アフリカ大陸ラストスパート
【571日目 25,434km】
南アフリカ最初の街・スプリングボックでひと休みしたら
一気にアフリカ大陸最後の地へとアプローチしていきます。
荒野のアップダウンがひたすら続く
南アフリカの北部。
アフリカ旅のゴールまで休みなく走れば1週間ほど。
はやる気持ちからか足にたまる疲れももはや気になりません。
途中で出会ったのはスウェーデンの3人組サイクリスト。
喜望峰から北上して走っているそう。
驚いたのは
こちらのカップルが乗っていた
2人乗り用のタンデムバイク。
これに乗って夫婦で旅をされる方も
いると聞いてましたが
見るのは初めて。楽しそう。
心配していた向かい風も
意外に穏やかで
予想以上にスムーズに進んでいきます。
気温もナミビアに比べて
かなり落ち着いてきました。
30℃くらいかな。
70kmを走って
「カミエスクルーン」の町に到着。
平日なのに商店も開いていない
とても小さな町です。
すぐに見つけたキャンプ場に
チェックイン。
ナミビア以降はかなりの数の
キャンプ場があります。
利用者はヨーロッパからの
観光客がほとんど。
スプリングボック出発2日目。
ここしばらく天気が安定してて安心。
南アフリカの天候は不安定と聞いてましたが
せめてアフリカ大陸ゴールの瞬間は晴天に迎えられたいです。
キャンプ場の人曰く
この日の行程は平坦とのことでしたが
やっぱりかなりのアップダウン。
車で移動する人と
自転車を漕ぐ人間の目線は絶対に違う。
ひとつひとつの坂が
まぁ大きいこと。
傾斜が急ではないとはいえ
これが続くと
かなり疲れが溜まってしまいます。
ところどころに現れる
休憩所の東屋でひと休み。
町と町の区間が広く
冷たい飲み物も補給できません。
120kmを走って
「ビターファウンテン」に到着。
前日に引き続いて
予想よりもずっと小さな町でした。
事前に調べていた宿へ。
観光地でもないこのあたり、
旅行者少ないだろうけど経営できてるのだろうか。
シングルルームの部屋が
なんと¥1,500。
アフリカ南部でこの値段は
破格といってもいいくらい。
屋根の下、ベッドで寝られるって
本当に幸せなことだと思います。
スプリングボック出発3日目。
ケープタウンまで400km足らず。
少しずつ距離が近づいてまいりました。
幹線道路を真っすぐ進む予定でしたが
「海側を走らないと面白くないぞ」と
複数の人に言われたので
道をそれて海側へ。
久しぶりに未舗装路が待っていました。
砂がそこまで深くはないので
ナミビアに比べてかなりスムーズに
進むことができます。
未舗装路を走り終わってしばらく走った
ところにある「ルッツヴィル」という町。
少し早いけど次の町が遠いようなので
ここに泊まることに。
キャンプ場もないこの町で
1番安い宿は¥3,000。
高いけどもうすぐアフリカ終わりだし
奮発することに。
こないだも高めのホテル泊ったのに
これは絶対散財しすぎ。
スプリングボック出発4日目。
まずは海に向かって西側に走り始めます。
町を抜けると
すぐに何もない荒野に。
ただ幹線道路をそれてから
起伏がほとんどなくなりました。
青空の下
平坦な道を気持ちよく進みます。
そして海岸線に到着。
およそ半年前に西サハラを走って以来、
久しぶりに大西洋を拝みます。
海沿いを走るのは気分爽快。
さらにすすむと漁師町があり、
レストランがたくさん並んでました。
新鮮な魚介類を堪能することに。
頼んだのは“メルルーサ”という
タラの仲間。
衣の中の白身をかじると
ホロホロと柔らかい絶品でした。
日本人なのでやっぱり
魚が落ち着く。
午後からは未舗装路。
ケープタウンへ一直線に続く鉄道の線路が敷かれているのですが
すぐ横に整備車両が通るための道がずっと続いてるんです。
線路沿いなのでひたすら真っすぐ。
砂地でスピードは出ないけど
交通量もほとんどなく
非常に快適に走れました。
80kmを走ったこの日は
「ランバーツベイ」に到着。
キャンプ場なのに¥1,500。
南アフリカの宿泊施設
高いのか安いのか
イマイチ分かりません。
スプリングボック出発5日目。
ひたすら走るばかりの日々が続いております。
この日も進んでいくのは
線路沿いの未舗装路。
相変わらず車の量も少なく
のんびり穏やかな気分で走ります。
鉱石を運ぶ貨物列車。
百を優に超える無数の車両。
踏切を10分待っても
なかなか渡ることができませんでした。
やがて道は海のそばへ。
大西洋の色を反射するからだろうか
空はいつもよりもさらに
深く濃い青を見せてくれます。
100kmを走って「クイフコップ」に到着。
この日もキャンプ場です。
目の前には穏やかに流れる川。
宿泊客も少なく
野鳥が水面を静かに泳ぐ
川辺の夕暮れ。
アフリカ大陸終盤は刺激も少なく
非常にのんびりとした毎日です。
夕食後にはハマり続けている
牛肉のビルトン(ジャーキー)。
最近食べまくってるから
塩分取りすぎな気がする。
スプリングボック出発6日目。
この日からは再びアスファルトの舗装された道。
道はきれいだし
幅も広くて最高なのに
残念ながら向かい風。
なかなかスピードには乗れません。
といいつつも
ケープタウンまでは残り90km。
不安だらけで始まった
アフリカ大陸の旅も
終わりの時がすぐそこに来ています。
このまま海岸線をまっすぐすすめば
翌日には南端の町・ケープタウンが、
そしてその先にゴールである
喜望峰が待ち構えています。
鼓動が高まる…。
100km近く走り「ハンツェクラル」という町に到着。
海のすぐそばのキャンプ場にチェックイン。
青々とした芝生は
寝るとき最高に気持ちいいんです。
隣に泊っていた“ピーターさん”が
自転車に興味を持ってくれて
そのまま食事を頂くことに。
近くで取れたという魚のフライが
本当に美味しかった。
さらに気持ちよく目覚めた翌朝は
朝食までごちそうに。
アフリカ旅の終わりの瞬間まで
気を抜くことがないようにと
激励の言葉と温かい紅茶を頂きました。
ピーターさんとお孫さんと一緒に。
彼らの優しいまなざしに見送られたら
いよいよ最後の地へと向かい走り始めます!