近代都市バレンシア
【370日目 14,577km】
テント泊を続けながら
引き続きスペインを南下していきます。
スペイン各所には「Via Verde(緑の道)」
と呼ばれる自転車道が整備されており
とても走りやすくなっています。
イタリアやフランスのものと同様
かつての鉄道用線路を
サイクリングコースにしたようです。
極端な曲がりも少ないので
景色を満喫しながら
ゆったり走るのが気持ち良い。
途切れながらではあるけど
スペイン全土に広がるので
休暇ごとに色んなコースを走るのが
スパニッシュサイクリスト達の
楽しみだそうです。
時々パン屋などで
休憩に立ち寄りながらこの日も
ゆっくり進んでいきました。
この日は「プラヤ」という
小さな町のキャンプ場に宿泊。
最近サラミにはまってまして
テントをはり終えたら
ゆっくり食べるのが恒例。
イタリア発祥の乾燥肉ですが
ヨーロッパのどの国でも
たくさん売られています。
どんどん日が長くなっていく
この季節。
夕方6時なんてまだまだ青空全開。
本当に真っ暗になるのは
夜10時頃です。
そして翌日もとにかく南へと走ります。
長く続くVia Verede がありがたい。
まもなくスペイン第3の都市
「バレンシア」が近づいてきます。
交通量も徐々に増えてきました。
この日はバレンシアを素通りして
少し南にある町「クリェラ」へ。
お世話になる宿泊先へと向かいます。
クリェラで泊まったのは
個人のお宅ではなく、
いわゆるノマドワーカーたちへの
貸事務所の様なアパート。
こちらもWarm Showerを通じて
知った場所です。
オーナーがサイクリング好きな方で
自転車旅の人には
無料で宿泊させてくれるというもの。
色んなところで
自転車ならではの恩恵を受け取ってます。
クリェラの町に到着した翌日は
電車に乗って
バレンシアの観光にくり出しました。
スペイン東側沿岸のほぼ中央に位置する
バレンシア州の州都「バレンシア」。
マドリード、バルセロナに次いで
国内3番目の人口を誇る大都市です。
北部のバルセロナに比べると
雨も少なく気温も高く
イメージ通りのスペインといった気候。
観光客がまず向かうのは
旧市街の中心地にある「ビルヘン広場」。
多くの人が集まる賑やかな場所です。
広場を見守るように立つのは
「サンタ・マリア大聖堂」。
キリストが最後の晩餐の際、
使用した(可能性が高い)という
聖杯が収められています。
ありがたや。
大聖堂の横に建つ鐘楼の上にのぼれば
バレンシア旧市街が一望できます。
古い建物と新しい建物の
コントラストが面白い。
広場ではフラメンコの
パフォーマンスをしていました。
ふらっと見ただけなのに
物凄い迫力に一瞬で圧倒されます。
スペイン滞在中に生演奏付の踊りを
見ておかねば。
さらに広場から少し離れたところには
観光名所ともなっている中央市場。
要は普通の市場なのですが
100年近い歴史を誇り
とても活気に溢れていました。
地中海沿いの港湾都市だけあって
目を引くのは豊富な海産物たち。
魚、エビ、貝、イカ、タコ
とにかく何でもあります。
宿が近かったら
何か買って帰りたいのに…。
もちろん海鮮だけでなく
肉も野菜も揃っています。
どの国に行っても市場は
熱気があって
見ているだけでワクワクしてしまいます。
歴史ある街バレンシアですが
旧市街を離れた河川沿いの一画には
まったく違う顔ものぞかせています。
それが「芸術科学都市」といわれる
現代建築物群。
10数年前に完成した
劇場、水族館、プラネタリウム、博物館
などの複合施設となっているこの一帯。
建物そのものが芸術作品のようで
あたりには
別空間の雰囲気が漂っています。
もちろん中に入れば
色々見所もあると思うのですが、
周辺を散歩するだけでも
ちょっとした未来空間を味わい
近代都市としての
バレンシアを楽しむことが出来ました。
再び旧市街に戻ると
バレンシアが生んだグルメを堪能するため
事前に調べていた人気のレストランへ。
注文したのは伝統料理「パエリヤ」。
スペインといえば
まず思い浮かぶこの料理、
発祥の地はここバレンシアです。
熱々の鍋に平べったく盛られたのは
海鮮と一緒に炊きこまれたお米。
バルセロナを発って
初めてまともなレストランで
食事をしましたが
これは本当に美味しかったです。
特に、おこげのカリカリが。
といった感じでスペイン前半は
道も穏やかで非常にのんびり進んでいます。
この調子で南部まで楽しんでいきます!