国境へ

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【441日目 18,089km】

 

西サハラも終盤に差し掛かり

一気に国境を目指して南へ下ってまいります。

 

 

 

滞在していたダフラは半島の先端に位置しており、

南下するためには

来た道を40kmも戻らなければなりません。

しかも向かい風。

 

 

この時

「一度走った道であれば

交通機関を使って戻っても良いものとする」

という都合のいいルールが制定されました。

 

ということで分岐点までヒッチハイク。

 

 

街の外れで待つこと30分ほど。

やっとつかまったのは

「¥2,000で乗っけてやる」という

おっちゃん。

少し高いけど、時間ももったいないし

お願いすることに。

 

 

 

車に自転車を積んだら

さっそく発車。

車に乗ってしまうと

風が吹ているかどうかすら

分かりません。

 

 

 

 

1時間足らずで

分岐点のガソリンスタンドに到着。

ここからサハラ縦断の本線に戻り

自力で漕いで進んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱりこの日も追い風。

勢いよく背中を押してくれる砂漠の風が

なんとも心地よい。

このままアフリカ最南端まで連れてってくれたら

どれだけいいだろう。

 

 

 

途中で水や食料を入手できない

いわゆる“無補給地帯”。

この日はサハラでの最長区間

150kmが待ち構えている予定。

風に身を任せ

少しでも早く行きたいところ。

 

 

 

ところが出発から100kmのところで

地図にはなかった

ガソリンスタンドを発見。

日陰を求めて休憩させてもらいました。

 

 

 

 

 

さらに走って、

この日は170km。

道の傍らにひっそりと建つ

食堂が見えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時すでに18時ごろ。

店に入って少し話をすると

店主が、

「今日はもうここで寝ていくだろう」

 

 

 

前後数十kmに及んで

建物一つない砂漠のど真ん中。

これまで何人ものサイクリストを

泊めてきたというこの食堂。

旅人たちのオアシスです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダフラ出発2日目。

食堂を後にしてこの日も走ります。

西サハラの旅もぼちぼち終わり。

 

 

 

南に行くにつれ

どんどん交通量が減っています。

数十分に1台通るかどうか。

広大な砂漠の景色を独り占め。

 

 

 

 

 

80kmほど走ると昼頃には

小さな村に到着。

各町や村に着くたび

モロッコ警察や軍の検問が待ってます。

 

 

 

 

 

国境までもう少しという所で

この日は早めのチェックイン。

午後はのんびりとホテルで

休憩して過ごすことにします。

 

 

 

 

 

砂漠の数少ない宿ということで、

アフリカを縦断するバイカーに

ワゴンで世界を周る家族など

国籍や旅の手段も様々な

旅人と出会うことが出来ました。

(写真撮ってないけど…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダフラ出発3日目、

いよいよ国境越えの日です。

朝から風が強い。

 

 

 

これまでずっと平坦だったのに

この日はかなり起伏がありました。

砂漠にも色々な地形があるようです。

 

 

 

 

 

 

実質モロッコが支配する地域

“西サハラ”。

政治的には不安定らしいけど、

旅をしていて

特に物騒な様子はありませんでした。

というか人がほとんどいないし。

 

 

 

お昼前には国境到着。

出国しようとするトラックの行列が

見えてきました。

自転車も待たされるんだろうか。

 

 

 

 

越境の前に傍らにあった食堂で

腹ごしらえ。

西サハラ最後のタジンです。

肉はなんと“ラクダ”。

結構脂っこくて

豚肉に似ている印象です。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしていよいよ西サハラを離れる時がやって来ました。

といってもここは領有権を主張する

モロッコの管理下なので、

モロッコの出国スタンプが押されます。

トラックの脇を抜けスイスイ行かせてもらいました。

 

 

 

パスポートチェックの後、

次なる国・モーリタニアのゲートまでは

3kmほど。

ここでもトラックの行列がすごかった。

 

 

 

 

この国境間のいわゆる“緩衝地帯”が

めちゃくちゃ。

アスファルトの道が途絶えた先は

深い砂の大地。

渋滞の理由はこれでした。

タイヤが砂に埋もれて進めないんです。

 

 

 

僕も自転車で大苦戦。

国家間を結ぶ大事な道がなんでこんなに

ぐだぐだなんだろう。

もはやこの世の終わりのような

荒涼とした大地が広がってます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか砂の上を押しきり

モーリタニア側の入国審査に到着。

事前申請の必要ないアライバルビザ(¥6,500)を

取得するとスムーズに入国。

 

モーリタニア旅の始まりです!