スペイン南下
【366日目 14,420km】
バルセロナのマルコさんの家を出発して
いよいよ
スペインの大地を南へ走り始めます。
バルセロナは大都市であるにもかかわらず
思いのほか車の流れもスムーズ。
自転車を漕ぐのも苦戦することなく
30分ほどで都市部を抜けだすことが出来ました。
バルセロナの南は
ひたすら平坦な道が続いています。
所々にある町で休みを取りつつ
進んでいきました。
スペインは割とドライバーの
マナーが良い気がする。
100kmほど走ったこの日は
「タラゴナ」という街の郊外の
海辺にあるキャンプ場にチェックイン。
強い風にあおられ
この時はテントを立てるのも一苦労でした。
夕食はパスタ。
色んな形のパスタを試した結果
やっぱり麺状のスパゲッティが
1番美味しいということが
解明されました。
茹で加減も慣れてるので分かりやすい。
キャンプ場で出会ったのは
アーチェリーの大会に出場するため
スイスから数か月にわたり
自転車で旅をしているという女性サイクリスト。
後ろの白い大きな筒は弓だそう。
「旅をしている期間を練習に充てなくていいのか」
なんて聞いちゃダメです。
旅人の思考回路なんて他人からしたら
理解できるものじゃないことがほとんどなので。
翌日、キャンプ場からすぐ近くの観光名所に
向かってみることに。
山の中にひっそりとたたずむのは
「ラスファレラス水道橋」。
紀元前1世紀につくられたローマ帝国の遺産です。
この橋、
2000年以上の昔に
これだけの橋をつくるとは
「悪魔の仕業に違いない!」
ということで
“悪魔の橋”の異名を持ちます。
橋の上部は
歩けるようになっています。
人とすれ違うのが困難なほど
幅が狭いことからも、
通行用ではなく
水を運ぶためだと分かります。
水道橋の観光を終えると
前日に引き続き走り始めます。
海辺は綺麗に整えられて
非常に走りやすい。
出発からわずか30kmほどのこと。
自転車専用道を走っていると
ジョギング中のとある男性が声をかけてきました。
「俺も自転車に乗って世界を旅してたんだよ。
今はこの街のホテルで住み込みで働いてるから
今日は1晩泊まっていきなよ!」
路上でまさか旅の同志との出会い。
この日もう少し進む予定でしたが
急いでないので誘われるがまま泊めてもらうことに。
ホテルの主催する自転車ツアーの
ガイドをしているという
スイス人“マティアス”さん。
立派なリゾートホテルのベッドで
寝かせていただくことに。
寝床のみならず
食事までごちそうになりました。
なんとなんとビュッフェスタイル。
職員関係者ということで
無料で食べさせてもらいます。
あぁ、幸せ…。
貧乏旅人である以上
ヨーロッパでのビュッフェなんて
なかなか
ありつけるものじゃありません。
ここぞとばかりに
胃袋に詰め込んでやります。
ユーラシア、オセアニア地域を2年半かけて
旅してきたマティアスさん。
日本を走った際には
我が故郷・広島も走ったらしく、
地元のソウルフード“お好み焼き”を絶賛してくれました。
もうじきガイドの勤務を辞めて
再びヨーロッパの旅へと出発するそうです。
安全に気を付けてお互い良い旅しましょう!
(マティアスさんのブログ→https://www.umunum.ch/)
マティアスさんに別れを告げると
再び南へ下っていきます。
天気は安定していて
暑すぎずとても気持ちが良い。
スペインは南に行くにつれ
降水量も減ってくるそうです。
似たような風景がどこまでも続きます。
海岸は走りやすいけど
道は退屈…。
あまり印象に残らない道が
延々と続きました。
午後からは一気に風が強まりました。
遮蔽物が何もないので
体は吹きさらしの状態。
漕いでも漕いでも進まない道を
少しづつ前と向かいます。
そして海辺のキャンプ場へ。
ここしばらく海岸沿いには
ものすごくたくさんのキャンプ場が並んでいます。
値段を聞いてまわっては安いところにチェックイン。
夕方早めについて
のんびりご飯の準備をしているときが
癒しの時間です。
波の音を聞きながら
ひとりでまったり。
バルセロナを出発してから4日目。
この日はおもに幹線道路沿いを走っていきました。
西の内陸側に目をやると
山が連なっています。
海側よりも内陸側の方が
走るのは楽しそうだけど、
ビザの期限もあり
そこまで回り道できないのが悔しい。
同じような景色が
どこまで続くんだろうか。
素敵な出会いはやはり
どこにでもあるわけじゃなく
ときに旅は退屈…。
この日は「オロペサ」という
小さな町のキャンプ場にチェックイン。
平日だったこともあってか
おそらく客は僕一人。
夕食はやっぱりパスタ。
そろそろ違うものをと思いつつ
結局、
楽なものに落ち着いてしまいます。
このままではどんどん
アウトドアでのパスタの
腕前が上がってしまいます。
栄養摂れるし美味しいのは良いけど
そろそろ変わり種レシピも覚えよう。
という風に
幹線道路に沿ってしまってるので
若干刺激が少ないながら
穏やかなスペインの旅が続いています。
さらに南へ向かえば
「これぞスペイン」な風景に出会えるはず…、多分!