2019.10.12
【498日目 20,659km】
山を越えひたすら走り続けたタンザニアの南部。
南側の国境までもうすぐです。
チマラの村を出ると
かなり激しいアップダウン。
ここ数日間で
太ももの疲れは
ひどいものになってます。
横転したトラックを見かけるのは
アフリカでは初めてではありません。
日本でも横転事故はあるだろうけど、
大きな違いは
事故後の撤去が行われないこと。
おそらくクレーンはないと思う。
70kmを走ったこの日、
タンザニア最後の大きな町「ムベヤ」に到着。
連日の走行で体はクタクタ。
次の国へ向かう前に
しばし休養を取りたいと思います。
のんびり羽を伸ばす予定のムベヤに到着した翌日、
疲れた体にムチ打って向かったのは
パソコン屋さんでした。
実は飛行機移動以降
調子の悪かったパソコンが
数日前からまったく動かなくなっていたのです。
初期化しても直らないので
新しいパソコンを買うことに。
「これもう動かないから買い取ってよ」
と相談すると
「いや、まだ修理できるかもしれない」
とタンザニアのプロフェッショナルは
真摯な面持ちでパソコンに
向かい合ってくれました。
すると1時間後、
見事に修理が完了!
駄目だと思っていたパソコンが
復活しました。
アフリカだって
なんとかなってしまうもんです。
リセットしたパソコンの立ち上げにあくせくしながら過ごした
ムベヤの街で出会ったのは
青年海外協力隊としてタンザニアで働いている“森口さん”。
現地の学校で子供たちにパソコンを教えている森口さんに
地元のレストランに連れて行ってもらいました。
マンゴーを使ったスープに
牛肉やじゃがいもをぶち込む
名物料理“ウロジョ”。
甘さはなく酸味たっぷりで
とてもクセになる味。
タンザニア随一の一品でした。
さらにこちら、ひき肉などの具を
小麦粉の生地で包んで焼く
“ザンジバルピザ”。
お好み焼きみたいで
食べ応えのある絶品です。
パソコンの立ち上げと写真の整理に時間がかかり
ムベヤでは予定を上回る4日間の滞在。
休みすぎたと反省しつつ、
南の国境へと向かい始めます。
国境越えの前には
山越えが待っています。
標高を一気に900mほど
あげていかねばならない…。
勾配はさほど急ではないものの
4日間の休みを挟んで
いきなりの上りということで
足が悲鳴をあげます。
休み方も考えないと…。
山を登りきった村で
ランチ休憩。
肉とご飯だけ。
野菜がないと
とても寂しいんですけど。
食堂の子供たち。
「撮って撮って」とせがむ割に
カメラを向けると
恥ずかしそうな顔。
休憩を終え
山を下り始めると
途端に緑が増え始めました。
道の両側にびっしりと
バナナ畑。
さらに進むと、おそらく茶畑。
サバンナ地帯を走ってきた
タンザニア。
最後にまた違った表情を
見せてくれました。
この日は山間の村「トゥクユ」に到着。
どうでもいいんだけど、
この日すごく怖い夢見て
金縛りに遭いました。
オバケがいたんだろうか?
ムベヤ出発2日目。
出発直後から急な下り坂が数十kmに及んでいました。
冷たい風を勢い良く浴びて進みます。
目の前の景色はとてものどか。
日本の秋口くらいの気候でしょうか。
空気を吸うだけで
すごく気持ちがよくて
のんびりと
どこまでも走りたい気分。
タンザニアは自家用車が少ない分
自転車の普及率が高いようです。
薪や農作物など
大量の荷物を運ぶんだけど、
みんな僕よりは早い。
40km走ったところで国境に到着!
たくさんの動物たちとの出会いが楽しかった
タンザニアの旅はここで終了。
このままの勢いで
次なる国へと向かいます!
2019.10.9
【492日目 20,546km】
起伏にとんだタンザニアの南部。
次の国へと向かうべく
さらに南へとむかっていきます。
イリンガの町を出ると
また変わらぬ綺麗に整備された道。
どうやらタンザニアは最後まで
綺麗な道路を走って行けるようです。
これから向かう先へは
標高を上げていくのですが、
上りっぱなしということはなく
常にアップダウンの繰り返し。
上った後に下るのは
ちょっと損した気がする。
本当に景色が変わりません。
そしてこの風景が
数日に渡って
続いていくことになります。
ありがたいことに
交通量は少なく
時折、大型トラックやバスが
追い抜いていく程度。
のんびり走ることができています。
この日は「マフィンガ」に到着。
標高が上がると同時に
気温は下がってきたので、
蚊があまり飛んでいないようです。
どうにかマラリアは避けていきたい…。
イリンガ出発2日目。
ここしばらく朝は
アンダージ(ドーナツ)とショウガ入りチャイのセット。
小さな村でもこの2つは朝から必ず売ってるし
これで¥25と、かなりお得なんです。
そして今日も
同じような道を走り始める。
同じことの繰り返しではなく
刺激を求めて旅に出たのに…。
変化に乏しい
ただただ走るだけの日々。
昼は小さな村に立ち寄って
食事休憩。
気づけばアフリカ大陸では
ほとんど自炊をしていません。
安くておいしい食事が
どこでも手に入るのはホントに便利。
とはいえいつもメニューは
こちら。
ご飯、ほうれん草、豆、ヤギ。
現地の人は飽きないんだろうか…。
90kmを走ったこの日は
「マカンバコ」に到着。
ミカン箱…。
日が沈んでから明け方にかけては
ぐっと気温が下がるので
毛布は欠かせません。
暖かいシャワーがない宿でも
バケツにお湯を入れて
持ってきてくれるので助かります。
ここで少し、
タンザニアでの現地の人との関りについて。
自転車で走っていると
「ムズング!ムズング!」と、
子供たちを筆頭に多くの人から声を掛けられます。
“白人”を意味する「ムズング」という言葉ですが、
欧米人のみならずアフリカ系以外の人
総てに対する呼称になっているのだとか。
決して差別的な意味が含まれているわけでなく
目をキラキラ輝かせた子供たちが「ムズング!」を嬉しそうに手を振ってくると
「そうだよ、ムズングだよ」と
こちらからも気持ち良く手を振り返したくなるほど。
しかしこの「ムズング」とは違い、
こちらに何とも嫌な後味を残す言葉があって
それが「チンチョンチャン」。
これはアフリカのみならず世界各地で
アジア系の人種を蔑んで呼ぶ際の名であって、
これまでの国でも数回ほど耳にすることがありました。
そしてタンザニア南部に差し掛かったこの数日の間に
この言葉を投げられることが増えてしまいました。
それも物事の分別がつくであろう大人が
明らかな嘲笑をもって。
嫌な面もひっくるめて世界を知ることが旅であると認識してるので
基本的にはさらっと流せるのですが、
疲れているときや気持ちに余裕がないとき
この言葉をぶつけられることで
怒りがこみあげるし
その土地に住む人々から拒絶された様で
とても悲しい気持ちになってしまいます。
これを人種問題と大袈裟にとらえるつもりはなくて、
外国人との関わりが少ないであろう土地柄と
異文化理解のための教育がなされていないことが
背景にあるのだと思います。
こんな出来事が世の中からすべて無くなればいいけど
簡単に無くなることはないので、
身の回りの人を傷つける側の立場に
せめて自分がならないようにしようと
アフリカの道中で深く心に誓いました。
とまぁ、要はグチです。
とはいえ、8~9割の人は
温かい言葉と素敵な笑顔で迎えてくれるので
タンザニアが素晴らしい国であることに違いはないです。
イリンガ出発3日目。
この日もアンダージとチャイで1日が始まりました。
走り始めと同時に
下り坂が待っていました。
一気に標高を
数百m下げていきます。
朝の澄んだ空気が清々しい。
わかりにくいけど
緩やかな下りが長々と続いています。
車もあまり走ってないし
見通しもいいから
ブレーキをかけずに
颯爽と滑り降りていきます。
昼はヤギのバーベキュー。
良い肉を使ってるらしく、
なんと¥500!
ランチの平均は¥100なので
これでも大奮発です。
午後からは
またいつも通りのアップダウン。
ひとつ坂をのぼれば
その向こうに次の坂が
待っています。
ゆるやかな下り坂を下っていると
突然向こうにサイクリストの姿が!
しかも、近づくとどうやら同じ東洋人である様子。
道の反対から「こんにちはー」と声をかけてくれたのは
日本人の“ヒロキさん”。
2年以上自転車で旅を続けており
現在アフリカ大陸を南から北へと走っているそう。
神戸出身のヒロキさんは
僕と1学年違うだけのほぼ同い年。
仕事をしたがらないゆとり世代。
周りに村の一つもなかったので
何にもない道の片隅で話すこと小一時間。
アフリカに関する情報交換やこれまでの旅のこと、
なんやかんやと話に花が咲きました。
別れを惜しみながらそれぞれ
反対の方向へと走り始めます。
久しぶりに100kmを走ったこの日は
「チマラ」に到着。
宿の値段はもちろん¥500。
タンザニアって何を買っても
¥50、¥100、¥500
っていう価格帯しかない気がする。
いやホントに。
「ここのレストランは美味しいぞ」
と紹介されて夕食をとることに。
まあ、美味しいんですけど
ほぼ毎日同じ味のものを
食べています。
国境までもう少し。
代り映えのしないタンザニアの道を
引き続き進んでいきます。
2019.10.5
【487日目 20,195km】
タンザニアでの一大イベント・サファリツアーを終えると
ミクミを出発して
南の隣国・マラウィを目指し走り始めます。
ここから山間部を走るので
アップダウンが続いていく予定。
サバナ気候も壮大な平原ばかりではありません。
朝の走り始めから
いきなり数百mも
標高を上げていきます。
太ももに力を込めて
とにかく上る。
山中も
しっかり道路は舗装されています。
道路の路面状況に関して言えば
本当にこれまでの国で
一番素晴らしいのではなかろうか。
ふと道脇に
青々とした果実を実らせた木が
群生しているのを発見。
地形も様々なタンザニア。
地域によって獲れる
農作物も色々なようです。
すぐ先に露店でおっちゃんが
例の果物を売っていました。
その正体はパパイヤ。
この大きさで¥100と
かなりお買い得。
ほんのり甘くて美味しいです。
しばらく走るとヒヒ発見。
国立公園から離れても
コイツらからは離れられないよう。
完全な野生だからか
人を見ても
こちらに寄ってくる様子はなし。
昼には
道路わきの食堂でランチ。
米、豆、ほうれん草、それに肉2切れ。
どこいってもこればかりです。
¥100で栄養もありそうだから
良いんだけど、ちょっと飽きた…。
「自転車で喜望峰に行くよ」と
伝えると、
タンザニアの皆さんは「アッ!!」と
明石家さんまの引き笑いみたいな声で
驚いてくれます。
かわいい。
山間を走っているので、
緑が豊かなうえに
大きな川も流れています。
日本の田舎のようで
懐かしく清々しい気分。
15時ごろ「ムブユニ」の村に到着。
村に着く前に
大量のパトカーに追い抜かれたのですが
さらに村の真ん中を走る道は
トラックで大渋滞。
ただならぬ雰囲気を感じて
地元の人に何事かと尋ねると
タンザニアの大統領が
この村を訪れていたそう。
交通規制による渋滞でした。
すごいタイミングで来たもんだ。
もう10kmほど進む予定だったけれど
ちょうど宿が目に留まったので
この日はここまで。
大きなベッドに蚊帳付き、タオル付き。
清潔感あふれるお部屋が
なんと¥500。
これもタンザニアでは当たり前に
感じてきました。
次の国に行くのが不安で仕方ない。
ミクミ出発2日目。
渋滞もすっかりなくなった村から走り始めます。
この日は1つ山越えが待ち構えている。
出発から間もなくのこと。
マサイ族の皆さんが道端で
何か焼いてました。
興味あったけど
朝一でお腹すいてないので素通り。
おそらくヤギの肉です。
前日と変わらない
山の合間をぬっていく行程。
なだらかな勾配を
上っては下るの繰り返し。
山越えの前に食堂でお昼休み。
直火で炊かれた美味しそうなお米が
鍋のなかにたっぷり。
トウモロコシの粉をこねたウガリも
主食なのですが、
やっぱりお米を選んでしまいます。
この日は久々に鶏肉。
モサモサしてて暑い地域だと
あまり食べる気しないのですが
この時はすごく美味しくいただきました。
ごちそうさまでした。
午後からはいよいよ山越え。
9kmで700m標高を上げていきます。
ユーラシアではこれぐらいはいくつも越えてきたけれど
アフリカ大陸でここまでの山は初めて。
気合を入れて臨みます。
急な勾配が延々と続いたのですが
写真に撮ってしまうと
あまり伝わらないのが悔しい。
ヒーヒー言いながら
少しづつ上っていきます。
ゆっくりゆっくりと進むこと
1時間余り。
上り坂の終わりが見えました。
足はもうガクガク。
久しぶりの大きな山で
疲労困憊です。
山越えから10kmほど走ったところで
「イルーラ」の町に到着。
この日の宿は¥400。
上り坂で疲れ切った足を
しっかり休ませるため
深い深い眠りにつきました。
ミクミ出発3日目。
標高1,000mを越える高さに位置する町とあって
朝方はかなり冷えます。
20°を下回るほど。
とはいえ日もすっかり昇り
しばらく走ると
体はポカポカ。
むしろ暑いくらいです。
車の数も少なく
空気のきれいな高原の景色は
なんとも爽やか。
風を切りながら
気持ちよく進んでいきます。
この日はわずか40kmを走り
昼頃には目的の「イリンガ」に到着。
町や村に着くと
大体「ヘイ、フレンド!」と
声をかけてきて
宿やレストランを紹介してくれる
親切な人がいるのですが (無料で!)
この“ヴェーダさん”はまさにそんな人。
安くていい宿を紹介してもらえました。
アップダウンの激しい道を走り
体はクタクタ。
しばらくこの町で
ひと休み!
2019.10.1
【484日目 19,995km】
動物たちの住みかである
ミクミ国立公園。
そして、そのど真ん中をつっきるように
道路を横切ってきました。
ミクミの村に到着した翌朝。
本来であれば自転車に乗って
南へと漕ぎ出している予定だったのに、
気が付くとジープに乗って
サバンナの平原へと向かっていました。
実は前日の晩のミクミ村での夕食時、
仲良くなった地元の“ジョンさん”との会話中、
「せっかくミクミ来たのに、サファリしてかないのかい?
友達がガイドやってるから安くできるよ」
と思わぬ提案が!
ネットなんかで調べても
数日間の泊まり込みで5万円以上という
プランばかりなので
「またアフリカ来ることがあればその時にしよう」
と諦めていたサファリツアー。
1日1万円でいいという話になり、
急遽参加することになりました。
(地元の方にカメラをお願いすると
必ず写真がブレてしまいます…。)
朝8時前に国立公園のゲートから入場。
公園内には巡回ルートが張り巡らされており、
これらを移動しながら動物たちを観察していきます。
ちなみに、運転手兼ガイドのエドガーさん、
「昨日、君がパンク修理してるの見たよ」
とのこと、恥ずかし。
1番最初の動物は
昨日も道路際で見かけたヒヒ。
何やらお尻のあたりを
いじくってます。
何をしてるんだ…。
大量にいるのはインパラ。
自転車の時ほど
迅速に逃げていきません。
ジープの方が
動物に近づきやすいことが判明。
もちろん、アフリカのサバンナとあって
猿やウシの仲間だけでなく
多くの大型動物が暮らしております。
前日の自転車サファリとは比べ物にならないほど
数多くの動物たちを見ることが出来ました!
ミクミ国立公園で見ることのできる動物たちを紹介します。
まずは“バッファロー”。
雄雌ともに大きく湾曲した角をもっているのが特徴。
ウシの仲間の中では
最も大きな種類だそうで体長3mに及ぶものもいるとか。
彼らの1日の仕事は
とにかく草を食むことと、
水を飲むこと。
水辺にやって来ては
貪るようにごくごくと
渇いたのどを潤していきます。
肉食動物に襲われないよう、
集団で水を求め動くバッファロー。
1km以上はあろうかという
とても長い行列をなして
ぞろぞろと移動していました。
道を横切っているのは“ヌー”。
ウシの角、ヤギのヒゲ、馬の尻尾を持つ不思議な動物。
バッファローと同じくウシの仲間です。
300万頭もの大型哺乳類がいる
アフリカのサバンナにおいて、
最も多く生息していると
いわれているのがヌー。
この地域の生態系の
根源をなしているともいえます。
続いて、陸上で最も大きな動物“ゾウ”。
オスであれば4m、10tに及ぶものもいるとか。
水辺では水を飲むだけでなく
日焼け防止の泥浴びもしています。
1日に150kgもの草を食べ
100ℓもの水を飲み、
毎日100kg以上の糞をすると
いわれています。
もはや糞をするために
食べているのではと思うほど。
非常に仲間意識が強く
家族単位で行動する彼ら。
仲間が亡くなってしまった際には
体をさすったり、
かつて誰かが亡くなった場所を訪ね、
“死を悼む”行動をとるのだとか。
水中で身を寄せ合っているのは“カバ”。
カバ科カバ属カバ種のカバです。
夜中に陸地で草を食べる以外
すべての行動を水中で行うというカバ。
すべての行動といっても
この人たち正直何もしてないです。
数分間見てたけど
まったく動きなし。
“アフリカで最も人を襲う動物”
というのは決して間違いではなく、
テリトリーを侵すものは
容赦なく攻撃する獰猛な面も。
なので食べるために
人を狙うというわけではないです。
そして、言わずと知れた百獣の王“ライオン”。
1週間のうち1度も見ることが出来ないこともあるほど
遭遇確率の低いライオンに出会うことが出来ました。
(メスのみですが…)
サバンナの食物連鎖の
頂点に君臨するライオン。
この時も遠くのバッファローの群れを
じっとにらみつけており、
ゆっくりと近づくジープの方には
見向きもしませんでした。
相当なエネルギーを要する
ライオンたちの狩り。
夜に行われるのが主であるため
昼間の彼らは木の下で
のんびり過ごし、
1日に16時間も寝るとか。
すべての生き物にとって不可欠であるのが“水”。
ここサバンナでも動物たちのドラマが見られるのは
やはり水辺でのこと。
まず最も体の大きなゾウの家族が
やって来ました。
のんびり水を飲んだり
体に浴びせたり。
余裕に溢れたその姿には
威厳すら感じてしまいます。
ゾウが飲み終えようとするころ、
後ろで様子をうかがっていた
バッファローの群れが
水の中に突入していきます。
大きなゾウ達より先に飲むわけ
にはいかないみたいです。
そしてバッファローの群れが
引き上げると、
数十分にも及び後ろで待っていた
臆病なシマウマたちが
警戒しつつ恐る恐る水を飲み始めます。
水辺でわかる動物たちの序列。
すると突然連絡を受け
ジープを走らせるガイドのエドガーさん。
水辺へむかうバッファローの群れが
ライオンに襲われたとのこと!
到着すると
そこには1頭のバッファローの亡骸が…。
残念ながらライオンが獲物を仕留める瞬間に
立ち会うことはできませんでした。
そもそも成功率20~30%で
基本的に夜に行われるライオンたちの狩り。
その瞬間を目の当たりにするには
よほどの幸運が必要なようです。
体力を消耗したライオンは
食事の前に体を休ませるそう。
おそらく木陰でこの亡骸を
見守っているはず。
近づくと襲われて
ガブリッといかれちゃいます。
当然、この屍肉を人間が処理するということはなく
すべてが野生動物たちの血となり骨となるワケです。
国立公園として管理されているミクミのサバンナですが、
あくまでも自然環境を維持するために
人間活動を制限したり、保全活動をある程度おこなう
というだけで
人間が動物を保護したり、エサをあげたりということは
全く行われていません。
草木が風に揺れ、動物たちが水を飲む
穏やかな景色。
しかし次の瞬間には
血にまみれた大きな亡骸がそこに転がっている
という事実に、
サバンナで日々繰り広げられる過酷な命のやり取りと
それを生き抜く動物たちの逞しさを
感じることができました。
金銭的な理由で
一度は断念しかけたサファリツアー。
たとえ高額な金額を費やしても
それに値するとても貴重な体験になることは
間違いありません。
さあ、あなたもサバンナの旅へ出てみませんか!
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2019.09.27
【483日目 19,995km】
山間のオフロードやペダルトラブルなどを切り抜けて
モロゴロに到着。
ここから“ミクミ”という村に向かうのですが
その道中にはいよいよアフリカの醍醐味
野生動物たちとの出会いが待っています。
主要道路なので道はとにかく綺麗。
朝から気持ちよく走り始めます。
タンザニアは山の国。
「これからの時期は暑くなるのか?」と
現地の人に尋ねるのですが、
地域によって標高が違いすぎて
一概に言えないそうです。
車の状況をうかがいつつ
牛を追いやり道路を渡る
マサイ族の皆さん。
今まででもっとも
牛をみた国かもしれない。
「サンガサンガ」
地名がユニークで面白いのは
相変わらず。
どこまで行っても田舎で、
数え切れないほどの村が
点在してます。
昼には小さな村で休憩。
前日まで2日休んでいたからか
日中の暑さで少しフラフラ。
体力維持の秘訣は
とにかく食うこと!
ごはんてんこ盛り。
黄色いのはキャベツの煮物です。
お椀には豆。
食物繊維とたんぱく質は
問題なし。
昼からももう少し走って
この日は50kmほど。
翌日の動物に備えて
早めにチェックインすることにします。
安定の安さで¥500。
小さな村なので
のんびり休めるかと思いきや、
朝までブンブンと鳴っていた
発電機の音。
耳栓して何とか寝付きました。
モロゴロ出発2日目。
いよいよ動物たちに会えるこの日は、
朝から元気なトラックの運ちゃんたちが
お見送りしてくれました。
出発からわずか5kmのところに
こちらの看板。
「ミクミ国立公園」という野生動物保護区の
敷地内を道路が貫いており、
ここから50kmほどにわたって
野生動物たちをタダで見ることが出来るんです。
お金の持ち合わせがなく
豪華なサファリツアーに参加できない僕には
ピッタリの場所。
言うなれば“自転車サファリ”です。
トラックやバスも往来する
こちらの道路。
動物を轢いてしまうと
罰金が発生してしまうようです。
気をつけて進も…。
走行開始から10kmほど。
なかなか動物が現れないと思いきや
目の前を1匹のヒヒが
横切っていきます。
そして茂みの中へ。
ヒヒを追いかけた茂みの向こうの
開けた場所には沼地が。
渇いたサバンナの
オアシスになっているようです。
そして、水際に集まっていたのは
たくさんのヒヒ(バブーン)たち。
真っ赤なお尻をさらして
のんびりリラックスモードの様です。
再び道路に戻ると
ひたすらまっすぐ進んでいく道路。
動物たちは素早いうえに見えにくいので
ゆっくりと進んでいきます。
すばしっこくてなかなか
カメラに収めることが出来ないのは
インパラ。
保護色で見えにくいですが
シカの様な見た目の
牛の仲間です。
またしても罰金の看板。
バッファローを轢いたら
およそ20万円。
インパラが4万に
ヒヒが1万。
ヒヒ安いな…。
しばらく動物が出てこずに
ボーっと走っていると、
道路脇わずか2mのところにキリンが!
びっくりして「わぁっ!」と叫んだら
奥の方に逃げちゃいました。
しかし、こっちを見つめてくる。
キリンとの出会いに興奮していたら
大きな金属片が刺さってパンク。
何もこんなところで…、
ライオン襲ってきませんように。
タイヤを直していざ走行再開と
思ったら、
またしてもすぐそこにキリンが!
怖くないのか全然逃げずに
こっちを見つめてきます。
耳ピクピク。
さらに進むと
シマウマが数匹!
しかもこちらを見つめてきます。
ただただじーっと見つめてきます。
こんなおしゃれな柄の奴が
自然界にホントにいるんです。
30kmほどのところで
ミクミ国立公園のゲートに到着。
この先には野生動物がうようよいます。
いちおう自転車のまま受付の覗いてみると、
「車じゃないと入れないにきまってんじゃん、ダメダメ」
当たり前です。
トヨタのランドクルーザー。
これでサバンナを駆けたら
気持ち良いだろうなぁ。
数日間のサファリで
5万円以上が相場らしいので
やむなく断念です。
はい、また罰金。
ハイエナ6万円の
シマウマが12万。
ゾウはなんと150万円!
というかやっぱりゾウも
見れるのか…!
見えにくいですが
木の下にいるキリンと
草原を駆けるインパラ。
やっぱり野生動物たち
パッと見には目立たない柄なんですね。
そして、またしてもヒヒ。
何かを加えてます。
猿ってこっちに寄ってくる
イメージでしたが
ここのヒヒたちはすぐ逃げていきます。
怖いのか。
ゆっくり3時間ほど走ると
動物ゾーンは終了。
ゾウもバッファローにも
会えなかったけど、
キリンとシマウマ見れたので
良しとします。
この日は
公園を抜けたミクミの村で1泊。
見たい動物すべては見れなかったけど
これは運だけに仕方ないなと、
夜には豚肉と揚げバナナを食べている最中
なんと思わぬ展開に…!
2019.09.24
【479日目 19,874km】
コログウェからモロゴロを目指し、
走行中。
オフロードに悪戦苦闘です。
コログウェ出発3日目。
ニゲロの村を発つと
あいかわらずののどかな風景。
小さな集落があちこちに点在しています。
前日までに比べ
よりうっそうと緑が茂る
このあたり。
山というよりジャングルを
進んでいるかのよう。
田舎とはいえ、
小さな食堂を備えている集落が
多いから助かります。
パッと見には分からない食堂を
何となく
見抜けるようになってきました。
主食であるお米の付け合わせには
ホウレン草、豆、ヤギ肉の煮物。
これに果物も食べているので
割と栄養はしっかり摂れてると
思います。
前の日にオフロードを走り始めて
アップダウンが
絶えず続いているという状況。
数kmしか走っていないのに
かなり疲労が溜まってしまいます。
赤土の道が
固く踏みしめられているのが
まだ救い。
タイヤが埋まらないので
比較的スムーズに走れています。
すると走行中に突然、
左側のペダルが“ポロッ”と取れてしまう
アクシデント発生!
若干、違和感を感じていたものの
まさか外れてしまうとは…。
幸い、数十m進んだところに
路上自転車修理屋さんがありました。
ママチャリが普及しているタンザニア。
自転車修理屋さんがたくさんあるんです。
事情を説明すると
数人がかりで対応してくれました。
原因を探りつつ
ペダルとにらめっこ。
パンクやギア関連のアクシデントは
想定してるけども
まさかペダルが取れるとは…
残念ながら根元の方が破損しており
修理は不可能。
2万km達成目前にして
左のペダルはお役御免に。
ここまでありがとうございました。
代わりにママチャリ用のペダルを装着。
ペダル交換から3kmほど走ったところ。
思いもよらぬとき突然、
アスファルトの舗装路が現れました!
前日から未舗装路を走ること100km弱。
この時の嬉しさといったら…。
“道のありがたみを知っている者は
道のないところを歩いた者だけだ”
-大島亮吉
快適な舗装路を滑るようにして
気持ちよく走ること
20kmあまり。
この日の目的地
「ムヴォメロ」に到着。
ベッドサイズが大きいのと
タオルが付いてるのは
タンザニアの基準みたいです。
宿のコスパはこれまでの国で
1番良いんではないだろうか。
お湯でないけど…。
コログウェ出発4日目。
この日の行程はほとんど起伏がなく
もちろん綺麗にアスファルトで舗装された道。
しばらく走ると
大きな幹線道路に合流。
向かうのは
東側(写真左)の町
「モロゴロ」。
アフリカに来て
1番多く見ているのは
牛かヤギ。
家畜ものんびりしてていいんだけど
そろそろ野生動物が見たいぞ。
路肩が狭くて
ちょっと走りづらい…。
しかしタンザニアのバスやトラックなど
の大型車両。
こちらに気づいて
しっかり避けてくれる印象。
昼は道路わきの村で休憩。
食事については
安くてどこでも食べられるという点で
非常に旅がしやすいです。
まあ、メニューは
変わり映えしないんですが。
それでも自転車で常に疲れていると
なんでもがっついて食べてしまいます。
さらに午後からもうひと踏ん張り。
オフロードを走りぬいた疲れを
引き摺りながら
何とか進んでいきます。
もうすぐで休める…。
そして到着しました「モロゴロ」。
この町でひと休みした後は
ついに、
野生動物たちに会いに行きます!
2019.09.20
【477日目 19,708km】
コログウェの町で1日休むと
次なる町「モロゴロ」を目指し、
再び南へ向かって走り出します。
ヨーロッパやモロッコと違って
観光都市が乏しいアフリカの国々。
ひたすら走っては休んでの繰り返しになりそうです。
町を出ると2つに分かれる道。
どちらを通っても目的地に向かうのですが
交通量の少ないであろう田舎道(右側)へ進むことにします。
路上のオレンジ商人。
真っ二つに切って
果汁を搾り取るように
かぶりつくのが
タンザニアの食べ方の様です。
天気はあいにくの曇り空。
気温は20~25℃でしょうか。
アフリカ大陸に関しては
来た時期が良かったのか、
サハラ砂漠といい
快適な気候を満喫してます。
小さな村で昼食休憩。
店先ではおっちゃんが
生肉の骨をぶつ切りにすべく
勢いよく包丁を振り下ろしています。
ワイルドなアフリカ流の調理。
ふと横を見ると
無残なヤギの姿が!
しかし、これも生きるということ。
感謝の気持ちを抱いて
いただきます。
ガスはなく
薪を燃やして屋外で調理されていく
ヤギの肉。
保健所の監査が入ったら即アウトでも
これがアフリカンスタイル。
トマトと煮たヤギ肉は
ごはんとの相性ピッタリ。
いくつか村を訪ねてきましたが
タンザニアにおいて、
お米はかなり広く
食べられているようです。
午後から走行再開。
この日はゆるやかに600mほど
標高を上げていく行程。
水を運ぶ少年も
長く続く上り坂に苦戦してるよう。
このあたり山中なので
平坦な道は無く
常に上るか、下っているか。
15時過ぎ頃、
この日の目的地ハンデニに到着。
出発したコログウェからは
60kmほど。
村には安宿が多くあり
適当に決めたところにフラッと
入ってみることに。
寝床の心配しなくていいのは
本当に楽です。
大きなベッドで蚊帳も付いて
¥500。
とにかく安いので
複数の宿の値段を聞いて回ることすら
していません。
ただ、
シャワーやトイレの蛇口をひねっても
水は出ず。
貯水槽からバケツでくみ上げた
冷たい水でこの日の汗を
洗い流しました。
コログウェ出発2日目。
村を離れると激しいアップダウン。
大きなトラックが往来する主要道ではないので
傾斜はお構いなしで急なんです。
そして出発から5kmほどで
オフロード(未舗装路)突入。
事前に把握はしてたけど
いざガタガタ道を走ると
気が滅入る…。
オフロードを走り始めて
わずかのところで小さな集落を発見。
声を掛けられたので
ちょっとだけ覗いてみることに。
イスを勧められ、出てきたのは
アンダージ(タンザニア版ドーナツ)。
村を通過するたび
そこらじゅうで揚げているのが
目に留まります。
ゆっくり休ませてくれない
幼い子供たち。
一定の距離以上近づいては来ないけど
こちらに物凄く興味を持ってくれてるのは
伝わります。
再び走り出し
いよいよ道は山の中へ。
スムーズには走れないけど
車の数が少ないので
相当気持ちが楽です。
さらに昼頃には別の村を発見。
食事を求めて立ち寄ることに。
しかし、ここでも出てきたのは
アンダージ。
ショウガたっぷりのチャイ(紅茶)
と一緒に頂きます。
このあたりかなりミツバチが多く、
ぼーっとしてると
甘いチャイのカップはハチだらけに。
自分で寄ってきといて
自分でおぼれていくんです。
ハチは賢いと思ってたのに…。
またもや集まってくる村の子供たち。
写真は少し怖いけど
カメラにも興味はあるみたい。
慣れると少しずつ色んな表情を
見せてくれる彼ら。
この日もあいかわらずのアップダウン。
交換したばかりのブレーキも
あっという間に
すれ減っていきそうです。
この日も60kmほどをはしって
比較的大きな村「ニゲロ」に到着。
見つけた宿はなんと¥250。
先日泊まったケニアの¥300という
最安値記録をあっという間に
更新してしまいました。
これがどこまでも続きますように。
村の中心では
サッカーに夢中の青年たち。
グラウンドが斜面だろうと
平気でプレーしています。
服脱いでやってる人たちもいるんですが
驚くべきはその筋肉。
やっぱりアフリカ系の肉体美は
ほかの人種とは異なるものがあります。
さらに村を歩いて食事探し。
路上で売っていたのは
キャッサバといわれる芋。
地理の授業で習ったけど
実際に目にするのは初めて。
トマトとタマネギの酢漬けを挟んで
いただきました。
サツマイモと山芋の間のような
食感でしょうか。
芋だけでは足りず
加えて牛肉を食すことに。
ヤギばかり食べてると
やっぱり牛の美味しさが分かります。
お腹にガツンとくる
抜群の食べ応え。
こんな感じで小さな村を転々としつつ
タンザニアの山間を進んでます。
動物たちまであと少し…。
2019.09.16
【474日目 19,582km】
ケニアのナイロビから走ること3日。
あっという間に隣国への国境到着です。
やってきた25ヵ国目は「タンザニア」。
最高峰キリマンジャロのみならず
各地にある国立公園でのサファリツアーなど、
豊かな自然を活かした観光が世界的に有名なこの国。
ケニアと同じくスワヒリ語が話されており、
植民地時代以前のアフリカ古来の文化を
色濃く残す国でもあるそうです。
国境の向こう側の道路は
とても綺麗に整備されています。
山の中にもかかわらず
民家は途切れず続いていました。
カメラを向けると
喜んでポーズをとってくれた
この子たち。
見慣れぬ外国人に
興味津々なようです。
とにかく上がっては下る
の繰り返し。
ナイロビから3日続けて走ったこの日は
もうヘトヘト。
サハラを乗り越えた体力が
もう確実に落ちてます。
入国初日に着いたのは
山間の小さな村「マシャティ」。
ひっそりとした村には不似合いな
あまりにも綺麗なホテルを発見。
どうせ高いだろうなと思いつつ
値段を尋ねると
1泊¥750!
即決でした。
翌朝目覚めると、
体がベッドに縛り付けられたのではと
錯覚するほどのヒドい筋肉痛。
予定変更でもう1泊しました。
筋肉痛と疲労で
終日なんにもできず…。
だいぶ疲れも癒えたさらに次の日。
天気も良いし、
はりきってタンザニア走行2日目スタートです。
キリマンジャロ山麓を越えるまでは
とにかくアップダウン。
少しづつギアを上げたいのに
タンザニアなかなか手ごわいです。
昼前に小さな食堂でドーナツ休憩。
右の飲み物はコーヒーではなく
タンザニアの人が
日常的に飲んでいるチャイ。
ショウガ入りの紅茶で甘みたっぷり。
健康にも良さそうです。
山麓を降りきった午後からは
南東に伸びる国道をひたすら走ります。
主要道路の割には
交通量はまばら。
落ち着いてのんびり走ることが
出来ました。
道すがら存在感を放つのは
バオバブの木。
「星の王子様」に出てくるやつです。
どこか怪しげで、でも美しさのある
素敵なフォルムが好きです。
途中から
パイナップルゾーンに突入。
収穫作業を思うと
途方もない広さですが
目の前一面に広がっていました。
道路は最近工事が行われたのか、
赤ちゃんの頬っぺたくらい
滑々でなめらか。
多分いつまでもは
続かないだろうけど…。
100kmを走ったこの日は「ムガガオ」に到着。
タンザニアは小さな集落でも
割と宿泊施設を備えてくれているようです。
WiFiはないけども、
その他には非の打ち所がないような
部屋なのに¥750。
¥2,000が最安値だった
西アフリカとの違いは
何なんだろう。
タンザニア走行3日目。
宿の前の兄ちゃんに
「喜望峰まで行くのか?!スゲぇな!頑張れ」と
気持ちよく励まされてこの日も漕ぎ出します。
「強風注意」の看板。
この注意書きの通り
この日は(翌日もだけど…)
絶え間ない向かい風に
悩まされました。
キリマンジャロ山麓を離れてから
緩やかな起伏がありつつも
基本的に道は平坦。
写真を見返しても変わり映えせず
これどこだろう、というよな
風景が延々と続きました。
砂漠をずっと走ってたとき
よりましだけど
頭がボーっとしてくる。
それでもただ黙って
漕ぎ続ける。
この日は「ムコマジ」という村の宿に宿泊。
そして、
ここでちょっとしたトラブルが発生してしまいます。
宿のおばちゃんとひと通りのやり取りして部屋へ向かうと
廊下には2台の自転車が。
ノックすると出てきたのはニュージーランド人のカップルでした。
僕とは逆で、南アフリカからエジプトまで北上しているそう。
「あとで一緒にご飯食べよ」と告げ
それぞれの部屋へ向かいます。
荷物整理も済ませて
ベッドでリラックスすること
30分ほど。
誰かが僕の部屋をノックしてきました。
そこにいたのは現地人であろう
黒人のおっちゃんたちが5人ほど。
地元の自治体を名乗る彼らが言い出しました。
「君まだ、宿の帳簿に名前とか記入してないよね?
情報を記入せずに部屋に入ることはタンザニアでは違法だから。
隣のニュージーランド人もそうだけど、
罰金として約3万円払ってもらうよ」
確かにまだ帳簿記入も支払いもしてなかったのですが、
“なんじゃそのめちゃくちゃな罰金、怪しい奴め…”
と心の内に秘めつつ、
「そんなルール聞いたことないし、そもそもアンタら本物?
仮にそんな決まりあったとしても
説明してない宿の責任だと思うんですけど…」
ふと宿のおばちゃんを見ても
英語で話す僕らのことを理解できず
オロオロと戸惑った様子。
どうやらグルではなさそう…、多分。
そして会話を聞いた隣室の
ニュージーカップルも参戦。
特に彼女がヒートアップ。
「そんな罰金、どこの国だって
聞いたことないわよ!!」
奴ら:
「とにかく支払い義務は
宿じゃなくて、客である君たちにあるから。
すぐに払いなさい。現金で」
こっち:
「ルールがあるなら規定が書かれた書類持ってきてよ。
その上で、大使館に連絡とって
支払い義務があるって言うなら払うよ」
途中から同じことの繰り返しになりはじめた会話が
続くこと20分ほど。
ついに彼らは「やれやれ」という顔をして
引き上げていきました。
彼らが本物の公的機関で
僕らが本当に違反してたならば、
警察に連れて行ってでも支払いをさせるはず。
というか、
“帳簿への記帳をしてないだけで罰金”というのも
やはりあり得ないので
彼らはどう考えても金目当てのペテン師集団。
「とにかく変な奴らだったけど、
上手く撃退できて良かったね」と
一緒に食事を済ませて気持ち良く眠りにつきました。
タンザニア走行4日目。
逆の方向へ向かう“エマさん&カイルさん”
とはお別れ。
お気をつけて、良い旅を!
道に戻ると再びパイナップル畑。
でも実はなってないみたいです。
夏の果物だから
南半球ではあと半年後だろうか。
タンザニアのパイナップル
めちゃくちゃ美味しいらしいです。
アフリカで初めての水田を発見。
確かに皆お米たくさん食べてます。
泥が混じったような匂いと、
風に揺れる水稲の音。
祖国を思い出します。
あぁ、日本…。
謎の看板発見。
耳に斜線。
「しっかり聞け!」なのか
「何も聞くな!」なのか。
というか、
ホントに耳なのか。
少しづつ海が近づいたこのあたりで
初めての川に遭遇。
水があって緑が豊かで、
もうすぐ出会える野生動物たちの
声が聞こえてくるよう。
この日は80kmを走って
「コログウェ」到着。
同じような景色を
漕ぐこと数百km。
疲れました…。
ビルなんてないけど
タンザニアでは初めての町らしい町に着きました。
ちょっとこの町でひと休みです。