首都テヘランへ!①

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【136日目 5,817km】

 

イラン東部の都市マシュハドから

まっすぐ西の方向にあるのが首都「テヘラン」。

地図で見る限りその距離は800kmあまりにおよび、

東京-広島間に相当する大移動となります。

 

マシュハドの街を少しはずれるとあたりは何もない荒野がつづきます。

カザフスタンあたりからずっと似た景色ばかりで新鮮味がないのは

ユーラシア大陸中央部を走るサイクリストにとってちょっとした難点。

 

それこそ広島から東京に向かうのであれば、

兵庫で有馬温泉に入ったり、大阪でたこ焼き食べたり、静岡で富士山を眺めたり

その土地ごとでの楽しみがあるのになあと妄想してしまいます。

好きで走っといて文句言うなって話ですけども…。

 

 

大移動の初日は野宿をする予定でした。

しかし、毎度のことながら良い意味で予定とは違う方へと向かっていきます。

 

日が沈む前に食糧調達のために寄った小さな商店で買い物を済ますと、

「この近くに俺の部屋があるからそこで寝てけよ」と店主。

店から少し離れた長屋の一室には

家庭のリビングルームのような空間が広がっています。(シャワー、トイレ付き)

店主の家は別にあるらしくこの夜は一人でここに寝ることに。

 

 

のんびり休んでいると、突然図体の大きな中年の男たち5人が入ってきました。

なんで日本人がここにいるんだと驚かれましたが経緯を説明すると

チャイ(紅茶)をすすめられ歓迎ムードに。

しばらくして、輪になった男たちはトランプで遊び始めます。

 

店主の友人である彼らは毎夜ここに集まって

チャイを飲み、シーシャ(水タバコ)を吸いながらトランプに興じるそう。

お金も飛び交ってないし、健全な人たちによる健全な遊びなようでした。

 

 

夜が明けると、

前日も同じ道を走ったんじゃないかというような景色のなか

懸命に進んでいきます。

 

そろそろテントで寝てもいいなと思いながらも、

イラン人の優しさがそうはさせてくれません。

 

夕方、休憩のため商店に寄ると

「この先はしばらく荒野が続くからここで寝てきなさい。」

(ここまでもずっと荒野だったんですけど…。)

商品がずらっと並ぶ棚の前に布団を敷いてくれました。

こんなトコで、と思いながらも横になるとスッと寝入ってしまいます。

 

翌朝、片付けようとしても

「いいから置いときな!」と手に持った布団を奪われる始末。

とにかく“お客さん”に徹しなさいということです。

 

その後も、犬と遊んだり(遊ばれたり)

 

レストラン裏でテントを張ったりしつつ、

 

とにかく西へと毎日120km超の移動をつづけること4日間、

砂漠の中の町“シャ-ルーズ”に到着。

 

まだまだテヘランへの道は続きます。