身柄拘束、そして移送

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【48日目 1,917km】

 

烏魯木斉(ウルムチ)を出発し、

隣国・カザフスタンを目指してさらに西へ向かいます。

 

街を出てからの道のりは内陸の乾いた荒野の風景をイメージしていたんですが

実際は、ところどころ建物が途切れるものの立派な都市空間が続いていました。

 

走行していると横からはみ出してくる羊たち。

(羊ですよね? ヤギじゃないですよね?)

 

 

鉄道に乗ってやってきたウルムチをはじめとする“新疆ウイグル自治区”ですが、

民族間の歴史的な遺恨があり、

数年前には死者を伴う暴動やテロ事件も発生している地域です。

 

今でも厳戒態勢は続いているようで、

それを象徴するのが街のあちこちで市民を監視する公安(警察)の姿。

スーパの入り口、ガソリンスタンド、バス停、交差点…など、

いたる所に立っています。

 

 

自転車で走っていても市や町をまたぐ位置に検問が設けられていて

トラックのドライバーたちと一緒にセキュリティチェックを受けました。

 

パスポートを渡すと、通行の目的や行き先などの質問に答えて5分ほどで終了。

一回目の検問は少しドキドキでしたが問題なく通過できました。

悪いことしてるワケじゃないんだし、特に構える必要もないはず。

 

そして、しばらく走ってお昼頃に2回目の検問所に到着しました。

今度は余裕しゃくしゃくでリラックスして臨みます。

 

簡単な質問をされパスポートをじろじろ見られた後に言われたのが

「ちょっとこちらへ来てもらえますか」。

あれ、さっきと様子が違う。

椅子だけが置かれた真っ白な部屋に通されました。

 

すると、「水を飲みますか?」とコップを渡され一人ぼっちにされます。

何か取り調べられるんだろうか?

次は牛丼が出てくるんだろうか?

ソワソワして待っていると再び現れた警官が一言、

「あなたをこの先の検問所まで車で連れていきます」。

 

 

まったく何の説明もないままコトが進むのでびっくりでしたが、

言われるがままパトカーに自転車を積むと、

そのまま若い二人の警察と一緒に出発しちゃいました。

 

 

50kmほど進んで次の検問所に着くと、

自転車を降ろして二人の警察はどこかに行ってしまいます。

そのままキョロキョロしても誰も来ないので、

何事もなかったように再び走りはじめました。

 

 

急に連れてかれて急に置いてかれるという謎の展開。

しかも公安たちは互いに中国語で話すばっかりで誰もこちらには

いきさつを伝えてくれませんでした。

 

自分たちの管轄内でトラブルに遭ってほしくないのか。

外国人に変にうろちょろしてほしくないのか。

理由は不明ですが、先へ進めてくれたので良しとします!

 

 

ドライバーになってくれた若い警官も運転ありがたいんだけど

爆音でBGM流して、スマホいじりながら、タバコ吸いながら

運転するのはヤメて。