書類手続き

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【21日目 1206.8km】

 

 

出発から3週間が経ち、走行距離も1,000kmを過ぎました。

1日の走行距離はおよそ100~120km、一番走った日で150kmほどです。

体力にも余裕が出てきて、長い距離を走ることにもだいぶ慣れてきました。

 

ただ、日に日に気温が上がってきており

日本のような湿気のあるジメジメした気候に苦しむ日々です。

特に走行中は、

道路に舞う砂ぼこりとどこまで行ってもかすんだままの空気のせいもあって

より一層暑さを感じながらペダルを漕いでいます。

 

これまで西に向かい続けてきましたが、

今は北へと進路を変えて「許昌」という地方都市に来ています。

 

現在、目指しているのはここから北西の方向に位置する

かつての都でありシルクロードの起点でもある都市「西安」。

西安から鉄道に乗って新疆ウイグル自治区・烏魯木斉(ウルムチ)へと向かう予定です。

 

ユーラシア大陸東部一帯を占める中国。

この広大な国をビザの猶予期間内で横切るのは困難であるため鉄道を使います。

いいんです!

使います。乗ります。

 

ただ、日本で取得した中国ビザの残り日数は10日ほど。

西安から鉄道を使ったとしても隣国・カザフスタンに抜けていくことはできません。

 

 

そこで、今いる許昌でビザ延長の手続きをする必要があります。

週末明けに“出入境管理局”なるところへ行くつもりなのですが、

すでに出鼻をくじかれた気分でして。

 

というのも、この街に着いてからのこと

調べていた宿に到着するなり告げられた言葉が

「あなたはここに泊まれません」。

 

実は、中国の特定の地域では

“外国人を安宿に泊めるべからず”というルールがあり、

中国籍を持たない人は三ツ星以上のホテルでないと宿泊できないんです。

小汚くみすぼらしい宿を外国に見せたくないんでしょうか?

すでにいっぱい見てきましたけども…。

 

しかも、ビザ延長を申請するためには

“ちゃんとした場所に滞在していますよ”という証明が必要だそうで、

ホテルでの宿泊は不可欠。

 

下調べ不足を反省しつつ、

「どうしようかしら」と途方に暮れた行き場のない旅人を救ってくれるのは

やはりその地で暮らす人たち。

 

僕を断った宿のスタッフたちが奮闘してくれました。

複数のホテルに電話をしてくれて、さらに安値で泊まれるよう値段交渉もしてくれました。

おかげで無事滞在先も見つかり、延長申請の準備は整いました。

 

果たして無事ビザは取得できるのか…!?

 

 

ここしばらく、何百kmも田舎道が続いてます。

 

水を買いに寄った商店の主人がそっと店先にイスを出してくれたり。

ドライバー達が追い抜き際にこちらに親指をぐっと立てて満面の笑顔で去っていったり。

 

地域性なのか、自分の感じ方が変わったのか

人の暖かさに触れることが増えた気がします。