

「ドラギニャン」という町のキャンプ場に

早めのチェックイン。

 

体調悪いし安宿とろうかなとも思ったけど、

最低でも¥6,000からなのでやっぱりテント泊です。

 

 

 

体を温めるため

パスタのクリーム煮。

イタリアを脱出しても

まだまだパスタ生活は

続いていくんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、体調は改善しないものの

悪化はしていないのでなんとか進みます。

走れば治ると信じる。

 

 

 

この日も雲ひとつない青空が

広がりました。

気だるい体にムチ打って

なんとか前に進んでいきます。

 

 

 

 

 

小さな村が点在している

プロヴァンスの道。

ローマを目指して走った

イタリア・トスカーナを

思い起こさせます。

 

 

 

 

この日もキャンプ場へ。

走っている最中は

アドレナリンが出てるから

なんとか気力を保てるけど

走り終わる頃には疲れが

どっと押し寄せて倒れそうになります。

 

 

 

しんどい時こそ

しっかり食べるようにしてます。

とにかく野菜を鍋に放り込んでしまえば

栄養は摂れる。

しっかり食べたらしっかり寝る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニースを出発してから4日目。

この日には目的の場所へ到着する予定。

 

 

 

色鮮やかな花が咲き乱れる

プロヴァンス地方。

このあたりイメージ通りの

フランスといった感じです。

優雅な気分でのんびり

ペダルを漕いでいきました。

 

 

 

峠を越えた向こうに見えたのは

家々が身を寄せ合う町「ボニュー」。

プロヴァンスにはこのような

山の上に砦のごとくつくられた

町がいくつも存在しています。

 

 

 

 

上から見下ろすと

土色の瓦とその向こうに広がる緑が

目の前に広がります。

しばらく海ばかり眺めてたから

山の景色がとても新鮮で落ち着く。

 

 

 

 

ボニューの町を下りて

さらに西へ。

田舎にもこのような自転車専用道が

整備されているフランス。

イタリアにも負けない

さすがの自転車先進国です。

 

 

 

 

 

 

そしてプロヴァンス地方の西の端、

「キャブリエール」という小さな村で迎え入れてくれた

Warm Showerのホスト“フローレンスさん”のお宅へ。

フランスで地元の方のお家へお邪魔するのは

これが初めて。

 

 

 

到着するとさっそく玄関先のポーチで

夕食をご馳走に。

「フランス料理じゃなくてごめんね」

と食べさせてくれたのはボロネーゼ。

イタリアが近いこともあって

やはりパスタは日常食みたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

到着の翌日、フローレンスさん宅から

ひょいと出かけたのは

プロヴァンス地方で最も楽しみにしていた場所

「ゴルド」。

 

前日に訪れたボニューと同じように

山上に多くの家々が密集したこの地域特有のつくりで、

これらは“鷹の巣村”などと呼ばれているそう。

 

その鷹の巣村の中でも

最も形が綺麗といわれ、

国内外から多くの観光客を集めているのが

このゴルド。

“フランスで最も美しい村”と形容されることもあるそうです。

 

 

 

離れてみれば美しいのですが、

村の中に入り込んでしまえば

ホテルやお土産ものが並ぶ

ごく普通の村でした。

絶景は遠くから見るもの。

 

 

 

 

村の高台からはプロヴァンスの

緑地が広がっている様が

よく見渡せます。

結構起伏もあって

よくここを漕いできたもんだと

我ながら感心。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなプロヴァンスの片田舎でのめぐり会いについて。

 

フローレンスさんのお家に

到着した日の夕食時の会話。

 

「日本に帰りたくなることないの?」

「帰りたいとは思わないけど、日本食が恋しくなるときはあるよ」

「それならこの近くに日本人住んでるわよ!」

 

 

ということでフローレンスさん夫妻と歩いて向かったのは

フランス人の旦那さん、息子さんと一緒に

現地で暮らして15年にもなるという

京都ご出身の“ミツコさん”のご自宅。

 

久しぶりに飲むカルピスに大興奮し、

さらに翌日の昼ご飯をご馳走になることに決定。

 

 

 

白ごはんに味噌汁、梅干しなどなど

レストランとは違う

家庭ならではの日本食を

ご馳走になりました。

最初みそ汁を口に含んだ時の

感動が忘れられない。

 

 

 

さらにデザートには

「パウンドケーキ

~プロヴァンスの小豆を添えて~」

を頂きました。

母国の味に取って代われるものなんて

ないですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちら、お世話になったホストのフローレンスさんご夫妻。

 

離れて住む息子さんたちもみんな

自転車に乗って旅をするのが好きな

サイクリストだそう。

 

 

 

かつてはパリに住んでいたけど、

現在はプロヴァンスで

悠々自適のスローライフを

送ってらっしゃいます。

仲の良い穏やかなご夫婦でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出発の朝、見送りにきてくれた

ミツコさんとミキオくん(息子さん)と一緒に。

 

旅をする日本の方とはよく会いますが

現地で暮らす方とお会いすることはなかなかありません。

 

住んでいるからこそ分かるフランスの事情など

面白いお話を色々聞かせてもらいました。

 

さらに、

伸び放題になっていた髪もさっぱり散髪してもらいました。

(写真じゃわかりにくいけど…。)

 

 

出会いは予想できないから面白い。

この調子でフランス進んでいきます!

 

 

 

サイクリスト家族

2019.05.9

【343日目 13,226km】

 

 

イタリア最後の都市ジェノヴァで

体を休めて、ジェノヴェーゼをたっぷり堪能した後は

いよいよ次なる国フランスへと向かいます。

 

 

 

ここから数日間とにかく海沿いを走っていく行程。

内陸側には山がずらっとそびえているので

海岸沿いの道を走らざるを得ない

という具合です。

 

 

 

割と起伏があって交通量も多いのですが

サイクリングの定番コースらしく

自転車専用道が

かなり整備されていました。

歩行者の方にさえ気を付ければ

かなり快適。

 

 

 

イタリアももうすぐお別れなので

ランチは奮発して「海鮮パスタ」。

一口食べた途端、

口いっぱいに広がるのは

地中海の香り。

イタリアの食と離れるのが寂しいです。

 

 

 

 

 

 

ランチを済ませて

引き続き走り始めた路上で出会ったのは

大きなバッグを携えたサイクリストの集団。

 

これまでに多くのサイクリストと出会ってきましたが、

この時に出会ったのはなんと

ご夫婦2人にお子様連れ(男の子)の4人家族!

 

小っちゃい子のほうにいたっては

コロコロ付きの自転車に乗ることもままならないらしく

お母さんの後ろにちょこんと座っていました。

 

 

 

半年近くかけて

ヨーロッパを周遊しているという

チェコからお越しの

「オルダさん一家」。

前日にアルプスの高嶺から

降りてきたばかりだそうです。

 

 

 

同じくフランス方面へ

向かって走るということで

しばらく一緒に走行することに。

ひとり旅の身なので

誰かと一緒に走るのは

本当に久しぶり。

 

 

 

一人前に自転車を漕ぐ長男くん。

坂道や車の多い道は

お父さんとゴムひもを繋いで

必死についていきます。

6歳で毎日数十km走るのは

信じられない。

 

 

 

休憩がてら浜辺によると

子供たちはパンツ一丁で水遊び。

その日の気温にかかわらず

海があればどこでも入りたがるそう。

子供のエネルギーってホント

尽きることがないですよね。

 

 

 

さらに毎日欠かせないのがアイス休憩。

食べさせないと

子供たち泣きわめくみたいです。

「毎日2人分って馬鹿になんないから」

ってお母さんもぼやいてました。

 

 

 

 

自分一人の世話しながら

旅するだけでも大変なのに、

小さな子供2人連れてなんて

想像もつかないです。

まあ、こんな可愛い笑顔見せられたら

疲れだって吹き飛ぶけど。

 

 

 

 

 

 

夕方にはキャンプ場へ。

大人数のほうが若干割安になるなんてメリットもあるんです。

一家の大きなテントの隣に張らせてもらいました。

 

 

 

オルダさんたちも

食事はパスタ。

ヨーロッパにいる限り

一番安くて手軽なメニューであることは

間違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくる日も朝から

オルダさんたちと元気よく走り始めます。

 

 

 

ジェノヴァ以西に大きな都市はなく

のんびりとしたほどほどの住宅街が

延々と広がっています。

オルダさん達がいなかったら

退屈してたかもっていうような道。

 

 

 

 

公園で休憩。

写真にはうつってないけど

左側で遊具を巡って

壮絶な兄弟げんかが勃発しており、

後ほど2人ともお母さんに全力で怒られ

大泣きすることになります。

 

 

 

小さな頃に

何か国も渡る壮大な冒険をした子供は

どんな大人になるんだろうか。

この子たちの将来がすごく楽しみ。

なんてこと考えながら

後ろから眺めて走ります。

 

 

 

この日も前日同様キャンプ場へ。

やはりどのサイクリストに聞いても

沿岸部での野宿は難しいらしく

テント泊でもお金を払わざるを得ない

状況です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オルダさん一家と出会って3日目。

キャンプ場を出ると

さっそく登り坂を上っていきます。

 

 

 

そして坂を下った先に待っていたのは

イタリア-フランス国境!

18ヵ国目となるフランスに突入です。

 

 

なお、EU圏内の26ヵ国が加盟する

“シェンゲン協定”というものがありまして、

加盟国間はパスポートの査証なしで

自由に行き来できるという取り決めがあります。

 

しかし同時に、

「外国人は加盟国内での連続滞在期間は90日まで」

というルールもあり

僕がスイスやドイツへ足を延ばさず

最短ルートでヨーロッパを抜けようとする理由もここにあるのです。

 

物価が高いのでどのみち長くも居たくはないんですけど…。

 

 

 

フランス最初の街はメントン。

しばらく海沿いの似たような

リゾート地が続いてるので、

国の違いなんてものも

あまり感じられませんが。

 

 

 

 

僕1人でいても

写真パシャパシャ撮られるのに

家族連れとなればそりゃしょっちゅう。

いままで何人の人のスマホに

自分の写真が収まっただろうか、

というくらい撮られてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イタリア-フランス国境からわずか10kmあまり走ると

何と次なる国にたどり着いてしまいました。

 

 

中世の都市国家として生まれ、

現在も地中海沿いに存在する「モナコ公国」。

国連加盟国としては世界最小の国家です。

(バチカン市国は正式加盟していません。)

 

 

 

ヨーロッパ各国の富豪たちが別荘を持つことでも有名で

海沿いに高層ビルが立ち並んでいました。

いわゆる「タックス・ヘイブン」といわれる国なので

みんなモナコで資産をごそごそしてるみたいです。

 

 

 

中心にあるモンテ・カルロ地区には

綺麗な浜辺やカジノがズラリ。

絵に描いたようなバカンス地です。

 

 

 

 

 

 

モナコといえば

世界的に有名なF1レース

「モナコグランプリ」。

コチラはテレビ放送でも見たことがある

下り坂の急カーブ、

「ローズヘアピン」。

 

 

 

常設されている縁石には

タイヤ痕がしっかりと残っています。

一般車両がこんなに

乗り上げないと思うのでやっぱり

レース中に付いた痕でしょうか。

 

 

 

 

ローズヘアピンを下った海沿いの車道。

この低いトンネルも

レースカーが猛スピードで走るの

観たことあります。

まさか自転車で走ることになるとは。

 

 

 

 

毎年5月に開催される

モナコグランプリ。

今年もシーズンが近づいているので

観客席が着々と準備中でした。

改めてF1中継を観るのが

楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

30分ほどモナコ市街を走ると

またフランスに戻ります。

かなり海岸沿いの起伏が激しいですが

一家はせっせと上る。

僕は後ろからついてってるけど

1人の時とペースほぼ変わりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日の夕方、イタリアとの国境から30kmほどにある

海岸リゾートで有名な「ニース」に到着。

 

そして、引き続き海沿いを進むオルダさん一家とも

ここでお別れ。

楽しい3日間をありがとうございました、

これからも気を付けて旅を続けてください。

(お別れ記念に写真撮ればよかった…。)

 

 

 

この「ニース」。

2016年7月に残虐なテロ事件の

現場となってしまった場所です。

今はそれを微塵も思わせない

賑やかで明るい雰囲気。

 

 

 

 

 

 

 

オルダさん一家に続いて

引き続き海岸にそって進む予定でしたが、

リゾート地ばかりが続くので予定変更して

山へ向かうことにしました。

 

その前に疲れたのでニースで休憩します!

 

 

港湾都市ジェノヴァ

2019.05.6

【337日目 13,012km】

 

 

チンクエ・テッレの美しい村を

満喫した後に向かうのは

イタリア最後の都市となる「ジェノヴァ」。

 

 

イタリアの海岸線は比較的平坦でしたが、

ラ・スぺツィアからジェノヴァへは

いくつかの山を越えていかねばなりません。

 

 

 

走り始めて間もない山の中。

川を渡る橋が工事で封鎖されてました。

迂回するには

一つの山を越えなければならないので

無理やりフェンスを開けて通ります。

いいのか?

 

 

 

そして山登りがいよいよ始まります。

ローマ以降ほぼ真っ平らだったので

太ももの筋肉がなまってます。

ちょっと力を入れると

すぐに疲れる。

 

 

 

 

車はほとんど通らないので

せかされることもなく

ゆっくりゆっくり進みました。

この日を境に一気に気温が上がり

汗だくになりながら上へと

向かっていきます。

 

 

 

そして、

山を下ったところにある

キャンプ場で1泊。

キャンプ場はいっぱいあるけど

野宿できそうな場所がないのが

悔しい…。

 

 

 

イタリアのスーパーは

野菜を小分けで売ってくれてるトコが

多いので非常に助かっています。

1人暮らしの旅人にも便利な

ばら売り制度。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も海沿いをひた走ります。

天気は曇りで非常に走りやすい気温。

 

 

 

しかしその道のりは

常にアップダウン。

海まで下がっては

また峠を上るの繰り返し。

着実に溜まる疲れ。

 

 

 

 

 

 

この日もキャンプ場へ。

ヨーロッパでは

キャンピングカーが普及しているらしく

家族連れの方々が沢山いました。

キャンピングカーの旅も

してみたいな。

 

 

 

飽きないと思ってたパスタですが

ちょっとマンネリ気味…。

他のものつくろうと思うけど、

安くて栄養も摂れるので

結局パスタに落ち着いてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あくる日は

10kあまり走ると都市部に差し掛かりました。

マンションが所狭しと並んでます。

 

 

 

到着したのは

イタリア最後の滞在都市となる「ジェノヴァ」。

 

キリスト教の復活祭「イースター」の日だったので

街も大賑わい。

西洋ではかなり重要な祝日だそうです。

 

 

 

港湾を中心に栄えた都市国家であった「ジェノヴァ」。

 

現在でもイタリア最大の港であるらしく

観光用の客船から商用の貨物船、

個人所有であろうクルーザーまで

港には無数の船が浮かんでいました。

 

 

 

ゲストハウスへ荷物を置いて

港へ観光にくり出すも

突然の曇天。

先ほどまでの青空はどこへやら。

港は晴天だから映えるのに…。

 

 

 

 

ジェノヴァの象徴でもあるのがコチラ。

“Bigo”と呼ばれ

オブジェ兼展望リフトで

多くの人が列を作って並んでいました。

僕は並んでないですけど…。

 

 

 

 

さらに観覧車もあります。

多くの人や貨物が行き来する港が

そのままジェノヴァの

観光資源になっている様子。

周辺にはショッピングセンターや

レストランが多く立ち並んでいました。

 

 

 

港から少し歩いて

旧市街の中心に位置するのは

“フェッラーリ広場”。

噴水の周りに並ぶ銀行や証券所は

歴史的建造物でもあります。

 

 

 

 

アメリカ大陸を発見したコロンブスは

ここジェノヴァで

生まれたとされているそうです。

実は違う場所なんじゃないの

という説もあり、

あくまで「生まれたとされる」場所。

 

 

 

 

 

 

イタリア各地を巡るパスタの旅。

最後を締めくくるのは

ジェノヴァの名産「ジェノヴェーゼ」。

 

日本でもおなじみ、

緑のソースが印象的なソースは

現地では「ペスト」と呼ばれます。

 

 

バジル、松の実、オリーブオイル、ニンニク

などを用いるそのレシピは

“D.O.P”というイタリアの品質管理制度で指定されており

公式の条件を満たさないものは

ペストとは呼ばれないそうです。

もはやジェノバの人々のプライドの結晶。

 

 

 

バジルの爽やかさだけではなく、

松の実とニンニクによって

ガツンとパンチのある味に

仕上がってます。

美味しすぎて

滞在中複数のお店を訪ねました。

 

 

 

レストランによって

パスタのタイプもそれぞれ。

お店によって

ペストの調合も違うので

毎回違った味を楽しめました。

 

 

 

 

 

展望台から見下ろした

ジェノヴァの街。

 

3日間滞在したけど

結局ほとんど晴れることはありませんでした。

 

 

残念だけど、

いつまでも居られないので

次なる場所を目指します。

 

美味しいピザとパスタが

もうじき食べられなくなる…。

 

 

 

絶景・5つの村

2019.05.2

【333日目 12,880km】

 

 

ピサの街で一休みした後は

地中海の海岸線をふたたび北方向に走っていきます。

 

 

この日の目的地は

ピサからわずか70kmほど離れた

「ラ・スぺツィア」という小さな町。

 

 

 

途中マクドナルドでの休憩を挟みつつ

平坦な道を進んでいきます。

トスカーナも海岸沿いの道は

住宅街ばかりで

あまり景色の良い道はありません。

ここ数日、道が退屈…。

 

 

 

出発してからわずか4時間ほどで

目的の「ラ・スぺツィア」に到着。

そして、この町にやって来たのは

近くにある

観光名所を訪れるためなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その観光名所というのが

世界遺産にも登録されている「チンクエ・テッレ」。

 

直訳すると“5つの村”というその名の通り

切り立った海沿いの崖に

5つの村が数kmの間隔で並んでいるというもの。

 

山と海に囲まれているという地理条件によって

現在まで引き継がれた昔ながらの風景を見るため

多くの観光客が訪れます。

 

 

 

多くの人が観光の拠点とする

ラ・スぺツィアの町に到着した翌日、

さっそく電車に乗って

向かってみました。

 

 

 

 

 

まず向かったのは

「レヴァント」という町。

ここからトレッキングをして

チンクエ・テッレ最初の村を

目指します。

 

 

 

 

進んでいく道は細くゴツゴツとした山道。

のんびりハイキングのつもり

だったのですが

意外としっかり登山しちゃいました。

足に疲労が溜まるのは避けたいのに…。

 

 

 

 

旅のお供はゲストハウスで同室だった

「アイヴァンさん」。

アルゼンチンで弁護士をしてる人です。

本人曰く、

首都ブエノス・アイレスには

弁護士がごろごろいるそう。

 

 

 

 

 

 

2時間ほど登った山の上から

見下ろしたチンクエ・テッレ。

あまりに小さすぎて見えませんが

一応これから訪れる5つの村が

すべて視界に収まっています。

 

 

 

山を下りる前に頂上でランチ。

食材が美味しいので

スーパーで買ったものを

サンドイッチにしてしまえば

とりあえず絶品です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山を降りてたどり着いたのは

チンクエ・テッレ(5つの村)の

1番西側に位置する「モンテロッソ」。

 

綺麗な光景が広がるかと思いきや

ここはただの町でした。

 

 

 

5つの村の中でも

ここは海水浴目当ての人が集まる

リゾート地という位置づけ。

期待の絶景は次の村までお預けです。

 

 

 

 

 

村から村への移動は電車を使います。

みんな同じような移動をする

観光客ばかりなので

どの便もものすごい乗車率。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わずか5分ほどで着いたのは

2つめの村、「ヴェルナッツァ」。

赤、黄、緑など

色とりどりの建物に

目を奪われつつ

人の集まる海辺のほうを目指します。

 

 

 

町の全容を目にする前に

現地で有名らしい

アイスクリーム屋さんで休憩。

かなり日差しの強い日だったので

冷たいジェラートが美味しかった。

 

 

 

 

海辺へ向かうと、

山を背景に

鮮やかな色が映える村の様子が

しっかりと見えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして高台から見下ろした

「ヴェルナッツァ」の全体像がコチラ。

 

広い海と山の急斜面に挟まれた

陸の孤島状態でありながらも、

色鮮やかな村には人が溢れ活気が感じられました。

 

期待通りの光景に興奮しつつ

次なる村へと向かいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3つ目の村「コルニリア」は

駅を降りてから300段以上にも及ぶ

階段を登った上に位置しています。

山の上にあるので

5つの村で唯一海辺を持たない

というこの村。

 

 

 

 

登る前から分かってはいたのですが

山の上に位置する村の全景を見るには

空を飛ぶか、ドローンを使うか

しかありません。

 

 

 

 

 

いざ村にたどり着くと

「絶景どこ?どこ?」と、

なってしまいます。

とりあえず村から見下ろせる

ワイン畑を眺めたら、次の村へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづいて4つ目の村

「マナローラ」へ。

駅からつながったトンネルを抜けると

これまでの村にはないほどの

賑やかさが感じられます。

 

 

 

 

もちろんこの村の絶景が拝めるのも

海辺付近。

人の流れに身を任せて歩きつつ

期待に胸が膨らんでいきます。

 

 

 

 

 

海辺の岩場から見上げた村。

カラフルで可愛らしい建物が

立ち並ぶ一方で、

まるで要塞のように堂々たる風格。

 

 

 

 

 

 

 

 

村の美しさが最もよく分かるのは

やはり高台から見渡した時。

チンクエ・テッレの象徴として

よくポストカードにも描かれるこの

「マナローラ」の絶景。

 

海のほうへせり出した岩山の上に

ぎゅっと身を寄せ合うように

住宅が密集していました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西から順に村を巡り

最後にたどり着いた5つ目の村は

「リオ・マッジョーレ」。

1つ前のマナローラと同じく

かなりの人で賑わっています。

 

 

 

 

山登りから始まり

電車を使いながらとはいえ

歩き続けたこの日、

夕暮れのこの時間には

さすがに足がクタクタです。

夜8時前でもこの明るさだけど。

 

 

 

 

 

 

チンクエ・テッレ(5つの村)

見納めの絶景がこちら。

 

入り江のようにぐっと山へ切り込んだ海辺から

いっきにせり立つ断崖に

色とりどりの建物がところせましと並びます。

 

建物の色づかいはそれぞれに似ていても

地形によって少しずつ印象の違うそれぞれの村。

 

もっとも迫力があったのは

最後のリオ・マッジョーレかも。

 

 

 

 

 

1日中歩き続けたのでこの日はもうヘトヘト…。

レストランで海鮮パスタを食べて

すぐさまベッドに倒れこみました。

 

翌日にはすぐ

自転車に乗って出発する予定でしたが、

のんびりとゲストハウスで休養を取ることに。

 

イタリアもぼちぼち終盤です。

 

 

 

ピサの斜塔

2019.04.28

【330日目 12,798km】

 

 

 

ローマで一休みした後は

さらに西へと向かって走り出します。

 

 

 

長い旅路の中で“シルクロード走破”という

まず最初のピリオドを無事打てたということに

満足と安心を感じながら

のんびりと進み始めました。

 

 

 

 

ローマも中心部を離れてしまえば

あっという間にのどかな景色。

どこまでも建物が並んでいる

日本の風景のほうが

世界的に珍しいと

最近気づきました。

 

 

 

お昼は安心の味、マクドナルド。

小さい頃から食べてきた

ポテトとハンバーガーは

もはや故郷の味。

 

 

 

 

 

巡礼の道とは違い

海沿いは起伏のない

なだらか道がどこまでも

続いていました。

ローマの喧騒が嘘のような

静けさ。

 

 

 

 

 

 

海辺でテントを張るつもりだったこの日。

 

リゾート用に整えられた海辺には

こっそり野宿できるような場所がなく

なんとなくさまよっているとキャンプ場を発見。

 

お金を払ってテントを張るということがこれまでになく

ちょっともったいないなと違和感を感じながらも、

せっかくなので泊まってみることに。

 

 

 

これが予想以上に快適で

場内ならどこにテントを立ててもいいし

Wi-Fiもとんでるし、シャワーもあるし。

ワイルドさのかけらもないけど、

¥1,000足らずの入場料で買える

居心地の良さはクセになりそう。

 

 

 

沈んでゆく夕陽を眺めながら

グツグツと茹でたパスタ。

安いものだと500gで

¥100以下のものが

手に入ります。

さすが世界一のパスタ大国。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も緑豊かな農耕地帯を

のんびりと進んでいきます。

記憶に残らないような

同じ風景が延々と続いていました。

 

 

 

厄介なのが整備された田園風景が

ずっと続くばかりで、

なかなか野宿場所が見つからないこと。

行けども行けども

道の両脇に広がるのは大きな畑。

 

 

 

 

ということでこの日も

お世話になったのはキャンプ場。

外国人割引ということで

¥500ちょっとで泊まれました。

野良犬もいないし

前日に引き続いて実に快適。

 

 

 

この日のメニューは

ツナパスタ。

トルコ以来キャンプ離れしてましたが

春の到来とともに野宿中心生活に

戻していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローマを発ってから3日目。

ほとんど変わらない景色の中を

この日も走りました。

 

 

 

そしてこの日も同じくキャンプ場へ。

馬鹿の一つ覚えというやつです、

はじめてキャンプ場を利用してから

連続3日目。

だって快適なんだもの。

 

 

 

 

自炊のいいところは

自分の好みの食材を摂取できる

という点です。

イタリアのパスタって

あまり具だくさんではないので

イタリアはいってからは野菜不足。

 

 

 

トマトペーストと野菜を鍋に放り込んで

パスタと一緒に煮込んでしまえば

失敗のしようがありません。

安くて美味しい

イタリアでのキャンプ生活。

 

 

 

 

人のいない平日のキャンプ場で

出会ったのは、

愛犬と一緒にヨーロッパを旅する

アメリカ人のデイヴィッドさん。

車イスにのりながらも器用に

車を運転をされます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローマを出発してから4日目。

引き続き

青い空と緑の大地。

 

このあたりも

巡礼の道を走ったときと同じ

トスカーナ地方です。

 

 

 

せわしないローマの後に

再びトスカーナを訪れると

イタリアの田舎の良さを

より一層感じることができます。

えんえんと続いていく

牧歌的な風景。

 

 

 

地味に上り坂が続いているので

なかなかスピードが

あがりませんでした。

でもこのあたりは

のんびりペースで進んでいくのが

ぴったりの場所。

 

 

 

この日たどり着いた街は

「ピサ」。

中心を流れる川の両脇に

立ち並ぶ古い建物が印象的な

静かな場所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

ピサといえば有名なのが「ピサの斜塔」。

 

 

教会の横に建つ鐘楼として建てられ始めたのは

西暦1,100年頃。

不安定な地盤のせいで、

着工後まもなく傾き始めたそうですが

当時の技術では修正できなかったそう。

 

最近また地盤の変化によって、

最上部の中心点を基準に

4cmだけ垂直方向に戻ったらしいですよ。

 

 

 

真っ正面に立ってみると

かなり傾いているのがわかります。

中国にも斜塔はありましたが、

流石にここまでじゃなかった。

現地で見ると本当に

倒れるんじゃないかってくらいです。

 

 

 

もはや名物ともいえるのは、

斜塔を支えるポーズで写真を撮る

観光客の方々。

塔の近くでも遠くでも

いたるところでこのポーズ。

 

 

 

 

国籍・性別・年齢・宗教、

関係なく皆このポーズって

良いですよね。

僕は1人ぼっちで友達もいないので

そのポーズをとる人たちの

写真を撮っていました。

 

 

 

 

 

 

そういえば

ニュートンがここで万有引力の実験をした

っていう逸話がありますが、

本当なんでしょうか。

 

ああいうのって大体

嘘くさい気もするけど…。

 

なんてことを考えながら

キャンプ泊での疲れを癒すべく

ピサの街でのんびり一休みしました。

 

 

 

シルクロード走破!

2019.04.24

【323日目 12,430km】

 

 

フィレンツェからローマを目指し

引き続きイタリアを南下していきます。

 

 

 

巡礼の道を進みはじめて4日目。

緑豊かなトスカーナの風景も

そろそろ見納めです。

 

 

 

この日は自動車道に沿って

進んでいきました。

車を気にしながらだけど、

そこまで交通量もないので

丘の上の未舗装路を走るより

だんぜん快適。

 

 

 

フィレンツェからの道のりで

残念だったのが、不安定な空模様。

終日雨ということはないけれど、

綺麗な青空が澄み渡っていれば

もっと綺麗なトスカーナが拝めたのに。

まあ、これが旅ってもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

およそ60kmを走ったこの日は

「ヴィテルボ」という街に到着。

 

 

 

またも教会に併設してある

宿泊施設に泊まりました。

1人部屋だし、Wi-Fiもあるし

普通のホテルと比べても

遜色ない居心地の良さです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、巡礼の道5日目。

いよいよイタリアの首都・ローマに到着する日です。

 

 

 

ローマが近づくほどに

建物が増え、車の数も増えていきます。

中国から始まったシルクロードの旅を

頭の中で振り返りながら、

少しづつ終着の地への距離を

縮めていきました。

 

 

 

 

 

80kmほどを走ったところで

市街地に突入。

橋を渡った向こうには

“永遠の都”と呼ばれる

ローマの街並みが広がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、午後2時ごろ。

 

ついにイタリアの首都、

そして

ユーラシア大陸を結ぶシルクロードの西の果て、

「ローマ」に到着しました!

 

 

 

 

昨年の5月、

中国・上海を出発した時は

本当にたどり着けるのかと不安ばかりだった

旅の始まり。

 

しかしいざ走り出してしまえば、

かつて交易品が人から人へと渡り

“絹の道”を伝ったように、

その土地に住む人々の優しさに触れながら

少しづつ道のりを紡いでいくことができました。

 

 

ユーラシア大陸横断までもうひと踏ん張り、

世界一周を思うとまだまだ先は長いですが

それを成し遂げるための

自信を得ることができたのではないかと感じます。

 

 

 

 

 

 

ローマでは受け入れてくれるホストを

見つけることができずゲストハウスに滞在。

大都市では宿泊先での盗難トラブルなども話に聞くので

ちょっと不安だし高いけど仕方ない。

 

 

 

到着の晩は

シルクロード走破の慰労として

ステーキをたいらげてやりました。

疲れ切った後には

肉汁が血管の先の先まで染み渡る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は朝からローマ観光へ。

 

まず最初にバスで向かったのは

世界一小さな国として有名な「バチカン市国」。

 

 

 

この白線の内側がバチカン市国。

パスポート査証などはなく

行ったり来たりし放題。

朝一番だというのに

ものすごい人が集まっていました。

 

 

 

 

線の内側、沢山の人が集まっている

サン・ピエトロ広場。

ここからバチカン美術館、

サンピエトロ大聖堂などの

見所へと向かうのですが

 

 

 

 

どの施設も入場するためには

長蛇の列に並ばなければなりません。

先頭がどこなのか最後尾がどこなのか

まったく分からないほどの長い列。

数時間待ちは当たり前だそう。

 

 

 

 

 

 

 

列に並んでいる時間はないので

外観だけ眺めた「サン・ピエトロ大聖堂」。

 

キリストに従えた使徒ペトロの墓でもあるこちらは

キリスト教関連では世界最大級の建築物だそう。

雰囲気だけ味わって早々に退散です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にバチカン市国から歩いて向かったのは

ローマといえばまず最初に

思いつくであろう場所「トレヴィの泉」。

 

 

「再びローマに戻ってくることができる」

という言い伝えを信じて、

後ろ向きにコインを1枚投げ入れました。

 

後から調べて知ったのですが

2枚投げると、「好きな人と永遠に結ばれる」

3枚投げると、「恋人や伴侶と別れることができる」

らしいです。

 

現地にお越しの際は

必要に応じた枚数をお投げください。

 

 

 

トレヴィの泉でとにかく凄かったのは

泉をとり巻く圧倒的な人の数。

決して広くはないこのあたりに

数え切れないほどの人が

ぎゅうぎゅう詰めで集まっていました。

 

 

 

 

本当はローマ到着直後に

自転車も一緒に記念撮影したかったけど

とてもそんなことができる

余裕はありません。

観光地では当然のことながら

スリの発生率もものすごく高いそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちら教会へと向かう階段が有名な

「スペイン広場」。

ローマの休日だけでなく

色々な映画やドラマで見たことある気がする。

 

 

 

近くにスペイン大使館があることで

この名前がつけられたそうです。

ローマの中心に位置しており、

階段に座って一休みしながら

道行く人をぼうっと

眺めるのにピッタリの場所でした。

 

 

 

階段を1番上まで登れば

広がるローマの街並みが見渡せます。

同じ首都でも東京とは違って、

見所が密集しているので

徒歩でも十分観光して回れるローマ。

 

 

 

 

 

 

本当に一瞬で見終わったのは「真実の口」。

 

昔、ゲームセンターに置いてありましたよね。

今でもあるんでしょうか?

見た目はアレと一緒です。

 

手を入れてみたかったけど

これまたものすごい行列だったので断念。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、最後にやって来たのは

ローマの象徴として

あまりにも有名な「コロッセオ」。

 

 

古代ローマ帝国において、

剣闘士たちの戦いが繰り広げられた

もはや人類史を代表する建造物とも

いえるのではないでしょうか。

 

 

 

入場して内部も見れますが

やはり長蛇の列。

外から眺めるだけで

満足してしまいました。

実際の列を見ると

本当にゲンナリするんですよ。

 

 

 

およそ2,000年前に建てられた

超巨大ともいえる円形競技場は

現地でしか味わうことのできない

圧倒的なスケール感。

大きすぎてどこから写真撮ればいいのか

全然わからず、ほとんど撮ってません。

 

 

 

 

結局、行列を避けてばっかりで

ローマを隅から隅まで堪能したとは言い難いですが…。

(むしろ隅っこをちょっとかじっただけ)

 

このことから学んだのは、

ローマなど世界中から観光客があつまる大都市では

旅行会社の企画するパックツアーに参加して

行列をすり抜けながら、歴史背景の解説を聞きつつ

要領良く見て回るのが正解だということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボローニャの“ボロネーゼ”に始まった

ご当地パスタ旅。

ローマの名物は言わずと知れた

パスタの大定番「カルボナーラ」。

 

日本のものと違って生クリームを使用せず、

具はパンツェッタといわれる豚肉の塩漬けのみ。

クリーミーさが無いぶん、

濃厚なチーズの香りと卵のまろやかさが

かなり前面に出てきます。

塩味もしっかり効かせてあり、

カリッカリのパンツェッタとの相性が抜群。

 

クセが強いので好みが分かれそうですが

個人的には大好きな味でした。

 

 

 

ということで1食では飽き足らず

異なるレストランでリピート。

イタリア人は普段

こんなに美味しいものを食べているのか

と嫉妬するほどの美味しさです。

…あぁ、書いてて食べたくなってきた。

 

 

 

レストランでの定番スイーツは

「ティラミス」。

甘さたっぷりで

舌が溶けそうになるほど

美味しかった。

うん、これもまた食べたい。

 

 

 

旅が終わった後で

「世界で1番料理が美味しかった国はどこ?」

で聞かれると「イタリア!」って

迷わず答える気がします。

 

意外性もないし、

答えとしてはまったく面白くないけども。

 

 

 

 

 

 

ローマを観光中、

「ヘーイ、マイフレーンド!」と

路上商人がどこからともなく近づいてきて

腕にアクセサリーやミサンガを無理矢理巻きつけた後に

お金を請求してくるという不器用でピュアな手口が横行してます。

 

「そっちが勝手に巻いといて、払うわけないじゃん」

と無視してやりましたが…。

 

結果、欲しくないアクセサリーを無料でゲット。

でも要らない。

 

 

 

巡礼の道

2019.04.20

【321日目 12,277km】

 

 

フィレンツェで芸術に触れた後は、

いよいよイタリアの首都・ローマを目指して進みます。

 

 

法王の鎮座する場所・ローマ。

そのローマを目指して

はるか昔からヨーロッパ各地の人々が歩いたという

巡礼の道があります。

 

ということで、

フィレンツェ~ローマ間は

悠久の巡礼の道を辿っていくことに。

 

 

 

フィレンツェの街を離れると

なだらかながら起伏の多い

道が延々と続いていました。

主要の国道は別の地域を走っているので

交通量が少ないのがありがたい。

 

 

 

 

緑豊かで牧歌的な風景。

たくさんの丘が目の前に広がる

このあたりは「トスカーナ地方」

と呼ばれるところ。

 

 

 

 

 

残念ながら天気は不安定で

突然の雨に降られてしまいます。

ただ、降ってはやんでを繰り返すのが

イタリアの雨だそうで

しばらく雨宿りをすると

徐々に晴れ間も見えてきました。

 

 

 

巡礼の道は村から村へ

細くうねりながら続いています。

車がせわしなく走っておらず

のんびりと進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

65kmを走ったこの日は

「モンテリジョーニ」という城壁に囲まれた小さな町に到着。

昔の人はローマに向かう道中、

町の教会で祈りをささげながら

点と点を結ぶように、また次の町を目指したそう。

 

 

 

教会は巡礼者のために

宿泊施設を併設してることがあり、

この日はそこに泊まってみることに。

要は、お寺の宿坊みたいなもの。

四国のお遍路を思い出しながら

ゆっくり休みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巡礼の道2日目。

窓を開けると

鮮やかな緑が目に飛び込んでくる

トスカーナ地方、春の朝。

 

 

 

出発してからわずか10kmほど走ると

次の街「シエナ」が見えてきました。

この町も城壁に囲まれており、

巡礼者たちの宿場町として

栄えたそうです。

 

 

 

 

町の中心には築700年近いという

役場とその隣に建つ鐘楼。

後で調べて知ったのですが

この「シエナ」は

歴史地区として町がまるごと

世界遺産に登録されているそう。

 

 

 

ゆっくり観光すればよかったですが

小雨が降っていたので先を急ぎました。

イタリアは歴史遺産があまりに多く

すべてのんびり見ている時間がない

というのが悔やまれます。

 

 

 

 

巡礼者たちへの道しるべとして

ローマの方向を示す標石が

あらゆる所に置いてあります。

歩いてローマに向かう方とも

ちらほら出会いました。

 

 

 

 

小高い丘の上にも道は伸びているので

未舗装の砂利道が続く区間もあります。

整った道ばかりだったイタリアですが

このあたりは走りごたえがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

75kmを走ったこの日は

10軒ほどの家がある集落の近くで

テントを張らせてもらうことに。

 

朝晩は少し冷え込みますが

日本の3月と同じくらいの気候でしょうか、

アウトドアが快適な季節が近づいてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく巡礼の道3日目は

朝からいい天気。

空模様を気にせず走れるというのが

いかに幸せなことか実感します。

 

 

 

巡礼の道も時に車道と合流して

走りやすくなります。

それでもこのトスカーナ地方、

真っ平らな道はほとんどなく

アップダウンが数十kmにわたり

続いていきました。

 

 

 

途中で「バグニ・サン・フィリポ」

という村により、

名物のテルマエ(天然温泉)に

入ってみることに。

石灰岩が溶け出した様子が

トルコのパムッカレを思い出させます。

 

 

 

景色のいいところは人が多いので

上流のこちらでつかることに。

川に流れだしたお湯に浸かる

というスタイル。

ちょっとぬるめなのが気持ちよく

1時間近く入ってしまいました。

 

 

 

温泉で体がふやけきった後は

再び看板に従って

巡礼の道を進んでいきます。

道は再び、ガタガタの砂利道へ。

 

 

 

 

 

道沿いには時々、

天然水が垂れ流し状態で湧いています。

これがひんやり冷たくて

渇いたのどを潤してくれました。

 

 

 

 

 

こんなに穏やかな景色ですが

上り下りが絶えず続いているので

着実に疲労は溜まっていきます。

時には自転車を押しながらでないと

進めないほどの斜面もありました。

 

 

 

 

 

 

 

52kmを走った3日目は

「プロチェーノ」という丘の上の町に到着。

 

 

 

ここでも巡礼者のための宿泊施設に

泊まります。

ホテルより安いといっても

¥2000近くするので

やっぱりヨーロッパだな、

という値段ですが…。

 

 

 

ドミトリー(相部屋)には

他に誰もいないので貸切状態。

ベッドがすごくかたくて、

未だに引かない事故による首の痛みが

悪化しそうなほどでした…。

(現在、かなり快方に向かってます!)

 

 

 

イタリアに入国した途端に現れたのは

便器の隣に並ぶもう一つの便器。

“ビデ”です。

一般家庭にも置いてありました。

使い方については

ネットで検索してみてください。

 

 

 

 

 

 

夕日が沈むプロチェーノの町。

 

 

シルクロードの西の果て、

ローマまであと2日!

 

 

 

芸術の街・フィレンツェ

2019.04.16

【318日目 12,085km】

 

 

美味しいボロネーゼの街ボローニャを後にして

次なる場所へ向かいます。

 

 

 

アレックスさん宅は山の麓だったので、

この日は1,000mの山を越えていく行程。

気合を入れて臨みます。

 

 

 

天気の良かったイタリアの道のりも

少しずつ曇り空になってきました。

ずっと上りなので

急ぎようもないのですが、

雨が降る前に着かねばと

気持ちだけ焦ってしまう。

 

 

 

傾斜は思いのほか緩やかで

お昼ごろには峠が見えてきました。

高さ1,000mの山越えは

かなり慣れてきたように感じます。

足はあまりムキムキになってない

気がするけど。

 

 

 

そして、山の峠に到着。

ここからアペニン山脈の反対側へ

一気に滑降していきます。

再び木に激突するわけに行かないので

ブレーキを握りしめてゆっくりゆっくり

下りていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山を下るとあっという間に

目的地「フィレンツェ」に到着。

 

またまたWarm Showerを利用して

「カルロさん」という

おじいさんのお宅にお世話になります。

 

 

 

夜はやっぱりパスタ。

パパッと簡単に調理してたようですが

物凄くおいしい。

オリーブオイルとか新鮮なレモンとか

素材が良いからイタリアの料理は

美味しいのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日はフィレンツェの観光に出かけます。

天気はあいにくの曇りでしたが…。

 

写真は街の中心部にある

「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」。

フィレンツェの象徴です。

 

 

 

石造りのドームは

キリスト教建築のなかでも

最大級の大きさだそう。

写真では伝わらない

圧倒的な存在感がありました。

 

 

 

 

フィレンツェの歴史を語る上で

欠かせないのは、

この地域の実質的な支配者であり

ルネサンス期の芸術家達の

パトロンとなった「メディチ家」。

 

 

 

彼らが収集した芸術作品を

間近で見るためにやってくることが、

フィレンツェを訪れる観光客の目的でもあります。

 

上記の大聖堂や市役所、そして美術館。

いたるところに作品は展示されているのですが

そのどれも入場料は¥3,000前後。

貧乏旅行者はとてもじゃないけど

すべて入場するわけにはいきません。

 

 

 

そうはいっても何も見ずにこの街を去るのは寂しいので

唯一訪れたのは「ウフィツィ美術館」。

入場料およそ¥2600。

値段の話ばっかりするなって我ながら思います。

 

 

展示されているのは

ルネサンス期の彫刻や絵画。

イタリアでも最大規模の美術館らしく

平日にもかかわらず

かなりの人たちが訪れていました。

 

 

 

 

 

ヨーロッパ圏では

はじめての美術館。

著名な芸術家の作品を

直に見るのが楽しみです。

 

 

 

 

 

「ウルビーノ公夫妻像」

/ピエロ・デッラ・フランチェスカ

 

というか、

写真撮影OKなことが驚きでした。

みんなパシャパシャ撮りまくってます。

 

 

 

 

「ヴィーナスの誕生」

/サンドロ・ボッティチェリ

 

この作品が美術館で

最も有名なものだったでしょうか。

ルネサンスの象徴ボッティチェリ。

 

 

 

 

人気作品には当然

沢山の人だかりができます。

みんななるべく

前で見ようと必死。

 

 

 

 

 

「受胎告知」

/レオナルド・ダ・ヴィンチ

 

人生で初めてダ・ヴィンチの作品を

目の当たりにしました。

 

 

 

 

「メデューサの首」

/カラヴァッジョ

 

インパクトのあるこの作品。

来年、日本にもカラバッジョ展

やってくるそうです。

 

 

 

と、このような作品たちを

3時間ほど見たでしょうか。

作品が強いエネルギーを放っているのか

見終わった後って疲れがどっと押し寄せます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観光を終えて、帰りの路面電車で悲劇が…。

 

停留所の券売機で¥160の切符を購入したのですが、

イタリアでは乗車後に

電車内の機械に切符を挿入して

乗車時間を打刻するというルールがあるそう。

 

これを怠った場合、罰金が発生するのですが

ほとんど電車なんか使わない僕はそんなこと知りません。

 

 

目的の駅について電車を降りようとしたところ

乗り合わせていた係員がつかつかやってきて、

「きみ切符に打刻してないね。はい罰金¥6,000」

 

「いや、そんな決まり聞いてないし!

切符にも説明書いてないし!

ていうか、電車の中にいたんだったら

外国人に優しく説明するのがアンタたちの仕事じゃん!!」

 

 

係員が指で示した停留所の掲示板に物凄く小さな英語で

説明書きが書いてありました。

 

「いやいや、そんなちっちゃいの気づくか!

しかも英語で書かれても日本人だから読めませーん!

したがって、罰金なんて払いませーん!!」

 

「きみ、さっきから英語で文句言ってんじゃん。

絶対読めるでしょ。

すぐ払わない場合は罰金¥30,000まで増えるよ。

それもここに書いてあるから(指でトントン)」

 

罰金増額をほのめかされ、

すぐさま財布を取り出すあたし。

 

 

EU圏内の交通機関では

割とおなじみの仕組みだそうです。

ヨーロッパご旅行の際はお気を付けください。

 

 

 

 

お世話になっていたカルロおじいちゃんに報告すると

「フォッ、フォッ、フォ。わしも罰金払ったことあるよ」

とのこと。

 

現地の人でも打刻するの忘れるなら

システム変えればいいのに!

という行き場のない怒りを飲み込み

また一緒にパスタを食べました。

 

ちなみこのおじいちゃん

若かりし頃、

バイクでアフリカを横断したという

筋金入りの旅人。

 

 

 

いつまでも払ったお金を悔やんでも仕方ないので

忘れることにします。

 

あぁ、¥6,000…。

 

 

 

 

 

絶品ボロネーゼ

2019.04.12

【315日目 11,986km】

 

 

水の都・ヴェネチアを満喫し

スザンナさんに別れを告げると

再び西へ走り始めます。

 

 

 

イタリアのこのあたりの地域には

町と町を結ぶように自転車専用道が敷設されています。

 

実はこれ、

かつて敷かれていた鉄道の線路を取り除き

そのままサイクリングコースにしてしまったというもの。

 

 

 

鉄道が走っていた道なので

曲がりが少なくひたすら真っすぐ。

大部分は未舗装の砂利ですが、

時々ランナーやサイクリストと

すれ違うくらいなので

非常に走りやすいんです。

 

 

 

途中に寄る多くの町は

中世の面影を残しており

昔ながらの雰囲気が漂っています。

石畳が走りにくいけど、

情緒あふれる景色を走るのが

気持ちいい。

 

 

 

人が集まる観光地でなくても

絵になる素敵な風景が広がる

イタリアの道。

ついつい自転車を停めて

写真を撮りたくなってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

この日は130kmを走って「フェラーラ」の街に到着。

 

イタリア北東部海岸沿いは住宅地ばかりで

野宿はしないほうが良いと聞いてたので、

Warm Showerを利用して「ルディーさん」宅にお世話になります。

 

建築家のルディーさんはご自宅も自身でデザインされていました。

天窓から差し込む優しい日の光がロフト部分を抜けて

リヴィングへと注ぎ込む設計はまさに“匠の技”。

 

 

 

ディナーはパスタ。

トマトベースのソースに

具材は豪華なエビと蟹。

さらに、唐辛子とお酢を混ぜた

オリジナル調味料を加えた

スパイシーな一品です。

 

 

 

年に数回休みを取って海外を自転車で走るというルディーさん。

 

日本も走ったことがあるという彼が呟いた言葉は、

「日本の人ってとても親切で礼儀正しいけど

あまりコミュニケーションはとってくれない。

旅の間、僕はずっと1人だったよ。」

 

建築家で、料理も上手くて、イケメン。

そんな伊達男が漏らした寂しい一言が胸に突き刺さった

フェラーラの夜でした。

(一緒に写真撮るの忘れちゃいました…。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も青空の下、

田舎道をのんびりと走り始めます。

対向車もほとんどおらず

走りながら眠たくなるほどでした。

 

 

 

イタリア入国以来

だだっ広い野原というのはなくて、

何らかの農作物を植えているであろう

畑が延々と続いています。

パスタの国だから

小麦が多いのだろうか。

 

 

 

この日は70kmほどを走ると

「ボローニャ」に到着。

しかし観光は後回しにして

事前に連絡してあった

郊外のホストさん宅へと向かいます。

 

 

 

 

ボローニャの街を少し過ぎると

景色は山に変わり、

急な上り坂が続いていました。

汗をかきながら

時に自転車を押しながら

必死に上っていきます。

 

 

 

ここはすでに

イタリア中央部を貫く

アペニン山脈の麓。

広がる山の景色に癒されながらも

足には疲労が溜まっていきました。

 

 

 

 

 

山を上り始めて1時間ほどで到着したのは、

アレックスさん(カナダ人)とガイアさん(イタリア人)

カップルのお宅。

 

 

 

家のすぐ隣はこの風景。

目の前に広がる青と緑。

元気で素直な子供が育ちそうな

場所です。

お二人に子供はいませんけど。

 

 

 

 

到着した日の晩ご飯は

オムレツ。

イタリアの家庭にお邪魔して

初めてパスタが出なかった日です。

オムレツに乗っかってるのはトリュフ。

トリュフはイタリアの日常。

 

 

 

 

 

到着翌日はバスに乗ってボローニャ観光に繰り出します。

 

サッカーの中田英寿選手も一時期在籍していたボローニャ。

ランボルギーニの本社があったり、

マセラッティが設立された街でもあります

 

 

 

この日は日曜日だということもあり

街の中心は歩行者天国。

沢山の観光客で

かなり賑わっていました。

 

 

 

 

 

こちらは「ボローニャの斜塔」。

かつての富豪たちはこぞって

高い塔を建てたらしいです。

人はお金を持つと

変なことに使いたがる。

 

 

 

 

ヴェネチアに比べて

物凄い数の人がいるわけでもなく

過ごしやすい雰囲気でした。

やっと落ち着いて

イタリアの都市を見た

という気がします。

 

 

 

賑わう人々の中で注目を集めるのは

ストリートパフォーマー達。

ヨーロッパは

バスキング(路上パフォーマンス)の

本場とあって

皆、活き活きと活動してました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ボローニャで最も楽しみにしていたのは

この街ならではのグルメ。

多くの人が行列をなすこちらの

レストランで味わってみることにしました。

 

 

 

その料理がこちら「ボロネーゼ」。

街の名を冠するこのパスタは、

ひき肉をじっくり煮込んだソースが

平打ちの面にしっかり絡み、

さらにたっぷりとかけたチーズで

マイルドにまとめた一品。

 

 

イタリアには各地に名物パスタがあるので

道中、味わっていくのが楽しみなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなボローニャの滞在で

街の観光以上に思い出深いのは

ホストのアレックスさん&ガイアさんたち

と過ごした時間。

 

 

 

毎週日曜日は

近所の人たちを集めて

ピザパーティーをするらしく、

朝から仕込んでいた生地を伸ばして

ゼロからの手作りです。

 

 

 

 

家の裏にはピザ窯があり、

直火でピザを焼いていきます。

アレックスさんカナダ人なので

「焼き方あってるか知らない」

らしいですけど。

 

 

 

 

ピザが焼ける頃には

パーティーの準備も整い

ぞろぞろと人が集まってきます。

 

 

 

 

 

 

盛大にみんなで

チンチン(乾杯)するかと思いきや

パーティーはふわっと始まり、

ふわっと終わりました。

イタリア人はあまり

乾杯しないらしいです。

 

 

 

 

 

次の日も

裏庭のご近所共同畑での

農作業を手伝ったり

 

 

 

 

 

 

二人が仕事にいってる間、

作り置きしてくれてた

自家製ボロネーゼを

ご馳走になったり

 

 

 

 

 

最後の夜には

ブルーグラスのセッションを

聴かせてもらったりと、

穏やかなイタリアンライフを

送らせてもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

都会的なイタリアの方たちとは

あまりじっくり交流できないのでは

という不安をあっさり拭い去ってくれた、

アレックスさん&ガイアさん宅での

滞在でした。

 

 

“またいつか会いたい人”が

どんどん増えていく。

 

 

 

水の都・ヴェネチア

2019.04.8

【312日目 11,766km】

 

 

木に衝突というアクシデントから始まった

イタリア初日。

しっかりと気を取り直して2日目スタートです。

 

 

 

起伏の多かったバルカン半島に比べて

真っ平らな土地が多くなりました。

力むことなくのほほんと走り始めます。

 

 

 

すっきりと整えられた林。

こういった所を見ると

イメージ通りのヨーロッパだなと

感じます。

青空が気持ち良い。

 

 

 

 

自転車道が整っているのも

自転車先進国ならでは。

イタリアに入って

道がものすごく

走りやすくなった気がする。

 

 

 

 

前日の事故の衝撃で、

カバンのフックが

破損してしまいました。

テープでぐるぐる巻きにして

とりあえず応急処置。

 

 

 

 

イタリア初のランチは

目に留まったマクドナルドへ。

新しい国の食事への好奇心もありますが

自分の知ってる味が提供されるという

安心感を欲することもあります。

 

 

 

 

中国でもそうだったけど

注文は大きなタッチパネルで行う形式。

気になって調べたら

日本にもコレあるんですね。

知らなかった…。

レジに並ぶ時代はもう終わりです。

 

 

 

 

 

 

 

この日は120kmを走破。

前日の事故で頭部に衝撃を受けたので

大丈夫かと気になってましたが、

少し痛みも和らいで

何とか走り切ることができました。

 

 

 

 

たどり着いた石畳の街は

「トレヴィゾ」。

いかにもイタリアといった風な

すっきりとオシャレな空間が

広がっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お世話になったWarm Showerのホストは

街の中心から少し離れたところに住む「スザンナさん」。

 

ご本人写真NGなので飼っている犬を載せておきます。

沢山のお宅の前を通ってきましたが、

イタリアは犬を飼ってる人がすごく多い気がする。

 

 

 

近所の親切なおじさんが

カバンのフックを直してくれました。

旅において、人に相談してみると

大抵の問題が解決されていくので

とても助かっています。

自分でなんとかしろって話ですけど…。

 

 

 

イタリアの家庭料理はやっぱりパスタ。

トマトベースだけど

唐辛子がしっかり効いて

スパイシーで美味しかった。

色んなパスタを食べるのが

これから楽しみ。

 

 

 

 

 

トレヴィソ到着の翌日、

スザンナさん宅から日帰り観光に向かうのは

「水の都・ヴェネチア」。

 

河から運ばれた土砂が堆積してできた海辺の潟(がた)に

大きな魚の形をして浮かんでいる

言わずと知れたイタリア随一の観光地。

車はもちろん自転車でも乗り入れることはできません。

 

 

 

島内の宿泊施設が高額ということもあり

多くの人は付近の都市から

電車に乗って観光に訪れるそう。

トレヴィゾからもわずか30分で

着いてしまいます。

 

 

 

 

長い1本道になっている

橋を渡れば

いよいよヴェネチアに上陸。

たまたま座れたけど

電車はかなりの乗車率でした。

 

 

 

 

電車を降りて

駅舎から出ようとすると

さっそく目に飛び込んでくる運河。

期待が高ぶってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅を出てすぐの景色がこちら。

島内を流れる運河の水際を歩けば

沢山の観光客の熱気で溢れています。

 

 

 

ゲルマン人の侵攻から逃れるように

湿地帯の島に人々が移り住んだのが

ヴェネチアの歴史の始まり。

東ローマ帝国支配下の

都市国家「ヴェネチア帝国」

として栄えたそう。

 

 

 

 

より沢山の人々が住めるように

無数の木の杭を打ち込んで

地盤としているため、

「ヴェネチアをひっくり返すと

森が現れる」

と言われているとか。

 

 

 

入り組んだ迷路のような島内を

運河が複雑に流れ込んでいます。

あたりの流れがよどんでいるのか

水質は決して綺麗とは

言い難い状態でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

島を真っ二つに分断するように

S字を逆さにしたような形で流れる

最も大きな運河「カナル・グランデ」。

 

たくさんの遊覧船や手漕ぎボートが

往来しています。

運河の両脇にずらっと並ぶのは

カフェやホテル、レストラン。

 

 

 

運河には

いくつもの橋が架かっていますが、

最も有名で多くの人が集まるのは

リアルト橋。

ちょうど島の中心辺りに位置します。

 

 

 

 

世界でもトップクラスであろう観光地の

特に人が集まるエリアということで

人口密度はかなりのもの。

時々、人ごみを離れて

呼吸を整える必要があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

ヴェネチアを訪れた人が必ず向かうのが

サン・マルコ寺院を中心とした「サン・マルコ広場」。

世界一美しい広場とも言われているそう。

高潮の時に沈んでしまうことで有名なのはココです。

 

 

 

サン・マルコ寺院の前には

背の高い鐘楼が

堂々と立っています。

100m近い高さがあり

ヴェネチアで1番高い建物なのだとか。

 

 

 

 

寺院の隣に立つのは

かつての役場だった建物。

数え切れないほどの石の柱が

並ぶ姿は圧巻です。

1階部分は現在、

カフェやレストランになってました。

 

 

 

平日だしまだ観光シーズンでもないのに

物凄い数の人、人、人。

夏場に訪れるともっと凄いらしいです。

ほんとディズニーランドみたい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴェネチアを散策していると

とにかくよく見るのがこの仮面。

お土産屋さんには

必ずと言っていいほど置いてあります。

 

 

周辺国との紛争の勝利を祝い

人々が広場に集まって踊り出したことで

1,000年ほど前に始まった

「ヴェネチア・カーニバル」。

仮面で素顔を隠して身分を忘れ、

皆で仲良く騒いだそう。

 

 

 

現在も2月後半から3月前半に

カーニバルが行われているそうです。

これ以上人が多いのは耐え難いけど

カーニバルはちょっと見てみたいです。

でも踊るのってそんなに楽しいですか?

普段踊らないから、よく分かんない。

 

 

 

街には仮面の職人さんがいました。

製作作業を間近で見ることができます。

イタリアって靴とかカバンとか

渋い職人さんがいっぱいいる

イメージでしたけど、

まさにそんな人。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらは「ため息橋」。

かつて囚人が牢獄(右側の建物)に収監される直前のこの橋で

ため息をついたことに由来するのだそう。

 

現在は、

ゴンドラに乗ってこの橋の下で恋人同士がキスをすると

永遠の愛が約束されると言われているみたいです。

1人で行っても無駄。

 

 

 

グランカナルから少し離れれば

落ち着いた運河を見ることができます。

干された洗濯物からにじみ出る生活感。

学校も病院もあって

この島の中で生活している人は

多くいるのだそうです。

 

 

 

節約中の貧乏旅なので

ゴンドラには今回乗りませんでした。

永遠の愛を誓う相手もいないので…。

もちろん乗船時間にもよりますが

貸し切りだと1万円近くします。

お金持ちになったらまた来よう。

 

 

 

 

周辺にもいくつか島があって

そちらも観光できるのですが、

1日ではとても回り切れるものじゃありません。

 

 

写真やテレビで幾度となく見た景色ですが

やはり現地に足を運ぶとその美しさに見とれてしまいます。

「ベニスを見て死ね」の格言に違わず、

訪れる価値のある“水の都・ベネチア”でした。

 

 

引き続き、イタリアの魅力を味わっていきます!

 

 

 

アクシデント!

2019.04.4

【309日目 11,645km】

 

 

強風吹き荒れるボラの中、

救いの手を差し伸べてくれた心優しきナダさんに別れを告げて、

次なる場所を目指します。

 

 

 

ナダさん宅にたどり着いた2日前と比べると

想像もつかないほど穏やかで綺麗な青が広がる海岸線。

アドリア海も色々な表情を持っているようです。

 

 

 

これまで通り

数十km進んでは港町があるので

時に休憩をはさみながら

のんびり進んでいきます。

晴れの海岸線は

本当に気持ちが良い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数百mの高さの山を越え、

100kmを走ってたどり着いたのは「リエカ」。

クロアチアの北部に位置しており、

ここから山を越えた向こうに次なる国への国境があります。

 

 

 

北側国境付近の都市ということで

長い歴史を通じて

イタリアやオーストリアの文化が

流入してきたというリエカの街。

さらに“ヨーロッパ感”が

増したような気がします。

 

 

 

いよいよこの街で

クロアチアともお別れ。

新聞に取り上げてもらったり、

暴風に見舞われたり。

しっかりと旅らしい“想定外”に

出会うことができました。

 

 

 

夕暮れ時、

オレンジに染まっていくリエカの港。

人口400万人ほどのこの国は

大きな街でも

人が溢れかえっていないのが

良いところでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リエカの街で2日ほど休んで疲れを癒すと

いよいよ次なる国へと向かいます。

街を離れると山道に突入。

国境は1,000mの高さを上った先にあります。

 

 

 

ここ数週間、

海沿いの風景が続いていたので

山の道というのも新鮮に感じます。

春の新緑には

まだ少し早いようでしたが。

 

 

 

 

汗をかきながらのぼる上り坂と

その向こうに待つ下り坂の連続が

快感になってきているのは

立派なサイクリストの証なのでしょうか。

山ならではの楽しみがあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リエカの街から4時間ほど漕いで

たどり着いた山中の国境。

主要道路は別にあるのでここはかなり寂しい雰囲気。

 

そして、国境の向こうは

16ヵ国目の「スロベニア」。

 

 

 

引き続き山の中を走っていきます。

実は、スロベニアを走行するのは

わずか20kmあまり。

そのほとんどが下り坂だったので

一歩も足をつかずに

国を越えられるのではと思うほど。

 

 

 

進んでいく道に

町の1つも見当たらないので、

何の出来事も起こらないまま

スロベニアを通過すると思ってました。

出国直前、この旅最大の悲劇が

待っているとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらスロべニア-イタリア間の国境。

 

楽しみにしていたイタリアなのですが、

この場所からわずか20mほど手前で悲劇は起きました。

 

 

曲がりの多い下り坂を進んでいると、

見通しの悪い道の向こうに突然現れた急カーブ!

 

ブレーキを握りしめるも、

数十kgの荷物をくくり付けた自転車の勢いを止めるには

カーブまでの距離はあまりにも短すぎました。

 

曲がり角に生えていた木に真っ正面から猛スピードで激突。

自転車もろとも倒れこむあたし…。

ぶつかる瞬間、下に顔を向けたので

衝撃を受けたのはヘルメット越しの頭頂でした。

 

体全体に痛みが走るのを感じながら

「ぼぉーっ」とその場に立ち尽くし、

気が付くと自転車を起こしていました。

 

そして、走り始めた直後に

目に留まったのがこのイタリアの看板。

でも正直、この写真撮ったの覚えてないんです。

 

 

 

 

それから

イタリア最初の街トリエステを通過したのですが、

事故を起こしたというショックに加えて

「もし対向車がいたら…」

「もしヘルメットをしていなかったら…」

「もしカーブの向こうが崖だったら…」

色んな事が頭をよぎってしまい

カメラを手にすることもできず写真は1枚も残っていません。

 

この日は野宿の予定でしたが

体の痛みと精神的ショックもありゲストハウスに泊まることに。

 

 

 

 

 

見つけたこちらのゲストハウスは

1泊30ユーロ(およそ¥3,700)。

高い…。

流石のイタリア価格です。

 

 

 

 

身も心もボロボロなのに

「5ユーロまけてよ」って

交渉する元気はありました。

まけてもらえませんでしたけど。

…ケチ。

 

 

 

 

エスプレッソと一緒に頂く

イタリア最初の朝食。

この国では

食べるべきものに対しては

しっかりお金を払ってやろうと

思ってます。

 

 

 

 

 

宿のオーナーとの1枚。

ばっちり目つむっちゃってます。

イタリアの人はそっけないなんて噂も聞いてましたが、

フレンドリーでしっかり話もしてくれて良い人でしたよ。

5ユーロまけてはくれませんけど。

 

 

 

事故の痛みは残っていますが、

ベッドでゆっくり休んだことで気持ちは落ち着きました。

 

思えば、

ブレーキが磨り減ってることに気づいていながら

「まだ大丈夫」と交換を先延ばしにしてたことに原因はあります。

 

 

“腕の良い木こりは体に1つだけ傷を持っている。

0でもなく2つでもなく、1つだけ”

 

この失敗を糧に、

より安全管理徹底して旅をつづけてまいります。

 

 

ということで

イタリア旅スタート!

首が痛い。

 

 

 

「ボラ」

2019.03.31

【305日目 11,439km】

 

 

不安定だったザダルの天気が

回復したところを見計らって

再び走り始めます。

 

南北に長いクロアチアもそろそろ後半戦に突入。

相変わらずではありますが、

ひたすら海岸線を走っていきます。

 

 

 

このあたりの地域には

海沿いに数々の島が存在しており、

島のほうが交通量が少ない

ということを聞いていたので

橋を渡って島に移ることにしました。

 

 

 

 

 

 

 

出発してから2時間ほどで島に架かる橋に到着。

向こう岸には

緑が生えておらず岩がむき出しとなった

島が見えます。

 

写真では伝わらないのですが、

ここに立ってカメラを構えていると

かなりの強風が吹き荒れておりました。

 

この時は、

風をさえぎるものがない海の近くだから

これだけの強風が吹いてるのだろうと

何の気なしに橋を渡っていきました。

後からどれだけこの「風」に苦しめられるかも知らずに…。

 

 

 

島の中には「パグ」という町があり、

スーパーに立ち寄って

のんびり休憩をとりながら

少しづつ進んでいきます。

 

 

 

 

 

街を離れると久しぶりの未舗装路。

砂利にタイヤを取られつつ進んでいると

再び風が強まってきました。

晴れ渡った気持ちのいい天気とは裏腹に

ハンドルをぎゅっと握り、必死で

ペダルを踏み込みながら前進します。

 

 

 

 

 

 

島内を3時間ほど走ったところで

島から本土へ渡るフェリーの発着所に着きました。

ここにきても強い風が吹き続けていたけれど、

向こう岸に渡ればきっと風もおさまるはず。

 

 

 

乗船してしばらくすると

フェリーは本土に向かって動き出しました。

 

向こうに見えるのは

水際から一気にそそり立つ岩山の急斜面。

もう夕方になるし、岩山が壁になるから

風が吹き付けることもないだろうと

のんびり揺られて体を休ませました。

 

 

 

そして、20分ほどして対岸の発着所に到着。

北に25kmほど進んだ村で宿をさがすつもりでしたが、

ここからの道のりは

この旅においても1、2を争うほどの過酷なものでした。

 

あまりの過酷さゆえに写真が1枚もありません!

 

 

 

北へと向かう幹線道路へは

フェリーの発着所から300mの高さまで

上る必要があります。

すでに疲れていた体に鞭を打ち、

自転車を押しながら急斜面を上っていると

激しい突風が体に吹きつけてきました。

 

この日、朝から苦しめられていた強い風が

おさまるどころかよりいっそう猛り狂うなど

予想だにしていませんでした。

 

 

「ゴオォォー」という轟音と共に突風が吹くたび

前に進むことはおろか、

自転車を支えて立っているのがやっと。

しかも、風の方向は一定ではなく

四方八方からタコ殴りにされるかのよう。

 

何とか上って幹線道路までたどり着き

風の止んだ瞬間をうかがって自転車にまたがったその時、

狙いすませたかのように吹く突風!

僕の体重と荷物をあわせれば

合計100kgを超えるはずの自転車がまるごと

ペロンッと道路脇に

軽々ひっくり返されてしまいました。

 

自然の猛威を前にして自分の無力さを感じると、

「アハハ、ウフフ…」と笑う以外何もできないということを

人生で初めて知った瞬間でした。

 

 

それでも、その場に居座るわけにもいかず

なんとか少しづつ進んでいくと

道の外れに1軒の家が見えました!

「お願い、誰か中にいて!」と、

迷わず玄関の扉を叩きます。

 

 

 

 

 

開いたドアの向こうから出てきたのは中年の女性。

 

事情を説明した上でスプリトの新聞取材の記事を見せ

怪しいヤツじゃないよとアピールすると

「とりあえずあがりなさい」と、

迎えてくれました。

 

 

夏場はバカンス地となるこの地域で愛犬と2人暮らす

「ナダさん」に差し出されたお茶を飲みながら、

まず彼女が言ったのは

「なんで今日みたいな日に自転車乗ってるの?」

 

彼女の話を聞いて、

この日自転車を漕いでいたことがいかに愚かなことだったか

思い知ることとなりました。

 

 

朝から吹き荒れていたのは、

「ボラ」と呼ばれ

冬の間にアドリア海沿岸の地域一帯に吹く季節風。

 

特に、この日がそうであったように

3月下旬に吹く強い風は

春の到来を告げるこの季節の風物詩になっているそう。

 

一方で、

風速200km/hを記録したこともあるというこの暴風は

自動車や船の交通網を停止させ、家屋の屋根を吹き飛ばし、

時に死者を出すほどの自然災害にもなり得るとのこと。

 

ちなみに、

この日は注意報も発令されず“よくあるレベル”の風だったそう。

日本人の僕からすると

まるで雨と雲のない台風だったんですけど…。

 

 

 

首都ザグレブで暮らしている

娘さんの目標が

「日本へ留学すること」ということで

親近感を感じてくれたナダさん。

そのまま

泊まらせてもらうことになりました。

 

 

 

愛犬のデイジーちゃん。

アメリカンなんとかっていう犬種です。

この上目遣いでジーッと

見てくるのが堪らなく愛おしい。

僕の足の裏をずっと舐めてきます。

 

 

 

 

 

 

ナダさん宅の前から見た夕陽。

穏やかな景色に似合わない激しい風は

夜中になっても止むことはありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝になっても風は吹き続けており

自転車を漕ぐのは困難だということで、

ナダさん、デイジーと付近を散策することに。

山の中腹にある家から海辺まで一気に下りていきます。

 

 

 

夏になると涼を求めて人が集まるものの

ガイドブックには大きく載らない

穴場観光地「ザブラトニッツァ」。

お馴染みの散歩コースらしく

先々進んでいくデイジー、

あぁ、可愛い…。

 

 

 

入り江とそれをとり巻く岩山が

国立公園に指定されている

ザブラトニッツァ。

第2次世界大戦中のドイツ軍の

ボートが沈んでいます。

 

 

 

 

入り江の奥から海側を見渡した風景。

両腕で抱え込むように

岩山が囲む一帯の水辺は

水が澄んで底がはっきりと

見通せるほどでした。

 

 

 

 

高台に上って記念撮影。

左の彼女がナダさん。

首都ザグレブでの“管理職・高給取り”

という立場を捨て、自然豊かな故郷に

戻ってきたキャリアウーマンです。

 

 

 

 

2日間も寝床のみならず

食事まで提供してもらって

どうやってお礼をしていいやら。

数えきれないほど多くの人に

助けてもらっていますが、

良い感謝の方法が未だ見当たりません。

 

 

 

 

 

 

「春の到来を告げる“ボラ”と同時に

あなたがやって来たのは、

新しい何かを始めなきゃっていう私へのメッセージよ」

 

 

助けを求めて転がり込んだだけの僕との出会いに

価値を感じてくれるなんて、

なんと素敵な感受性の持ち主なのか。

 

旅を通じて、出会いを通じて

自分自身変わっていかねばと気づかされる

クロアチアの春の嵐でした。

 

 

 

世界で1番美しい

2019.03.27

【300日目 11,345km】

 

鮮烈メディアデビューを果たした

スプリトを後にして、

引き続き北へと向かいます。

 

 

 

スプリトは

クロアチアでも2番目に多い人口を抱える都市

ということで、

街中を抜けるまでにはかなりの交通量があります。

 

 

 

それでも1時間ほど走れば

落ち着いた田舎道へ。

気候が穏やかなことに加えて

車もまばら。

静かな海岸をのんびりと

漕ぎ進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

わずか70kmほど走ったこの日は

「シベニク」という町に到着。

ほどよい賑わいもありながら

落ち着いた場所です。

 

 

 

ガイドブックなどでは

あまり紹介されていないこの町も

古くからの歴史ある建物が見所だそう。

旧市街を歩くと

漂う中世の雰囲気が感じられました。

 

 

 

 

世界遺産に登録されている

「聖ヤコブ大聖堂」。

見た目の派手さはないですが、

木やレンガなどの補助材が

一切使われていない石造教会の中では

世界で最も大きな教会だそう。

 

 

 

旧市街の中で

サッカーに熱中する子供たち。

歴史ある家屋の壁に

ボールがバンバンと

当たりまくってます。

 

 

 

 

翌日は雨の予報なので

1日まったり。

オフシーズンに泊まるゲストハウスは

人が少ないので

居心地が非常に良いんです。

結局、ほとんど雨降らなかったけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シベニクで一休みした後、

再び海岸を北へ進んでいきます。

ずっと同じような景色だから、

ずっと気持ちが良い。

 

 

 

ここしばらく道路わきの安い食堂で

ささっと昼食を済ませることが

多かったけど、

1食当たりの値段が上がってきてるので

スーパーで適当なものをつまんでます。

 

 

 

 

午後からも、さっき見たような

どこまで行っても変わらぬ景色。

クロアチア以降も

地中海沿いを走っていくつもりなので

これがずっと続くのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シベニクからおよそ80kmを走って

やって来たのが「ザダル」。

昨年のFIFAワールドカップで大活躍した

クロアチアのスター選手「モドリッチ」

を生んだ場所です。

 

 

 

これまでに訪れた街と同じように

海辺に広がる旧市街。

ドゥブロヴニクとスプリト以外は

あまり予習をしてなかったのですが、

アドリア海沿いには歴史深い街が

ズラリと並んでいるようです。

 

 

 

90年代のユーゴスラビア紛争の際、

大きなダメージを負ったザダル。

荒廃してしまったこの街は、

クロアチアの人たちにとって

紛争を思い起こさせるということで

負のイメージが付きまとったそう。

 

 

 

少しづつ復興の道を歩み

明るさを取り戻しているザダルの街。

海外からの観光客も多くおり、

現在の様子からは

過去の悲劇を匂わせる景色は

見当たりません。

 

 

 

 

 

 

復興のシンボルとして

波打ち際に創作されたのが

「海のオルガン」。

波の力を利用して

金管楽器の低音のような音が鳴る

不思議な楽器です。

 

 

 

不規則にあたり一帯で鳴りつづける

無機質で宇宙的で

サイケデリックなサウンド。

寄せてはかえす波を眺めながら

いつまでも座っていたくなります。

 

 

 

 

 

 

 

旧市街には現地の人たちが

買い物をしにやってくる市場もあります。

地元の野菜は彩り豊かで

慢性的に栄養不足気味の旅人には

非常に魅力的に見えてしまう。

 

 

結局、色々買っちゃいました。

というか物価上昇により

ゲストハウス滞在中は

自炊せざるを得ないというのが

本音です。

 

 

 

 

調理のしやすさと値段の安さから

行きつく先はパスタ、パスタの日々。

これからイタリアで

山ほど食べられるというのに。

でもパスタってどれだけ食べても

飽きないですよね。

 

 

 

 

 

 

かの名監督ヒッチコックをして

「世界で1番美しい」と言わしめたザダルの夕陽。

 

 

沢山の島が浮かぶ穏やかなアドリア海に

ゆっくりと沈んでゆく太陽を見送った後、

次なる場所を目指すつもりでしたが

実はしばらく天気が悪くて4日間もこの街に停滞してます。

 

早く走りたい…。

 

 

 

鮮烈メディアデビュー

2019.03.23

【296日目 11,187km】

 

ジブリの街ドゥブロヴニクを後にして

また海岸線を北へ上がっていきます。

 

 

 

ドゥブロヴニクの北側には大きな橋が

かかっています。

しばらく快晴の日が続いてましたが、

この日は久しぶりに怪しい雲行き。

 

 

 

途中でにわか雨も降り

雨宿りをしながらゆっくりと

進んでいきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゥブロブニクが位置しているのは

クロアチアのほぼ南端。

実はこのあたりの地域は、

海側へとはみ出した隣国ボスニア・ヘルツェゴビナの領土により

本国と分断されてしまっている

いわゆる「飛び地」。

 

背景は複雑なのですが、

およそ300年前にアドリア海沿岸の覇権を争った

ヴェネツィア帝国とオスマン帝国の紛争を緩和するために

引かれた当時の国境線が現在も引き継がれているそう。

 

つまり、これだけ国が密集していれば

いろいろな事情が発生するということです。

 

 

 

 

 

ということで15ヵ国目となる

ボスニア・ヘルツェゴビナへの

国境に到着。

従来通りスタンプを押されると

すんなり入国できました。

 

 

 

 

国は変われど、

この地域に住んでいる人は

クロアチア人が多いらしく

クロアチア通貨の「クーナ」も

使えてしまいます。

 

 

 

 

黙って通り抜けるだけ

というのも寂しいので、

入国記念として

食堂に寄ってランチを食べました。

ボスニア・ヘルツェゴビナでの

唯一の思い出。

 

 

 

飛び地と本国との距離は

わずか15kmほど。

たった1時間で走り抜けた

ボスニア・ヘルツェゴビナ。

1ヵ国の滞在時間としては

この旅での最短記録です。

 

 

 

クロアチアに再入国して

しばらく走ったところで

この日は久々の野宿。

名前もわからない湖のほとりで

のんびり過ごします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続くこの日も

海沿いを北へと進んでいきました。

 

 

 

木がほとんど生えていない岩山が

延々と続くアドリア海沿岸。

起伏がかなり激しい分、

高いところから見下ろす海を

たっぷり堪能できます。

 

 

 

 

水辺の向こうにそびえる岩山。

写真を撮り終えた途端、

警察に職務質問されました。

…なんでされたんだろう、

事なきを得たのでいいですけど。

 

 

 

 

小さな港町が数十kmおきに

あらわれます。

目的の街が近づくにつれ

交通量も少しずつ増えてきました。

 

 

 

 

 

 

そして、ドゥブロヴニクから

2日かけてたどり着いたのは、

クロアチア第2の都市「スプリト」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3世紀ごろに

古代ローマ皇帝の宮殿が建てられたこの都市。

 

皇帝が逝去して数百年たった後、

荒廃してしまったかつての宮殿を見つけて

「何ここ、良い場所あるじゃん!」と、

中世の人達が住み始めてしまったという

珍しい歴史を辿った街なのです。

 

 

 

かつての宮殿の壁は

中世の人たちにとっての城壁と

なったそう。

一度はボロボロになった古代の遺跡が

人々の生活する街として

息を吹き返したということ。

 

 

 

皇帝のために捧げられた

建物ということで

門構えからして、かなり立派。

古代ローマの気分を味わいながら

生活していた当時の人たち。

何とも贅沢な街です。

 

 

 

現在もこの街には

人々が暮らし続けており

ところどころに

生活感がうかがえます。

 

 

 

 

 

北門を出たところにあるのが

大きな「グルグール像」。

この銅像の左足の指をなでると

幸運がおとずれるそうですが…

 

 

 

 

 

大勢の人が触りすぎて

表面がテカテカになってるというのは

もはや世界各地の

観光地あるあるですね。

僕もしっかりなでなでしたので、

幸運がおとずれることが確定しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近くの丘から見渡す

スプリトの街並み。

 

写真中央あたりがかつての宮殿ですが、

城壁もあまり高くないうえに範囲が広いわけではないので

パッと見には分かりにくいです。

 

 

 

 

現代の都市空間と

歴史遺産である旧市街が、

自然に溶け合うようにして成り立った

スプリト。

海沿いの通りには

暖かい海風が吹き抜けます。

 

 

 

半日もあれば十分歩けてしまう

旧市街周辺。

のんびりあたりを散策するだけで

気持ちが良くなる、

ドゥブロヴニクとはまた違った

魅力のある街です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなふらっと訪れたスプリトで

面白い出来事が起こります。

 

Warm Shower のホストが見つからず

やむを得ずとあるゲストハウスに身を寄せたところ、

到着直後から宿主は自転車旅に興味津々で

あれやこれやと旅についてお話しました。

 

すると翌朝、

「新聞社の友達が取材したいって言ってるけどいい?」

と思いもよらぬ展開に!

 

断る理由もないので「是非どうぞ」と告げると、

2時間後にはスプリト地方紙の

カメラマンと記者の方がやってきました。

 

そのまま始まったインタビューと写真撮影は

1時間ほどであっという間に終了。

「楽しみにしといて!」と

去っていった新聞社の方たち。

 

 

 

しばらく時間がかかると思いきや

翌朝の新聞には掲載されてました。

あまりの急展開に

驚きがついていきませんが、

旅をしてれば予想外のほうに

ことが進むことなんてよくあること。

 

 

 

新聞を抱えて

スーパーのレジに並んでる時

後ろのおばちゃんに

見て見てと自慢すると、

「えーー?これアンタなの!?」

とビックリしてました。

 

 

 

↓電子版もあるのでご覧ください。

https://www.slobodnadalmacija.hr/dalmacija/split

 

 

 

 

 

ところが驚きはまだまだ止まりません。

のんびり新聞を眺めていると、

宿主のもとにまた連絡がやってきます。

 

取材をしてくれた新聞社の母体が

EU全土に展開するテレビの放送局だったらしく

「いまから取材にいってもいい?」とのこと。

しかも今度はローカルではなく、クロアチアの全国放送。

 

2日連続で、

またもやインタビューと撮影。

旅について根掘り葉掘り聞かれながら

2時間ほどで終了しました。

 

 

 

放送されたのは撮影当日。

しかも、夜の7時という

なかなか良い時間。

しゅっとしたキャスターが

読んでくれます。

 

 

 

日本でも見たことがない

テレビに映る自分の顔。

これまでどんな旅だったのか

偉そうに色々とお話ししました。

あぁ、恥ずかし…。

 

 

 

 

放送時間は3分ほど。

中国から中央アジアにかけての

道がちょっと間違ってるけど、

こうして地図にして道のりを見ると

はるばるやってきたなぁと

感慨深いです。

 

 

 

新聞を読んで興味を持ってくれた

近くに住む「ゴランさん」。

わざわざ宿にやってきて

晩御飯をご馳走してくれました。

他にも多くの方から

メッセージを頂きました。

 

 

 

 

 

こちら宿主の「ボリスさん」。

スプリトについてたったの2日間で

あれよあれよと物事が進んでいきましたが

全てはこの人との出会いがきっかけ。

 

異国の地にまた一つ

忘れられない場所が増えました。

 

 

 

CATEGORIES

PAGE TOP