海へと

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【245日目 9,201km】

 

 

世界遺産の町“サフランボル”で

3日ほどゆっくりして次の場所へと向かいます。

 

 

この日は山間の谷を流れる川に沿って

延々と北を目指しました。

ありがたいことに長い下りが続きます。

 

 

 

出発から70kmほどすると

谷が開けて平坦な道が

伸びていました。

標高も下がって

雪はまったく見当たりません。

 

 

 

 

道路わきの食堂で休憩。

屋外の席に案内され

寒さを感じることなく

食事を済ませました。

山をひとつ下るだけで

とたんに気温が上がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

この日の終わりに400mほどの峠を越え、

たどり着いたのが“黒海”を臨む街

「ゾングルダック」。

 

 

 

中国・上海を出発して

実に8カ月ぶりの海。

いくつもの山を越え

荒野を走った後に見る

真っ青な海に

感動してしまいました。

 

 

 

すごかったのは

群がるカモメたち。

海浜公園の観光客たちが

エサを宙にばらまけば

バッサバッサと集まってきます。

 

 

 

 

中心街にあるホテルでひと休み。

この日は久々に

100km以上を走行。

達成感のある心地の良い疲れです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は出発してからずっと

右手に海を眺めながら走りました。

思いの外、風は冷たくなく

爽快なシーサイドサイクリングを楽しみます。

 

 

 

午前中に600mの山越えをした後、

道はずっと平らでした。

10km以上平坦な道が続くなんて

3カ月前のイラン以降

はじめてな気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

およそ80kmを走ったこの日、

海辺の町「アクチャコジャ」に到着。

トルコ国内の旅行者が集まる観光地です。

 

 

 

目の前に広がる“黒海”は

湖ではなくれっきとした海。

2つの海峡を経て

大西洋へとつながります。

遊歩道を歩くと確かに

ほんのり潮の香り。

 

 

 

 

トルコ入国以来ずっと

標高1,000m以上を走ってましたが

ここはもちろん海抜0m。

そして、気温はなんと15℃。

ついこないだまで氷点下の世界で

凍えていたのが嘘のようです。

 

 

 

 

観光地としてもシーズンオフと思いきや

意外に人が集まっていました。

イスタンブールやアンカラから

寒さを逃れて

遊びに来ているそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町のど真ん中に位置するホテルに宿泊。

観光地だし高いんだろうな、

と思ったら

¥1,000ちょっとで

泊まれちゃいました。

 

 

 

 

しかも綺麗だし

設備もちゃんとしてて、

ここ数カ月で1番コスパの良い宿

だったのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

バルコニーの向こうには

一面に広がる黒海。

最高のオーシャンビューに

居心地の良さを覚えて

予定より長く泊まることに決めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この町で印象的だったのが野良犬たち。

野良というより

町のみんなで飼ってる感じらしく

どいつもこいつも結構肥えてました。

 

暖かいからか、

やる気ゼロの彼らは

そこらじゅうで寝てます。

 

 

 

こないだYouTubeで

「この世から人類が消え去ったら」って

ヤツ観てて言ってましたけど、

猫は本能で狩りをして生き残れても

文明の中で人間に依存しちゃってる犬は

すぐに絶滅するらしいですよ。

 

 

 

こんなにだらけきってたら

確かに生きてけないだろうなって

思います。

余計なお世話だろうけど….。

犬たちよ、目を覚ませ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大西洋だったり太平洋だったり

名称は違うけど結局、

地球の海って1つにつながってます。

 

 

黒海なんて初めて来たけど

どこか落ち着くのは

この海が日本へと続いてるからでしょうか。

 

海の近くで育ったわけでもないし、

景色も全然日本と似てないけれど、

何となく望郷の想いに駆られる海辺の町でした。