快適なチリの高速道路

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【303日目 16,792km】

 

 

首都サンティアゴでは休養と観光で3日間の滞在。

砂漠での疲れもしっかり癒すと、

次なる目的地である

チリ南部の都市「プエルトモント」を目指します。

 

ここからの距離は1,000kmということで

間に一日休みを挟んで10日前後で付きたいところ。

 

 

 

チリを代表する2都市間を進む

ということで、

その旅路は主に交通量の多い

高速道路を走ることになります。

綺麗に整備され路肩も広いので

逆に安全。

 

 

 

そしてお腹が減ったり

休憩したい時は

高速を降りて小さな町へ。

料金所もしれっと通過できます。

北部の砂漠と違い

ここからは集落も増えるよう。

 

 

 

サンティアゴの街中で

はじめて飲んだ時は

そんなに感動しなかったけど、

30℃の炎天下で走った後には

「モテ・コン・ウエシージョ」の

甘さと冷たさが体に染み渡ります。

 

 

 

 

 

 

120kmを走り切ったこの日の夕方6時頃。

高速道路脇にトラックドライバー向けの休憩所がありました。

 

トイレに行こうと思ったら、中には監視員さんがいて

トイレのみならず温水シャワーや飲料水まで完備。

しかもWiFiまで付いてるんです。

 

 

 

ということでテント泊のお願い。

設置を許してもらえたのは

ふわっふわの芝生の上。

水もあって、ネット環境もあって

この世の全てを手にしたかのような

最高の野営地となりました。

 

 

 

夕食は道中の町で買っておいた

エンパナダ。

ひき肉とタマネギたっぷりの

具が美味しい総菜パンです。

旧ソビエト圏のピロシキにも似てて、

持ち運べるので旅にはピッタリ。

 

 

 

 

 

 

 

サンティアゴ出発2日目。

今日も高速道路の脇を黙々と漕ぎ進めていきます。

 

 

 

首都サンティアゴ以北から変わったのは

緑の多さ。

とうもろこしや小麦、果物の木など

広大な畑にすくすくと育っています。

チリの産業や経済なども

南部に集中しているということだろうか。

 

 

 

なかなかいいタイミングで

集落が現れず、

仕方なく路肩のフードトラックで

買ったホットドッグが¥900。

補給や休憩もルートの下調べをして

計画的にやらなければ。

 

 

 

嬉しいのがここ数百kmに渡り

起伏がほとんどないこと。

若干向かい風が多いけども

平坦ならばぐいぐいと

漕ぎ進めることが出来ます。

気持ち良いほどに距離を稼いでいく。

 

 

 

 

 

 

そして前日同様、120kmを走った所で

今日も高速の休憩所へ。

水の心配をしなくていいってだけで

かなり野宿が楽になります。

 

 

 

「向こうに張ってね」と指示されたのは

監視員さんのいる建物から

少し離れた芝生の上。

さすがに電波届かないな、

と思いきや今日もWiFiバッチリ。

チリ高速道路の旅、実に快適です。

 

 

 

テントを張り終えひと段落、

というところで

遠くから声を掛けてくれたのは

こちらのお父さん。

差し入れに

スイカとタマネギを頂きました。

 

 

 

たとえ冷えてなくても

甘くみずみずしいスイカは

疲れた体が喜びます。

夢中でかぶりついてしまいました。

でも、さすがに半玉でギブアップ。

近くに座ってた方にも差し上げました。

 

 

 

 

 

 

 

サンティアゴ出発3日目、

目を覚ますと綺麗な朝焼け。

薄く広がる雲が良い模様になっています。

 

 

 

大きな坂がないことで

予想よりも早く進めています。

また海から距離があるおかげか

向かい風もさほど強くない。

南米走行でここまでストレスフリー

な道は初めてじゃなかろうか。

 

 

 

一方で、日中は黙々と走り

夜は休憩所でテントを張ってると

あまりに単調に旅が進んでしまう。

ただこの先のスケジュール的に

今はさくさくと南下して

おきたいところ。

 

 

 

昼には「サン・ハビエル」の

町に到着。

田舎の小さな町でも

綺麗に整って

あまりゴミゴミしていないのも

他の南米諸国とは違う。

 

 

 

日に日にチリ名物

「モテ・コン・ウエシージョ」

に魅了されていく。

小麦のおかげで

ランチ代わりとは言わないまでも

多少お腹が膨れるのも良いところ。

 

 

 

今日も順調に走り終え

夕方には休憩エリアへ。

3日連続で120kmと

とてもスムーズに前進してます。

そしてこの休憩所もいい間隔で

待ち受けてくれている。

 

 

 

 

 

 

今日も柔らかい芝生の上にテントを張らせてもらう。

テント泊続きなのに、毎日温かいシャワーを浴びられています。

もはや無料のキャンプ場。

 

ただ昨日までの休憩所と運営会社が違うらしく、

ここはWiFi無し。

困るじゃないか、まったく…。

 

 

 

ただピクニックテーブルの近くには

コンセントがあります。

ここぞとばかりにあらゆるものを

満タンにさせてもらう。

貰えるものはしっかり貰うタイプ。

もちろん許可頂いとります。

 

 

 

夕食は久しぶりのクスクス。

屋台メシの充実していた南米ですが

ここからは自炊も増えてくるはず。

ちょっと手間だけど、

これが毎日続くと

面倒にも感じないんですよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

サンティアゴ出発4日目、

朝から近くでゴソゴソ音がすると思ってテントを明けると

そこには一匹の犬。

 

あまりに人懐っこく、ずっとじゃれあっていたせいで

出発が20分遅れてしまいました。

困るじゃないか、まったく。

 

 

 

今日も変わらない景色を

まっすぐひた走っていく。

サンティアゴ出発直後は

30℃を越えて暑かったけど、

南に進むにつれその暑さも

和らいでいるように感じます。

 

 

 

昼頃に高速を降りて

休憩するのもいつものパターン。

「ヘネラル・クルス」という

町の中心部へ向かい

今日も“アレ”を

探すことにします。

 

 

 

人で賑わうエリアには

必ず“モテ”の屋台があります。

気付けばここ数日ですっかり虜。

チリを象徴する飲み物と言われる

由縁が分かってきました。

なんせ暑い時期にぴったりなんです。

 

 

 

聞けば、ほぼすべての場合

屋台で売ってる方が

自宅で作っているのだそう。

お手製だけあって

砂糖やシナモンの分量はまちまちで、

その微妙な違いも分かってきました。

 

 

 

 

 

120kmというのがスタンダードになっている

とても順調なここ数日。

今日はちょうど良い場所に休憩エリアが無く

夕方は野宿場所を求め「ヘネラル・クルス」という集落へ。

 

 

 

 

集落に入ってすぐに声を掛けてくれたのは、とある夫婦。

「水はある?家そこだからちょっとおいで」

 

付いていった先のお家では、

ペットボトル入りの水の他にいろいろなモノを勧められます。

「ジュースもあるよ。パンも持ってって。

ここでご飯食べてく?

ていうか、もう泊ってく?」

 

 

 

お昼にBBQをしていたようで

こんがり焼かれた

チキンにビーフをご馳走になりました。

しばらく簡易的な食事が続いたから

こんなに食べ応えあるものに

ありつけるのが嬉しい。

 

 

 

こちらはチリの食卓に欠かせないという

定番ソース「ペブレ」。

お酢ベースに刻みタマネギ、

唐辛子、パクチーが入った

パンチのある一品。

辛みよりも酸味が強いです。

 

 

お酢とパクチーのクセが強いので

地元でも好き嫌いが別れるのだとか。

 

肉と相性が良いですが、

食材に直接かけるのではなく

おかずを飲み込んだ後に

スプーンで一杯口に運ぶのが正しい味わい方だそうです。

さっぱりとして夏にぴったりの味でした。

 

 

 

お言葉に甘えて

敷地内にテントを張らせてもらう。

シャワーもお借りして、

予想もしない展開で

快適な寝床を

確保してしまいました。

 

 

 

夏休みなうえに

奥さんのジェシカさんの誕生日

だったらしく、ご近所さんも一緒に

長い夏の夜を楽しみます。

南米はどこでも爆音で

音楽を流す。

 

 

 

 

 

 

高速道路に沿って走ることで

円滑ながらも単調な日々が続いた中、

チリの日常が垣間見える素敵な出会いに恵まれました。