Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

カテゴリー: メキシコ

アメリカ大陸、前半終了。

2024.10.29

【202日目 11,703km】

 

 

チチェンイッツァの観光を終え、

いよいよカンクンまではわずか150km。

2日間あれば十分すぎる距離なので

先を急がずユカタンの定番観光地へ足を運ぶことに。

 

 

 

滞在していた“バヤリド”の町から

わずか5kmあまりの場所に

それはあります。

入場口で料金を払い先へ進むと

地下へと進む洞窟が

口を開いておりました。

 

 

 

 

 

 

階段を下りた先に待っていたのがこの「セノーテ」。

ユカタン半島に4,000か所以上も点在する天然の湖です。

 

ユカタンの特徴である山のない地形。

これにより大きな河川が存在しない代わり

豊富な地下水脈が流れております。

 

 

 

さらに比較的もろい石灰岩地帯が

多いことによって

浸食、陥没が発生しやすく

洞窟ができやすいのだそう。

そこに地下水が流れ込み

形成された湖をセノーテと呼びます。

 

 

 

なんと浸かって泳ぐこともできます。

水温は冷たすぎない21°。

日が差し込む水中をのぞけば

その透明度がよく分かります。

神々しさすら感じる空間。

小さな魚も泳いでいますよ。

 

 

 

「セノーテサムラ」と呼ばれる

このセノーテが穴場だったらしく

朝いちだったこともあり

広い洞窟空間をのんびり楽しめます。

人気のセノーテでは

人がごった返すそう。

 

 

さらにすぐ隣の

「ケケンセノーテ」にも入りました。

こちらは22m上の天井から

垂れ下がる鍾乳石が見所。

超現実的で芸術的な空間が

広がっております。

 

 

 

ここまで鍾乳石に近づけて

触れることまでできる場所って

世界でもなかなか

ないのでは無かろうか。

水面に浮かびながら

贅沢な時間を過ごしました。

 

 

 

さほど期待してはいなかったのですが

自然の作り出した景観にしっかり魅了されてしまいました。

別に泳げるからとテンションが上がる方ではないのですが

このセノーテはかなり興奮してしまいました。

メキシコのユカタン方面にお越しの方には

強くお勧めいたします。

 

 

 

 

 

 

セノーテを満喫したら、

バヤリドの街まで戻り

いよいよカンクンを目指して

走り始めます。

2ヵ月以上にも渡る

メキシコの旅がもうすぐ終わる。

 

 

 

ユカタンでは

こんな森の中の一本道を

ひたすら走っておりました。

坂も無くホントにまっすぐ。

何の出来事も起こりません。

思えばアラスカもこんなだったな。

 

 

 

夕方5時過ぎには

もう暗くなり始めてしまう。

焦りながらなんとか“スカン”

という集落に到着。

夜間走行は危ないので

もっと余裕を持たねば。

 

 

 

テントを張る場所を見つけられず

ウロウロしていると

こちらのハンバーガー屋台の

奥さんが、

「閉店後ならここに張っていいよ」

と言ってくださいました。

 

 

 

メキシコ走行最後の夜も

しっかり安全な場所で

眠ることができそう。

突然のお願いにもかかわらず

迎え入れてくださる方が

沢山いる国です。

 

 

 

もちろん晩御飯は

ハンバーガー、そしてコーラ。

メキシコでは定番の屋台メシ

なんですよ。

今日はタコス嫌だって時に

よく食べています。

 

 

 

お店を片付けると

「やっぱり家の中で寝なよ」

とのことで

部屋にぶら下がったハンモックで

寝させてもらうことになりました。

意外としっかり寝られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてメキシコ走行最終日。

お世話になったヘルミーさんに別れを告げると

90km先のゴール・カンクンを目指します。

 

 

 

まずは道路沿いの屋台で

ユカタン名物「パヌーチョ」。

ほぼタコスじゃん、っていう

料理ばかりだったけれど

メキシコ料理はしばらくしたら

絶対に恋しくなる。

 

 

 

 

いよいよゴールが迫り

気持ちは高ぶるものの

景色はなんら変わることは

ありません。

ユカタンは最後までユカタン。

熱帯雨林は果てしなく続く。

 

 

 

カンクン付近は

高速道路の自転車走行禁止の為

路肩のない一般道を走ります。

思えば入国前のメキシコは

めちゃくちゃ不安だったな。

轢き殺されるんじゃないかと…。

 

 

 

いよいよあと15km、

という地点で何とパンク。

ずっと一人で旅をしてると

独り言が増えます。

「えー、今ー!?」って

デカい声で愚痴を言う。

 

 

 

やっとパンク修理を終え

カンクン郊外にやってきた時には

日も暮れ始めていました。

後ほど気が付きましたが

タイムゾーンが変わり、

5時だと思ったのが実はすでに6時。

 

 

 

 

予約していたゲストハウスに着く頃には

すっかり日も暮れてしまいました。

ゴールの感慨に浸る余裕もなく

汗だくになってシャワーを浴びる。

朝から時計が1時間ズレてるから

損した気分になってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌朝。

リゾート地・カンクンの定番は

白い砂のビーチ。

ただ遠くで発生している

ハリケーンの影響から吹く風で

のんびり眺められる様子じゃない。

 

 

 

リゾートホテルがずらっと並ぶ

カンクンのビーチ沿い。

どこも宿泊者専用に囲われており

誰もがふらっと立ち寄れる

海辺ってほとんど無いんです。

ちくしょう。

 

 

 

 

 

 

ということで

メキシコのゴール地・カンクンに到着しました!

 

入国から2ヵ月半、

サボテンだらけの砂漠や熱帯雨林、3,000m越えの高所など

様々な表情を見せてくれたこの国。

治安に関する悪評にビビりまくっていたものの

たくさんの素晴らしい出会いに満ち溢れた旅路となりました。

 

 

 

このカンクンをもって、アラスカからスタートした

アメリカ大陸の旅の前半は終了となります。

 

寒さに凍えていたアラスカの大地が

同じ一つの旅とは思えないほど遠い昔に感じます。

辿った旅路を地図で辿るのは旅の醍醐味。

この赤い線の上にどんな景色が広がっているのか

今の自分にははっきりと分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

やれひと段落、と言いたいけれど

カンクンではこなすべきミッションがあります。

それは飛行機搭乗のための準備。

向かったのは宿から一番近い自転車屋さん。

 

 

 

南米旅に備え

予備チューブとチェーンを購入。

さらに大切なのは

自転車を梱包するための

段ボールをもらうこと。

といっても、大抵タダであっさりもらえます。

 

 

 

大きな箱を抱えて宿に戻ると

いよいよ分解作業が始まります。

面倒くさがってダラダラやるのでなく

一気に勢いで片付けてしまうのがコツ。

事前にエネルギードリンクを補給して

すぐに作業に取り掛かります。

 

 

 

やる前はすごく嫌なんですけど

いざ取り掛かると

でっかいプラモデルを扱うみたいで

意外と楽しいこの作業。

1時間ちょっとで

順調に完了。

 

 

 

 

 

 

カンクンでの滞在は各国の旅人が集まるゲストハウス。

リゾート地だしどんちゃん騒ぎしてたらヤダな、と思ったけど

とても静かで落ち着いた場所です。

一泊¥1,500。

 

 

 

データの整理や

南米に向けての情報収集など

やることは盛りだくさん。

リゾート地なのに

宿の共有デスクで黙々作業。

豪遊するお金がないってのもある…。

 

 

 

メキシコの締めくくりグルメは

カカオソースがたまらない“モレ”。

悪くなかったけど、

プエブラでラウラさんが

作ってくれたヤツのが美味しかった。

何でも手作りに限る。

 

 

 

南米に向け荷物整理をする中、

飛行機に載せられない荷物がありました。

アラスカでもらった“ベアスプレー”。

クマに怯えていた日々が懐かしい。

宿のオーナーが「こんなのあるんだ!?」

と興奮気味に貰ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

3日間の滞在を終え、いよいよフライトの夜。

昼間のうちにタクシー乗り場で

お願いしていた運ちゃんが時間通りに来てくれました。

 

ちゃんと来てくれるか心配で

時間と住所のメモを渡していた甲斐がある。

 

 

 

郊外の空港まではわずか20分ほど。

後に手遅れになって気づきますが

この車内に、旅に欠かすことのできない

ウインドブレーカーを置き忘れます。

普段慣れない動きをすると

必ず何かミスをする。

 

 

 

 

 

 

そして新たな門出の場となる

カンクン国際空港へ到着。

大きな荷物を携えてカウンターの前に立つと

出発の成田空港を思い出す。

 

では、新たな大陸に向かって飛び立ちます!

 

 

 

マヤの文化を巡る旅

2024.10.26

【196日目 11,532km】

 

 

ユカタン半島の街・カンペチェを出発。

ここからメキシコのゴール地・カンクンまでは500kmほど。

途中に現れる観光名所にも寄りつつ半島の先端を目指します。

 

 

 

これまで通りフラットな

道がどこまでも続くのですが、

問題は朝から止まない向かい風。

無風で平坦なら時速18kmほどだけど

この日は12kmくらいしか出ない。

漕いでも漕いでも進まない。

 

 

 

上り坂は頂上に

着いた時の達成感があるけど、

風はただただしんどいだけ。

ご褒美に追い風が

吹いてくれるわけでもないし、

ひたすら太ももに乳酸がたまる。

 

 

 

予定の100kmを走り切ることが出来ず

手前の「ベカル」という町に到着。

何にも情報を調べてないですが

どこかテントを張れる場所は

あるだろうか。

キョロキョロしつつ町を巡る。

 

 

 

 

 

 

日も暮れた頃に、

中心部の大聖堂とは別の小さな教会を発見。

芝生も生えてるので、ここで泊まらせてもらおうと

近づいてみることに。

 

 

 

すると教会の敷地内には

一軒のお家が。

中から出てきたお母さんが

「お腹すいてるでしょ。

中へ入んなさい」と

招き入れてくれました。

 

 

 

テーブルの上に置かれたのは

“ブリケケン”という

豆と豚肉を煮たもの。

ユカタン半島で繁栄した

マヤ文明から伝わる伝統料理です。

日本の煮豆にも似て美味しい。

 

 

 

出迎えてくれたハスミンさんの苗字は“ウク・ウク”。

メキシコで一般的な「ロペス」「ガルシア」とは明らかに違う響き。

実はハスミンさんの家系は「マヤ人」なんです。

 

500年ほど前にスペインによる征服と共に滅亡したマヤ文明ですが、

僕たち日本人やネイティブアメリカンとも似た顔立ちを持つマヤの人々は

現在でもユカタン半島を中心に暮らしています。

その人口は数百万にも及ぶのだとか。

 

 

 

神父をされているご主人の

“ヴィクトルさん”と

子供たちが揃ったら

町の中心部へ。

夜の屋台でユカタン名物を食べよう

とのことでございます。

 

 

 

それがこちらの「パヌーチョ」。

油で揚げたインゲン入りの

サクサクしたトルティーヤに

具を乗せたものです。

「もうほぼタコスじゃん」

って思っても、言わないのが大人。

 

 

 

もともとテントを張らせてもらう

予定だったのですが、

「疲れてるだろうし

ベッドで寝たほうがいいよ」

と準備してくださいました。

シャワーも浴びれたし、もう最高。

 

 

 

 

 

 

 

 

カンペチェ出発2日目。

走り出す前にハスミンさん達と記念撮影。

 

ただよく見てもらうと後輪がペシャンコに潰れています。

朝からやれやれとため息をつき、

タイヤに刺さったトゲを抜いて修理を済ませて出発です。

 

 

 

前日から吹き続ける

向かい風によりなかなか

スムーズには進めない。

さらに分厚い雲が時折雨を降らせ

イライラしながらも黙って進む。

メキシコ終盤戦、苦しんでます。

 

 

 

後に他人から聞いて

分かったのですが、

ちょうど半島の沖合に

ハリケーンが来ていたのだとか。

朝から晩まで止まない風は

海の向こうから吹きつけてたそう。

 

 

 

途中に寄った町で

ついにイグアナの撮影に成功。

実はユカタンに入ってから

100匹近く見てるのですが

どれもすばしっこくて

カメラに収めることが出来ませんでした。

 

 

 

10cm程度の子供から1m近い大人まで

大きさも様々。

小さいものほど鮮やかな蛍光グリーンで

道路上にいるとすごく目立つのですが、

写真の個体のように環境によって色を変えていくと思われます。

恐竜みたいでカッコいい。

 

 

 

この日も予定の距離を走れず

ユカタンの中核都市「メリダ」

に泊まることに。

観光地でもありますが

天気が優れず、ゲストハウスで

大人しくじーっと過ごします。

 

 

 

 

 

 

 

 

カンペチェ出発3日目。

出発前にメリダ中心部の大聖堂だけ見ておく。

 

実はもうメキシコ発の飛行機を押さえているので

遅れるわけにはいかない。

ちゃちゃっと見たらすぐに走り出す。

 

 

 

メリダを起点に進行方向が90°曲がるため

向かい風が横風に変わると確信してましたが、

どうやらこの日も真正面の向かい風。

風が意思を持って邪魔しているかのよう。

「なんでやーーー!!」って

1人で叫びながら走ってました。

 

 

 

カンペチェ出発以来

3日間止まない向かい風の中を

漕いでいると脚はもうパンパン。

ほぼ毎日漕いでると筋肉痛なんて

起こらないのですが、

この時ばかりはヒドい筋肉痛が…。

 

 

 

さらに風に加えて

午後からはどんよりと

暗く重たい雲が空を覆っていました。

いつ降り出すだろうかと、

様子を伺いつつも

なんとか持ちそうなので進むことに。

 

 

すると走行中に突然の大雨が…。

自分自身も後ろに着いた荷物ももうビショビショ。

熱帯雨林を突っ切る一本道に雨宿りできる場所は無く

無心でひたすら前に向かいペダルを漕ぎました。

 

 

 

雨の中、「オルカ」という

街に到着。

全く止む様子が無いので

お土産屋さんの軒下に

テントを張らせてもらえないか交渉。

100ペソで許可をもらいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

カンペチェ出発4日目。

昨日の雨は上がったものの、

起きると脚がピキーンとなる。

連日の向かい風、効いてます。

 

 

 

朝食はほぼ毎日

路上の屋台にて。

この日もユカタン名物

パヌーチョを頂きます。

雨のせいで靴までびしょ濡れで

非常に心地悪い…。

 

 

 

カンペチェからカンクンを目指して

日々走っておりますが、

今日は途中で楽しみにしていた

観光が待っています。

思えばメキシコシティ以降

ほとんど観光してないな。

 

 

 

出発から40kmほど走った所で

目的の場所にたどり着きました。

入場ゲートにはメキシコ人だけでなく

様々な国からやって来た人がいます。

入場料が¥5,000ほどと超高額なのに

メキシコ随一の観光地はやはり人気。

 

 

 

 

 

 

 

 

やってきたのがこちら

メキシコのみならず中南米を代表する文化遺産「チチェン・イッツァ」。

紀元前1,000年から17世紀まで存在したとされる

マヤ文明でも最大規模の都市遺跡です。

 

周辺に点在する遺跡の中でも目を引くのが

中央に鎮座する石のピラミッド「カスティージョ」。

創造神ククルカンを祀った祭壇であるこのピラミッドは

高さ24mにも及びます。

 

 

 

四面に敷設されたそれぞれ91段の階段。

頂上の1段を加えて365段になることから

マヤ文明はすでに現在の太陽暦を

把握していたことが分かります。

さらに260日周期の独自の暦と

2つを並行して採用したのだとか。

 

 

 

階段の下部には蛇の姿をした

“ククルカン”の頭が。

春分・秋分の日にだけ

日光の具合で蛇の胴体部が

現れるそうです。

方角も正確に捉えていたということ。

 

 

 

こちらはカラコルと呼ばれる天文台。

太陽や星の動きを観察して

公転周期を把握したのでしょう。

現代の観測所と同じドーム型の屋根を

すでに持ち合わせていることがスゴイ。

人間の文明って脅威的です。

 

 

 

こちらはサッカーのような

球技が行われた競技場。

ただ宗教儀式の一環で、

勝ったチームのキャプテンは

栄誉として首を狩られ

生贄として捧げられたのだとか。

 

 

 

“セノーテ”と呼ばれる天然の湖。

このセノーテに生贄の体や心臓を

放り込んでいたそうで

水底からは人骨も見つかっています。

信仰って崇高であると同時に

狂気ですよね。

 

 

 

当時の暮らしを想像しつつ、

人類の歴史の壮大さを

感じずにはいられません。

遺跡って本当にロマンが詰まってます。

色々な場所を訪れると

勉強したいことがどんどん増える。

 

 

 

 

 

チチェンイッツァの観光を終えると

さらに40kmほど進んで

「バヤドリド」という町へ。

ユカタンの熱帯雨林の湿気はひどく

観光中もジトジトで汗だくです。

早くシャワーを浴びたい。

 

 

 

¥1,500のゲストハウスを見つけチェックイン。

ゴールのカンクンまでいよいよあと150km。

 

ちなみにこの宿に

写真に写ってる充電コードを忘れてきちゃいました。

 

 

 

ユカタン半島突入

2024.10.22

【192日目 11,183km】

 

 

メキシコ湾沿いの街・コアツァコアルコスにて

ひと休みすると

メキシコのゴール地“カンクン”を目指して走り始めます。

 

 

 

街を出てしばらく走ると

“タバスコ州”に到着。

この州原産の唐辛子をもとに

アメリカの実業家が

開発したのが

タバスコソースだそうです。

 

 

 

このあたりから

大西洋に突き出した

“ユカタン半島”に突入。

数百万年前に恐竜達が

絶滅するきっかけとなった

巨大隕石が衝突した場所です。

 

 

 

ユカタン半島の特徴は

大部分が完全な平地で

ほとんど山が存在しないこと。

そのため内陸部には川が無く

地下水が脈々と流れ

独特な景色を作り出しているそう。

 

 

 

120kmを走って

「カルデナス」に到着。

“メキシコ各所では消防署が

サイクリストを泊めてくれる”

という話を聞いており

はじめて訪ねてみることに。

 

 

 

 

この街は簡易的な駐在所で

狭いため、中では寝れないけど

目の前でテント張っていいよ

とのことで

お言葉に甘えることに。

安全が保障されればどこでも寝ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発2日目、

お世話になった消防士さん達と。

とても気さくでフレンドリーな方々でした。

 

 

 

街を出て

半島を東の方向へと

進んでいきます。

朝は必ずと言っていいほど

天気がとてもいい。

そして午後には崩れる。

 

 

 

こんなにもか、というほどに

どこまでもまっ平ら。

山間部を旅してるときには

“地球がどこも平らならいいのに”

と考えながら走ってますが

それが実現されているユカタン半島。

 

 

 

中の具材に肉を包んで

油で揚げた“エンパナダ”。

もちろん美味しいんですが、

結局タコスの延長的なものと

感じてしまう。

もちろん美味しいんですよ。

 

 

 

高速を離れて、メキシコ湾沿いの

道を進んでいるため

交通量も少なめ。

落ち着いてのんびりと

走ることができます。

いよいよ熱帯の景色になってきた。

 

 

 

道沿いの商店。

檻に囲われており

中には入れず欲しいものを

口頭で伝えるシステム。

防犯のためですが

どれだけ治安が悪いのか…。

 

 

 

 

17時過ぎには

「フランシスコ・マデロ」という

小さな集落に到着。

教会の敷地内に

テントを張らせてもらうことに。

安心安全のテント泊。

 

 

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発3日目。

小さな村の教会で何にも邪魔されることなく

静かに眠ることが出来ました。

 

 

 

カンクンへの道中にある

“カンペチェ”という街を

とりあえず目指しているのですが、

結果として景色が変わらず

ただ走るだけの日々が続いたので

若干“巻き”でお伝えします。

 

 

 

湾岸沿いを走っていることもあり

いくつかの橋を渡りながら

進んでいきます。

数日前のジメジメした

嫌らしい湿気も無くなり

割と過ごしやすい。

 

 

 

夕方に“”カルメン”という

港町に到着。

道路の真ん中には

街の名産であるエビのオブジェが、

綺麗なエビ反りを見せてくれております。

お金かけてまで作るものだろうか。

 

 

 

大きな街でテント泊は

難しそうなので

ホテルに泊まることに。

¥2,500ほどと

南に下りるほど安い宿が

増えている気がする。

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発4日目。

最近の朝食は路上の屋台ばっかり。

¥300程度で十分なものにありつけます。

 

 

 

今日も天気が良いけど

横風が強い。

向かい風じゃないだけマシだけど

漕ぎにくいしスピードも落ちる。

海沿いって景色はいいけど

無風であることがほとんどないです。

 

 

 

大きなメキシコ湾では

ほとんど波が立たないようで

終始穏やかな海面。

1日走っても意外と

潮風がベタベタしないのも

嬉しいです。

 

 

 

海沿いの小さな漁村

“チェセン”に到着。

ここ最近は18時前には

日が沈んでしまいます。

暗くなる直前に

なんとか着けてよかった。

 

 

 

着いてすぐに見つけた食堂でディナー。

氷河にぶつかった船が沈んでいく映画

をやっていました。

途中、半泣きになりながら

気づけば最後まで見てしまった。

お店の横にテントを張らせてもらうことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

コアツァコアルコス出発5日目。

メキシコでは人目を避けてこっそりではなく

人の懐を借りながら

安全に夜を過ごすことが出来ています。

 

 

 

この日はいつになく

雨の時間帯が多い。

降りっぱなしではないけれども

朝から降ったりやんだりの

繰り返し。

雨宿りをしつつゆっくり進む。

 

 

 

結局、目的の街に着くまで

小雨に降られてしまいました。

視界が悪いのが気になるけど

車がしっかり避けてくれるので

そんなに危険を感じることなく

進むことが出来ました。

 

 

 

そしてコアツァコアルコスを

発って5日目にして

「カンペチェ」到着。

碁盤の目に整った

中心部の景色がなんとも

綺麗な街です。

 

 

 

 

 

滞在先はゲストハウス。

数人で部屋を共有するドミトリータイプ。

 

貧乏旅の定番ですが、

なんでもない村で地元の人と交流したり

テントで一人静かに過ごすことが多い自転車旅を続けていると

あんまり好きじゃなくなってきてしまったな。

 

 

 

カンペチェの街では、

観光より何よりも

重要なミッションが。

現時点で僕のパスポートには

メキシコ入国時に押されるはずの

スタンプが押されておりません。

 

 

 

アメリカ・サンディエゴからティファナの国境を越えて

メキシコに入国したのですが

X線による荷物チェックだけで、

僕が進んだゲートにはなぜか入国審査がありませんでした。

数十ヵ国を旅してきてこんな事態は初めて。

飛行機で出国する際に面倒になること間違いないので

移民局に尋ねることに。

 

結論として、

ここでスタンプは押すことができず、

「そのまま空港から出国していいよ。

早めに着いて事情説明してね」とのこと。

本当に大丈夫なのだろうか…。

 

 

 

 

 

 

カンペチェには密かな名物料理があります。

それが、こちらの「パン・デ・カソン」。

トルティーヤと“ある具材”をミルフィーユ状に重ねて

トマトベースのソースをかけたものです。

 

 

 

その“ある具材”がこちらです。

そう、サメ。

あまり大きくはないんですが

姿かたちはしっかりサメ。

メキシコ湾で捕れたばかりの

新鮮なものを食べることができました。

 

 

 

ミンチ状になってるんですが

正直お味は微妙です。

そもそも美味しいなら日本人が

寿司のネタとして採用してるはずだし。

美味しい魚って

美味しい見た目をしてますよね。

 

 

 

 

 

 

この街を出発してしまえば

メキシコのゴール“カンクン”までわずか500km。

 

達成感を感じると同時に

どこか寂しさも感じています。

 

 

 

メキシコ湾へ

2024.10.19

【186日目 10,613km】

 

 

カルロスさん達にお世話になったプエブロを発って3日目。

涼しい気候の続いたメキシコ中央高原から

海抜100m程度の低地まで下りてきました。

 

 

 

高速道路は

熱帯雨林のような深い森を

突っ切っているため、

暑さだけでなく湿気も高い。

汗を拭き流しながら

黙々と漕ぎ進めていきます。

 

 

 

海もほど近くなったことで

山も減り、起伏が穏やかに。

まっ平らってほどでもないけど

必死にペダルを踏み込むほどの

坂はありません。

スムーズにどんどん距離を伸ばす。

 

 

 

すでに沖縄より南に位置する

あたりまで南下しています。

地域によっては常夏ともいえる

気候のメキシコ。

10月というのに立派な

積乱雲が空に浮かんでいます。

 

 

 

夕方18時に、高速道路をはずれ

「ラ・ウニオン」という村に到着。

公園では子供に混ざって

複数のお母さんも一緒に

バレーボールを楽しんでいます。

晩御飯作らなくていいのだろうか。

 

 

 

ある食堂に、

“テント張ってもいいかい”と尋ねると

快く許可を下さいました。

本当はテントも張りたくないほど

暑いけど、蚊が多いので

そのまま寝るわけにはいかず。

 

 

 

ご主人の“オスカルさん”。

宿泊許可をもらう際に

「どこから来た?」

「仕事は何してたんだ?」

と面接のように聞かれました。

ニコニコ愛想よく対応するのがコツ。

 

 

 

なんと晩御飯まで

ご馳走してくださいました。

メニューはもちろんタコス。

そろそろ違うのが食べ…、

刻んだビーフと辛みの効いたソースが

抜群のコンビネーションです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジメジメとしてた割には意外とスッキリ眠れた翌朝。

オスカルさんはじめ、食堂のお姉さん方と記念撮影。

 

「気を付けて、良い旅を。」

胸の前で十字架を切りながら祈ってくれる皆さん。

こんな人の助けがあるから、まだまだ安全に進んでいける。

 

 

 

熱帯気候ならではの

躍動感のある樹木。

景色として楽しむのはいいんだけど

朝からのジトっとした

蒸し暑さは

サイクリングに向かない。

 

 

 

引き続きオウトピスタ(高速道路)の

路肩を走っていく。

メキシコ旅も後半に差し掛かるけど

総じて運転は荒くないです。

スレスレを追い抜かれることもなし。

故障車よく停まってるけど…。

 

 

 

日本帰ったら

タコス写真展やろうか、

というほどにタコスばかり。

同じように見えて

ちゃんと当たり外れもあるんですよ。

美味しい所は本当に美味しい。

 

 

 

徐々に上り坂も減ってきて

遠くに見える山も

無くなってきました。

中央高原を離れた南は

平地が広々と続きます。

これはこれで退屈。

 

 

 

120kmを走って

「クアツァコアルコス」

に到着。

カルロスさんと別れ

プエブラから走ること4日。

この街でひと休みしてきます。

 

 

 

 

 

 

クアツァコアルコスは海辺の街。

目の前に広がるのは大西洋の一画、“メキシコ湾”。

アラスカ出発以来、西側の太平洋に沿って走ってきましたが

ついに大陸の東側、大西洋までやって来ました!

 

 

 

ただ感慨に浸ろうにも

ものすごい暴風が吹いております。

ちょうど北のフロリダでは

ハリケーンが猛威を振るっている頃。

ゆっくり散策などできなさそうなので

宿を探すことに。

 

 

 

海の近くに

¥3,000ほどの

やたら細長い宿を発見。

テント泊慣れてても

やっぱりベッドで眠れば

疲れがしっかり取れます。

 

 

 

 

 

 

1日だけ休んですぐ走り始める予定でしたが、

お腹が張ったような違和感のため2日間休むことに。

思えば現地で薬を購入するのははじめて。

なんか変なもの食べたっけな…。

 

 

 

写真整理にブログ、

今後のルート確認など

休みの日って

なんやかんやとやることは

多いんです。

でもそんな作業も楽しかったりして。

 

 

 

 

 

 

 

特筆するイベントもなく街に着いてしまったので、

ここでメキシコに関する小話を。

 

旅行者の間では有名なメキシコのコーラ。

世界中どこでも飲まれるコーラですが、

メキシコのものは特に美味しいと評判です。

 

その秘密は“砂糖”にあり。

基本的にコーラには

トウモロコシを原料とする甘味料が使われるのですが、

メキシコ産のものには

ちゃんとサトウキビ由来の砂糖が使われているそうです。

 

 

 

コーラの後味って口の中にべっとり

甘味がまとわりつく印象があり

ジンジャエール派最右翼の僕は

日本ではあまり飲まないのですが、

メキシコ産だとそれが

スッキリして飲みやすく感じます。

 

 

 

そんな事情もあってかメキシコ人のコーラ消費量は世界第1位。

平均で一人当たり年間160リットルも飲むそうです。

ヤバいですよね。

 

サトウキビ使用はガラス瓶のほうで

ペットボトルのコーラは通常の甘味料の味だそう。

 

 

 

写真のような

3リットルのペットボトルなんか

冷蔵庫の中で邪魔になるじゃん、

と思うのですが

数人でシェアしながら

あっという間に飲み干すのだとか。

 

 

 

メキシコは水道水が飲めないので

飲み水として各家庭でミネラルウォーターを購入するのですが、

「どうせ買うなら味のついたジュースのが良いじゃん」

っていう感覚もどこかにあるんじゃないかなぁ、

と僕は勘ぐっています。

あと、タコスとの相性が良すぎるってのも大きいはず。

 

実際に僕も走行中にお店を見つけたら

冷たい水もいいけどやっぱジュースにしとこ、

と普段以上に炭酸飲料を多く飲んでいます。

 

そんな具合のメキシココーラ事情。

といっても、味の違いとしては後味がちょっと違う程度なので

メキシコにご旅行の際はあまり期待をしすぎず、ぜひご賞味ください。

 

 

 

別れを経て前に進む

2024.10.15

【182日目 10,355km】

 

 

プエブラの街では3日間の休息。

お世話になった人たちにお別れをして、さぁ出発という時

カルロスさんの格好はバッチリ自転車モード。

「街を出るまで一緒に漕ごう」

 

家を出てそのまま別れるつもりだったので

その一言がすごく嬉しい。

 

 

 

まずは中心部の大聖堂前にて

記念撮影。

プエブラではさほど

観光らしいこともしてない。

けれども仲間の皆さんと

ゆっくり過ごす時間が楽しかった。

 

 

 

次に立ち寄ったのは

カルロスさんの職場。

なんと大学の調査施設で

天候に関する情報データを

まとめる仕事をされているとのこと。

歴史ある立派な建物です。

 

 

 

3人のお子さんも

全員医療関係にお勤めで

かなり立派なご一家。

カルロスさんをただの

お腹ポヨポヨおじさんだと

思ったら大間違い。

 

 

 

 

複雑な街の道を抜けて

高速道路へ。

黙々と先を進む彼の後ろ姿を

見つめつつ、

いつもは一人で走る道を

二人で進んでいきます。

 

 

 

昼過ぎにカルロスさんのタイヤがパンク。

ガラス片が刺さっていました。

ここしばらく僕も

パンクが続いてましたが

このあたりの道は誰が走っても

パンクしやすいんだろうな。

 

 

 

「高速の入り口まで」と言ってたのに

どこまでも一緒に走り続けてくれる

カルロスさん。

気が付けば家からもう70km。

彼の背中を眺めて走っていると

色んな思いがこみ上げてきました。

 

 

 

正直、入国前にはかなり不安だったメキシコ。

言葉も不自由だし、治安面も怖いし。

どんな旅路になるのか予想もつきませんでした。

 

出発時、奥さんのラウラさんがハグをしながら言ってくれた

「メキシコのプエブラに

あなたの家があることを忘れないで…」

という言葉。

そして、今目の前にあるカルロスさんの背中。

 

あんなに不安だった国に、

今は離れたくない場所と別れたくない人がいる。

こんな出会いがどこにでもあるワケじゃないからこそ

心の底から感謝の思いが込み上げてくる。

 

 

 

そして15時頃。

「じゃあ、ここまでだ」と

ついに別れの時が来ました。

フェリーで偶然会っただけなのに

温かいおもてなしをしてくれた

カルロスさん、本当にありがとう。

 

 

これまでに幾度となく別れを経てきたのに

この時は一層寂しく感じ、つい泣きそうになりました。

というかちょっと泣きました。

 

 

 

 

 

 

別れた直後に突然の夕立。

ここ数日のパターンから

あるだろうなとは思ったけれど。

高架下にて、通過する車の

水しぶきを受けながら

30分あまりの雨宿り。

 

 

 

 

思いのほか長く続いた雨に

予定の距離は走れず。

「クアクノパラン」という

通りすがりの町に

泊まっていくことにします。

なんかどんより暗い雰囲気。

 

 

 

野宿のつもりだったけれど

安いホテルが見つかったので

チェックイン。

というか最近、宿が続いているので

野宿が億劫になっている。

こんなんじゃダメダメ。

 

 

 

僕と同じように

雨に打たれたはずのカルロスさん。

心配になってメッセージを送ると

21時になってようやく

家に到着したとのこと。

あぁ、本当にありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

プエブラ出発2日目。

漕ぎ始める前に通りの露店にて朝食を済ませます。

 

 

 

村や町が多ければ

ストリートフードも充実してるので

自炊からも遠ざかっています。

なんやかんや名前が違うけど

トルティーヤに具が乗ってれば

日本人にとってはすべてタコス。

 

 

 

この日も高速を行きます。

路肩が広いのもあるし、

高速道路周辺にある町は

人の出入りが多いぶん

治安も安定しているとのこと。

最後まで安全第一で。

 

 

 

20kmほど走ると峠に到達。

ここまで苦しみながら走ってきた

メキシコ中央高原を下り、

一日で一気に標高を2,000mも

落としていく行程。

どうやら楽な日になりそう。

 

 

 

と思いきや、かなりのトラックが

ふん詰まり状態。

スムーズに下りたいんですけど。

道路工事かしら、と

ブレーキを握りつつ

ゆっくり進んでいきます。

 

 

 

 

よく見ればトラック達は

全く動いておらず、

これはただ事ではない。

数百台にもおよび車の合間を縫って

申し訳なさそうに

どんどん下っていきます。

 

 

 

すると渋滞を5km以上も進んだ先に

衝撃の事故現場がありました。

立ち入り禁止テープの先には

大破したトラックの残骸。

 

聞いてみると、幸い死者は出ておらず

運転手も重体ではないとのこと。

まあ、ここまで派手に事故ればすでに大事ですが。

 

 

 

積載物は3ℓのオレンジジュース。

数千どころか万は軽く超えるだろう

膨大な量のペットボトルが散乱してます。

立ち入り禁止を無視した野次馬が

これをどんどん持ってくんだから

ホントに無神経というか何というか…。

 

 

 

事故現場を横目に

バイクはすり抜けているようなので

僕も構わず

先に進ませてもらうことに。

後ろから全然車が来ないので

堂々と走ることが出来ました。

 

 

 

面白いのが、

時折僕を追い抜いていくバイクたち。

皆が皆、オレンジジュースのボトルを

荷台に括りつけてるもんだから

声を出して笑ってしまいました。

 

地震などの災害が発生しても

略奪が起こらない日本が僕は大好きです。

 

 

 

オリサバという街に着いたところで

ランチ休憩。

グアナファト以降から

町同士の間隔がかなり狭いので

食べ物を持ち運ばなくていいのが

本当に助かる。

 

 

 

午後からも緩く長い下り坂。

80kmにも及んで

ゆっくり高原を下っていくので

傾斜も急すぎず

かなり気持ち良く下ることが出来ます。

ここまで長い下りは初めてじゃないかな。

 

 

 

引き換えに、帰ってきたのが

じめじめとイヤらしい蒸し暑さ。

朝はジャケットを着ていたのに

標高も200m程度になれば

汗だくだくになるほど

かなり暑いです。

 

 

 

結局141kmと、

最長に近い走行距離を経て

「ティナハ」という村に到着。

村の方のアドバイスで

ガソリンスタンドの休憩スペースに

テントを張らせてもらうことに。

 

 

 

 

 

一人でゆったりと寝られると思いきや

日が暮れると数名のトラックドライバーが

寝床を準備し始め、

修学旅行のようにぎゅうぎゅうに。

 

最後はみんなで枕投げをして眠りました。

嘘です。

 

 

 

一カ月振りの再会

2024.10.12

【179日目 10,124km】

 

 

3日間の滞在を終え、

メキシコシティからさらに南下します。

滞在中もずっと天気は良くなかったけれど

出発の時もやっぱり曇り。

 

 

 

騒がしい朝のメキシコシティを

走ってゆきます。

ただ大都市の割に

高いビル群が無いからか

窮屈な印象がありません。

“都会っぽさ”において東京は別格。

 

 

 

連日の雨もあり

冠水しきっている道も。

余儀なく遠回りをします。

宿のシャワーの威力が弱いのも

しょっちゅうで、メキシコの

水回りは大変みたいです。

 

 

 

到着するときはワクワクしてるから

まだしも、大都市を出ていくのって

かなりストレスが大きいです。

道路は複雑だし、車は溢れ返ってるし。

ゆっくり道を確認してると

後ろからクラクションを鳴らされる。

 

 

 

曇っているから

写真では分かりにくいですが、

先に見える街のスモッグが濃い。

メキシコシティは盆地のため

大気汚染の進行が酷いそうです。

息を止めたくなるような景色。

 

 

 

40kmあまりを走るのに

5時間も掛かってしまった。

道路脇のお店でタコス休憩。

陶器もおしゃれなメキシコ。

こういうのも一緒に

日本に送ればよかった。

 

 

 

少し休んでると

雨がひどくなりました。

「イスタパルカ」という街で、

まだ15時だけどホテルを探して

チェックイン。

すぐ見つかったのでラッキー。

 

 

 

¥2,000なのにすごく綺麗な宿。

お湯も勢いよく出るし

Wi-Fiも絶好調。

なぜかコンセントが

床から2mくらいの天井付近に

しかないこと以外完璧です。

 

 

 

近くの中華レストランで

テイクアウト。

メキシコの中華レストランは、

メキシコ人によって

営業されてることが多いです。

国民食として受け入れられているよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

メキシコシティ出発2日目。

ギリギリ雨は降っていないというような重い曇天。

高速道路を進んでいきます。

 

 

 

実は、今日はかなり大変な日。

出発した街は標高2,200m。

立ちはだかる峠の標高は

なんと3,200m。

20kmという短い距離のうち

一気に1,000mも上っていきます。

 

 

 

上り坂の苦労もあるけど

不安だったのはその標高。

過去には2,500mあたりから

高山病の初期症状が出たことも。

ただもう進むしかないので

覚悟を決めてゆっくり漕ぎ進める。

 

 

 

ただ2,000m地帯に

2週間近く滞在してるからか

特に症状もなく上ることができます。

峠に近づくほど、もやは霧になり

やがとほとんど雲の中かというほど

視界も悪くなりました。

 

 

 

そして坂を上り始めて3時間。

3,200mの峠に着きました。

雲の上に出たのか

すかっと抜けるような青空。

メキシコ旅においては

最高到達点となります。

 

 

 

路肩の店でご褒美のビーフ。

ランチにしてはちょっと奮発。

すると旅に感心してくれたご主人が

50ペソ(¥350)に

まけてくれました。

ホントは¥1,000近くします。

 

 

 

食事を済ませると

午前中かけて必死に上った

1,000mの坂を

一気に滑り降りていきます。

気持ち良いけど、

風が冷たくてもう寒い。

 

 

 

やがて平坦になった道を

40kmほど走ると

「プエブラ」という街に到着。

やはり今日も夕方には

雨が降り始めました。

はやく目的の場所へ。

 

 

 

事前に聞いていた住所を

訪ねてやってきたのは

街の中心部に近いこちらのお家。

メキシコ本土に渡ってから

ずっと会いたかった人に

ここでようやく会えます。

 

 

 

 

 

 

それがこちらのカルロスさん(右側)。

バハカリフォルニアから

本土に渡るフェリーで出会った方です。

左の女性は、奥さんのラウラさん。

 

 

 

拙いスペイン語でなんとか

コミュニケーションをとって

船上にて再会の約束を交わしたのは

一か月前の事。

そこからメッセージをやり取りしつつ

プエブラ到着を楽しみにしてました。

 

 

 

夕食を済ませると

フアンさん(上写真の左)とも合流、

夜のプエブラを散策に。

雨上がりの街は

ひんやり風が冷たく

歩いているだけで気持ちが良い。

 

 

 

メキシコの街はどれも

真ん中に大聖堂があって

その目の前に広場があって、と

ある意味ワンパターンなのですが

ちょっとずつデザインが違うのが

見ていて面白いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日はメキシコ初の

女性大統領の就任記念日

ということで祝日。

2日前に通ってきた

首都のソカロ広場の式典が

大々的にテレビで放送されてます。

 

 

 

滞在用にわざわざ

空き部屋にエアーマットも

ご用意してもらいました。

ふわふわで気持ちが良い。

気圧が低いことも影響してか

筋肉の疲労が深刻な気がする。

 

 

 

カルロスさん宅のダイニングテーブル。

たった2か月前に入国した時は

誰一人知り合いなんていなかった

メキシコでこんなにも

くつろげる場所に、人に

出会えたことがすごく嬉しい。

 

 

 

激しいジャンプで

猛烈な歓迎をしてくれたのは

愛犬のジャッキー。

机の上に置いておいたイヤホンを

ズタズタに嚙み切ってくれました。

買いなおさねば。…この野郎。

 

 

 

 

 

 

首都メキシコシティ同様に

ほぼ雨模様でさほどゆっくり観光できなかったプエブラ。

一度だけカルロスご夫妻と近くの旧市街を街ブラ。

 

 

 

地元の人が

普段の買い物をする市場へ。

新鮮な野菜や肉が並び

何も買いつもりがないのに

ただ見ているだけで

ワクワクする場所です。

 

 

 

市場で買ったのは

“トゥナ”と呼ばれるサボテンの実。

みずみずしくて、ほんのり甘くて

いくつでも食べられそうな

メキシコを代表するフルーツ。

アフリカのモロッコでも食べたな。

 

 

 

 

 

 

カルロスさん宅でご馳走になったもので

ぜひ紹介しておきたいのがこちら。

 

メキシコ南部を中心に食べられる伝統料理で、

“モレ”と呼ばれるカレーのような見た目のソース。

チキンやビーフ、時には

タコスにかけて食べることもあるそうですが

ここではライスとポークで頂きました。

奥さんのラウラさんお手製。

 

このモレが面白いのは

“チョコレートソース”をベースに作られているという点。

それだけ聞くと「えぇ、チョコ?」と思いますが、

無理やり例えるなら、やはりカレーに近いです。

 

 

 

ただチョコだけでなく

チリ、玉ねぎ、ラード、ニンニクなど

多くの食材を複雑に調合して煮込みます。

はじめはチョコの甘味、それからチリの辛み

そして動物性の旨味と

奥行きのある深い味がするんです。

 

 

 

好き嫌いが分かれるとも言われてるようですが

カレーが大好きな日本人ならば

ほとんどの人が気に入るのではないでしょうか。

美味しさも衝撃度も今のところ一番の料理です。

機会があればぜひ食べていただきたい。

 

 

 

 

 

 

もう一人のお友達

“フアンさん”のお仕事は床屋さん。

カルロスさん宅から車で10分のところに

お店を構えています。

 

 

 

「切ってやる」とのことで

サイドの刈り上げ部分だけ

刈ってもらうことに。

こないだグアダラハラで

床屋さんに行ったときは

¥700ほどでした。

 

 

 

 

 

 

さらに滞在最終日の夜には、

カルロスさん、フアンさんの自転車仲間の伝手で

地元オンラインメディアの取材を受けることに。

 

派手な見所があるわけでは無いけれど、

忘れられない出会いに恵まれたおかげで

充実した日々を過ごすことが出来たプエブラでした。

 

 

 

首都メキシコシティ到着!

2024.10.8

【175日目 9,981km】

 

 

立て続けの世界遺産巡りを終え、ケレタロの街を出発。

首都メキシコシティまでは250kmほど。

 

 

 

やはり首都に近づくにつれ

ゴミが多い。

写真では見えにくいですが

ゴムの切れ端や金属片が

無数に落ちています。

お願い、パンクしませんように。

 

 

 

はい、パンク。

ただ刺さった針金がはっきりと

確認できるのでまだマシです。

アメリカでは路面の暑さゆえか

原因が特定できない

パンクが多かった。

 

 

 

「ポロティトラン」にてホテル泊。

都会が近づき、人も町も増え

野宿が難しいけれど

そのぶん宿も安いのは嬉しい。

¥2,000ほどで

十分なトコロに泊まれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

ケレタロ出発2日目。

少しずつ朝が肌寒くなってきました。

日中は十分暖かく、午後には雨雲が広がるというのが

典型的な雨季のメキシコ。

 

 

 

向かう首都のメキシコシティは

およそ標高2,300m。

ここからは若干ながら

上り坂の多い行程。

特に景色が良いわけでもない道を

淡々と進んでいきます。

 

 

 

いよいよ都市圏に近づくと

これまでにないような渋滞が。

自転車は関係ないと思いきや

路肩にもはみ出す車があるので

止まらざるをえない。

煙を吸いながらゆっくり前へ。

 

 

 

夕方5時過ぎには

都市部の縁に位置する

「トポツォトラン」に到着。

もちろん野宿できるほどの

小さな村ではないので

空模様を気にしつつ宿を探す。

 

 

 

数軒まわり交渉してる間に

やっぱり雨が。

仕方ないので¥3,500の

宿に泊まることに。

何でもないホテルだけど

オレンジに塗られた壁がおしゃれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ケレタロ出発3日目。

すでに首都の大都市圏には入っているので

出発と同時に渋滞に巻き込まれる。

しかも雨。

 

 

 

トラックやバスに接近されつつ

ぶつからないように

隙間をぬって進んでいく。

車線や信号も整っているので

そんなに混沌としているわけでは

ありません。

 

 

 

宿を出てから

40kmあまり走った地点で、

シティの中心部に到達。

ただ雨が止む様子もないので

感慨に浸る暇もなく

早く目的の場所へと向かう。

 

 

 

 

 

 

雨に濡れながらでも来たかったのがこちら「すき家」。

何とあるんです、メキシコに。

こないだ地図でたまたま発見してから気になってました。

 

 

 

ビジネス街にあるとあって

店内も小綺麗だし

他のお客さんもシュッとした

人が多い様子です。

そして僕意外に日本人はおらず

現地の人ばっかり。

 

 

 

唐揚げとみそ汁の牛丼セットが

¥1,000ちょっと。

味はまったく遜色ありません。

紅しょうがはないみたいだけど

ちゃんと“すき家”。

もうね、最高です。

 

 

 

翌日も別店舗に行ってしまった。

今度はチキンカツカレー。

日本帰れば家から徒歩で

3分のトコにすき家あるけど、

アラスカから1万km漕いで

食べるすき家は格別です。

 

 

 

本当は市内の名所を回りたかったけど

雨が止む気配もないので

大人しく予約していたゲストハウスへ。

相部屋で1泊¥2,000以下と

コスパ良し。

やはり都会ほど安いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日の日中が結果的に唯一の晴れ間となりました。

 

完成から200年近くが経つ

“メトロポリタン大聖堂”を中心に

メキシコシティは広がります。

 

 

 

大聖堂の前にある「ソカロ広場」。

国旗が掲げられた広場に

沢山の人が集まっています。

他にも周辺には

美術館や国立宮殿があるのですが

どれも改装中で閉まっていました。

 

 

 

ソカロ広場の少し西にあるのは

多くの小売店が並ぶ商店街。

ヨーロッパ風の綺麗に整った通りです。

無数の観光客がいますが

パッと見には欧米やアジア圏の人は

多くなさそう。

 

 

 

やたらと宝石店や時計店があるので

電池が切れて動かなくなっていた

G-SHOCKの電池交換を

してもらいました。

¥700ちょっとでお得。

職人の手が僕は大好きです。

 

 

 

郊外の人口密集地を含んだ

都市圏人口は2,000万人。

ただ数字の割に雑多な様子はありません。

現地のメキシコ人曰く、

「写真で見た“シブヤ”の方がヤバいぞ」

とのことです。

 

 

 

こちらは独立百周年の「革命記念塔」。

ただ“議会場”として建築を進めていた

当時の政府が、別の革命によって

倒されて計画変更。

そのままモニュメントになったそう。

微妙なデザインなのはそのためか。

 

 

 

地下鉄が発達しているメキシコシティ。

人の車に乗ることはあったけど

公共交通機関はこの旅で初めてです。

どこまで乗っても約30円。

構内も別に雰囲気は悪くなく

おかげで快適に移動が出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

滞在中気持ち良く晴れる時間も少なく、

思ったほど観光はできず。

それでもここだけは外すワケにはいかないと

やって来たのは“アレナ・メヒコ”。

 

“テキーラ”や“タコス”と並んで

メキシコの代名詞ともなっている「ルチャ・リブレ(プロレス)」

を見にやって来ました!

 

 

 

週に2回ほど行われ

夜の20時30分に開始。

僕はプロレス好き

という訳ではないですが、

照明が落ちてリングが照らされると

ドキドキします。

 

 

 

プロレスも迫力あるけど

ここで面白いのが、

ビールを飲みながら

盛り上がる1万人もの観客。

「ウォー!」と盛り上がったり

「ブー、ブー!」とブーイングしたり。

 

 

 

半分やらせのようなプロレスの美学を

理解してないのですが、

レスラーの一挙手一投足に

会場全体がワーワー盛り上がるのが

凄く面白いです。

これは誰が見ても面白いはず。

 

 

 

 

 

 

会場を出ると沢山の露店がならび

“ルチャ・リブレ”グッズが並んでいました。

 

長旅なので普段おみやげなんて買わないですが、

どうしても日本にいる甥っ子達に

着て欲しい衝動が止まなかったので

日本に発送してしまいました。

へへへ…。

 

 

 

世界遺産巡り

2024.10.3

【170日目 9,757km】

 

 

宝石を散りばめたような絶景が広がる

グアナファトでは3日間の滞在。

 

ここから首都のメキシコシティを目指してすすむワケですが

道中に待つ個性的な街にも立ち寄りながら南下します。

 

 

 

今日向かう街への近道となるので、

都市間をつなぐ高速道路ではなく

山間の田舎道を行く。

少し起伏もあるけど

交通量が少ないので

景色を楽しみつつのんびり。

 

 

 

すると早々に

道を間違えたことが発覚。

正しい道へ復帰するために

農道をショートカットしたところ

避けようのない水溜りが…。

仕方なく覚悟を決めて前に進みました。

 

 

 

結果、靴も靴下も泥水でビショビショ。

道路脇のガソリンスタンドで

ゆっくり洗いました。

今日は走行距離も短いし

天気も良いのに、

なにをやっているんだ…。

 

 

 

気を取り直し

引き続きペダルを漕ぎだす。

このあたりで遂に

標高は2,000mに到達。

20℃を少し超えるくらいか、

湿気もなくかなり快適です。

 

 

 

メキシコで“UFO”といえば

空飛ぶ円盤ですが、

日清の方も展開されとります。

現地向けのTERIYAKI味なので

日本のモノと全く一緒ではないけど

全然オッケーな味でした。

 

 

 

気持ち良く走っていた午後に

またパンク。

ここ一週間かなり

続いてしまってます。

おかげで修理作業が劇的に

早くなってしまったではないか。

 

 

 

16時前には70kmを走り切り

「サンミゲル・デ・アジェンデ」

に到着。

グアナファトの観光を

終えたばかりですが、

この場所も楽しみにしておりました。

 

 

 

予約していたゲストハウスに

チェックインを済ませると、

中華レストランへ。

大体、¥700~800で

お皿いっぱいに持ってくれるのが

メキシコ流中華料理。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日はゆっくりと街を散策。

実はこちらの「サンミゲル・デ・アジェンデ」。

こないだ訪れたばかりのグアナファトと同じく

世界遺産にも登録されており、多くの観光客が訪れる場所でもあります。

 

トレードマークとなっているのは

中心部に堂々とそびえ立つ教会。

うっすらピンクがかった色も独特で

むしろお城のような佇まい。

 

 

 

教会を中心に

植民地時代の趣を遺した

コロニアル建築の建物が並びます。

グアナファトとは違い

赤と黄の暖色を基調とした

統一感のある街並み。

 

 

 

木造が主流の日本と違い

石造りが主なメキシコですが、

しっかりと温もりも感じるんです。

石のままだと無骨で冷たい印象だから

カラフルな装飾が発展したんだろうか。

街中がホントにおしゃれ。

 

 

 

お昼ごろには

原住民族の衣装を着た人たちの

ダンスが行われていました。

ヨーロッパが持ち込んだ文化と

以前から栄えていた文明の調和。

大陸ならではの光景です。

 

 

 

夜になるとまた違う表情を見せる

サンミゲル・デ・アジェンデ。

ライトアップされた教会は

一層神々しさを増します。

賑やかな街は治安も良く

危なさを感じる場面もありません。

 

 

 

広場には伝統音楽マリアッチを

演奏するバンドがいくつも現れます。

互いの演奏がぶつからない

絶妙な距離であっちでもこっちでも。

弦楽器の重奏と伸びやかな歌声が

涼しい風によく溶け合う。

 

 

 

演奏されるのは

スタンダード曲が多いようで

聴衆の皆さんもお酒片手に

合唱したりダンスを踊ったり。

人々が純粋に楽しんでいる風景に

どこか胸がじわっときます。

 

 

 

 

 

 

 

 

「サンミゲル・デ・アジェンデ」には2日滞在。

さらに南に向けて首都メキシコシティへと近づいていきます。

 

 

 

アラスカを発って

今が一番快適ではなかろうか。

朝晩も寒くないし、

水を飲みまくるほど日中が

暑いわけでもない。

これがずっと続けばどれだけいいか。

 

 

 

出発1時間でまだパンク。

後輪の調子がどうも悪い。

というかグアダラハラ以降

都市が続くからか、

路肩の塵やゴミが多いのが

原因だろうな。

 

 

 

道路脇のお店でランチ。

そういえばタコスを注文しても

「小麦粉か、トウモロコシ粉か?」

を聞かれなくなってきました。

トウモロコシの一択なんだけど

これも地域差だろうか。

 

 

 

目的の街「ケレタロ」

が近づいてきました。

かなり発展した都市なようで

遠くからも高層ビルが見えます。

緩やかな坂を下って

中心部へと向かう。

 

 

 

 

 

到着しました、ケレタロ。

今朝出発したばかりのサンミゲル・デ・アジェンデと同じく

歴史的建造物が残る世界遺産です。

見晴らし台に上ると築200年の水道橋が遠くに見える。

 

ゲストハウスに向かう前に

市街の見所を回ってみることに。

 

 

 

数多い建築物の中でも

見所はこちらの

「サンタクルス修道院」。

900年近くも前に建てられた

歴史ある修道院です。

青空の下、石の壁がよく映える。

 

 

 

ただ“グアナファト”、“サンミゲル~”

そして“ケレタロ”と

世界遺産の街が続いているからか

食傷気味であまりワクワクしない…。

建築のテイストも似てるので

もうお腹いっぱいなんです。

 

 

 

それぞれの街同士が

100km足らずの距離にあり

すぐに到着してしまうのも原因。

バスならたった1時間で着くほど。

観光と自転車走行のほどよい

バランスが大切だと気付きました。

 

 

 

 

 

 

ひと通り街を見ると、どうしても

甘いものが欲しくなったので

3段アイスクリームを食す。

注文してビックリ¥600。

何で3段なんか頼んだんだろう。

ちょっと奮発しすぎた…。

 

 

 

 

 

 

すると大きな荷物を積んだ自転車を見た

店主さんが旅に興味津々。

 

「アラスカから来たのか、スゴイな!

心ばかりだけど応援したいから受け取ってくれ」

ご主人が財布から取り出したのはなんと200ペソ(約¥1,400)。

 

「いやぁ、そんなの悪いよ」とか言いつつ

僕の手はしっかりお札を掴んでいました。

ウフフ…。

 

 

 

宝石箱のような…

2024.09.28

【165日目 9,610km】

 

 

大都市グアダラハラを出発して4日目。

目指す街「グアナファト」まではわずか70km。

昼過ぎには着けるだろうか…。

 

 

 

スタートした宿から30kmほど

走った所で

“レオン”という都市を通過。

かなり発展しているようだけど

ここは特に用事が無いので

走り去る。

 

 

 

グアダラハラ以南は

多くの人口を擁する街が増え

街同士の間隔もかなり近い。

何もない山が数十km続く、

なんてことも

ほとんど無くなりました。

 

 

 

目的地まで10kmほど。

数日にわたり平坦な道が続いたけれど

ここからは若干の山道です。

メキシコでもかなり

楽しみにしていた場所なので

ワクワクしてくる。

 

 

 

そして市街地へ突入。

その景観が有名な街とあって、

中心部へ行かずとも

鮮やかな色をした家が

乱立した様子は

期待を高ぶらせます。

 

 

 

ただ街の中心に向かうには

かつての坑道を利用した

トンネルを通る必要があります。

これが迷路のように

複雑に入り組んでおり大苦戦。

狭いし、暗いし、坂も急だし。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして到着しました「グアナファト」。

住宅やお店がひしめき合っており

狭い路地に車が通り、

観光に訪れた人が闊歩しております。

 

 

 

 

 

 

世界遺産にも登録されているこの街の魅力は

丘の上から全体を見下ろしたこの景色。

 

これまで旅をしてきて

“目に飛び込む鮮やかな色彩”というのが

メキシコの強い印象ですが、

まさにその魅力がぎゅっと詰まった場所です。

 

 

 

さらに遠くの山まで見渡すと

どこまでも家々が広がっています。

かつて銀の発掘で発展した街は

丁寧に区画整理されたというより

とりとめもなく所狭しと

拡大していった様子。

 

 

 

ガイドブックなどでも

“宝石箱をひっくり返したよう”

とも形容されるグアナファト。

見た目にも華やかだし、

見下ろす家にそれぞれの生活が

あると、想像力も掻き立てられる。

 

 

 

 

 

 

この街の楽しみ方は、

入り組んだ細い路地に踏み込んで迷子になること。

 

ぐねぐねと曲がりくねっている上に

階段や斜面も多いので、慣れるまでは

自分がどこにいるのかも分からなくなってしまいます。

 

 

 

寒色、暖色問わず

まさに“色々”な壁の色。

イスラム圏で青が尊重されるような

宗教的な意味合いはさほど無いらしく

シンプルに装飾として塗ってるそう。

陽気なメキシコ人を象徴してます。

 

 

 

路地が狭いばかりに、日中でも

光が届かない場所も多いけど

カメラを構えてるうち

影とのコントラストも

この街の魅力だと気付きました。

鮮やかな建物がより映える。

 

 

 

 

こちらは市街地の中心に位置する「グアナファト大学」。

なんと今も現役の学生が通っている正式な大学です。

世界遺産の真ん中にある学校に通えるなんて

どんなに素敵なことか。

 

 

 

滞在2日目には

マウンテンバイクのダウンヒルが

行われていました。

ものスゴイ勢いで滑降していく

沢山のライダー達。

自転車の乗り方にも色々ある。

 

 

 

沢山の観光客が訪れる街には

楽器を抱えて

バスキングする人も多いです。

こないだお邪魔した家で

ちょっとギターを触ってから

無性にギターが弾きたい…。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなグアナファトの本当の美しさが

味わえるのは日没頃。

散らばった宝石たちがキラキラと輝き始めます。

 

 

 

完全に日が沈むと

街は一層輝きを増します。

メキシコで一番とも称される夜景。

メキシコどころか世界中でも

こんなに豪華な夜景は

そう多くないのでなかろうか。

 

 

 

ちなみに日没待ちの展望台では

テノール歌手の方が熱唱してました。

「写真撮りたいから、そこどいて」

なんて思っても言っちゃダメです。

“オーソーレミーオォーー”って

気持ちよさそうに歌ってんだから。

 

 

 

グアナファトの象徴でもある

バシリカ教会も、夜になると

さらにその存在感を増します。

思えばヨーロッパには

色の塗られた教会というのは

ほとんどないのでは…。

 

 

 

外見に違わず

内部の様子も荘厳です。

造りはこれだけ派手だけど

少し緊張感のある静けさが

教会の良さ。

祈り方も知らずにじっと佇む。

 

 

 

結局3泊もして散策を楽しんだグアナファト。

メキシコ観光の定番であるだけに

しっかり心を奪われました。

 

これから観光地巡りが続きそうですが

ゆっくり楽しんでいきます。

 

 

 

メキシコ独立記念日

2024.09.24

【164日目 9,519km】

 

 

大都市グアダラハラでは3日間の休養。

次に目指すのはこちらも人気観光地の「グアナファト」。

300km足らずなので、3日あれば着くはず。

 

 

 

グアダラハラを出発したのは

日曜日の朝。

この時間帯は街の主要道路の一つが

歩行者天国ならぬ、自転車天国に。

日本の都市でもやって欲しいけど

“碁盤の目構造”じゃないと無理だろな。

 

 

 

街から離れると

緩やかながらも上りが続く。

休養明けのサイクリングは、

疲れが無く調子が良い時もあれば

体がなまって足が重い時もある。

今日はどうやら後者。

 

 

 

基本的には高速道路を走るけど

ランチを食べる時には、

一度下りて町へと向かう。

高速は真っすぐで便利だけど

これがちょっとめんどくさい。

食べるのはもちろんタコス。

 

 

 

午後3時頃にパンク。

小さな針金が刺さってました。

今日は100kmあまりを

走りたかったけど、

どうやらもう無理そう。

荷物の着脱含め30分は掛かる。

 

 

 

修理が完了して、いざ走り出すと

今度は突然の雨。

空模様から嫌な予感はしてたけど。

すぐに雨宿りできないのも

高速道路のデメリット。

それでも安全だから走るんですけど。

 

 

 

 

 

 

これ以上の走行は諦め、

近くの「テパチトラン」という割に大きな街へ。

安宿は無いかと中心部をウロウロしていると、

バイクに乗った青年が声を掛けてくれました。

 

「ウチはバイカー用の無料キャンプ場なんだ。

もちろんサイクリストも歓迎だから、おいでよ!」

 

数年前にアメリカ大陸をバイクで旅しているマリオさん。

“旅人への助けは惜しまないよ”と嬉しい言葉。

 

 

 

突然の誘いを受けそのまま郊外へ。

キャンプ場といいつつも、

空き地に簡易的な家があるだけですが

もともとは宿を探してたので、

無料で泊まらせてもらえるなんて

もう最高でございます。

 

 

 

テント泊のつもりが

「ベッドで寝ていいよ」とのこと。

お湯シャワーあるし、Wi-Fiもあるし

可愛いフレンチブルもいるし

これ以上なんて望めない

素敵な宿に出会ったようです。

 

 

 

雨も上がった

夕暮れ時の西の空。

オレンジと紫のグラデーションに

うっとり見とれる。

こんなことで一日の疲れが癒える。

何でもない町が思い出深くなる。

 

 

 

夕食はマリオさん御用達の

近くのレストランへ。

彼の勧めで注文したのは

「ポソレ」という鶏肉のスープ。

優しい味でとても食べやすい。

爽やかな香りのレモンを絞ってどうぞ。

 

 

 

互いの拙い英語、スペイン語で進めるマリオさんとの会話。

その途中で判明して驚いたのは、

彼の母方のひいお祖母さんが

数十年前に日本からやって来た移民だということ。

それも僕の地元・広島県から。

 

異国の地で偶然出会った彼との距離が

ぐっと縮まったように感じます。

大きいようで小さなこの地球。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グアダラハラ出発2日目。

マリオさんに別れを告げ

グアナファトへの道のりを走り始めます。

 

 

 

3日で着くと思っていた

グアナファトですが

パンクや夕立の影響もあり

もう1日掛かってしまいそう。

急ぐとイライラするばっかりなので

のんびり時間をかけていこう。

 

 

 

マリオさんの助言に沿って

高速道路ではない

田舎道を進むことに。

路肩が無いこともあるけど、

近いうえに交通量も少なく

落ち着いて走ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどお昼に着いたのは「アランダス」の街。

中心部に近づくと耳に入ってきたのは

ドンドンと打ち鳴らされるパーカッション。

目の前には通りを行き交うたくさんの人たち。

 

 

 

今日は9月16日。

およそ200年前に

植民地支配を受けていた

スペインから独立を果たした

「独立記念日」なんです。

街は文字通りのお祭り騒ぎ。

 

 

 

通りには屋台がずらっと並び、

道路には花で鮮やかに飾られた

トラック達がゆっくりと

行進していきます。

お揃いのスーツを着た楽団

“マリアッチ”達が街を賑やかす。

 

 

 

旗を振り、お酒を飲んで

盛り上がる地元の人々。

陽気なメキシコを象徴するイベント。

少し覗くつもりが

年に一度の祝祭を

長いこと楽しみました。

 

 

 

 

 

 

祭りもひと段落したところで街を出発。

すると、前日に続いての夕立。

実は9月のメキシコは雨季。

このところ毎日

かなりの確率で雨が降っています。

商店でしばしの雨宿り。

 

 

 

ただ日本の梅雨と違うのは

朝から晩まで雨というのは無く

午後のどこかで1時間程度

降るくらい。

「雨だから今日は走るのやめよう」

ということはないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

雨も止み、祭りで賑わうアランダから

20km足らずの村にあるお宅を訪ねました。

 

実は今朝別れたばかりのマリオさんから

「電話しとくから、泊まらせてもらうといいよ」

とお友達を紹介されておりました。

 

 

 

二人で仲良く暮らす

“パンチョさん”ご夫妻の庭、

フカフカの芝の上に

テントを張らせてもらいます。

塀で囲まれた敷地の中なら

周囲を気にせずのんびり休める。

 

 

 

晩御飯までお世話になります。

豆を煮たものと鶏を煮たもの。

トウモロコシの粉で焼いた

トルティーヤは

日本人にとってのお米みたいなもの。

どんな料理でも必ずついてきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

グアナファト出発3日目。

朝食を食べつつパンチョさん夫妻とゆっくりお話し。

 

思えばメキシコ本土では完璧な野宿というのはなく、

人のお家や庭でお世話になってばかり。

麻薬戦争、多数の行方不明者、など

物騒なキーワードで語られがちなメキシコのイメージが

大きく変わり始めています。

 

 

 

アガベ畑を横目に

車を気にすることなく

ゆっくりと進む田舎道。

標高は1,700mほどで

気温も日中で25℃程度。

かなり過ごしやすくなりました。

 

 

 

もともと3日行程の予定を

4日に増やしたおかげで

かなりゆとりをもって進むことができる。

ずっとこうして余裕があればいいけど、

のんびりしすぎても

南米のゴール地が寒くなりすぎる…。

 

 

 

昼には「ハルパ」という

町に到着。

わざわざ観光客が足を

運ぶような場所じゃないけど

静かで教会もすごく綺麗。

こんな場所がたくさんあるメキシコ。

 

 

 

ひっそりとした教会の雰囲気には

何となく癒されます。

家にもキリストの絵が飾ってあったり

メキシコ人はかなり信心深いよう。

なんと世界で2番目に

カトリック教徒が多いのだとか。

 

 

 

ランチを済ませ

町を出たとたんにパンク。

たったこないだもあったけど

なんでパンクって続くんだろうか。

穴の場所も違うから

それぞれ違う原因だろうけど。

 

 

 

 

気を取り直して走行再開。

ずっと山が続くと思ってたけど

意外に平坦です。

ちなみに雨季はハリケーンも発生するけど

中央部の標高が高いエリアは

心配ないみたい。

 

 

 

ふと道路脇では

アガベの収穫作業が

行われていました。

この長い柄のついた道具で

トゲトゲをどんどん

落としてくようです。

 

 

トゲの落ちたアガベがこちら。

トラックに次々積み込まれます。

このあたりテキーラの町から

300km程度離れてますが

「ホントの発祥はこの地域だぜ!」

とのこと。

 

 

 

 

 

 

サンフランシスコという街に着き

ホテルにチェックイン。

 

飛び込みで来たけど

ビジネスホテル並みに綺麗な部屋が

¥2,000と、最高のコスパでした。

グアナファトまであと70km。

 

 

 

メキシコ第二の都市・グアダラハラ

2024.09.20

【161日目 9,278km】

 

 

テキーラの原産地“テキーラ”を出発。

メキシコ本土最初の目標としていた

グアダラハラまではわずか70km。

街そのものが楽しみということもあるけど

まずは休みたい。

 

 

 

街を離れても

アガベ畑はかなりの面積に

広がっています。

所々に農家さんが作業をしており

肥料を蒔いたり世話をしてます。

9年てホントすごいなぁ…。

 

 

 

アガベに突き刺された

女性のモニュメント。

コンセプトが全く分かりません。

作者に聞いてみたい。

メキシコはこういった銅像などが

すごく多いです。

 

 

 

醸造所にてアガベが焼かれている様子。

サツマイモをふかしたような

どことなく甘い匂いがします。

これがあの強烈なお酒になる

というのが信じられないよな。

ふかし芋の方が美味しいけども。

 

 

 

午後にはいよいよ

グアダラハラの都市圏に突入。

道路が急に広くなったけど

同時に交通量も極端に増えました。

トラックも多いので

気を付けて路肩を進む。

 

 

 

中心部に近づくと

かなり長い距離に渡って

サイクルロードが敷設されていました。

入国以来ここまで整ったエリアは

走っていないので

新鮮に感じる。

 

 

 

そして、ついにたどり着きましたグアダラハラ!

標高1,500mに位置し、

ここに来るまで上がっては下がる山道に苦戦しましたが

港町マサトランから1週間ほどかけて到着。

 

 

 

 

 

 

まず最初に向かったのは自転車屋さん。

ここで何としても

手に入れておかなければいけないものがありました。

 

 

それがサイクルパンツ。

バハ走行の後半、夜中に干してる間に

犬に嚙まれたのだろうと思います。

最初はほんの小さなピンホールだったのに

一週間あまりでここまで広がってしまった。

人の家泊るのに、こんな奴が来たらヤダ。

 

 

 

ネットでノーブランドの安物を

買ったのも良くなかったです。

内側のクッションもボロボロなので

迷わず新品を購入。

信頼のブランド“スペシャライズド”

(¥6,000也)

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日は早速市内の観光へ。

 

グアダラハラ市そのものの人口は130万人ですが、

都市圏を形成する近郊の街を含めると

なんと500万人規模の大都市であるグアダラハラ。

首都メキシコ・シティに次ぐ国内2番目の大きさだそうです。

 

 

 

人口の多さだけでなく

かつて植民地として支配していた

スペインの面影を

かなり色濃く残しているのも特徴。

観光地としても有名で、

国内外から多くの人が訪れます。

 

 

 

バハ・カリフォルニアから始まり

いくつかの街を通過してきましたが

メキシコの本格的な都市を歩くのは

ここが初めて。

まず目を奪われるのは

やはり歴史的な建造物群。

 

 

 

数多くの建物の中でも、抜群の存在感を示すのが

都市のど真ん中に鎮座する“グアダラハラ大聖堂”。

完成からは400年も建っており

地域で最も古い教会だそう。

 

 

 

中に入れば、祭壇の上部から

鮮やかな色を放つ

ステンドグラスに視線を奪われます。

壁や天井の彫刻も繊細で

言葉を忘れて見とれてしまう。

これが街の真ん中にあるから凄い。

 

 

 

現役で使用されている

市役所庁舎や劇場など、

どれもが長い歴史を持っており

建物自体が芸術作品といえるほど。

アラスカから走ってきて、ここで

初めてヨーロッパの香りを感じます。

 

 

 

 

 

 

中心部から5kmほど離れたところにあるのは

“トラケパケ”という地域。

伝統的な民芸品を揃えたお店がずらりと並びます。

 

 

 

特に有名なのが

ガラス工芸だそう。

お店に足を踏み入れると

メキシコならではの

色彩豊かなオブジェが

壁中に飾られております。

 

 

 

生活雑貨から家の壁まで

とにかくカラフルで明るいのが

メキシコの特徴。

日本の“わびさび”的な感性とは

真逆をいくようです。

ずっと見てられる。

 

 

 

 

 

 

見所の多いグアダラハラの中でも

一番長く滞在したのが中心部の“リベルタ市場”。

中南米全土でも最大級の規模を誇る市場だそうです。

 

 

 

3つのフロアから成っており

吹き抜けを見下ろすとこんな様子。

八百屋からお土産屋、

靴屋に食堂まで

様々なジャンルのお店が

ぎゅうぎゅうにひしめき合ってます。

 

 

 

やはり心を奪られるのが

色彩豊かな雑貨たち。

こんなの部屋に置きたいなぁ、

ということでお土産に

いくつも買ってしまいました。

(空輸にて日本へ発送。)

 

 

 

メキシコのみならず

中南米を代表する音楽ともいえる

“マリアッチ”もグアダラハラが発祥。

平日だというのに

市場の中では楽団の陽気な

生演奏が響いていました。

 

 

 

市場で食べたのは

グアダラハラ名物“アオガダ”。

牛肉を挟んだサンドイッチに

トマトベースのスープをかけたもの。

パンが染みてグジュグジュです。

ちなみにアオガダは“水死体”の意。

 

 

 

 

 

 

 

 

グアダラハラ滞在中、お世話になったのは

Warmshowerのホスト“アルドさん”宅。

二人の息子さんと仲良く暮らしています。

 

半年後に、僕が南下した

バハカリフォルニア半島を自転車で走るそうで

お互い有益な情報交換が出来ました。

 

 

 

アルドさんのお仕事はピザ屋さん。

完成したピザを十代の息子さんが

自転車で届けに行きます。

昼間からせっせと生地をこね

夜の忙しい時間帯に備えます。

今は一日十枚のスモールビジネス。

 

 

 

どこでピザ修業したの?、と聞くと

「YouTubeだよ」とのこと。

そんなんで美味しいのが出来るわけ…、

と疑いつつもご馳走になると

これがホントに絶品!

やろうと思えば何だってできる。

 

 

 

 

 

 

アラスカ出発以来初めてといえるほど

グアダラハラではゆっくりと観光を楽しみました。

バハから海を渡り、

本当のメキシコというのが分かりつつあるように感じます。

 

まだまだ山間部が続きそうですが

引き続きメキシコを南へ下っていきます。

 

 

 

メキシコ名物のアレ

2024.09.15

【157日目 9,278km】

 

 

メキシコ本土を走り始め、学校訪問のため

アマリジョにてひと休み。

引き続き、「グアダラハラ」を目指して進み始めます。

 

 

走るのはほぼ高速道路。

自転車が正式に認められているらしく

料金所でも

「横の方を通ってね」と、

何も咎められることはありません。

起伏も少なく順調に進んでいく。

 

 

 

本土を走り始めて意外だったのは

緑の多さ。

メキシコは乾いたイメージが

あったけれども、

遠くに見える山々は

ほとんど日本と変わりません。

 

 

 

120kmあまり走った夕方に、

「ヒコテ」という集落に到着。

雑貨屋さんのお兄さんに声を掛けられ

「ウチの裏にテント張りなよ」と、

到着3分で寝床が決まりました。

本当に助かる。

 

 

 

日が暮れると、気温が

30℃を切るようになりました。

バハでは暑すぎて

テントで寝られなかったので

これは嬉しい。

蚊が多いのでテント必須です。

 

 

 

 

 

 

 

 

パルミジャス出発2日目。

店主のハイメさんと彼のお友達とのんびり談笑したら

この日も漕ぎ始めます。

 

 

 

フェリーで本土に着いたので

海抜0mからのスタートですが

目指すグアダラハラの標高は

はるか高く1,500m。

泊まっていたヒコテを発つと

本格的な山岳地帯がはじまりました。

 

 

それも傾斜がかなり急で

平坦な道など全くないまま

数十kmを必死に上り続けます。

時に立ち漕ぎをしながら

時速7kmでゆっくりゆっくり。

路肩が広いのが幸い。

 

 

 

上り坂に加えて辛いのが

90%にも達する湿気。

気温は32℃ほどに落ち着いたけど

バハとは違った不快さです。

異常なまでに汗が噴き出る。

快適に走れる地域は無いのか。

 

 

 

14時過ぎには「テピック」に到着。

走行距離はわずか30kmあまりだけど

一日の獲得標高が1,500mにも達し

体はバテバテ。

山が多いとは分かっていたけど

思った以上にしんどい…。

 

 

 

もう少し進んで野宿の予定だったけど

あまりの疲労で、急遽

ゲストハウスに泊まることに。

¥3,000を切る所があり

予約なしですんなり入れました。

滝のような汗をシャワーで流す。

 

 

 

「今日、君一人だからゆっくりしてね」

と家に帰ったオーナーさん。

しーんと静まりかえる宿。

バハのゴール地・ラパスにいた時

YouTubeでずっと怖い話を見てたので

なんだか怖くなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

パルミジャス出発3日目。

疲れ果てたどり着いた宿では結局爆睡。

今日も気持ちよく漕ぎだします。

 

 

すでに標高は1,000mを越えており

この日を境に

一気に涼しくなりました。

また、嫌らしい湿気も無くなり

景色も気候も長野県のような感じです。

一回しか行ったことないけど。

 

 

 

登りばかりだった昨日とは違い

午後には、数kmにもおよぶ

長い長い下り坂が待っていました。

坂はずっと続くものの

このあたりから傾斜が

だいぶ緩くなり始めます。

 

 

 

16時頃、この日の目標である

「イストラン」の街が

目の前に広がりました。

白い壁の家々が並ぶ様子を

遠くから見下ろすのが気持ち良い。

本土は町と町の間隔も近いです。

 

 

 

町へ下りて、中心部の教会へ。

どんなに小さな町でも

必ずと言っていいほど

石造りの古い教会があります。

その多くは時計台を冠っており

遠くからも良く目立つ。

 

 

 

平屋がいくつも並ぶ路地に

日光が差し込むと

思わずカメラを構えたくなる。

メキシコの町には風情があって

角の向こうに何があるだろうかと、

ふらふら歩きたくなります。

 

 

 

町の規模が思ったよりも

大きかったので、

野宿場所を探すのに

手間がかかりそうなので

この日も宿へ。

ちょっと奮発しすぎてるな。

 

 

 

 

 

 

 

 

パルミジャス出発4日目。

通りの屋台でタコスを食べたら、

また高速道路を進んでいきます。

 

 

 

山々に苦しんできたけど

目標のグアダラハラまでも

あと2日。

山道も少しずつ緩くなっているし

疲労は蓄積しているけど

気分は高揚しています。

 

 

 

砂漠ばかりではなく

木々がどこまでも広がる山があり

爽やかな海辺もあるメキシコ。

夏は旅に適した季節ではないだろうけど

結局のところ楽しめています。

はやく都市も見てみたい。

 

 

 

昼には小さな町へ。

1日にいくつも町を通過するので

食料や水を山ほど

持たなくてもいいのが

バハに比べて楽な点。

メキシコ本土、楽しいです。

 

 

 

標高もひと通り上がり切ったのか

なだらかな平原が広がります。

作物が植えられ

広大な畑が山の向こうまで

延々と続いている。

遠くを眺めてのんびり進む。

 

 

 

17時頃、とある町に到着。

町の外れに大きな畑があり、

その畑の観光ツアー(有料)に

参加すれば

敷地に泊まらせてもらえるという

事前情報を聞いておりました。

 

 

 

 

 

 

その畑で育てられているのがこちらの「アガベ」。

日本では“リュウゼツラン”と訳され、

かの有名な「テキーラ」の原料となる植物です。

 

 

 

やって来たこの街の名前は

まさに“テキーラ”。

世界的に有名なお酒ですが

この街こそ原産地なんです。

グアナファト到着前に

ひそかに楽しみだった場所。

 

 

 

春に植えられる“アガベ”の苗。

なんとこちらの畑では

9年もの長い歳月に渡って

大切に育て上げられるそうです。

近くにそびえる火山の存在も

良いアガベが育つ秘訣だとか。

 

 

 

こちらはすでに9年間育ったアガベ。

成人男性としては小さめの僕の身長に

迫るほど大きいです。

(わかりにくい。)

尖った先端は固くて痛いです。

アガベの近くではふざけないように。

 

 

 

こちらは蒸留所にある窯。

特徴的なトゲトゲは

すべて切り落とし、

根元の部分を

何時間もかけて蒸し焼きにし

絞り汁を発酵させ、蒸留させるそう。

 

 

 

こちら完成品のテキーラ。

ただ僕はアルコールアレルギーの

下戸なのでペロッと舐めるだけ。

ご丁寧に説明まで聞いたけど

カァーッとするばっかりで

全然美味しくない。

 

 

 

 

 

 

説明してくださったオーナーのホセさんと。

来春4月、東京で開かれる展示会に出展するため

自身のブランド「プントゥアル」を携えて

来日するそうです。

 

ご興味のある方はぜひ。

ただ、カァーッとするばっかりで

全然美味しくないですよ。

 

 

 

メキシコ本土、走行開始

2024.09.11

【153日目 8,959km】

 

 

バハカリフォルニアのゴール地・ラパスにて休養中。

滞在しているのは今回の旅で初めてとなる“ゲストハウス”。

世界旅行の定番ですが、カナダ・アメリカでは

旅人が集まるような観光地を訪れていないので

泊まる機会がありませんでした。

 

 

 

ゲストハウスの良い所は

大体キッチンが着いている点。

スーパーで買い物をすれば

野菜なり肉なり

自分の望むものが食べられるし

料理をすること自体が楽しい。

 

 

 

砂漠の水不足は深刻なため

手洗いで洗濯するのも禁止でした。

「近くの洗濯屋さん行ってちょうだい」

とのことで、お任せすると

¥800ほどとぼちぼちの値段。

水が無いからと1日遅れでの仕上がり。

 

 

 

写真整理にブログ更新、

船チケット購入などなど

細々した用事をこなすと

2日間の休養日はあっという間。

結局ラパスの街も軽く歩いた程度。

スキューバの名所らしいですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてついに本土へ移動する日。

港は中心街から20kmほど離れていました。

19時発だけど、なぜか16時には乗船しなければならない。

暑さのピークとなる昼過ぎに宿を出て向かいます。

 

 

 

宿を出てほどなく

港方面に向かうトラックに

声を掛けられました。

普段なら断るけど、

今日は港までの小移動なので

ここは甘えてしまいます。

 

 

 

あっという間に港に到着。

19時に出港して

対岸のマサトランに着くのは明朝9時。

つまり船で夜を越すことになります。

普段自転車ばかりだから

ちょっとワクワクする。

 

 

 

ちなみにチケットは1万6千円。

もっと安く、日をまたがずに着く

船会社もあったけど

なかなか経験しない船旅を

楽しみたかったんです。

どんな部屋だろう…。

 

 

 

期待を胸にキャビンへ向かうと

飛行機のように椅子がズラリ。

実は、一番安いチケットでは

ベッドなどなく椅子だけ。

「ウソでしょ、船旅楽しみだったのに…」

スペイン語が理解しきれない為の失敗です。

 

 

 

乗り込んでしばらくすると

まだ出港前だというのに

食事の配給が始まりました。

ビーフの煮込みとトルティーヤなど。

メキシコ人の「そんなに辛くないよ」は

僕にとってはめっちゃ辛いです。

 

 

 

やがて日も暮れた頃に船は出港。

座席を倒しても、やはりじっくりとは眠れず

寝たり起きたりを繰り返しながら朝を迎えました。

 

 

 

朝の9時の到着したのは

海辺の観光地でもある「マサトラン」。

船上から街を見渡すと

高いビルも立ち並び

賑わいが感じられます。

メキシコ旅も次なるステージへ。

 

 

 

船の上で仲良くなったのは

自転車好きのフアン&カルロスさん。

バハの各所を自転車で走った

帰りなのだそう。

インチキスペイン語をなんとか

聞きとってくれました。

 

 

 

 

 

 

フェリーを降りたら、

勢い良くペダルを漕ぎ始める予定だったけど

椅子で寝たせいで、体が痛くイマイチ眠れてないので

今日は無理せずマサトランにて一泊してくことに。

 

 

港近くのホテルにチェックイン。

すぐに走れるよう朝到着の便を選んだのに

結局宿をとることになるなんて…。

言葉が上手く話せていれば、と思うけど

こういう小さなトラブルこそ

旅の醍醐味だと納得することにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

宿のベッドでぐっすり眠った翌朝。

気を取り直して、いよいよメキシコ本土を走り始めます。

ここからまず目指すのは国内一大観光地である「グアダラハラ」。

5日もあれば着くだろうか…。

 

 

 

船で出会ったフアンさん達の

アドバイスに従って

“オウトピスタ(高速道路)”を

走ることに。

多くの区間は無料で

路肩がしっかり確保されてます。

 

 

 

「メキシコの高速なんて危なそう…」

と思っていたけど、

交通量はそんなに多くないし

スピード出す人もそんないないので

のどかな景色を眺めつつ

とても快適に走ることができます。

 

 

 

昼は町に着いてランチ。

まだ走り始めたばかりだけど

バハに比べると、

小さな集落でも人が多くて

活気があるように感じます。

バハが田舎だったんだろうな。

 

 

 

半島に比べると若干気温は下がり

30℃ほど。

少しは快適かと思いきや

こんどは体にドロっとまとわりつく

湿気がひどい。

日本の梅雨時のような不快な暑さ。

 

 

 

120kmほどを走って

夕方に「パルミジャス」

という集落に到着。

怪しい雲行きが気になってたけど

やはりしばらくすると

雨が降り始めました。

 

 

 

雨宿りもかねて飛び込んだ食堂。

日も暮れて雨も止まないことから、

閉店後にこの軒下で

寝させてもらいないかと

店主のおばあちゃんに

相談しました。

 

 

 

 

 

 

すると、いとこの家にベッドが空いてるからと

そちらで寝かせてもらうことに。

不安だったメキシコ本土での野宿ですが

なんと初日から幸運に恵まれました。

 

 

 

しかも、いとこの“ショーンさん”は

(↑上写真右側)

小学校の先生をされているとのこと。

話は進み、

翌日は学校の授業に

お邪魔することとなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

集落の外れにあるのは100人あまりが通う公立中学校。

ショーンさんと一緒に朝7時前に来ました。

やたら早いから授業準備かなと思ったら、

なんと1時間目の始業が7時だそう。

 

 

 

各クラス10~20人ほど。

自己紹介をすると

生徒の子供たちは

旅について、日本について

あれこれと質問をしてくれました。

最終的に4つの授業に参加。

 

 

普段は英語を教えている

ショーンさんですが、

この日は近く行われる行事で

披露するダンスの練習を行っていました。

中学生にあたる子供たちですが

みんな素直で良い子そう。

 

 

 

楽しいひと時を終え

午前中で授業は終了。

午後からはショーンさん宅で

のんびりさせてもらうことに。

ただ、暑いしジメジメするしで

家の中にいても汗をかいてしまう。

 

 

 

ショーンさんお手製の晩御飯で、

食べよう食べようと思いつつも

出会えていなかった

サボテン(ノパル)を食べました。

炒めものだと味ははっきりしないですが

ネバっとした食感が独特。

 

 

 

 

 

ということで、メキシコ本土編に突入しました。

 

1日走っただけで、嬉しい理由での足止めもあり

これからの旅路にも期待が高まります。

ショーンさんありがとう!

 

 

 

バハカリフォルニア走破!

2024.09.7

【147日目 8,827km】

 

 

暑さにあえぎながら辿り着いたのは「ロレト」。

当初キャンプ場に泊まる予定でしたが、

熱帯夜による睡眠不足を考慮して宿をとりました。

 

 

 

エアコンの効いた部屋で

ベッドに埋もれる幸せ。

メキシコのWi-Fi環境はかなり良く

宿泊施設は当然の事、小さな食堂ですら

ネットワークを備えている確率が

かなり高いです。

 

 

 

到着翌日は休養日。

ロレトは“新大陸”西部への

キリスト教布教の拠点となった街。

中心部には石造りの教会が

堂々と構えています。

天気は毎日快晴。

 

 

 

ただ、炎天下での観光は地獄。

そもそも他の観光客なんて

ほとんどいないし、

お土産屋の人達も

日陰でぐでぇっと横になってます。

すぐ宿に戻ってのんびりしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、体力も回復してロレトを出発。

目指すはここから400km南の「ラパス」。

バハカリフォルニアの南端にある港町です。

 

 

 

出発からほどなくして見つけた商店で

めったに飲まないエナジードリンクを

補給しておきます。

今日は標高500mを一気に登る

峠が待ち受けている。

暑くなければ何でもないんだけど。

 

 

 

昼前にいよいよ峠越えの始まり。

バハも後半になるけど

結局、ほとんどの道に

十分な路肩はありませんでした。

まあ交通量自体が多くは無いので

危険を感じることも少ないですが。

 

 

 

ギアを一番軽くして、

時速6kmくらいで

じわりじわりとペダルを踏み込む。

振り返ったときの

曲がりくねった坂に

達成感を覚え、また上を目指す。

 

 

 

メキシコの道路脇には

よく祠のようなものがあります。

影で見えにくいですが

中に祀ってるのは聖母マリア。

ベンチを置いてあることも多いので

座って休ませてもらう。

 

 

 

意外とスムーズに峠を上り切り

60kmを走った所で食堂を発見。

まだ15時だし走れそうだけど、

この先に何もない砂漠が数十km

続くようなので、今日はここに

寝かせてもらえないか、お願いする。

 

 

 

100ペソ(約¥700)で

泊ってもいいよ、とのこと。

シャワーもあるようなので

泊まっていくことにします。

風通しも良く涼しい屋内で

休めるのが嬉しい。

 

 

 

営業中だというのに

広々と絨毯を敷き

くつろがせてもらうことに。

結果的に19時の閉店まで

ほとんどお客は来ませんでした。

大丈夫なのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

ロレト出発2日目。

食料も持ってるけど、売り上げ貢献のために朝食を注文。

まあ美味しいんだけど、豆と炒り卵で¥700は高いなあ…。

 

 

 

昨日の峠を上ってからは

ほとんど平坦な道が延々と

伸びていました。

いくつものサボテンが

どこまでも生えているわけでもなく

だいぶ退屈な道が続く。

 

 

 

バハカリフォルニアで涼しかったのは

海沿いの街エンセナダくらいで

結局、全行程3週間のうち

ほとんどを暑さに苦しみながら

走っています。

常に冷たい飲み物を求めている。

 

 

 

砂漠に現れるこんな商店に

いつも助けられています。

掘っ立て小屋みたいなお店でも

ちゃんと冷蔵庫があって

冷たい飲み物を用意してくれてるから

なんとも嬉しい。

 

 

 

昼には町に到着し、

路肩の屋台にてタコス休憩。

汗だくで食欲無いのに

焼きたてのタコスは

食べれちゃうんですよね。

すっかり魅了されてます。

 

 

 

午後からも

代り映えのないまっすぐな道を

ひた走る。

サボテンの絶景を堪能したバハも

もう終わりに近づいているようで

ちょっとだけ寂しくなる。

 

 

 

16時前には100kmを走り

「コンスティテューション」という

街に到着。

予想以上に栄えており

ヤシの木が並ぶ

綺麗な街のようです。

 

 

 

通りにいくつもホテルが並んでおり

試しに値段を聞いてみると

¥3,000ほどと

意外に安いことが判明。

今日は野宿の予定だったけど

宿に入ることに決定。

 

 

 

気温の下がらない熱帯夜が

何日も続くことで、

夜が来るのが嫌にすら

なりつつあるここ数日。

朝まで目を覚まさずに

眠ることがこんなにも尊い。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロレト出発3日目。

今日はひたすらに砂漠を走っていく行程。

 

 

 

アメリカ国境から1,500kmも

離れていたラパスが

あとほんの155km先に。

順調にいけば

明日には到着できそう。

予定通りにここまで来れました。

 

 

 

アメリカ・カリフォルニア州では

46℃のヒートドームに苦戦しただけに、

35℃なんて余裕と思ってましたが

最後までヘロヘロになりながら

何とか進んでいるという状態です。

観光をする元気すらない…。

 

 

暑いばかりに野宿でなく

宿に泊まることも多かったぶん

地元の方との交流も

最低限に留まり、

町から町への移動ばかりとなった

バハカリフォルニアの旅。

 

 

 

110km近く走ったこの日の夕方。

道路わきの食堂で食事を済ませ

店主の人に、

ここで寝ても良いかと尋ねる。

快く許可をくれて

裏の敷地に寝させてもらうことに。

 

 

 

家の横にはズラリと

牛肉が干してありました。

メキシコに入ってから

ビーフを食べる機会が

すごく多いです。

タコスは圧倒的にビーフが美味しい。

 

 

 

水辺が無く蚊がいなければ

テントすら立てず、

絨毯の上にごろんと寝てしまいます。

この日は吹く風も冷たく

気持ち良く眠ることが出来た。

いよいよ、バハ走行もあと1日。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロレト出発4日目。

若干ながらも起伏があり、朝から汗を流して進む。

 

 

 

商店のベンチでちょっと休むつもりが

30分近く寝落ちしてしまう。

確実に疲れは溜まってます。

でもこの日の光を避けて

日陰で休んでいる時間は

最高に気持ちが良い。

 

 

 

ゆるやかな坂を上り続け

昼過ぎには峠の頂きに到着。

ここを下ればもうラパスは

すぐそこ。

達成感もあるけど、

何より早く宿で休みたい。

 

 

 

向こうには数日振りに目にする

カリフォルニア湾が。

来週にはこの向こうの

メキシコ本土を

走り始めているのか。

先の事を考えるといつも不安。

 

 

 

街の郊外で食堂を発見。

かなり久し振りに

お米を食べる。

これがかなり美味しかったけど

メニューの名前を覚えてない。

またこんなの食べたいから調べとこ。

 

 

 

坂を下り切ってから

さらに10kmほど進むと

いよいよ市街地へやってきました。

ここまで人や車が多いのは

国境付近のエンセナダ以来。

バハは大きな街も少なかったな。

 

 

 

 

 

 

バハカリフォルニアのゴール地・ラパス、到着しました!

 

まだメキシコ入国から一か月も経ってないですが、

すごく長く感じています。

メキシコに対する漠然とした不安があり気疲れしたのでしょうか、

とりあえず初めのパートを無事に走り切りホッとしています。

 

ここで船を待ちつつひと休みしたら、

いよいよメキシコの本土へと渡っていきます!

 

 

 

バハを南へ進む日々

2024.09.1

【142日目 8,466km】

 

 

熱中症の疲れをとるためにも

ゲレロネグロの町では2日ほどお休み。

足の重さは残っているものの、疲労は絶えず付きものなので

全快を待たず

再び南に向けて漕ぎ始めます。

 

 

 

ここからバハカリフォルニア半島も

後半戦に突入といったところですが、

景色はこれまでと変わらず

サボテン砂漠。

もう半島にいる間は

最後までずっとこれなんだろうな。

 

 

 

そして砂漠の真ん中に現れる町にて

お昼の休憩。

メニューなんやかんや書いてるけど

聞くとタコスしかない。

 美味しいからいいんだけども、

もっといろんなメニューに挑戦したい。

 

 

 

この日は、アラスカ出発以降

一番といっていいほど、

まっ平らな道のりでした。

坂もなく風も吹かなければ

時速25kmはでます。

勢いに乗ってぐんぐん進む。

 

 

 

出発時、全く意気込んでなかったのに

今回の旅の一日の最長距離144km

を走破してしまいました。

しかもまだ夕方16時半、

サンリノという小さな集落に到着。

さらに砂漠が続くので今日はここまで。

 

 

 

事前情報に従って向かったのは

「La Casa del Cyclista」

“サイクリストの家”という場所。

一般のお家なのですが

100ペソ(¥750)で

サイクリストを泊めてくれるそう。

 

 

 

庭先にテントを張らせてもらいます。

さらにシャワーもWi-Fiもついて

大助かり。

夕食は久しぶりのインスタントラーメン。

メキシコに浮かれ奮発しすぎなので

“1日1タコス”ルールが制定されました。

 

 

 

 

 

 

 

 

メキシコで大変なのは飲料水の確保。

 

アメリカ・カナダでは簡単に手に入った水ですが、

メキシコの水道水はとてもじゃないけど飲めたものじゃありません。

ということで各家庭はこちらの「ガラフォン」という

10Lの大きなボトルを購入して飲料水としているのだとか。

 

なので道中は1.5Lのペットボトルを購入するか、

このガラフォンから頂けるときは頂いて走っております。

 

ちなみに走行中は3L程度持ち運んでいます。

地図を見る限り、メキシコは1日中ずっと町がなく

補給ができないことはなさそう。

 

 

 

ゲレロネグロ出発2日目。

昨日ずっと平らだった分、

今日は朝からなだらかながらも

起伏があります。

そして、海辺のゲレロネグロを離れて

また暑くなり始めました。

 

 

 

いくつかの坂を越えた昼前、

目の前に真っ青の海が広がりました。

こちら半島の東側「カリフォルニア湾」。

すかっと気持ちの良い景色な気がするけど

太平洋側と違い、熱気がこもって

全く涼しくないです。

 

 

 

海沿いにやけに鳥が多いな、と

思っていたら

大規模なゴミ捨て場がありました。

ちゃんと管理されてるんだろうか、

異臭がすさまじいです。

暑さもあいまって、くらくらする。

 

 

 

さらに少し走って

「サンタロサリア」という町へ。

この時の気温は32℃。

最近の世界情勢を考えると

大したことない数字に感じてしまうけど

かなり暑いです。

 

 

 

そして今日のタコス。

海辺の町の定番は

白身魚やエビのフライ。

これに唐辛子のソースをかけて

ライムを絞るのが美味しいんです。

一つでおよそ¥300。

 

 

 

引き続き海沿いを南へ。

左手に海を臨むけども

風も吹かないし全然気温が

下がらない。

バハカリフォルニアの後半、

暑さとの戦いはまだ続きそうです。

 

 

 

90kmほど走った所で

海辺にキャンプ場を発見。

ところが受付が見当たらず

係の人も誰もいない。

勝手に泊ってしまうことに。

シャワーも浴びれたしラッキー。

 

 

 

夜になってもなかなか気温は

下がらず30℃。

暑さにうなされながらふと

頭上を見上げると、

これまでの旅路でも

最高の星空が広がっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲレロネグロ出発3日目。

テントの向こうには空を綺麗に染め上げる朝焼け。

ただ熱帯夜が続いているので、基本的に夜は熟睡できません。

日毎に疲労は溜まっていく。

 

 

 

ただ良いのか悪いのか、

どれだけしんどくても

サドルにまたがってしまえば

足は動いてしまうサイクリストの性。

9時5時で働く公務員のように

今日もきっちり走っていきます。

 

 

 

ルート上、最も暑くなると

予想していたのが

アメリカ南部からメキシコにかけて。

予想はしていたものの

やはり実際に走ると

決して楽ではない。

 

 

 

アラスカの寒さも厳しかったけど、

着込むことで夜は眠れていました。

あの時は「早くメキシコへ」と

ずっと考えていたけれど

今は雪山の景色が懐かしい。

道端で出くわすクマが恋しい。

 

 

 

せっかく世界を旅してるのに

よその土地に想い焦がれるなんて

もったいないとふと考えてしまう。

寒さに耐え、暑さを忍んで進んでますが

各土地の快適な時期に

旅行をした方がいいと思います。

 

 

 

カリフォルニア湾の海沿いは

起伏が激しいけれど、

透き通ったビーチを楽しめる

バカンス地にもなっています。

アップダウンを繰り返すたびに

次のバカンスホテルが姿を現す。

 

 

 

ふと道路の横を見ると

サボテンのてっぺんにちょこんと

乗っているのはコンドル。

20羽ほどのコンドルが皆

同じ方向を眺めていました。

なにを考えてるんだろうか。

 

 

 

90kmを走った1日の終わりに

ビーチに建つレストランを発見。

この日は営業してないものの

アメリカ人のオーナーさんに

宿泊許可を頂きました。

しかも、シャワー付き。

 

 

 

治安面も含め心配だった

メキシコの宿泊事情ですが、

バハカリフォルニアに関しては

毎日スムーズに

野営場を見つけられています。

砂漠地域が広いからかもだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲレロネグロ出発4日目。

蚊も出ないので、ビーチに絨毯とマットだけ敷いて

寝ていました。

 

実はオーナーさん曰く、

「このビーチでは、深夜の1時から3時頃

東の空に不規則に動く光が観察される」とのことでした。

 

暑さで上手く眠れないこともあり1時頃起きてたのですが

残念ながら何も発見できず。

メキシコ滞在中、UFOを目撃することはできるでしょうか。

 

 

 

引き続き今日も海沿いを進みます。

暑さには悩まされているものの

思いのほか順調な

メキシコ旅。

どこか淡々と日々が

進んでいるように感じる。

 

 

 

午前中、割と大きな峠があり

自転車を押しながらなんとか

乗り越えました。

ただバハカリフォルニア、

どこを撮ってもサボテンばかりで

山の過酷さが伝えられない。

 

 

 

助かるのが、

こんなに広い砂漠でも

何故かポツンと商店や食堂が現れて

最低限の補給が出来てしまうこと。

100km以上の無補給は

ほとんど無いのではなかろうか…。

 

 

南に下りるにつれて

徐々に気温が上がっているようです。

午後になるとものすごい汗が。

半島から本土に移れば

若干なりとも暑さは和らぐようなので

はやくバハを走り切りたい。

 

 

 

夕方、飲み物目当てに寄った商店で

お母さんがサボテンのトゲを

取り除く作業をしてました。

一つ頂いたけど、

そのままでは味もないし微妙。

サラダに入れると美味しいそうです。

 

 

 

 

 

 

そして100kmを走り「ロレト」に到着。

 

あまりに睡眠がとれていないので

この街で少し休むことにします。

バハカリフォルニアの最終地・ラパスまで

あと400km。

 

 

 

サボテン砂漠で暑さにやられる

2024.08.27

【138日目 8,042km】

 

 

バハカリフォルニアの砂漠の真っ只中、

道脇に佇む商店の隣にテントを張らせてもらい一泊。

 

目を覚ましテントを出ようとすると、

「あれ、サンダルが片っぽない…」

周りを見回すと、飼われてるのか

野良なのかわからない3頭の犬。

 

英語もスペイン語も通じない相手に問い詰めようもなく、

周辺を探すも見つからず。

悔しいけどあきらめることにしました。

“犬にしがまれる”という第二の人生を精一杯歩んでください。

 

 

 

 

前日同様、乾ききった

荒野の山間部を進み始めます。

ただ標高はこれ以上あがることなく、

アップダウンを繰り返しつつも

道は真っすぐと続いているようです。

車はかなり少なめ。

 

 

 

道の脇には背の高いサボテンが

たくさん生えています。

イメージしていた通りの

メキシコの砂漠の風景。

青空に向かって

高々と真っすぐ伸びている。

 

 

 

 

昼前、道端にカフェを発見。

ドリンクを買おうとするも

財布には500ペソ札しかなく。

(およそ¥4,000相当)

「そんな大きい金額、お釣りがねぇよ」

と店主。

 

 

 

アジアやアフリカの途上国でもあったけど、

お金はあるのに買い物ができないという状況。

ボロボロのお店で当然カードも使えるはずはなく。

残っていた米1ドル札で何とかまけてもらいました。

まだ頭がアメリカからメキシコモードに変換できていない。

 

 

 

南北300kmにもなる

砂漠の一本道。

正午を過ぎ太陽が真上から

照り付けるとかなり暑い…。

喉がからからに乾いても

ひたすら前へ。

 

 

 

15時頃に「カタビニャ」という集落へ。

予想以上に小さな村だけど、

最低限の商店はあって

冷蔵庫で冷えたドリンクで喉を潤す。

こんな砂漠のど真ん中で

どうやって暮らしてるんだろう…。

 

 

 

食堂もあり、

遅めのランチをとることに。

これだけ暑くても

トルティーヤは美味しい。

アメリカに比べてタンパク質が

かなり摂りやすくなったな。

 

 

 

さらに夕方からもうひと踏ん張りして

進むことに。

サボテンと岩に囲まれた

独特の道を走る。

暑くさえなければじっくり

写真でも撮って行きいたいくらい。

 

 

 

18時頃、道路わきの

人目を避ける場所で

テントを張ることに。

この日も35℃くらいでしょうか、

日が暮れても気温が下がらず

暑いまま…。

 

 

 

地面に寝そべって星を眺める。

ただ、肉眼では割と綺麗なんだけど

ちょうど満月で上手く撮影はできず。

サボテンと星のコラボ撮りたかったのに。

夜が更けても煌々と明るい

砂漠の夜でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、目を覚ますとビックリ。

テント内に数えきれないほどの

アリがいるではないか!

 

どこから入ったのかと必死に探すと、

なんとテント底面の布が食い破られていました。

適当に置いていた菓子パンの匂いに誘われ集まったよう。

(※本当に焦って夢中で処理したので写真がありません)

 

 

 

他にも未開封の状態で

ジップロックに入ったシリアルバーも

袋が破られ山ほどたかっていました。

過去の野宿経験でも

ここまでアリにやられたのは

流石にはじめて。

 

 

 

加えて自分自身の体にも異変が…。

僕は超朝型人間なので

起きたらテキパキ行動できるのですが、

今日はどうにも体がだるい。

漕ぎ始めても

いつにも増して足が重い。

 

 

 

でも気分が悪いわけでもなく

ただ体が重いという感じ。

しかし砂漠の真ん中でうだうだ

考えても仕方ないので

目の前にある道をただただ

進むことに専念する。

 

 

 

昼前、道の脇に小綺麗な

レストランを発見。

疲れた体にタコスが染み込む。

食欲ない気がするけど

体が肉を求めてるんだろうな。

ペロリと平らげてしまいます。

 

 

 

ひと休みして、また漕ぎ始めると

やはりいつものようには

体が動かない…。

意識ははっきりしてるのに。

ここでふと、冷静に気づきました。

「あぁ、多分コレ熱中症だ」

 

 

 

自転車旅をしてると

不思議なもので毎日100km漕げてしまいます。

“ランナーズハイ”的なものなのか、

何日も続けて走ってる時こそ逆に調子が良かったりもして。

 

アラスカから数千kmを走ってきて

「今日はもう無理」なんてことはほとんど無いんです。

だからこそ、この時は異常でした。

間違いなく体が進みたがってないのが分かる。

 

 

 

普段一日走り終わると

炭酸ジュースを飲むんですが、

脱水症状気味になると

これが喉を通らなくなるんです。

もうスポーツドリンクしか飲めなくなる。

色んなカタチで体はサインを出している。

 

 

 

そんな時、アメリカから仕事で来た

ドライバーさんから水をもらう。

水もだけど、英語を話せるとホッとする。

まだ国境も近いし、メキシコの人って

割と英語話せると思っていました。

予想以上に英語は通じません。

 

 

 

ところどころに現れる商店で休みつつ、

なんとか予定の集落を目指す。

今日もおそらく熱帯夜だから

テントで寝られる余裕なんてない。

はやくベッドに倒れこみたい。

ただ無心で前へ前へ。

 

 

 

そして夕方6時前、

「プンタ・プリエタ」到着。

モーテルを見つけ、

フラフラになりつつ

なんとかチェックインを済ませました。

そして部屋の扉を開けようとすると…

 

 

 

ドアノブを掴んだ腕の筋肉が

シュルシュルと縮んでいく感覚。

「あーーー!!つるつるつる!つる、つるうぅーー!!」

 

 

 

後ほど落ち着いて調べてみると

“筋肉のけいれん”や“こむら返り”は

典型的な熱中症の初期症状だそうですね。

今日ずっと足が動かなかったのもこのせい。

水分・塩分不足はもちろん

暑さで上手く眠れてないのも良くないみたい。

 

 

 

 

 

 

続く朝も体のダルさは取れていないけど

今日走ればスーパーのある町に着けるので、

気合を入れてなんとか漕ぎ始めます。

 

 

 

砂漠に突入してから3日目。

横を見ればこんな景色が

延々と広がっています。

この向こうに海がある。

全部脱ぎ捨てて

ジャボンと飛び込みたい。

 

 

 

これまでの旅の経験で

寒い方が絶対しんどいと

思っていましたが、

必ずしもそうでもないかもしれない。

氷点下のアラスカでも

走行中に凍えることはなかったし。

 

 

 

途中、軍隊による検問がありました。

自転車の荷物を検査されることはなく

「ここで休んでいきな」と

冷たいドリンクを頂きました。

しんどい時だからこそ

人の優しさが心と体に染み渡る。

 

 

 

ペダルを強く踏み込むような

上り坂がなかったこともあり、

思いのほかスムーズに100km走破。

この日の目標としていた

「ゲレラ・ネグロ」に着きました。

ちょうど半島の真ん中あたりです。

 

 

 

海辺の町はホエールウォッチングの

有名スポットだとか。

町の入り口には、大きなクジラの

骨格が飾られていました。

せっかくだし見たいな、と思ったけど

日本も太平洋に面してるし見れるよな。

 

 

 

すぐにモーテルへチェックイン。

300kmの砂漠を抜けた

疲れを振り払うように、

ベッドに倒れこみました。

流石にすぐ動けそうにないので

しばらく休みをとることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日。

ゲレラ・ネグロの町そのものにはさほど見所が無いようで

ガランとしており、人も少ない。

熱中症による疲れもひどいので、完全なる休養をとりました。

 

 

 

これまでゆっくりと見れていないスーパーを覗いてみます。

2か月続くメキシコ旅の物価チェックをしておかねば。

※現在、メキシコ1ペソは8円弱。

 

 

 

玉ねぎ1つ¥110、

リンゴが1つ¥250。

肉はもちろん種類によるけど

大体100gが¥80~110。

コカ・コーラ600mが¥140、

1リットルの水も¥140。

 

 

 

牛乳1リットルあたり¥180、

卵10個あたり¥260。

つまりスーパーに並ぶものは

ほとんど日本と同じくらいなんです。

食事も安い食堂でも1食につき

¥1000弱はしてしまう。

 

 

 

 

メキシコは何となく物価の安いイメージがあり、

ほぼレストランに行けなかったアメリカ・カナダの反動で

タコスを食べまくっていますが、

これを続けてしまうわけにはいかない。

 

アメリカを出て安心したけど

まだまだ貧乏旅をしなければいけないようです。

 

 

 

メキシコ走行開始!

2024.08.23

【133日目 7,731km】

 

エンセナダではのんびり3日も滞在。

情報を整理して準備を整えると

バハカリフォルニアを南へと下っていきます。

いよいよメキシコ本格走行開始。

 

 

 

国境のティファナからエンセナダまでは

無機質な高速道路沿いを

進んでいたので、

ここから本格的にメキシコという

国を走り始める感覚。

期待半分、不安半分。

 

 

 

いつくもの集落を通過していきますが

とにかく埃っぽい。

砂まみれの道であるうえ

交通量が多いから

景色がくすんでみえます。

トラックが横通ると特にヒドい。

 

 

 

海沿いということもあって

空気が滞留しないからか、

昼過ぎでも気温はおそらく30℃ほど。

汗が滝のように流れることもなく

快適に走ることが出来ます。

田舎道は特に気持ち良い。

 

 

 

80kmほど走った「サン・ビセンテ」

の集落にてモーテルへ。

エンセナダのトーマスさん宅の

水道の調子が悪く4日ほど

シャワーを浴びれておらず。

どうしても浴びたかったんです。

 

 

 

1泊が¥3,000あまり。

1万円以下では泊まれなかった

アメリカと比べると

一気に安くなりました。

温水も出てWi-Fiもついて

十分快適です。

 

 

 

夕食は近くの食堂へ。

なんやかんやメニューが並んでいますが

基本はトルティーヤで包む具材を

何にするか、というチョイス。

ビーフとチキンが定番のようで

ケサ(チーズ)が入れば絶対美味しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

エンセナダ出発2日目。

宿の前の屋台で朝食を済ませます。

やっぱり路上で食事が食べられる国が好きだ。

 

 

 

運転が荒いのでは、と懸念していた

メキシコのドライバーですが

なんらアメリカ・カナダと変わりません。

猛スピードで追い抜かされることも

ものすごく接近されることもなく。

ボロボロの車は多いけど…。

 

 

 

 

 

お昼には小さな集落

「エヒード・プンタ・コルネット」

に到着。

多少スペイン語は勉強してきたけど

メキシコは料理名や地名が

長くて難しすぎます。

 

 

 

タコスやブリトーは

生野菜をしっかり摂れるのも

嬉しいところ。

トマト、玉ねぎ、パクチーにキャベツなど。

“ワカモレ”というアボカドを

すり潰したものは必須です。

 

 

 

ランチを済ませるとお昼寝タイム。

エンセナダのお土産屋さんで

絨毯をゲット(¥2,000)。

乾燥した地域だと

日陰がすごく涼しくて気持ちがいい。

1時間近く爆睡しました。

 

 

 

バハカリフォルニア半島は

“1号線”が貫いており、

南北に移動するには

ほぼこの道路しかありません。

必ずしも整備状況が良いわけでなく

路肩が無いこともしばしば。

 

 

 

目的の町「サン・キンティン」

が近づいた夕方。

予想を超えて栄えており

一気に交通量が増えてしまった。

みんなゆっくりだから危なくはないけど

かなりすれすれを追い越されていく。

 

 

 

昼寝のし過ぎで到着が

遅くなってしまい、賑わう街に

野宿場を探す余裕が無くモーテルへ。

アメリカより安いとはいえ

毎日数千円を使うわけにはいかない。

気を引き締めねば。

 

 

 

そして、タコスでも何でも

1食¥800ほどは掛かってしまいます。

物価大国アメリカのせいで

感覚がマヒしてますが

実は今のメキシコ

ものすごい安いわけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

エンセナダ出発3日目。

気を引き締めねば、とか言ってるそばから

食堂にて朝食。

だってメキシコ料理の誘惑が…。

 

 

 

向こう側に見える太平洋。

曇り気味なこともあって

午前中のうちは少し寒いほど。

ただ今日は内陸の砂漠に

突入するので、海ともお別れ。

暑くなっていくんだろうな…。

 

 

 

海に沿って南に向いていた道が

内陸側に曲がると

山が増えて、道の起伏も

激しくなって来ました。

時には自転車を押しながら

せっせと進んでいく。

 

 

 

 

昼には「エル・ロサリオ」

という集落に到着。

スーパーもあるので

これから向かう砂漠に備え

食料や水などの

買い出しをしておきます。

 

 

 

午後からいよいよ山間部へ。

これまで一定間隔で集落がありましたが

ここから300km近くは

砂漠地域広がっています。

海から離れることで

気温も上がり始めました。

 

 

 

メキシコ入国以来、

涼しい日が続いていたけど

このあたりから気温は35℃。

アリゾナの災害級の暑さじゃないにしろ

やっぱりしんどいです。

熱くなった水で喉を潤す。

 

 

 

最も高い場所でも

標高800mほどだけど、

いくつもアップダウンを繰り越すので

1日の獲得標高は1,000mを

越えます。暑くさえければ

なんてこと無いんだけども…。

 

 

 

夕方、荒野のなかにポツンと佇む

商店を発見。

トラック運転手向けでしょうか、

おじさんが一人で営んでいました。

冷蔵庫もあり冷たいドリンクを買って

今夜はテントを張らせてもらうことに。

 

 

 

モノに溢れ便利すぎるアメリカ・カナダから

やって来た国メキシコ。

 

物価も高いのか安いのか分からないまま

あれこれと手探りですが、

なんとか前に進み順応していきます。

 

 

 

33ヵ国目・メキシコ

2024.08.19

【129日目 7,440km】

 

 

アメリカ最後の街・サンディエゴにて

しっかり疲れを癒すと、いよいよ国境越え。

楽しみでもあるけど、やっぱり不安もあります。

 

 

 

街の南にある国境までは

わずか40kmあまり。

「自転車コースがあるから

オレも一緒に走って案内するよ」

と、ホストのショーンさんと共に

青空の下を進みました。

 

 

 

途中で、フランスからやって来た

ファミリーサイクリストと遭遇。

実は今夜ショーンさん宅に泊まることに

なっている次のゲストさんでした。

家族5人でメキシコを下っていくそう。

メキシコでまた会えたりして。

 

 

 

ショーンさんとも別れ、

サンディエゴ中心部から

さらに南へ下り続けると

大きなショッピングモールが現れました。

この辺りが国境らしいけど、

よく分からないので人に聞いてみる。

 

 

 

教えてもらった方へ行くと

拍子抜けするほど

質素な国境審査の入り口が。

移民流入、麻薬取引など

多くの問題を抱えてるそうだけど

国境は本当にシンプル。

 

 

 

そのまま中に進むと、

X線の荷物検査があっただけで

5分ほどでメキシコ側に抜けてしまいました。

 

気づけばパスポートのチェックすらしてもらっていません。

僕が入国した記録がどこにも残っていない状態だけども

本当にこれでいいのかしら。

疑問に思いつつも、もう審査所に戻ることもできないので

そのまま街へ向かうことにします。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということでやってまいりました

33ヵ国目となる「メキシコ合衆国」。

 

タコスやトルティーヤに代表される伝統料理が

とても魅力的な国。

アメリカ、カナダとうって変わってスペイン語圏となり

コミュニケーションが難しくなってしまうのも、

逆に旅の楽しさの一つになると信じています。

 

ちょっとしたトラブルもありそうではありますが

南北アメリカにおいてもっとも期待していた国の一つ。

 

 

 

国境を越えた瞬間の

雑多な雰囲気につい圧倒され

カメラを取り出すこともなく

15分ほどで予約していたホテルへ。

下水の鼻をつく臭いは

やっぱりアメリカと違う。

 

 

 

 

 

 

ショーンさん宅を出発したのが14時頃と遅く

ホテルにチェックインしたころには日が暮れかけていました。

やってきた国境の街ティファナは治安が良くないとのことだったので、

へたにうろちょろせず今日は近くの中華レストランで済ませることに。

 

すると、カード社会のアメリカから来たからこともあり

現金を下ろすのを忘れており財布がスッカラカン。

 

会計時カードが使えず、暗くなった街でATMを探すはめに。

近くのスーパーですぐ見つかったからいいものの

旅人の感覚がすっかり抜け落ちてます。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。

ほんとうはティファナの街にしばらく滞在して

メキシコ文化に慣れておきたかったのですが、

アメリカに近くホテルの料金も思いのほか

高かったので(¥5,000)

すぐに移動することに。

 

 

 

今いるティファナから

2か月半かけてカンクンを目指す予定ですが、

まずは西部の“バハ・カリフォルニア”という

半島部分を走っていきます。

海に囲まれた砂漠の景色を走っていくのが楽しみ。

 

 

 

ティファナは坂の町で

道は絶えず上に下にと

うねっています。

アメリカほどしっかり

車線が引かれてないけど

そんなに運転も荒くない印象。

 

 

 

街を見下ろすと

家がひしめき合うように

建っていました。

言ってしまえば“ぐちゃぐちゃ”な

感じがアフリカやアジアの国のよう。

綺麗な国からくるとビビってしまう。

 

 

 

ホテルから30分ほど海の方へ

向かって走ると、

国境の壁にたどり着きました。

公園として整備されており

銃を持った兵士が見守っている

わけではありません。

 

 

 

ただ、ここまで大きな壁というのも

見たことは無いので

それだけ不法入国を

企む人も多いということだろうか。

隣り合う国の格差が大きいと

こうなってしまうんだろうな。

 

 

 

 

 

写真を撮って「さぁ出発」と思ったときに

声をかけてくれたのは“ダンさん”。

北米から中米にかけて自転車旅をしたことがあるらしく

僕に興味をもってくれたそう。

 

 

 

「今日走るのに水がいるよね」と

手元の水をくれました。

容器をのぞくとなにか

葉っぱが浮いている。

「ハマイカ」と呼ばれるこれ、

正体はハイビスカスです。

 

 

 

健康にとてもいいらしく

日本人にとってのお茶みたいなもの。

赤みがかってほんのり香ります。

こういう「何これ!?」ってのが

カナダやアメリカには無かったな…。

文句じゃないんですよ。

 

 

 

 

 

 

さて、いよいよ本格的に走り始めます。

目指すは南へ100kmの街「エンセナダ」。

アメリカで聞いたアドバイスに従って

高速道路の路肩を走ることに。

しれっと料金所の端を抜けてゆく。

 

 

 

聞いていた通り

かなり路肩に幅があり

安心して走ることが出来ます。

山はないけど、海沿いには崖もあるので

意外と起伏は激しい。

時に立ち漕ぎをしながら必死に漕ぐ。

 

 

 

途中横切ったビーチには

人も凄いけど、車もびっしり。

こないだサンディエゴで足だけ

海に浸かったけど、冷たくて

入れたもんじゃないけどな。

一応8月だしシーズンなようです。

 

 

 

問題なく100kmを走り切り

夕方には目標の街・エンセナダへ。

看板の文字がスペイン語なのは

違うけど、走ってる分には

まだアメリカと変わった気がしない。

南に行くと“濃く”なってくんだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

街に到着して向かったのは

Warmshowerのホスト“トーマスさん宅”。

欧米が中心ではあるものの世界中に

登録者のいるサイトなので、

今後もチャンスがあれば利用していきます。

 

 

これまでに300人近くもの

旅人を受け入れてきたという

トーマスさん。

これから進む道のアドバイスを頂き

わずかながらもメキシコの

不安がやわらぎました。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日はエンセナダの街をぶらついて

メキシコの雰囲気に慣れておくことに。

街の風景からして、やはりこれまでの国とは大きく違う。

 

 

 

太平洋に面する港町である

エンセナダ。

アメリカから大きな客船がきて

たくさんの観光客がやってくる

場所でもあります。

海辺をゆったり歩いてみる。

 

 

 

魚市場にはあらゆる種類の

海産物がズラリと並びます。

魚だけでなく

エビ、タコ、牡蠣など

本当になんでもありました。

これまで海岸を走ってないから新鮮。

 

 

 

こういう安っぽいお土産を

これでもかと店先に並べるのも

アメリカ・カナダには無かったな。

客引きがひどいなんて

評判も聞いてたけど全然

そんなことなかったです。

 

 

 

 

 

中心部を離れても

波が押し寄せるビーチはどこまでも続いています。

平日だというのにすごい人。

 

 

 

もちろんビーチタウンということで

サーフィンも盛ん。

釣りとかもできるんだろうけど、

僕は“海の趣味”を持ってないんです。

せっかく湘南に住んでるんだし

日本帰ったら、なんかやろっと。

 

 

 

 

 

 

そして、メキシコといえば“タコス”。

トウモロコシの粉でできた生地を焼いて

各種肉に玉ねぎ、パクチーをのせ

唐辛子のソースとライムをかけてかぶりつく。

もうこれは、滞在中飽きることないだろうな。

 

1個が大体¥200~300で

男性なら3個は食べたいところ。

 

 

 

そんなエンセナダで

一番おいしかったのは味噌ラーメン。

「入国初日も中華だったし

メキシコ料理食べろよ」

という風に

思われるかもしれません。

 

 

 

でもね。

数カ月にわたって旅してると

まずは日本はじめアジアの料理が食べたいんです。

それか、自転車で旅してるときは

野菜とか高たんぱくな肉とか

栄養のあるものを体が求めます。

 

つまり、地元の料理を堪能しようなんてのは

ある程度お腹が満たされてからの話ってこと。

(誰に対して言い訳をしてるんでしょうか。)

 

 

 

 

 

 

街の自転車屋さんでゲットしたのは“バックミラー”。

ティファナから出発して道路脇を走っているときに

警察に停められて、

「付けた方がいいよ」とアドバイスをもらっていました。

 

カナダの時点で探してたんですが

良いのが見つからず、

ここへきてやっと入手。

 

全方向にしっかり目を配らせて

安全第一でメキシコの道を進んでまいります。

 

 

 

 

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