お腹が痛い!

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【507日目 21,203km】

 

ムズズでひと休みすると再び南へと進みます。

観光資源に乏しいここマラウイ。

ほぼ走るだけになってしまいそう。

 

 

 

ゲストハウスの目の前の道。

この急な坂がこの日の過酷な道のりを示していました。

 

 

実は出発前夜の未明、

ヒドい腹痛によって目が覚めること数回。

「まあ、腹痛なんてよくあること」と

処置せず出発したことが祟り

この後、数日におよび苦しめられることとなります。

 

 

 

街を離れるとすぐに山。

平坦な道はほとんどなく

とにかく山、山、山。

宿のおばちゃんは

「そんなにしんどい道じゃないわよ」

って言ってたのに、嘘つき…。

 

 

 

視界には緑に覆われた山が

どこまでも広がるばかりで

気が滅入ります。

のぼってはくだるを

幾度となく繰り返し、

ゆっくりと進んでいく。

 

 

 

道端で休憩中、

自転車に興味を持った男の子。

ペダルでくるくる遊んでるけど、

そんなかわいい瞳で見つめられると

「やめて」って言えないです。

 

 

 

 

午後からもとにかく山ばかり。

前日は休養を取ったけど

夕べからの腹痛も残っており

時に自転車を押しながら

必死で進みました。

 

 

 

視界に広がるうっそうとした森林。

標高は1,500m以上あるけど

日中はかなり暑い…。

休める場所もなく

ただただ先へと進みました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夕方5時、

山間の村「チカンガワ」に到着。

ここまでクタクタになるのは久しぶりかもしれない。

 

 

 

小さな村に宿はなく

地元の人に相談すると

「警察のところでテント張ればいいよ」

とのこと。

防犯面はバッチリです。

 

 

 

 

静かな山奥で過ごす夜。

このままぐっすり眠れると

良かったのですが…

 

 

 

 

 

 

この日も夜中に激しい腹痛に襲われ、まともに寝られず。

 

昼間の走行時に気づいたけれど、

どうやらお腹が減るほど痛みが増すよう。

 

ということで、

食事がとれない睡眠中はものすごい痛みになります。

これはただの食あたりではない…。

ちょっと怖くなってきた、ここアフリカだし…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんとか朝を迎え

この日も出発。

朝ご飯を食べた直後は元気いっぱいです。

 

 

 

前日に比べて、

緑は減ったものの

起伏の多さは相変わらず。

腹痛のせいもあって

全身に力が入らない。

しんどい…。

 

 

 

ケニア以南のアフリカは

どこも人が住んでいて

一定区間ごとに村があるのですが

マラウイのこのあたりは

とにかく山ばかりで

誰もいません。

 

 

 

 

 

 

 

 

時折、やってくる腹痛に耐えながら

どこまでも続く山々を越えた

この日は「ジェンダ」に到着。

 

 

 

¥500の安宿にチェックイン。

タンザニアでもそうだったけど

宿のお客さんは

トラックドライバーが

ほとんどみたいです。

 

 

 

 

この日も痛みがやってくるのだろうか

と不安を抱えつつ、

ベッドにつきます。

寝入った直後はいいのですが…

 

 

 

 

 

やっぱり未明に痛みがやってきました。

この後に及んでまだ

「ほっときゃ治る」精神を持ってたのですが

さすがに焦りを覚えました。

夜が明けたら、この旅で初めて病院に行くことを決意!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝起きて準備をするとすぐに出発。

病院があるのは90km先の街「カスング」。

腹痛と同時に体力も奪われていることを感じつつ

心を無にして走りはじめる…。

 

 

 

 

 

 

 

すると出発から1時間ほどの小さな村。

 

水を飲みながら休んでると、

居合わせたお姉ちゃんが

「お腹痛いならそこの診療所行けばいいのに。

カスングなんてまだ遠いわよ」

 

「ここお医者さん、いるの?」と思ったけれど

確かに“クリニック”って書いてあります。

 

 

 

入るなりすぐ奥に通され、

「大変なんです!

お腹減ると激痛が襲う奇病なんです!

死にそうなんです!!」

と猛アピール。

(ここまで言ってないけど…)

 

 

 

「まぁまぁ、落ち着いて」と

穏やかな顔で諭す医者の先生は

問診・検診を開始。

 

 

結果、

“ピロリ菌感染による十二指腸潰瘍(かいよう)”

でした。

 

アフリカではよくある病気で

薬で処置すれば治るとのこと。

原因はおそらく地元の水を飲んだことらしいです。

 

 

 

ついでにマラリアのチェックも

してもらえました。

結果は“陰性”。

気を付けてはいるけど

数回は蚊に刺されてるので

少し気になってました、良かった。

 

 

 

ということで、

なんとか健康状態を保ちつつ続いてた旅でしたが

ついにアフリカで病院デビューしてしまいました。

(診療代¥1,000!)

 

これからはなにかあったら

すぐ病院に行くことにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

処方された薬を飲んで

再び走行開始。

消化器官系の問題なので

すぐに薬が効きます。

健康でいられるって

本当に素晴らしいこと。

 

 

 

そして「カスング」の町に到着。

お腹は治ったけれど

山をいくつも越えてきたので

体はボロボロです…。

 

 

 

 

 

この日は¥400の安宿へ。

数日振りに痛みに苛まれることなく

深い深い眠りに

つくことができました。

 

 

 

 

 

小さなマラウイの走行は残りわずか。

もうこれ以上の問題なく

走り切ることができますように。