巡礼地マシュハド

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【131日目 5,321km】

 

国境付近の村でお世話になった翌日、

もっとも近い都市“マシュハド”を目指して進みます。

 

しばらくは標高2,000m付近の山を登ったり下ったり。

砂漠のイメージが強い中東ですが、高い山々もそびえ立っています。

 

 

黙々と走り続け、国境から80kmほど走ると山の麓に降り立ちました。

ここからはひたすら都市間を結ぶ幹線道路を走ります。

 

この日、日没前にたどり着いたのが道路わきのモスク。

食堂や売店も隣接しており、休憩所として利用されています。

 

テントを張っていいかと尋ねると、

「モスクはみんなのものだから」ということで了承をもらえました。

神聖な場所なのでダメもとで聞いたのですが、

イスラムの人はかなり懐が深い様子。

 

眺めていると、休憩がてらモスクでお祈りをしていくたくさんの人たち。

モスクがイランの人たちにとって身近な存在だということが改めて分かります。

 

 

夜が明けると、再び平坦な道を走りはじめます。

少しづつ交通量が増え始め気がつくと大都会の中に。

イラン第二の都市“マシュハド”に到着です。

道路に並ぶたくさんの車に、道を埋め尽くす人々。

ここまで熱気のある街は中国以来かもしれません。

 

 

イラン各地から人が押し寄せる都市・マシュハド。

そしてこの地を訪れた人々は街の中心に位置する

イスラム教の聖地「イマーム・リダー・ハラム」に向かいます。

 

神の啓示を受けた預言者ムハンマドの8代目後継者“イマーム・リダー”。

マシュハドで埋葬されたその人の霊廟である「金のドーム」を中心に

複数のモスクや儀式のための広場などがひろがっています。

 

その面積は広大で、

サッカーグラウンド2面ほどの大きな広場の向こうに

また同じくらいの広場が次々と現れます。

 

広さはもちろんのこと、圧倒されるのはそこにいる人の多さ。

メッカ巡礼にも並ぶほどマシュハドへの巡礼は貴重とされているらしく

年間2,000万人以上の人がこの地を訪れます。

 

いざ広場に入ってみると荘厳な雰囲気というよりも、

お祭り会場のようでワイワイと盛り上がっているような感じ。

家族連れの姿もかなり目にしました。

 

晴天の下で熱心に祈りを捧げる人々の姿をみると、

この土地がただ歴史の足跡を世に伝えるためではなく

現在進行形で人々のこころの拠りどころになっていることがわかります。

 

 

ウズベキスタンの遺跡も「青」を基調としたものが多かったですが、

神と対話するときに仰ぐ空の色であり

生命の象徴である水の色であることに由来するそう。

乾燥した地域に暮らす人々にとって癒しの色にも感じられるのでしょうか。

 

色々な宗教の経典や信条を理解することは簡単ではないですが、

幸せを求めて祈りを捧げる人が集まる場所には力強いエネルギーを感じます。

 

 

日本から観光客がやってきたということで

現地ラジオ局のお姉さんからインタビューを受けました。

この後別れ際に握手を求めたのですが、笑顔でやんわり断られることに。

イスラム教では異性間の握手は禁止なの忘れてました。