22ヵ国目・モーリタニア

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【443日目 18,196km】

 

追い風の助けを受けて

どこの国でもない地域・西サハラを脱出。

次なる国の始まりです。

 

 

 

やって来た22ヵ国目は“モーリタニア”。

 

正式名称「モーリタニア・イスラム共和国」の名の通り

イスラム教を信仰する国家で、

人口は400万人ほど。

国土の9割が砂漠が占める砂の国です。

 

主要産業の1つが水産業で、

特に日本で消費されているタコの30%が

ここモーリタニア産だとか。

はたして現地で美味しいタコは食べられるのか?

 

 

 

 

道路状況の悪い国境をなんとか越えたけど

すでに15時ごろになっていたこの時は

疲れてフラフラ。

国境越えってなんとなく

神経が磨り減る場面でもあります。

 

 

 

国境から10kmほどで

東西に分かれる分岐点に到着。

予定では東側(写真左側)に

向かうつもりでしたが…

 

 

 

 

 

 

国境越えで体力を奪われていたことと

これまでの追い風が厳しい横風になることを考慮し、

疲れを癒すためにも

この日は50km先にあり

半島の先端に位置する最寄り都市“ヌアディブ”

に向かうことに。

 

また逆戻りする必要があるけど

この時は疲れて早く休みたかった…。

 

 

 

追い風に乗っかり

勢いよく半島を南下していきます。

ここ2週間ほど風ありきで走ってるから

足がなまってるんじゃなかろうか

と心配。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヌアディブに到着し、

ゆっくり休もうと安宿を探し始めたこの時

モーリタニアの厳しい現実を知りました。

 

訪ねたホテルはいずれも¥4,000越え。

 

 

もっと安いところがあるはずと

疲れた体にムチを打つけど、

街はゴミだらけで臭いし

車のクラクションはうるさいし

自転車乗りながらイライラ、イライラ。

 

 

 

なんとか見つけた最安値が

¥3,000。

モロッコでは

¥600前後で泊まれてたのに。

でも砂まみれで野宿する元気もなく

なくなくチェックイン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モーリタニア入国2日目。

もう1日休みたかったけれど

ホテルが高いので出ていかざるを得ません。

 

前日の分岐点まで北上して戻る必要がありますが

「一度走った道は交通機関で戻っても良い」

というルールがこないだ制定されたので

またもやヒッチハイクをすることに。

 

 

 

1時間近く粘ったころ

北の国境方面に向かうという

1台の軽トラが泊まってくれました。

言葉通じないけどタダでいいのかな?

タダでありますように。

 

 

 

 

荷台に自転車を乗っけると

トコトコ走り出してくれました。

風を直に感じられるオープンカーで

砂漠を突き進むのは

最高に気持ちが良いです。

砂がすごいけど…。

 

 

 

ゆっくりゆっくり進んで1時間ほど、

荷台に揺られ続けて昨日の分岐点までやってきました。

軽トラの運ちゃんはお金をせびることもなく

国境の方へと去っていきました。

(タダだ!)

 

ここからは覚悟を決めて

強い横風を受けて進まねばなりません。

 

 

 

横風と共に舞う砂のつぶてが

頬にぶつかって痛いのなんの。

追い風のない砂漠はここまで

厳しいものなのか…。

早く南に向かって走りたい。

 

 

 

 

遠くに見えるのは鉱石を積んだ鉄道。

連結車両の全長が3kmにもなる

こちらの列車は世界一の長さだとか。

確かに途切れることなく

延々と続いていました。

 

 

 

 

さらに途中では

飛行機の翼らしきものを発見。

ここで組み立てるわけはないし

何をするつもりなんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

分岐点から走り始めて40kmほど。

日も傾き始めたころに集落に到着しました。

 

道ばたに建てられた掘立小屋の中に商店を発見。

冷たい飲み物を求めて向かうと

背後から一人の男性が。

「俺んとこレストランやってるから食べてってよ」

 

 

 

国境で働くセイドゥさんが家族と営む

小さなレストランにお邪魔しました。

(ただの小屋だけど…)

小さな男の子が元気で

ホントに賑やか。

 

 

 

 

でてきたのは

モーリタニア料理“チェップ”。

ご飯の上に魚と野菜がのっただけだけど

食べやすくてとても美味しい。

1人前が50ウギア(¥150)の

激安価格。

 

 

 

仲良し家族と話をしていると

今夜ここで泊まっても良い

ということになりました。

モロッコから人の誘いに

乗りすぎな気がするけどいいのかな?

まあ、いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

集落の名前は“ボン・ラヌアー”。

モーリタニア突入してからの特徴は

一度道路を外れてしまうと

とにかく砂だらけということ。

タイヤが埋まって村の中には

自転車の乗り入れができません。

 

 

 

砂漠に沈んでいく夕陽。

サハラでは

ゆっくり夕陽を拝んでなかったけど

この時は実に幻想的で美しかった。

 

 

 

 

 

1晩お世話になるセイドゥさんの食堂。

壁は段ボールで張り合わされています。

ご自宅は少し離れた

別の場所にあるそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

セイドゥさんとの1枚。

 

舞い上がる砂と値段の高いホテルで

第一印象の良くなかったモーリタニアですが、

いざ走り始めると、

心優しい人が暮らしている場所であることに気づかされます。

 

これからこの国を進んでいくのが楽しみ。