3か国目“キルギス”

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【62日目 2,734km】

 

カナートさん一家にお世話になった後、

南に向かってたどり着いたのはカザフスタン最後の町“ケゲン”。

 

旅をしていると新たな出会いがとどまることなくやってきます。

夜中、滞在していた古いホテルの隣室にやってきたのはベルギー人のサイクリスト。

そして彼の開口一番は、

「君が自転車で世界を旅している日本人かい?」

 

聞けば来る途中に別の旅人から

このあたりを走っている日本人がいるという噂を耳にしたそうです。

恐るべし旅人ネットワーク。

 

元・写真家で教師でもある“ヤンさん”は

連休のたびに自転車で外国をまわっているそう。

50ヵ国以上を訪れた生粋の旅人です。

向かう先が同じく南のキルギスということで一緒に走ることに。

 

 

翌朝、国境に向かって走りはじめます。

すれ違うのは人よりも動物の方が圧倒的に多いという

のどかな草原を進んでいきました。

 

 

静かな1本道の向こうに見えてきた小さなゲート。

カザフスタン~キルギスの国境です。

緊張感のようなものは全くなく、

ちょっとお喋りしたのち、荷物の中身を簡単に(適当に)見られて

あっさり出国および入国審査は終了しました。

 

振り返って写真を撮ろうとしたのですが制止されちゃいました。

そこはちゃんとしてます…。

 

カザフスタンにはほんの1週間ほどの滞在で、

あっという間に3か国目の“キルギス”にやってきました。

国境を越えたとはいえど、

広がる風景は相変わらず延々と続く草原で、

違う国にやってきた実感はあまり沸きません。

 

 

数十kmおきに現れる小さな村で休憩をはさみつつ、

夕方にたどり着いたのが警察の検問所。

外国人サイクリストは対象外で、

地元のドライバーを取り締まっているようです。

 

雲行きも怪しくなってきており

このあたりにテントを張れるところがないか聞いていたまさにその時、

土砂降りの大雨が降りはじめ、さらに雹(ひょう)も降りだしました。

一瞬のうちに天気が変わってしまう山間部ならではの気候です。

 

困ったときに頼りになるのはやはり警察。

「検問所に泊まってきな。」と、優しい一言をくれました。

“検問所”なんて聞こえはいいですが、

実際は道ばたに置かれたトラックの荷台でしたけども…。

 

 

 

雨雲も過ぎ去り、無事に夜を明かすことができました。

これからも色んなかたちで警察にお世話になるんだろうな。