アンダルシアを走る

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【389日目 15,346km】

 

グラナダをしっかりと満喫した後は

スペイン南部の都市マラガを目指して進みます。

 

 

 

グラナダの街を離れると

あっという間に山の中。

またもや暑さとの戦いが始まります。

 

 

 

海の見えない内陸部は

どこを走っても山だらけで、

平らな道はほとんどなし。

常にのぼっているか

下っているか。

疲れる一方です。

 

 

 

山中といえど

原生林はほとんどなく、

アンダルシア地方には

みかんやオリーブ畑が広がっています。

どこまでものどか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダから60kmあまり走って着いたのは

山間の小さな街「アルアマ・デル・グラナダ」。

遠くからでも目を引くのは白い家々。

 

 

 

このあたりは温泉が湧いており、

川沿いに無料で入れる場所を発見。

さっそくパンツ一丁になり

汗と一緒に疲れも

流してしまいます。

やっぱり温泉、気持ち良い。

 

 

 

温泉で出会ったのは

アンダルシア地方の

旅行ガイドをしている“フランさん”。

一緒にアルアマの町を

散策してみることにしました。

 

 

 

 

グラナダでも見た

石灰を使った白い壁が並ぶ町並み。

迷路のような路地の幅が狭いのは

暑い日差しが差し込まないように

しているのではないか、

という僕の予想。

 

 

 

窓辺に飾られた真っ赤な花が

家の壁に映える風景は

ほんとうに絵画の様。

ここにお住いの方々の

美意識の賜物です。

 

 

 

 

観光客は一人もすれ違うことなく

たまに住民の人と出会うだけ。

美しい真っ白な空間は

観光用のテーマパークではなく

あくまで人が暮らすための町

だということが分かります。

 

 

 

町から見える

岩がむき出しになった断崖。

緑豊かな日本では見ることのない

大陸ならではの

ダイナミックな光景です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観光を終えてフランさんに別れを告げると、

村から少し離れた農場の隅っこで

テントを張らせてもらいました。

 

海沿いは人がたくさんいるけど

山間部に入ってしまえばこっちのもの。

どこでも野宿できちゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日も青空の下、

元気よく走り始めます。

遠くに岩山が眺めながら進むのが気持ちいい。

 

 

 

空が澄み渡っていると

切り立つ岩山の迫力が

一層際立ちます。

ワイルドな光景が広がる

スペイン南部。

 

 

 

 

舗装された公道を

ずっと進んでいるのですが、

すれ違う車はほとんど無し。

荒涼とした空間を

1人占めにしながら

黙々と走りつづけます。

 

 

 

山を一つ越えたと思ったら、

その向こうにはどこまでも

起伏が続いています。

迂回する道など無く、

一つ一つゆっくりと越えていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日も前日と同じく

農場の隅で野宿。

 

近くに小川でも流れてたら最高ですが

文句なんて言える立場じゃありません。

静かな夜の中、ぐっすり眠らせもらいます。

 

 

 

夕食は相変わらずパスタ。

ヨーロッパを抜け出しても

これが続くんだろうな。

…だって簡単なんだもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明くる日はうってかわって

朝から曇天。

アンダルシア地方で青空を拝めないのは

はじめてのことです。

 

 

 

といっても、

あっという間に雲は流れ

昼前には晴れ間が見えてきました。

絶えず移り変わるところは

やはり山の天気。

 

 

 

 

道すがら立ち寄ったのはヤギ牧場。

広大な丘陵地帯で放牧を行うようです。

こんな穏やかな場所で育ったら

気持ち良いだろうな、

ヤギになりたい…。

 

 

 

 

ときどき現れる村は、

いずれも山の麓に

ぎゅっと身を寄せ合うように

白い家々が密集してます。

「ここが村!」って感じで

とても分かりやすい。

 

 

 

午後からは

すっかり天気も良くなり、

青空のもと勢い良く

山の間を縫って走ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダを発って3日目。

「エル・チョロ」といわれる地域にやってきました。

 

湖をとり巻くように遊歩道が整備されたこのエリア。

実は、ここにやって来たのには理由がありまして…

 

 

※参考写真

それが、

「カミニート・デル・レイ(王の小道)」という

大渓谷の壁に沿った補助道を歩く

スリル満点の人気アクティビティ。

 

インターネットで事前にチケットを購入しようとしたところ

2か月先まで予約はいっぱい。

それでも

「1人なら現地で当日券が手に入るよ」と、

複数の情報筋から聞いていたのを信じて

突撃してみることに。

 

入り口ゲートに着くとスタッフのお姉さんがいました。

 

「あのぅ、予約はしてないんですけどもぉ…。

でも1人だけなんで入場させてもらえ…」

「ダメよ。帰りなさい。」

 

 

 

うつむきながら

来た道を引き返しました。

ヨーロッパの人気観光地はどこも

数か月前に予約をするか

旅行会社を通して手配するように

心がけましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

エルチョロのアクティビティを諦め

そのまま南へ向かうと

夕方にはアロラという小さな町に到着。

 

 

 

 

 

 

休みなく自転車を漕いだ上に

山道を歩いたことで

疲労が溜まったのか、

頭痛が起こり熱中症気味に。

見つけたモーテルにふらふら状態で

駆け込みました。

 

 

 

暑いなか毎日全力で漕いでたら

体力なんて持ちません。

余裕をもって

のんびり進んでいかねば。

人間いつも健康第一です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一晩寝れば体力は回復。

海岸を目指して南下していきます。

 

 

 

山だらけの風景が

ビルも増えて

道も平らになってきました。

3日振りの都会のニオイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして昼過ぎ、

スペイン最後の大都市「マラガ」に到着です!

 

ヨーロッパの旅もあと少し。