観光地めぐり①

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【144日目 6,226km】

 

1週間に及ぶ走行の末にたどり着いた首都テヘラン。

少し落ち着きたいところだったのですが、

人ごみに溢れ、空気も汚く、これといった観光地もないというのは

各国の首都ではお約束。

 

実はイランの見所は国の中央部~南部に集中しています。

もちろん自転車でまわれたらいいのですが

ビザの期限や冬が迫っているという焦りもあって

宿に自転車を残し、交通機関で各観光地を巡ることにしました。

 

早速、駅に向かって電車に乗るのですが

イランの特徴でもあるのが交通機関の安さ。

 

7時間ほどかけて400kmあまり南へ下る大きな移動だったのですが

切符の値段は400円ほど。

日本のタクシー初乗り運賃よりも安いです。

 

上等席ではなかったのですが隣には食堂車両がついていました。

思わぬところで人生初体験を味わっちゃいます。

(料理は普通のケバブでしたが)

 

 

 

のんびり揺られつつ日が暮れてから

到着した街の名が“ヤズド”。

砂漠に囲まれたイランの定番観光地です。

 

 

モスクを中心に広がる旧市街が特徴で、

藁を混ぜた土壁でできた住宅が迷路のように連なります。

 

外部の車両は入ってくることができないので

のんびり散歩をしながら街で暮らす人々の姿を垣間見ることができました。

 

 

さらにヤズドは、

世界最古の宗教として知られる「ゾロアスター教」の中心地

ということでも有名。

 

この「ゾロアスター教」は

砂漠の宗教と言われるユダヤ教、キリスト教、イスラム教はもちろん

シルクロードを辿って仏教にも影響を与えたことから

人類史すべての主要宗教のルーツになっているとも言えるそうです。

 

拝火教とも呼ばれ、火を崇めるゾロアスター教。

旧市街から少し離れたところにある寺院をのぞくと

預言者“ツァラトゥストラ”が灯したといわれる聖火が煌々と燃えていました。

 

ゾロアスター教の善の神“アフラ・マズダー”は

広島が誇る自動車メーカー「MAZDA」の社名の由来でもあります。

 

 

さらにヤズドの街外れに

2つ並んで小高い岩山のようにたたずむのが「沈黙の塔」。

コチラもゾロアスター教の重要な遺産です。

聖なる火、水、土を汚すことを嫌った人々が

死者を葬る際に選んだのが鳥葬。

 

塔の頂上に亡骸を安置し、

その死肉をハゲタカがついばむのを待つという方法。

そして残った骨を中央の穴の中に放っていたそうです。

 

紀元前の昔に、

死者を送る神聖な儀式がおこなわれていたこの場所。

遠い過去の時代も今と変わらず

亡き人の命に対する敬意がはらわれていた証です。

 

 

イラン観光地巡り第1弾は

人類史のルーツともいえる聖地を訪ねる

貴重な体験となりました。

 

引き続きイラン観光ツアー楽しんでまいります!