白銀をゆく

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【209日目 8,154km】

 

エルズルムの街を3日間ほど堪能したのち

次なる場所へと走りはじめます。

 

 

 

エルズルム周辺はこれまでより標高が低いので

寒さも和らぎ雪も少ないのではと予想してたのですが

出発前夜に激しい雪が降り

走りはじめるとやっぱり白銀の世界。

道路も泥まじりの雪でビチャビチャでした。

 

 

 

 

 

日本ではなかなか

お目にかかれない規模の雪原を

横に見ながら

延々とペダルを漕ぎます。

 

 

 

 

 

深い雪景色のなかに

突如ぽつんと現れる町や村。

レストランで休憩すると

寒さゆえに

休み終えて出発するのが億劫になります。

 

 

 

 

 

 

起伏の多さは相変わらずで

この日も400mほどの峠を越えました。

重いペダルを必死に漕ぐのはつらくても

のぼっている最中は体が温まるので寒さを感じません。

 

峠の頂上から眺める

雪をかぶった山々が波打つように連なる風景は息をのむ素晴らしさ。

この季節ならではの光景です。

 

 

 

 

 

下りの坂も急傾斜すぎず

気持ちよく滑り降りていきます。

標高が下がるにつれ雪も減っていき

走りやすくなりました。

 

 

 

 

 

90kmほど走行したこの日は

「タルチャン」という

小さな町に泊まることに。

 

 

 

 

 

 

日が暮れ始めると

通りにはほとんど人がいなくなります。

地元の人も

家に閉じこもりたくなる寒さ。

 

 

 

 

 

 

 

明くる日も西へ向かって走ります。

標高も1,500mを下回ると雪はなくなりました。

1日中走っても雪を見なかったのは久々な気がする。

 

 

 

 

ゆるやかな下りがほとんどの道のりを

90km走ってたどり着いた町が

「エルジンジャン」。

 

 

 

 

 

 

大きすぎず小さすぎずの中級都市

といったところでしょうか。

ここしばらくどの町にも

安いホテルがたくさんあるので

宿探しがとても簡単で助かってます。

 

 

 

 

 

 

街中にはとくに見どころはないのですが

少し離れたところに地元の人に人気の観光スポットがありました。

 

エルジンジャンの町から20kmほど、

バスで1時間弱揺られたところにある「ギルヴィクの滝」。

 

小さな滝がいくつも集まっており

あちこちから水が流れている不思議な景色で

“トルコで1番美しい滝”とも言われているそう。

 

 

 

気温が氷点下近くまで下がるこの時期は

滝の凍った姿が見れるかもと

期待して向かいましたが

結果は、“半凍り”でした。

岩の壁を伝い落ちる水が

ところどころ凍っています。

 

 

 

1m以上はあろうかという大きなつららが

何百、何千と並んでぶら下がる

幻想的な光景。

まさに

自然が作り出した芸術品です。

 

 

 

 

 

こごえる寒さのサイクリングにも慣れつつあり、

冬ならではの魅力を何とか見出せそうです。

 

ただ、

これからもっと雪が降り積もって道が閉ざされたら

この旅はどうなってしまうのでしょうか。

 

どうしよう。