ユカタン半島突入

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【192日目 11,183km】

 

 

メキシコ湾沿いの街・コアツァコアルコスにて

ひと休みすると

メキシコのゴール地“カンクン”を目指して走り始めます。

 

 

 

街を出てしばらく走ると

“タバスコ州”に到着。

この州原産の唐辛子をもとに

アメリカの実業家が

開発したのが

タバスコソースだそうです。

 

 

 

このあたりから

大西洋に突き出した

“ユカタン半島”に突入。

数百万年前に恐竜達が

絶滅するきっかけとなった

巨大隕石が衝突した場所です。

 

 

 

ユカタン半島の特徴は

大部分が完全な平地で

ほとんど山が存在しないこと。

そのため内陸部には川が無く

地下水が脈々と流れ

独特な景色を作り出しているそう。

 

 

 

120kmを走って

「カルデナス」に到着。

“メキシコ各所では消防署が

サイクリストを泊めてくれる”

という話を聞いており

はじめて訪ねてみることに。

 

 

 

 

この街は簡易的な駐在所で

狭いため、中では寝れないけど

目の前でテント張っていいよ

とのことで

お言葉に甘えることに。

安全が保障されればどこでも寝ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発2日目、

お世話になった消防士さん達と。

とても気さくでフレンドリーな方々でした。

 

 

 

街を出て

半島を東の方向へと

進んでいきます。

朝は必ずと言っていいほど

天気がとてもいい。

そして午後には崩れる。

 

 

 

こんなにもか、というほどに

どこまでもまっ平ら。

山間部を旅してるときには

“地球がどこも平らならいいのに”

と考えながら走ってますが

それが実現されているユカタン半島。

 

 

 

中の具材に肉を包んで

油で揚げた“エンパナダ”。

もちろん美味しいんですが、

結局タコスの延長的なものと

感じてしまう。

もちろん美味しいんですよ。

 

 

 

高速を離れて、メキシコ湾沿いの

道を進んでいるため

交通量も少なめ。

落ち着いてのんびりと

走ることができます。

いよいよ熱帯の景色になってきた。

 

 

 

道沿いの商店。

檻に囲われており

中には入れず欲しいものを

口頭で伝えるシステム。

防犯のためですが

どれだけ治安が悪いのか…。

 

 

 

 

17時過ぎには

「フランシスコ・マデロ」という

小さな集落に到着。

教会の敷地内に

テントを張らせてもらうことに。

安心安全のテント泊。

 

 

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発3日目。

小さな村の教会で何にも邪魔されることなく

静かに眠ることが出来ました。

 

 

 

カンクンへの道中にある

“カンペチェ”という街を

とりあえず目指しているのですが、

結果として景色が変わらず

ただ走るだけの日々が続いたので

若干“巻き”でお伝えします。

 

 

 

湾岸沿いを走っていることもあり

いくつかの橋を渡りながら

進んでいきます。

数日前のジメジメした

嫌らしい湿気も無くなり

割と過ごしやすい。

 

 

 

夕方に“”カルメン”という

港町に到着。

道路の真ん中には

街の名産であるエビのオブジェが、

綺麗なエビ反りを見せてくれております。

お金かけてまで作るものだろうか。

 

 

 

大きな街でテント泊は

難しそうなので

ホテルに泊まることに。

¥2,500ほどと

南に下りるほど安い宿が

増えている気がする。

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発4日目。

最近の朝食は路上の屋台ばっかり。

¥300程度で十分なものにありつけます。

 

 

 

今日も天気が良いけど

横風が強い。

向かい風じゃないだけマシだけど

漕ぎにくいしスピードも落ちる。

海沿いって景色はいいけど

無風であることがほとんどないです。

 

 

 

大きなメキシコ湾では

ほとんど波が立たないようで

終始穏やかな海面。

1日走っても意外と

潮風がベタベタしないのも

嬉しいです。

 

 

 

海沿いの小さな漁村

“チェセン”に到着。

ここ最近は18時前には

日が沈んでしまいます。

暗くなる直前に

なんとか着けてよかった。

 

 

 

着いてすぐに見つけた食堂でディナー。

氷河にぶつかった船が沈んでいく映画

をやっていました。

途中、半泣きになりながら

気づけば最後まで見てしまった。

お店の横にテントを張らせてもらうことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発5日目。

メキシコでは人目を避けてこっそりではなく

人の懐を借りながら

安全に夜を過ごすことが出来ています。

 

 

 

この日はいつになく

雨の時間帯が多い。

降りっぱなしではないけれども

朝から降ったりやんだりの

繰り返し。

雨宿りをしつつゆっくり進む。

 

 

 

結局、目的の街に着くまで

小雨に降られてしまいました。

視界が悪いのが気になるけど

車がしっかり避けてくれるので

そんなに危険を感じることなく

進むことが出来ました。

 

 

 

そしてコアツァコアルコスを

発って5日目にして

「カンペチェ」到着。

碁盤の目に整った

中心部の景色がなんとも

綺麗な街です。

 

 

 

 

 

滞在先はゲストハウス。

数人で部屋を共有するドミトリータイプ。

 

貧乏旅の定番ですが、

なんでもない村で地元の人と交流したり

テントで一人静かに過ごすことが多い自転車旅を続けていると

あんまり好きじゃなくなってきてしまったな。

 

 

 

カンペチェの街では、

観光より何よりも

重要なミッションが。

現時点で僕のパスポートには

メキシコ入国時に押されるはずの

スタンプが押されておりません。

 

 

 

アメリカ・サンディエゴからティファナの国境を越えて

メキシコに入国したのですが

X線による荷物チェックだけで、

僕が進んだゲートにはなぜか入国審査がありませんでした。

数十ヵ国を旅してきてこんな事態は初めて。

飛行機で出国する際に面倒になること間違いないので

移民局に尋ねることに。

 

結論として、

ここでスタンプは押すことができず、

「そのまま空港から出国していいよ。

早めに着いて事情説明してね」とのこと。

本当に大丈夫なのだろうか…。

 

 

 

 

 

 

カンペチェには密かな名物料理があります。

それが、こちらの「パン・デ・カソン」。

トルティーヤと“ある具材”をミルフィーユ状に重ねて

トマトベースのソースをかけたものです。

 

 

 

その“ある具材”がこちらです。

そう、サメ。

あまり大きくはないんですが

姿かたちはしっかりサメ。

メキシコ湾で捕れたばかりの

新鮮なものを食べることができました。

 

 

 

ミンチ状になってるんですが

正直お味は微妙です。

そもそも美味しいなら日本人が

寿司のネタとして採用してるはずだし。

美味しい魚って

美味しい見た目をしてますよね。

 

 

 

 

 

 

この街を出発してしまえば

メキシコのゴール“カンクン”までわずか500km。

 

達成感を感じると同時に

どこか寂しさも感じています。