古都へ”上洛”
【34日目 1406.3km】
ここしばらく気温26℃前後が続き、
外を散策しているだけでじとっと汗ばむような日が続いています。
走行の疲れも相まって夏バテ気味(早いけど)ですが、しっかり食べて乗り切っています。
この日は2日間滞在した“登封”の街を出発。
屋台で朝ご飯を済ませて荷物をまとめると、
少林寺を中腹に抱える嵩山(すうざん)の峠越えルートに向けて漕ぎだします。
もちろん頂上まで登るわけではないですが、
思えば中国に来てから山らしい山を走っていませんでした。
1,000km以上も山にぶつからず来れたのは広大な大陸ならでは。
起伏の多い日本では考えられません。
必死に坂道をのぼって、颯爽と風を切りくだっていく。
「これこれ!」と自転車の醍醐味を思い出しながら走りました。
70kmほど走行した後、
お昼過ぎに目的地「洛陽」に到着しました。
この洛陽は非常に歴史深い都市で、かつて王朝の都が置かれた場所なんです。
京都を指して“洛中”といったり 、“上洛”という言葉なんかも
この都市の名に由来するそうです。
しかし、数々の内乱でその美しい街並みも残念ながらほとんど失われてしまったそうな。
近代的なビルが立ち並ぶ現在の洛陽ですが、
トレードマークである“麗景門”をくぐった先にある旧市街をねり歩けば
昔ながらの雰囲気を味わうことができます。
立ち並んだ露店と食べ歩きをする人々。
平日にもかかわらずお祭りのような気分を楽しめました。
そんな洛陽の観光の目玉になっているのが
市内から数km離れたところにある「竜門石窟」。
今から1500年ほど前に山肌の岩を削って彫られた数万体の仏像たちは、
少林寺に引き続きこれまた世界遺産に登録されています。
これまでに巨大な文化遺産、自然遺産をたくさん見てきましたが
毎度思うのが写真にはその圧倒的存在感を写し出すことができないということ。
枠内に収まったとしても、実際に目の前に立ったときの
言葉も出ない感動は現地でしか味わえないんだと思います。
デカいものは美しい。
汁モノが有名な洛陽での一品「不翻湯」。
ものすごく美味しくて奥の深い味なのですが、
上に乗っかったネギと牛肉以外は“はじめまして”な食材ばかり。
どことなく薬っぽい不思議な味が美味しいけど伝えられない…。
料理の味も写真に写せません。