2019.03.3
【277日目 10,417km】
スコピエの観光をあっという間に終えて
次なる場所“オフリド”へ。
2つの山を越える道のりです。
北マケドニアに入ってから
かなり天気は安定しており、
連日気持ちのいい日が続いています。
午前中に65kmを走り
“ゴスティバル”で休憩。
昼までにこの距離を走りきるのは
かなり久しぶり。
やはり暖かい方が走れます。
午後からの山越えに備えて
しっかりとした昼食。
かつてのオスマン帝国の文化圏なので
トルコのキョフテ(ハンバーグ)が
ここでも食べられました。
街を出たとたんに
山が待ち構えていました。
気温はさほど下がらず寒くはないけど、
標高が上がればまだ雪が残っています。
黙々と上った標高は700m。
これくらいの山はしょっちゅうですが、
この時はしんどかった…。
疲れが溜まっているのか。
峠を越え、山を下ると
穏やかな平野が広がっていました。
自転車でなければ味わえない
山越えの後の気持ち良さ。
1つの山を越えたこの日は、
110kmを走って
“キチェヴォ”に到着。
山間でありながら
割と賑わいのある町でした。
翌日も、
街を出るなり山道が始まります。
もちろん写真は撮ってないのですが、
北マケドニアに入って犬や猫の亡骸が
いっぱい道路脇に落ちてるのがすごい気になります。
臭うし、不吉だし。
誰か回収して…。
スコピエを出発して
2つ目の山は高さ600m。
さほどで高くなくても
連日となるとさすがに辛いです。
何とか峠を越えれば
また平坦な道がひたすら続きます。
天気が良いって本当に幸せなこと。
この日は60kmを走り
目的地“オフリド”に到着です。
北マケドニア屈指の観光地である“オフリド”。
隣国アルバニアとの間にまたがる
オフリド湖の湖畔に古くからある町は
世界遺産にも登録されています。
観光客が押し寄せるのは
夏だそうで、
2月なら落ち着いていると思いきや
思いのほか
賑わいが感じられました。
水際すぐのところまで
家屋が建っており、
静かな路地の向こうに
キラキラと
日の光を反射する水面がのぞく
素敵な街並みです。
北マケドニアの南西に
位置するオフリド湖。
対岸は隣国アルバニアの土地。
国土を対角に横切っても
わずか3日の走行で
走り切ってしまった北マケドニア。
1,000年以上前から続くオフリドの歴史。
ブルガリア帝国、ビザンツ帝国、セルビア帝国など
支配者が次々変わるのは
東ヨーロッパ各地域における共通項の様です。
オレンジの瓦が印象的なオフリドの旧市街は
オスマン帝国の様式だそう。
歴史ある町オフリドは、
自然が生み出した美しい湖と
文明が遺した貴重なキリスト教建築物との
複合遺産として世界遺産に登録されています。
旧市街への入り口をくぐると
さっそく姿を現す聖堂。
アルメニア、ブルガリアとは
また違う
オレンジの瓦が印象的なデザインでした。
こちらはローマ劇場。
住宅地の真ん中に堂々と
建っています。
夏にはここでイベントが
行われるそう。
オフリドのトレードマークとも
なっているのが
スヴェーティ・ヨヴァン・カネオ聖堂。
湖へとせり出した崖の上に立つ姿が
なんとも美しかったです。
丘の上の砦から見下ろしたオフリドの町。
旅に出るまで場所も知らなかった
北マケドニアという国にある、
名前すら聞いたこともない
“オフリド”という町。
この広い世界にはまだまだ美しい場所が
山ほどあります。
2019.02.27
【274日目 10,242km】
ブルガリアの首都ソフィアでの
観光を終え、次なる国を目指します。
3~4℃というイスタンブール以降、
最も寒いのではないかという気温の中
走り始めます。
寒いといっても
12月、1月と雪に埋もれながら
トルコの山中を走った経験があるので
大した苦ではありません。
成長する自転車乗り。
この日は500mの山を
2つ越えるという行程。
合間の平地では
綺麗なブルガリアの自然を
堪能しながら走ります。
2つめの山の峠を越え、
緩やかな下りを
気持ちよく滑り降ります。
向こうに目的の町が
ぼんやり見えてきました。
95kmを走り、
ブルガリア最後の町“キュステンディル”に到着。
ブルガリアの滞在期間はわずか1週間あまりで
あっという間に走り切ってしまいました。
以後しばらくこれくらいのサイズの国が続いていきます。
夕食のポークステーキ。
イスラム文化圏を抜けたので
久々の豚肉。
疲労回復には
鶏より牛より、豚です!
翌日は町を出るなり
上り坂が待っていました。
国境があるのは
800mの山の頂上。
2時間かけて山頂に到着。
山の上の国境は、
国防上は都合がいいのでしょうが
サイクリストには酷です。
着込んでるので汗びっしょりでした。
荷物を調べられることもなく
ドライブスルーのごとく
スムーズに通過。
EU圏内は審査ゆるゆるなのか。
やってきた11ヵ国目は
“北マケドニア”です!
越境後は、一気に下り坂。
車もほとんど通っていないので
綺麗な自然のなか
風を切るように進んでいきました。
国境からわずか15kmほど
「クリヴァ・パランカ」という田舎の町に着きました。
前日から続けてものすごく天気が良い。
予定してた宿が中々見つからず
地元の人に尋ねまわって
やっとのことで発見。
ブルガリア以降は
英語が話せる人が劇的に増えました。
ソフィアを出発してから3日目。
国境付近の町から
北マケドニアの首都へと向かいます。
この日も雲のない晴天。
国境を越えてから気温も
ぐっと上がりました。
やっぱりサイクリングは
暖かい時期にやるもんだなと
ほのぼの感じつつ、走ります。
休憩に寄ったガソリンスタンド。
「冷蔵庫のジュースどれでも、
好きなだけ飲んでいいぞ!」
と夢のような言葉をくれました。
でもいい年の大人なので
遠慮して、飲んだのは1本だけ。
そして、北マケドニア入国2日目にして
たどり着いたのは首都“スコピエ”。
こじんまりとした綺麗な街です。
旧ユーゴスラビアといわれる国々の中で
南端に位置する北マケドニア。
なんと僕が到着する直前の
2019年2月12日に国名が変わったんです。
1991年に国が独立する際に
“マケドニア共和国”を名乗ろうとしたのですが、
異を唱えたのは隣国ギリシャ。
かのアレクサンダー大王で有名な“古代マケドニア王国”ですが、
その領土の大部分が位置していたのは
現在のギリシャなので、
「お前らだけ“マケドニア”名乗ってんじゃねぇ!」
という言い分。
それから暫定的に
「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」
を名称としていたのですが、
両者納得いかないまま20余年。
そしてついに昨年、
「北マケドニア共和国」とすることで
互いの政府が合意。
この2月12日に
正式変更となりました。
どの国もお隣さんとの関係は複雑だと感じつつ、
記念すべきタイミングでこの国にやってきました。
特に式典もイベントも無かったですが…。
近年、観光に力を入れようとしているらしく
その一環で、街中にとにかく
たくさんの銅像が建っています。
はたして、銅像で観光客は来るのか。
どれも精巧だし
大きくて迫力もあるのですが、
これを見るために
わざわざ足を運ぶってものじゃない
気がします。
橋のふもとには、
溺れてる人の足と
飛び込もうとしてる人。
コンセプトが全くつかめません。
なんだか面白いけど。
中心街にはかの有名なマザー・テレサの像。
アレクサンダー大王と並び、
北マケドニアが生んだ偉人として
名をあげられる存在です。
像のすぐ横には
彼女の功績を讃える
記念館が建っていました。
展示物がかなり少なく
あまり濃い内容ではなかったのが残念。
色々噂がありますよね、
マザー・テレサって。
スコピエでお世話になったホストが
カナダ人の“ロバートさん”。
カナダに家族を残し、
北マケドニアで教鞭をとっています。
このロバートさん、
“Cycling to stop the cycle”というプロジェクトを掲げて
「ドラッグに身を沈めるよりも、自転車を漕ごう!」
という青少年へのメッセージのもと、
多くの学校で講演を行いながら
当時13歳の息子さんと共に北米大陸を自転車で旅した
行動力溢れるお方なのです。
‹ロバートさんのサイト(英語)›
https://www.cyclingtostopthecycle.org
サイクリストならではの
旅の話を分かち合えるのも
Warm Showerのいい所。
世界各地に
仲間が増えていく感覚です。
ホント色んな人がおりますなぁ。
地元のレストランで
ロバートさんにごちそうしてもらった
伝統料理「キャセロール」。
濃厚なチーズの中に肉がたっぷり入った
グラタンのようなもの。
トルコ料理にも負けない絶品でした。