最長記録
【50日目 2,208km】
不安定な情勢ゆえの公安による厳しい取り締まり。
新疆ウイグル自治区の“ルール”に翻弄される日々が続いています。
いちおう中国では自転車は高速道路を走ってもいいようで、
ここしばらく無料で料金所を抜け
無数のバスやトラックに追い抜かれながら進んでいます。
路肩の幅も広いので、わりとゆったり走れるんです。
日本と同じように数kmごとにサービスエリアが設けられており、
この日もお昼頃に休憩に立ち寄りました。
休んでからさぁ出発しようと自転車のところへ戻るとそこには
旅の荷物を積んだ二人のサイクリストが居ました!
国境付近の町に帰る中国人チェンくんと
故郷のスコットランドまで自転車で旅をするステファンさん。
向かう方向はみな同じということで一緒に走ることに。
のんびり話しながら、ときに休みながら数時間走りました。
19:00には目的地である“托托”という町に到着。
のんびり休もうと思った矢先、この日はこれからが長かった…。
高速を降りるため料金所を通過するとそのすぐ先には
例によって公安の検問が待ち構えています。
3人そろって進んでいくと、通過できたのは中国人のチェンくんだけ。
保安上、僕たち外国人2人はこの街には入れないとのこと。
検問を通過できなければ高速に戻るしかありません。
つまり、高速道路に閉じ込められた状態。
この日はすでに10時間、120kmを走りぬいた後で疲れは溜まってます。
聞いてみると次に外国人が立ち入れるのは60km先の町。
「今日はお疲れさん!」って気分だったのにこれはしんどい。
どうするべきか悩みつつも進むしかないので重い足でペダルを漕ぎだします。
当然、昼間と同じペースで進むことはできずダラダラと走ってしまいました。
途中、インスタントラーメンを食べたり、
「宿が高い!」と再合流したチェンくんのタイヤがパンクしたりと
予想以上に時間が掛かり、
外国人が滞在できる町“精河”に着いたのは
すっかり日付も変わった真夜中0時過ぎのこと。
高速を降りた先には当然のように公安の検問がありましたが、
何とか通過できることに。
しかし宿泊先は公安の指定するホテルで、
そこに着くまではパトカーの誘導のもと全員揃って移動する
という条件付きでした。
日をまたぐ大移動の結果、
走行時間15時間、移動距離180kmという最長記録をみごとに樹立。
色んなことが思い通りにならない場所ですが、
これも旅の醍醐味だと自分をなだめながら眠りに落ちました。
ホントに疲れた…。