走れ!エレファント・ハイウェイ

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【530日目 22,818km】

 

ボートサファリで幕を開けたボツワナ旅。

ここから内陸部の広大なサバンナを走り抜けていきます。

 

 

 

カサネの町を出発すると

道の傍らには「ゾウに注意!」の看板。

ここからは気合を入れてペダルを踏みだします。

 

 

 

ボツワナ北部、国境の町「カサネ」から

南の町「ナタ」をつなぐ1本の道路。

 

複数の自然保護区内を通過しながら

300kmも続くこのルートは、

アフリカを走るサイクリストたちの間で

“エレファント・ハイウェイ”

と呼ばれボツワナの名物となっています。

 

 

野生動物の生息域にお邪魔するこのコースは

ゾウはもちろん、ライオンなどとの遭遇を避けるため

■日没後から日の出の時間帯は走ってはならない

■道中で野宿をしない

などの注意事項を守る必要があります。

 

実際、ここに来るまでのあいだ

地元の方に何度も「気を付けて走れ!」と告げられてきました。

 

わずかに点在する村やキャンプ場に滞在しながら

安全を確保し、進んでいきます。

 

 

 

走り始めてヒヒを発見。

タンザニアで見かけたものより

かなり体が大きい気がする。

食料を多めに運んでるときは

「こっちに来るな!」と祈りつつ

横を走り抜けます。

 

 

 

タンザニアを抜けてからの1ヵ月余り

天気はほぼ快晴が続いていたのに、

ここにきて曇り始めました。

11月の終わりごろから

雨季を迎えるそうです。

 

 

 

 

大きなアリ塚を発見。

これが道の横のあちこちにあります。

休憩中に座っていると

結構寄ってくるんですけど、

アフリカのアリってかなり凶暴で

しょっちゅう噛んでくるので要注意。

 

 

 

道端に燃え尽きた車の残骸を発見。

こういうのよく見かけるんですけど

こうなるまでの経緯を知りたい。

なんでこんなのが

道端に放置されっぱなしになるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

途中から向かい風に苦しみ、

思うように進めなかったこの日。

それでも野生動物に襲われることなく

100km地点の目的地「パンダマテンガ」に到着。

家屋や他の建物が数軒建ってるだけのようですが。

 

 

 

休憩してると

村の中心のガソリンスタンドに

ウシの大群が給油しにきました。

アフリカの牛って

ガソリンで動くんですよ。

 

 

 

向かい風で疲れ果てたこの日は

走行後にミニッツメイド一気飲み。

これまで炭酸飲料しか

売ってなかったのですが

ボツワナでついにフルーツジュースが

手に入るようになりました。

 

 

 

この日はガソリンスタンド横の事務所で

テントを張らせていただくことに。

シャワー用の水を用意してくださったり

至れり尽くせりで本当にありがたい。

 

 

 

 

 

事務所横にATMが設置してあるので

24時間体制で警備員さんがおられます。

「ついでにお前も見守ってやる」

とのこと。

夜が更けると

安心して眠りに落ちていきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カサネ出発2日目。

村を出るとあっという間に

何もないサバンナが目の前に広がります。

こんな道が数十kmにも続いていく。

 

 

 

走り始めて間もなくこんな看板発見。

「ここは野生動物が出る区域です。

とまって休憩するのは自己責任で」

むむむ…。

といっても昨日から動物が出そうな

気配もないんですが…、

 

 

 

すると何やらインパラのような

生き物を木の下に発見。

似たような見た目の動物が

いっぱいいるから

どれなのかよくわかりません。

すごくこっちを見てくるんですけど。

 

 

 

さらに進むと道に糞を発見。

家畜も歩いていないこのあたりで

このサイズはもうアイツらしかいない。

鼻の長いあいつらしかいない…。

 

 

 

 

 

しかし、それから路上での

遭遇はなく走り続けたこの日。

朝出発したパンダマテンガから

目的地のキャンプ場までの150km、

休むことなく

まっすぐな道を走り続けました。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして16時ごろ、平坦な道を走り続けて

たどり着いたのは「エレファント・サンズ・ロッジ」。

実はボツワナに来る前から楽しみにしていた場所。

道路から2kmほど離れた場所まで進んで向かいます。

 

 

 

このキャンプ場が有名なのは、

真ん中に掘られた井戸から湧き出る水を求め

集まってくる野生のゾウたち。

 

敷地内のあちこちにいるゾウたちは

合計で100頭ちかくいるんじゃないだろうか。

とにかく予想を大きく上回る数です。

 

 

 

触れるかもなんて思ってましたが、

近づくとうなり声をあげて

高い位置からにらみつけてくるゾウ達。

正面に立ったらわかるけど

全然つぶらな瞳なんかじゃなくて

凶暴な獣の目つきをされてます。

 

 

 

水をめぐって時には

ゾウ同士もけんかをする始末。

鳴き声も「パオーン」ではなく

「ヴア゙オォォーーン!!」です。

“お鼻がながいのね~”なんて

可愛らしい歌は似合わない怪獣たち。

 

 

 

スコール直後のこの時、

いたるところに溜まった水を

長い鼻のバキュームで

なんとも器用に吸っていきます。

ズルズル、ズルズル…。

 

 

 

 

石の小さな塀の向こう

人間は立ち入り禁止なのですが、

逆にゾウが乗り越えてこちらに

やってきます。

“立入禁止”って読めないのか?

ズルズル、ズルズル…。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ゾウが行きかうサバンナにテントを張ることになりました。

踏みつけられた人はいないものの

ときにはライオンまで水を飲みにやってくるという

このキャンプ場。

 

寝る前には

「テントとレストラン以外は

うろちょろしないでね」と注意されます。

 

 

 

夜には彼方の寝床へ帰っていく

ゾウさんたち。

アフリカならではの

ワイルドな経験に満足を覚え

気持ちよく眠りました。