氷点下の日々

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【7日目 175km】

ジェイソンさん宅でひと休みすると東へ向け出発。

いよいよ都市部を離れ山岳地域に突入します。

「ここから先は寒くなる。道中かなり苦しむはずだぞ」

ジェイソンさんの忠告にビビりつつも、

ペダルを漕ぎ始めました。

 

 

 

進んでいくのは

「グレンハイウェイ」という

町と町を結ぶ一本道。

交通量はさほどでもなく

追い越していく車も

しっかり自転車を避けてくれます。

 

 

 

気温は0℃ほど。

漕いでいる間は大丈夫でも

休憩で立ち止まると

すぐに体が冷え込みます。

荒涼とした景色もあいまって

心細い気持ちになる。

 

 

 

 

 

 

 

昼過ぎに商店を発見。

ずっと何もない景色が続いていたので

ホッとします。

小さなお店で飲み物買って休憩してると

「自転車旅ってこうだったなぁ」

と徐々に感覚が蘇ります。

 

 

ジェイソンさんからもらっていた

スモークサーモンでサンドウィッチ。

物価高地獄のアメリカ。

“ちょっと食堂で食べてこか”

とはなりません。

また日用品の値段まとめてみますね。

 

 

 

 

 

 

川沿いを行くのでずっと平坦と思いきや

起伏もかなり多いグレンハイウェイ。

標高300~800mを絶えず上がったり下がったり。

寒くさえなければ何てことない道なのに。

 

 

 

地元の人曰く、シーズンオフの

無人キャンプ場は野宿し放題。

それをあてにして到着すると

50cmの雪に閉ざされてました。

入口まですらたどり着けそうにない。

そりゃ無人になるわ。

 

 

 

少し進んだ川辺に

人目を避けるポイントを発見。

あらいいじゃない、

とテントを張ったとたん猛吹雪。

夜を越せるだろうか…。

不安になります。

 

 

 

山の天気は変わりやすく

すぐに雪はやみました。

暖を求めて焚火開始。

この時間こそひとり旅の醍醐味。

川の水を汲んでパスタを茹でます。

シュラフにくるまりそのまま就寝。

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明け目を覚ますと気持ち良く晴れていました。

目の前には“キングス・マウンテン”の頂きがくっきり。

歯を磨いたら今日も漕ぎ始めます。

 

 

 

平らな道はほとんどなく

上るか下るかのどちらか。

まだ体が旅モードに

仕上がってないのだろうか、

ペダルを踏みこむ力も弱まってきます。

そして身を切る寒さ。

 

 

 

前日よりは日が差す時間が

増えたのが救い。

気温そのものより

風の強さと日照具合に

体感温度が左右されるのがよく分かる。

必死に漕ぐ上り坂は暑いほど。

 

 

 

この日もサーモンサンドウィッチ。

同じ食べ物が続くのも旅あるある。

ただジェイソンさんには言えないけど

流石に毎日食べると飽き…、

いや、何度食べても

アラスカサーモンは美味しい。

 

 

 

15:00頃、道端に教会を発見。

水を求めてコンコンとノック。

快く飲み水を下さいました。

「君は神がいると思うかい?」

話長くなりそうだったので

良いところで切り上げさせてもらいます。

 

 

 

夕方、道端に夏場は営業しているであろう

カフェらしき施設を発見。

ホントに誰も出入りしないようで

ももの付け根の高さまで新雪が積もっています。

荷物を抱えズボズボ埋まりながら

屋根付きのテラスにたどり着きました。

 

 

 

人目を避け道路から離れすぎると

今度は熊やムースが心配で…。

ここはほどほどの良い距離感です。

夜中にはフクロウの

「ホーウ、ホーウ」という鳴き声が

気持ち良く響いてました。

 

 

 

 

 

 

と、ここまで野宿が続きましたが

たった2日でもかなりしんどいです。

日照時間は朝6時から夜10時前まで。

 

活動時間多くていいじゃんって話ですが、

特に朝なんてもう寒いのなんの。

最も気温が下がるのは明け方6~7時で-15℃ほど。

旅ではもちろん、人生で一番の寒さじゃないかな。

 

上の写真分かりにくいですが、前日履いた靴下が凍ってます。

水筒の水はもちろん、テントの幕から骨組みのパイプまでカチコチ。

バッテリー関係も放電ですぐなくなっちゃいます。

 

スタートからかなりハードなキャンプが続いてますが、

疲れ果てながらもなんとか前に進んでいます。