マラウイの田舎を行く

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【510日目 21,342km】

 

薬が効いてお腹も快方に向かうなか

次なる国への国境を目指します。

 

 

 

ここまで主要の幹線道路を通ってきたけど

最後はちょっと迂回して田舎道を通ってみることに。

どんな出会いが待っているのか…。

 

 

 

すると早速、

コンクリートの道が途切れて

未舗装路に。

走りにくいけど、

ちょっとワクワクします。

 

 

 

 

それでも至るところに

村が点在しており、

決して一人切りにはなりません。

「ムズング、ムズング」言われながら

進んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると道の脇から大勢の子どもたちが出現!

すぐ近くに学校があるらしく、

勢いで突入してみることに。

 

 

 

校長先生にあいさつをし

わずか15 分ほどですが

教室をのぞかせてもらいます。

見慣れぬムズングに

皆、大興奮。

お邪魔しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

引き続き、

どこまでも続く1本の田舎道を走ります。

 

 

 

困るのが、

時おり出くわす

「深砂ゾーン」。

海辺のごとくサラサラの砂が

道いっぱいに溜まっているんです。

 

 

 

 

重量50kgにも及ぶ自転車は

深く埋まってしまい

わずか10mすすむのにも

一苦労。

「あ゛ぁ゛ーー!!」と

イライラ叫び押していきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

70km走ったこの日は「カランガ」という

小さな村に到着。

 

 

 

夕暮れ時になっても

子どもたちはいつも元気。

カメラを向けると大興奮で

笑顔を見せてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物流ルートからも外れた田舎道に

宿などあるはずもありません。

 

「どこかテント張らせてもらえますか?」と、

尋ねると

「ウチの家で寝ていきなよ」と

優しく受け入れてくれたのは

学校の先生をしている“カゼンゴさん”一家。

 

 

 

キッチンやトイレ、

寝床はこのようなレンガ造り。

もちろん電気は通

っていません。

 

 

 

 

 

改築中の母屋で

寝させていただくのですが、

蚊がいるのでマラリア対策で

テントを張って寝ます。

 

 

 

 

 

トウモロコシの粉を練った“シマ”と

(タンザニアの呼び名はウガリ)

湖でとれた魚をごちそうになりました。

懐中電灯の灯りで照らしつつ

なんとか食べる…。

 

 

 

 

教師という職業であることから

社会的地位が低くはないであろうカゼンゴさん宅。

それでも、生活の様子はかなり質素なもの。

 

 

食事をしても¥50。

自転車タクシーに乗っても¥50。

宿に泊まってもせいぜい¥400。

 

旅人にとっては嬉しい物価の低さですが、

国民みんながごく僅かなお金をやり取りしながら生きるマラウイ。

改めてこの国の経済的な厳しさを

目の当たりにしたように感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カゼンゴさんにお別れした翌朝

引き続きガタガタの未舗装路を進み始めます。

 

 

 

前日から100km近く移動してますが

手つかずの荒野ではなく

広く耕され

数km毎に村や集落は現れます。

 

 

 

 

 

徐々に道は広くなり

しっかりと踏みしめられた土の道が

着実に走りやすくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ついにアスファルトの舗装路に復帰!

自分で未舗装路を選んでおきながら

この時の喜びは尋常ではありません。

 

 

 

休憩する度に集まる人だかり。

「日本から来たんだよ」って

何回説明しただろうか。

 

 

 

 

 

 

舗装路に復帰してからは

道はなだらか。

コンクリートのありがたみを感じる。

何事も

“あって当たり前”ではないんです。

 

 

 

 

ムズズを出発して5日、

国境の街「ムチンジ」到着。

街の看板を撮ろうとすると

「えっ僕撮るの?いいよ」

って少年が割り込んできました。

いや、違うけど。まぁいいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

国境まではわずか10km。

マラウイ出国の前にひと休み。

 

腹痛に悩まされたマラウイの道中ですが、

最後の最後に宿泊先の

“シャロンゲストハウス”でひと悶着。

 

 

到着翌日の午後、

ゆっくり体を休ませつつ

自室でブログを

カタカタ書いていると

中庭の駐車場から

爆音で音楽が流れだしました。

 

 

 

向かってみると

どうやら酔っぱらった客が自分の車で

音楽をかけているよう。

 

 

「ごめんごめん、いまパソコン作業してるから

ちょっと音量小さくしてもらっていいかな?」

 

「何だと?オレは金払って泊まってるんだから

つべこべ言ってくんじゃねぇ」

 

 

あぁ、めんどくさ…。

 

「いや。こっちもお金払ってるから。

ゆっくり休みたいのに、迷惑なんですけど」

 

「うるせぇよ!ボリューム最大まであげるぞ、」

 

 

まったくこちらの言うこと聞く気なし。

 

「わかったよ。もう警察行くから。

顔とナンバープレートだけ撮るからね」

写真パシャパシャ。

 

とはいえ、こんなささいな口論で

警察が動くはずもないので

外出してた宿のオーナーを待つため自室に戻ることに。

 

 

すると向こうが何やらまくし立ててきました。

 

「文句つけてきたうえに、写真まで撮りやがって。

オレのほうから警察に言いつけてやる!」

と車で走り去っていく男。

 

 

「そんなお酒のニオイさせて行っても

相手してもらえないでしょ」と思いつつ、

部屋でブログを書いていると20分後、

警察を従えた彼が戻ってきました。

 

 

 

「日本人の旅行者ってのは君だね。

話を聴かせてもらっていいかな?」

と警察。

ブスッと居座る男を横目に

冷静かつ簡潔に

事の流れを説明しました。

 

 

 

警察の方はものわかりが非常に良く、

わずか2分ほどで事情聴取は終わり。

パスポートチェックすらなく

「君もう部屋に戻ってていいよ」とのこと。

 

男に厳重注意をして警察は去ったみたいです。

 

 

夕方、騒ぎを知った宿のオーナーが戻ってきました。

 

「いやぁ、俺のいない時に大変だったみたいでゴメンね。

マラウイは良い人多いけど、中には変なのもいるから」

 

 

ということで一件落着。

男はこれ以上宿にいづらくなったのか

しれっとチェックアウトしていったそうです。

 

 

旅をしてると面倒ごとに巻き込まれることもありますが

上手に身をこなしつつ

次なる国へ向かいます!