Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

カテゴリー: アメリカ

最高の宿

2024.07.15

【86日目 5,163km】

 

 

イエローストーン公園内で2つ目の夜が明け、

キャンプ場を後にして南へと向かいます。

 

 

 

公園自体が2,000mを越える高所に

あるとあって、傾斜が急な箇所もしばしば。

そのぶん自然豊かな景観を

楽しむこともできます。

しばらく乾いた大平原が続いたので

水辺に心が潤う。

 

 

 

お昼過ぎには国立公園のゲートを

通過して、イエローストーンの

サイクリングも終了。

ここしばらくランチは

トルティーヤばっかり。

アボカドが美味しいんですよね。

 

 

 

気温はお昼で20℃前後でしょうか。

夜も涼しくて寝やすいです。

南に下りるにつれ猛暑が予想されるので

おそらく今が一番過ごしやすい。

というかこないだまですごく寒かったし

快適な期間短いんですけど…。

 

 

 

 

“ジャクソンレイク”という湖のほとりに

キャンプ場を発見。

ここもサイクリスト用の場所が

用意されており

¥1,500ほどで泊まれます。

シャワーも浴びれてほんと快適。

 

 

 

夏休みに突入して溢れかえった

周りの観光客の皆さんにつられて

アイスを食べてしまう。

3段で¥900と

日本なら定食食べられる値段。

でも食べたかったんだもの…。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日。

引き続き南下しますがイエローストーンに隣り合った

「グランドティトン国立公園」をなかを進むことになります。

ロッキー山脈の景色が見どころ。

 

 

 

湖の向こうに見える尖った山々。

このエリアをサイクリングしたり

トレッキングする人が多く、

イエローストーンとセットで

観光するのが定番だそう。

家族連れが沢山います。

 

 

 

整ったサイクリングロードを

気持ち良く走ることが出来ます。

観光地ではe-バイクをよく見かけます。

スイスイ楽に走れて楽しそう。

あれで旅が出来たらどんなにいいか。

充電が大変だけども…。

 

 

 

グランドティトンを走り抜け

20kmほど南下すると

イエローストーン観光拠点の町

“ジャクソン”に到着しました。

冬場はスキー客でも賑わうらしく

山肌がスッキリ刈られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャクソンの町から3kmほど南にやってきたのがこちらのお家。

 

いつもおなじみのサイクリストコミュニティサイト

“Warm shower”で連絡を取り合っていた

ホストファミリーさんのお宅なのですが、

この時はちょっとおかしな状況。

 

すでに退職された悠々自適のご夫婦いわく

「週末ちょっとキャンプ行ってくるから

家泊まってていいよ、鍵開けとくね」

とのこと。

 

 

 

「ようこそリョウスケ、この家だよ!」

と紙が貼られた玄関を開けると、

素敵な居住空間が広がっていました。

“ウソでしょ、ここ一人で使っていいの?”

予想を超える最高の宿に出会えたようです。

もう、幸せ…。

 

 

 

滞在に先立ち食材も調達済み。

何が食べたいかって

新鮮な野菜と肉でございます。

自分で調理できるのも

休日の楽しみ。

(自転車漕がない日を“休日”と呼びます。)

 

 

 

YouTube見ながらのんびり料理するのが

もう楽しくて楽しくて。

こんな時に日本での日常が恋しくなります。

欲しいものが手に入って

体が欲しがるものを摂取する、

これだけのことがすごく嬉しい。

 

 

 

テント泊ばかりが続いており

屋根の下、ふかふかベッドで

寝られるのは

カルガリー以来2週間ぶり。

布団って久し振りだと

姿勢が落ち着かないですよね。

 

 

 

朝食を済ませコーヒーを飲みながら

日が差し込むテーブルで

パソコンに向かい作業をする。

全てを手に入れた成功者の気分です。

フリーターのくせに…。

ちょっとしたことで喜びを感じる旅人。

 

 

 

羽を伸ばしきって2泊、ご夫婦帰宅の日。

お礼にチャーシューを作る。

お世話になった家では振る舞うのは

決まってチャーシュー。

こっちの食材で作りやすいし

皆さんに喜んでもらいやすいんです。

 

 

 

 

 

 

滞在3日目にしてついに

“チャックさん&カレンさん”ご夫婦にお会いできました。

「快適に滞在できたかしら?」とカレンさん。

いや、もう骨の髄が溶けてしまいそうなぐらい

快適でございました。

 

 

 

やっとお会いできた二人にお礼を伝え

楽しく食卓を囲みます。

見知らぬ旅人の為に

家まであけてくれる人が

この世にはいる、という事実。

自分は人のためにどこまでできるだろう。

 

 

 

チャーシューなんかでは決して返せない恩を

また一つ受けてしまいました。

 

 

 

イエローストーン国立公園

2024.07.11

【82日目 5,087km】

 

 

“自転車はここで止まれ”の看板の通り足を止め、

“リーさん&ジーニーさん”宅にてお世話になった朝。

ジーニーさんの作ってくれたサンドイッチを受け取ると

「イエローストーン」を目指してさらに南へ。

 

 

 

天気の良さは相変わらず。

暑さも若干和らいで

かなり過ごしやすい気候です。

南の方向に山々が見えてきた。

カナダのバンフ以来となる

ロッキー山脈地域に突入していきます。

 

 

 

昼には“リヴィングストン”

という町に到着。

古い雰囲気を醸すダウンタウン。

ここから西に40kmの“ボーズマン”

という町にジョニー・デップが

住んでるそうですよ。

 

 

 

街を出るとまっすぐ南に下りる

一本道を進みます。

リーさんに教えてもらった

交通量の少ない道路がすごく走りやすい。

地元の人の情報に頼ることが

旅においてとても大事です。

 

 

 

ジーニーさんが作ってくれた

サンドウィッチでランチ。

ゆっくり座って休憩することが

気持ち良くなったのは

ホントここ最近です。

こないだまでもう寒くて寒くて…。

 

 

 

110kmを走った夕方に

国立公園の玄関口「ガードナー」

という町に到着。

観光客で溢れかえる

とても賑やかな場所です。

欧米だけでなくアジア系の人もたくさん。

 

 

 

立ち寄ったスーパーで

牛肉が安く(¥400)、

夕食はステーキに。

前の旅含めても初めてじゃなろうか。

焼くだけで意外と調理も簡単だし。

走り切った日に食べる肉、最高です。

 

 

 

町のはずれに図書館を発見。

誰もいないようなので裏で

テントを張らせてもらうことに。

観光地なのでどうかなと思ったけれど、

ぐっすり眠って

無事に朝を迎えることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝。ガードナーの町の南側に料金所があります。

ここからいよいよ「イエローストーン国立公園」へ。

入場料$35と聞いてたけど、自転車は$20とのこと。

嬉しい。

 

 

 

標高2,400mにあるイエローストーン。

ゲートの向こうはかなりの急坂でした。

「傾斜キツイし、路肩もないから

トラックにでも乗せてもらったら…?」

と言われたけど、これまで通り

自力で行きたい。

 

 

 

まず1時間ほど坂をのぼると

“マンモス”というエリアへ。

大自然が広がっていると思いきや

高級なホテルが立ち並んでいました。

イエローストーンは全米屈指の観光地。

人も車も凄い数です。

 

 

 

 

 

 

最初にやってきたのは「マンモス・ホットスプリングス」。

そもそも“イエローストーン国立公園”とは

大きな火山地帯です。

 

地中深くに世界最大とも言われるマグマだまりがあり、

その地表ではガスや熱水が噴き出す間欠泉など

特有の火山活動が見られるのが国立公園の魅力。

 

 

 

熱水が湧きだす泉を見てみると

複雑な結晶のようなものが見えます。

これらはバクテリアが

層を成しているらしく、

場所によっていろいろな

模様を見せてくれます。

 

 

 

ここマンモス・ホットスプリングスは

棚田のように傾斜した

石灰岩が特徴で、

白い岩肌と

茶色いバクテリアが

独特な景色をつくっています。

 

 

 

 

 

 

ひと通り見終えるとまた坂を上ります。

南北には200kmにも及ぶほど広い国立公園。

その中に間欠泉などの見どころが点在しており

ひとつ見たらまた次へ、と移動を繰り返して観光していきます。

 

 

 

昼頃に高低差800mにもなる

坂を全て上り切りました。

その先は平らな台地になっており

分かりやすいほどに平坦。

高所だけに涼しく、ジャケットを

羽織って漕いでいきます。

 

 

 

何やら車が渋滞しており

合間を縫うように追い越して進むと、

森の奥になんと「グリズリー」が!

“黒いパンダ”ことブラックベアとは違い

グリズリーは本物の猛獣です。

おしりをこちらに向け去っていきました。

 

 

 

 

 

 

15時頃には「ナリス・ガイザー・ベイスン」へ。

開けた土地にいくつもの間欠泉(ガイザー)があり、

そこら中から湯気やガスが立ち上っています。

 

 

 

特に激しくガスを噴出している場所では

「シュー、シュー!」と轟音が

聞こえます。

まさに地球の鼓動とも思えるような

日常ではまず聞くことのない

生々しく存在感のある音。

 

 

 

てくてく歩いていると

一気に雨雲がかかり、

やがて激しく降り始めてしまいました。

観光どころではないと

諦めて退散。

せっかくだから隅々までみたいのに。

 

 

 

 

 

 

雨の中しぶしぶ漕いでいると

やがて晴れ間も見えてきました。

2,000mを越える高山とあって

天気も気温も変わりやすい。

 

 

道をのんびり走っていると

湯気が上る場所がちらほら。

数十kmにもなる巨大なマグマが

地中にあるので、

いたるところで温泉が湧いているよう。

なかなかここまでの景色がお目にかかれない。

 

 

 

源泉に触れてみると

45℃ほどでしょうか、

足湯できるような湯加減ではなく

すごく熱いです。

川を眺めながら

お湯に浸かれたら気持ちいいのに。

 

 

 

公園内は野宿厳禁だそうでキャンプ場へ。

高額を覚悟したものの

サイクリスト価格が用意されており

$10とかなり安い。

売店まであり、観光地らしい

整い切ったキャンプ場でした。

 

 

 

 

 

 

 

イエローストーン観光2日目。

今日も平坦な道をたくさんの車に追い越されながら進みます。

 

 

 

漕ぎ始めてすぐに

間欠泉がありました。

前日よりも天気が良く

青々とした泉が綺麗に映えます。

飛び込みたくなるような色だけど

離れても熱気を感じるほど熱いです。

 

 

 

じっくり見れば見るほど

宝石のように鮮やかな

色と模様。

まさに自然が生み出す芸術。

風がつくりだす水面の波紋が

また美しい。

 

 

 

 

 

 

さらに進んだ場所にあるのは

「ブランド・プリスマティック・スプリング」。

公園内でも特に人気な見所です。

高台からの景色は圧巻。

 

 

 

泉の中心から外側に向かって

温度が変わるのですが、

それによって棲むバクテリアが異なり

青とオレンジのコントラストを

生んでいるのだとか。

舞い上がる湯気がまた荘厳さを増す。

 

 

 

 

 

 

そんな美しい景色の広がるイエローストーンですが、

とにかく人が多い。

平日でしたが、そんなの関係なく人気スポットの周りは大渋滞。

駐車場に入りきらない車が道路にはみ出しています。

 

 

 

こちらはトイレの大行列。

僕は自転車なので

道路脇で適当に済ませますが

これはちょっと嫌だな。

そういう僕自身も観光客の一人なので

何とも言えないですが。

 

 

 

 

 

 

最後にやってきたのが、イエローストーンのみならず

世界でも最も有名な間欠泉である

「オールド・フェイスフル」。

 

90分おきに30mもの高さまで豪快に熱水を噴出します。

時間なんて全く気にしてなかったのに、

僕が着いてほんの1分後に噴き出してくれました。

 

ただ、イエローストーン1番の目玉ともいえる

このオールドフェイスフル。

若干、興ざめしてしまったというのも本音でして…。

 

 

 

間欠泉の周りにはぐるりと

人、人、人。

千人は軽く超えるでしょうか。

敷設されたベンチには

収まらないほど溢れかえっています。

皆で中央の間欠泉を見るというわけ。

 

 

 

駐車場から歩いてくる間にも

ホテルやスーパーまであるんですよ。

ただただテーマパークで大きな噴水を見た

という風に感じてしまいました。

「間欠泉も水道水だったりして」

とか思っちゃうくらいです…。

 

 

 

 

 

 

人の多い観光地に来ると

自転車旅の魅力に気づかされます。

誰もいない何でもない景色の方が

いつまでも心に残っていたりして。

でも独特の火山活動の風景は圧巻でしたよ。

(誰に向けてのフォローなのか。)

 

 

 

北米大陸を東西に分断する

ロッキー山脈にあるイエローストーン。

こちらの分水嶺は

太平洋と大西洋それぞれに下っていく

水流の境目となっています。

まさに大陸の分け目。

 

 

 

 

 

 

前日に引き続いてキャンプ場へ。

 

公園内を自転車で移動する人などほとんどおらず

たくさんの車に追い抜かれながら進みました。

すると間欠泉を見学中に

「お前、さっき見たぞ。頑張れよ!」

「もうここまで来たのか!早いな」

など沢山声をかけてもらい、お菓子をもらったりします。

 

そんな、いつも以上にちやほやされた

2日間のイエローストーン観光でした。

 

 

 

 

“自転車はここで止まれ”

2024.07.7

【79日目 4,833km】

 

 

アメリカに入国して、“ダットン”という小さな集落でひと休み。

ここから有名観光地である

「イエローストーン国立公園」を目指して進み始めます。

 

 

 

お昼ごろにはモンタナ州有数の都市

「グレイトフォールズ」に到着。

ミズーリ川の沿岸に

快適な自転車道が敷設されています。

車を気にすることなく

のんびりと走っていく。

 

 

 

しばらく進むと

都市名の由来にもなっている

大きな滝がありました。

今はダムになっていますが、

一部ゴツゴツとした岩場が

スケールの大きさを物語ります。

 

 

 

街を出る前に大型スーパー

「ウォルマート」にて

アメリカ本土で初のお買い物。

バナナ5本¥130、リンゴ1つ¥250。

ソフトドリンク1缶¥270。

もちろん高いけど予想ほどではない。

 

 

 

グレイトフォールズを出ると

また大平原を進みます。

気温は20℃を越え、

一気に暖かくなりました。

アラスカ出発以降

初めて終日半袖で走った日となります。

 

 

 

“ビッグ・スカイ”と称される

モンタナ大平原の大空。

綺麗なのは何も夕焼けだけでなく、

昼の時間でも立体感のある雲と

突き抜ける青空が最高に美しい

画を見せてくれます。

 

 

 

90kmほど走って

「ベルト」という町の公園にて

テントを張ります。

芝生がきれいなだけに

スプリンクラーに要注意。

あの悲劇を繰り返してはいけない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダットン出発2日目。

ルークさん宅で頂いた“アップルバター”がすごく美味しい。

最近はパンではなく、もっぱらトルティーヤ。

かさばらないし、日持ちもするし、

どんな味付けもできる便利食材です。

 

 

 

さらにどこかで落としてしまっていた

コーヒーフィルターまで

頂いちゃいました。

楽しく旅をすすめるために

朝のコーヒーは欠かせません。

あぁ、やっと飲める。

 

 

 

この日は標高1,000mのスタート地から

2,400mの峠を越えるコース。

つまり1,400mも登るということ。

イエローストーンを目指すには最短だそうで

通らないわけにはいかない。

気合を入れて進み始める。

 

 

 

朝からクラクラするほどの暑さです。

たった4日前は息も白く

手袋してたのに。

今日は汗が止まらず

上半身裸で

せっせと坂を漕いでゆく。

 

 

 

標高が上がるにつれ

岩山の合間をぬうような

道へと変わっていきます。

幸い吹き下ろす向かい風が

ないのが嬉しい。

時速10kmでゆっくり前へ。

 

 

 

午後からは小川の傍らを上ります。

涼しげな水面に反して

気温は上がるばかり。

太陽に照らされて

ぬるくなった水で喉を潤す。

車が少ないのもありがたい。

 

 

 

そして夕方6時過ぎ、

やっとのことで標高2,400m、

峠の頂上へとたどり着けました。

疲れて“手前で野宿を”とも

思ったけれど、一日で上り切ると

達成感があります。

 

 

 

峠を下り15kmほど

進んだところでキャンプ場を発見。

有料と聞いていたけど

誰もおらず何もないので

しれっと泊まらせてもらうことに。

オンシーズンのはずなんだけども。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダットン出発3日目。

前日にさんざん上った坂を今日は一気に下る。

下り坂から始まる1日なんてホント最高です。

 

 

 

アメリカに入国してから

天気はほとんど晴れ。

気まぐれな通り雨が降る以外は

どこまでも青空が広がっています。

やっと理想のサイクリングシーズンが

やってきたようだ。

 

 

 

40kmほど走った昼前に

“ホワイト・サルファー・スプリング”

という小さな集落に到着。

イメージ通りのアメリカの田舎

といった雰囲気です。

落ち着いた良い場所だ。

 

 

 

商店にてレジ横にピザが置いてあるので

つい買ってしまう。

1枚¥300で割とオッケーな値段。

美味しい誘惑がいっぱいのアメリカ。

カナダからアメリカに入って

肥満体型の人が明らかに増えた気がする。

 

 

 

まだお昼だけどキャンプ場にチェックイン。

前日が大きな峠越えだったので

半休日にします。

急な気温上昇に体も疲れている。

自転車って前に向かって頑張りすぎるので

時には「休むぞ!」って決心が必要。

 

 

 

近くにスーパーがあったので

夕食には、野宿中は食べない

ソーセージや野菜など。

ここしばらく食べることが

一番の幸せになっている。

ちょっとでも美味しいものを。

 

 

 

 

 

 

 

 

ダットン出発4日目。

今日も青空の下、平原の道を進んでいく。

 

 

 

中央アジアにも通じるような

どこまでも果てのない原っぱ。

日本の国土と同じほど広いモンタナ州。

でも、人口は全体で100万人ほど。

地元の広島市とか今住んでる湘南エリアと

同じくらいだから人口密度はかなり低い。

 

 

 

ランチはトルティーヤ。

カナダで1週間前に買った

アボカドがやっと柔らかく

なり始めました。

早く本場メキシコで食べたい。

美味しいんだろうなあ…。

 

 

 

 

 

 

夕方4時ごろ、「クライドパーク」という町を過ぎたあたりで

道端に“The Bike Stops Here(自転車はここで止まれ)”

という看板を発見。

トルーマン大統領の格言をもじっていると思われる文言に従い

立ち寄ってみることに。

 

 

 

奥に進むと平屋があり、ただ家主は不在のよう。

“でも止まれって言われてるしなぁ”ということで

20分ほど木陰で休んでいると

車に乗ったご夫婦が帰宅されました。

 

 

 

聞けば、自転車が大好きなご夫婦は

ここを通るサイクリストを

よく泊めてあげているそう。

裏庭にテントを張って良いということで

遠慮なくここで一泊させてもらいます。

スプリンクラーの心配も無し。

 

 

 

涼しくなった夕方に裏庭でのディナー。

BBQポークがとても美味しい。

食欲爆発で「ねぇ、これも食べていい?」

って聞くのが恥ずかしいけどやめられない。

太ってる人ってこんな感じなんだろうな。

永遠に食べられそう。

 

 

 

「自転車のことで困ってないかい?」

ということで緩んだうえに

錆び付いていたバッグのネジを

つけ直してもらいました。

アメリカの家庭はみな

お店が出来そうなほど工具が揃ってます。

 

 

 

 

 

 

実はこちらの“リーさん&ジーニーさん”、

昼間は遠くから来た友達と会っていたそう。

「このまま夜は映画行く?ディナーはどう?」

と誘ったところ、その友達に“疲れたからホテル戻る”と断られたのだとか。

 

「それで家に帰るとあなたがいたのよ」とのこと。

出会いって小さな奇跡の末に生まれてるんです。

断ってくれたお友達、心からありがとう。

 

 

 

 

 

31ヵ国目・アメリカ合衆国

2024.07.2

【75日目 4,520km】

 

 

ふらっと立ち寄っただけの旅人を歓迎してくれた

アイラさん宅にて過ごしたカナダ最後の夜。

朝にはコーヒーとパンまで用意してくれました。

 

 

 

朝からパラパラと止まない雨。

空を見上げても晴れる様子はなく

諦めて濡れながら

進むことを覚悟します。

どうやら青空のもとの

国境越えとはならないようだ。

 

 

 

大都市・カルガリーを出て4日。

太陽を見ることはなく

常に厚い雲が

空に立ち込めています。

それに加えて

日に日に寒さが増している。

 

 

 

この日、日中の気温はなんと6℃。

南に下っているというのに

日本の冬並みの寒さです。

休憩に立ち寄った集落でも

店が開いておらず。

あまりの寒さに外で食べることもできず。

 

 

 

午後から晴れる予報だったけれど

どうやら、そんな様子もなく。

6月の終わりに

手袋をして走ることになるとは

思ってもいません。

息も白いし、体が震える。

 

 

 

14時ごろに“ミルクリバー”

という集落に到着。

カナダ最後の食事はレストランの

ハンバーガー(¥2,000)でした。

最後の記念だからではなく、

寒くて外で自炊する元気がなかったんです。

 

 

 

さらに走ること1時間。

“クーツ”という集落の国境に

たどり着きました。

山火事という思わぬ

トラブルもあり2カ月の旅となった

カナダの道はここで終わり。

 

 

 

パスポートを見せると

簡単な質問をされます。

色んな国へ行ったけど

口座の預金額を聞かれたのは

アメリカ、カナダだけではなかろうか。

貧乏なんだから聞かないで…。

 

 

 

 

 

 

ということで、やってきました

31ヵ国目・アメリカ合衆国。

すでにアラスカ州を走っているので一度入国済みですが、

いよいよ本土の走行が始まります。

多くの人が観光に訪れる東西の両海岸ではなく、

中央部の田舎地域を中心に走ることになります。

果たしてどんな旅が待っているだろうか…。

 

 

 

 

 

 

国境を越えてやってきたのは

モンタナ州。

大平原グレートプレーンズが

広くを占める州で

「あそこ走ってもホント退屈だぞ」

と出会う人が口を揃えます。

 

 

 

国境を越えてもすぐに町はなく

変わらない平原がどこまでも

目の前に広がります。

これが何日も続くのだろうか…。

遠くの方にポツンと

何軒かの家が見える。

 

 

 

入国からわずか15kmほどで

「サンバースト」という

何とも暑そうな名前の

集落に到着。

キャンプ場ではなく

タダで野宿できるところを探したい。

 

 

 

町のはずれに静かな公園を発見。

人もいないようだし

芝生は綺麗だし

ここなら落ち着いて眠れそうと

安心してテントを張ることが出来ました。

あんなことが起こるとも知らずに…。

 

 

 

 

 

 

すやすやと気持ち良く眠っていた深夜2時。

突然「ザアー、ザア」と激しい水が

テントを打つ音で目を覚ましました。

“雨か…”と思い、再び眠ろうとするもやけに激しい。

 

一度止んだかと思うと、また降りはじめる。

というかこの雨には変なリズムがある。

そして、雨に強いはずのテントが下の方から濡れている。

ん? なんかおかしい…。

 

眠い目をこすり外に出ると

顔に「びしゃぁっ」としぶきが当たる。

どうやら水は地面から吹き上げられている。

スプリンクラーだ。

 

そして、テントが思いっきり狙い撃ちされているではないか。

「ヤバいヤバい」と眠たい頭で思考し、

なんとかタオルで噴射口を結んでふさぐ。

近くにある二つの噴射口をやっとふさいだ瞬間、

時間が来たようで全体のスプリンクラーが稼働終了。

ムカつく…。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝目が覚めると、思った以上に

テントが降れていることが判明。

アメリカで過ごす最初の夜が大切な教訓を与えてくれました。

「公園野宿はスプリンクラーに気をつけろ」

 

 

 

荷物をまとめて走り始めると

青空が広がっていました。

ここ数日拝めていなかった

太陽に感動。

日光が降り注ぐ平原の景色、

まったく退屈ではありません。

 

 

 

ハイウェイを進んでいるけれど

交通量はさほど多くなく

路肩もかなり余裕がある。

昨日までとうって変わり

とても気持ち良く

晴天のサイクリングを楽しめます。

 

 

 

午後からはやはり厚い雲が

空を覆う。

カナダの針葉樹林もそうだったけど

こんな大平原で降られても

まったく逃げ場がございません。

お願い、やめて…。

 

 

 

わずか10分後の写真。

この10分間に、

まず無数の雹が体に降り注ぎ、

やがて大粒の雨に変わったかと

思うと、すぐに晴れ渡りました。

モンタナの天気めちゃくちゃです。

 

 

 

 

休憩に止まれるような場所すらなく

120kmを走破。

どうやらモンタナ州は

ただただ走ってばかりになりそう。

大平原の小さな村

「ダットン」に到着しました。

 

 

 

 

 

 

「ダットン」の集落でお世話になるのは、

Warmshowerのホスト“ルークさん”ご一家。

緑色の可愛らしいお家です。

 

 

 

到着翌日は休養日。

奥さんの“メーガンさん”お手製の

アップルバターが絶品で

パンを何枚も食べちゃいました。

レシピも教えてもらったので、

日本に帰ってつくるのが楽しみ。

 

 

 

この日は1年で最も日の長い夏至の日。

夜10時を過ぎてもまだ明るく

子ども達も外で遊びます。

焚き火であぶるマシュマロが美味しい。

一人キャンプの時は

やらないからこそ楽しい。

 

 

 

明るく楽しい家族の

夏休みを1日だけ

ご一緒させてもらいました。

こうして色んなご家庭の日常を

のぞき見させてもらえるのも

自転車旅の良いところ。

 

 

 

 

 

 

僕はもっと日の長いカナダから南下してきたので

夏至の特別感を感じないけども、

麦畑に沈む夕日がとても綺麗でした。

広大なモンタナの空は色んな表情を見せてくれる。

 

一番近い道を進みたいがために

退屈な景色が続くだろう、と覚悟したモンタナ州。

似たような景色が続くのは間違えないけれど、

決して退屈な道なんかではありません。

 

 

 

 

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