グラナダでひと休み

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【383日目 15,101km】

 

日ごと増していく暑さの中、

たどり着いたのは

スペイン南部アンダルシア地方を

代表する観光都市「グラナダ」。

 

 

 

ここでお世話になっていた

WarmShowerのホストは“ディヴィットさん”。

冬場はスキーインストラクターをされている

アクティブな方です。

 

 

 

お家を留守にされることが多く、

貸切状態で

気持ちよく過ごさせてもらいました。

ここを拠点にグラナダ観光を

楽しみます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダは観光地といえど

街の規模は割にこじんまりとしていて

人口はおよそ25万人。

広さも十分歩いて回れるほどです。

 

 

 

長い歴史のなかで

時代の波にもまれつづけたグラナダ。

それを象徴する古くからの遺産が

街の中心に

今もその姿を残しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小高い丘の上から街を見下ろしているのは

「アルハンブラ宮殿」。

 

グラナダはもちろん

スペインを代表する歴史遺産であり、

多くの観光客は

ここを訪れるためにグラナダにやってくる

というような場所です。

 

 

アフリカ北部から海を渡り

数百年に及んでスペイン南部を占領したイスラム王朝によって、

9世紀ごろから増築を繰り返し建てられたのがこの宮殿。

 

キリスト教カトリックの

レコンキスタ(スペイン国土回復運動)によって

王朝が陥落した後も、

あまりにも素晴らしい建築物だということで

破壊されることなく現在にいたるまで

その姿を留めてきました。

 

 

ものすごく歴史的価値のある場所だということで

当然この場所への観光は大人気。

 

インターネットで入場チケットを購入しようとしたところ

数か月先まで予約はいっぱい。

 

当日券を手に入れるには

早朝から長蛇の列に並んで

ダフ屋のおっちゃんと競争する必要があるということで

泣く泣く入場は断念。

 

 

 

現地の人曰く、

「この宮殿を見なきゃ

グラナダに来た意味はない」とのこと。

いいんです、いいんです。

宮殿から解き放たれるエネルギーを

たっぷり吸収したので。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、街のほぼ中心に建つのは

「グラナダ大聖堂」。

 

およそ200年の建築期間を経て

18世紀に完成したカトリックの大聖堂は

大きなビルのないグラナダにおいて

抜群の存在感。

正面に立つと圧倒されます。

 

 

 

内部はまさに豪華絢爛。

広いだけでなく

繊細な彫刻、装飾に目を奪われます。

イスラムに支配されつづけた街で

「ここはキリスト教の土地だ」と

高らかに宣言しているかのよう。

 

 

 

グラナダ陥落と同時に

スペイン国内のイスラム王朝は滅亡。

異なる宗教建築が共存していることは、

この場所が

土地争奪戦の最前線であったことを

象徴しているように感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

宮殿のふもとにあり、大聖堂を取り囲むように広がるのは

イスラム王朝時代の旧市街「アルバイシン地区」。

 

オスマン帝国文化圏でも見てきた

古くからのこる迷路のような住宅街。

アルハンブラ宮殿とあわせて

世界遺産に登録されています。

 

 

 

印象的なのは爽やかな白い壁。

ヨーロッパでは豊富に産出される

石灰が使われてます。

外壁が白いことで

熱を逃がすこともできるとか。

暑い地域ならではの工夫です。

 

 

 

イスラムの建築様式と

地中海沿いであるという要因が

重なってできる

この土地ならではの町並み。

あぁ、アンダルシア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダならではの食の楽しみ方があるらしく

昼間から賑わうバル(居酒屋)へ。

どこも列ができるほど人で溢れてます。

 

 

 

グラナダ名物の食事サービスが

「タパス」。

要は日本の“突き出し”にあたるもの。

(“お通し”?)

最初の1皿だけでなく

飲み物を頼むごとに付いてきます。

 

 

 

毎回違うものが色々出てくるタパス。

数軒はしごしながら

お店ごとのタパスを楽しむのが

グラナダ観光の定番。

何が出てくるかわからないから

おもしろいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラナダ滞在中は市内観光だけでなく、

デイヴィッドさんや彼の友達と一緒に

山登りも楽しんできました。

 

といっても麓からではなく

車で移動して2,000m近い高さからのスタート。

 

 

 

グラナダからわずか30kmほどの南に

連なるのは「シエラネバダ山脈」。

スペイン最高峰のムラセン山を

有しています。

といっても3,480mなので

富士山の勝ち。

 

 

 

スペイン語で「雪の積もった山脈」を

意味するシエラネバダ。

アメリカにも

同じ名前の山脈がありますが、

デイヴィッドさん曰く、

「こっちがホンモノ」とのこと。

 

 

 

傾斜はきつくなく

気温もさほど低くないので

ピクニック気分でのんびり登ります。

といっても3,000m付近になると

わずかながら息が切れて

酸素が薄いのを実感できました。

 

 

 

丸みを帯びた地平線の上に広がる

一面の深い青は

空というよりももはや

すぐそこにある宇宙を

感じさせます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3時間足らずで目的の3,393m峰に到達!

本格的な登山ではないけれど、

下に広がる絶景もあいまって

この時の達成感は素晴らしかったです。

世界の山を登りながらの旅するのも楽しそう。

 

 

 

この日は登りませんでしたが

さらに向こうには山脈の最高峰が見えます。

 

頂上目指して

少しずつ登っていくっていいですよね。

長い距離を進む自転車旅と感覚が似てる気がする。

帰国したら日本の山々も登ってみようかな…。

 

 

 

面白いのが登った後のこと。

スペインには

伝統的な昼寝文化“シエスタ”があります。

 

この時もデイヴィットさん達、

「ちょっとシエスタするわ。」と

いきなり寝はじめました。

大のオトナ達が地面にごろごろ。

何とも愛らしいぞ、スペイン人!

 

※この昼寝文化がスピーディな現代社会において、

スペイン経済を停滞させてるという説もあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

観光したり、山に登ったり

気が付けば5日間も滞在してしまったグラナダの街。

 

のんびりリラックスした後は、

さらにスペインの南端へと向かいます!