Cycling The Earth ~自転車世界一周の旅~

日記

カテゴリー: 3 キルギス

キルギス脱出、再びカザフスタン

2018.09.1

【100日目 3,923km】

 

 

キルギスの首都ビシュケクに留まること3週間、

遂にイランビザが発行されました!

 

 

夏の休暇時期と被ったとはいえ、あまりに時間が掛かったので

このまま入国拒否されるのではないかという不安もよぎりましたが

無事、先へと続く道は開けました。

 

予定スケジュールよりも若干遅れているので、

荷物をまとめて早速出発です。

思わぬ長逗留に体がなまってしまったのか、踏み込むたび重く感じるペダル。

それでもなんとか進みつつ、大きな荷物を運ぶ感覚を取り戻していきます。

 

首都ビシュケクから西に向かって90kmほど、

お昼過ぎにはキルギス~カザフスタン国境にたどり着きました。

交通量の多い主要道路ということもあり混雑している様子でしたが

意外にスムーズに流れ大きなトラブルもなく難なく通過。

 

緑と青が美しい自然豊かな小国キルギス、

多くの思い出を噛みしめつつ、ここでお別れです。

 

 

およそ1か月ぶりに再入国したのはカザフスタン。

人々の表情や言葉に大きな違いがないので別の国だとは感じませんが…。

 

国境から進むこと30kmほどのところ。

この日、野宿する予定だった“メルケ”という町が予想以上に栄えており

キャンプ場所を見つけるのが難しそうなのでホテルを探すことにしました。

 

そこで、

道端のスイカ売りの青年たちにホテルがないか尋ねると、

「ここで寝てけよ。」

思わぬカタチで寝床を確保してしまいました。

 

ピラミッドのように高く積まれたスイカの山。

それらが道路脇にずらっと並んでおります。

このスイカたちを見守るため、すぐ横に毛布を敷いて当番が寝るのだそうです。

 

 

道路には車がビュンビュン走ってますが、疲れていれば気にせず爆睡できるもの。

 

ただ、中央アジア定番の果物であるスイカは大人気。

すっかり夜は更けて深夜になっても

路肩に車を止めたドライバーたちが次々に買っていきます。

 

まるまる1玉食べさせてもらいましたが

水分たっぷりのスイカはかなり甘くて美味しかったです。

 

 

夜を明かし路上のスイカ商人たちに別れを告げると、

再び西に向かって、乾いた中央アジアの大地をひたすら進みます。

 

 

この日の夕暮れにたどり着いたのは、“シャクパク・ババ”という村。

道路の両脇に100軒ほどの家が集まっただけの小さな集落でした。

 

道で遊んでいた子どもたちが

たくさんの荷物を積んだ自転車に興味を持ってくれます。

「テントを張りたいんだけど、この辺オオカミ出ないかな?」

ジェスチャーで何とか伝えると

「家の庭で寝ればいいじゃん!」と、あるお家に連れていかれました。

 

 

「このヤポーニャ(日本人)泊めたげて」と、

親に直談判してくれる頼もしい子どもたち。

 

すんなり許しをくれて、庭にベッドをこしらえてくれたのは

この家でかなり強い発言権を持っていると思しきおばあちゃん。

お父さんでもおじいちゃんでもなく、おばあちゃん。

 

空気の澄み切った星空の下、ぐっすり眠ることができました。

 

好奇心たっぷり、元気いっぱいの子どもたち。

見知らぬ外国人にも臆することなく、優しく受け入れてくれました。

 

 

道路の脇に建つモーテルでも身を休めつつ、

ビシュケクから4日間かけてたどり着いたのはカザフスタン南部の都市“シムケント”。

旅に出てからちょうど100日目でした。

 

 

そして、

すぐ近くの国境の向こうに待つのは、4カ国目ウズベキスタンです!

 

 

 

ビザが出ない…

2018.08.25

  • 【93日 3,446km】

 

当初2~3週間の滞在を予定していたキルギスですが、

気がつけば入国してから5週間目をむかえようとしています。

 

8月のはじめに首都ビシュケクに到着してすぐ

旅行代理店にてイランのビザを申請。

キルギスに駐在している担当者が休暇中らしく

発行まで10日ほどかかってしまうとのことでした。

「夏だしね。まぁ、仕方ない仕方ない。」

と大人しく待っていました。

 

標高が高いとはいえ、気温が35℃ほどにもなるキルギスの夏。

暑さと戦いつつ、

同じくビザ発行を待ちわびる日本の旅の方々と時間を過ごしました。

 

 

10日が過ぎてもビザの連絡が来ないので確認に行くと、

「もう1週間かかります。」

今度はイラン本国の担当部署が休暇に入ってしまったとのこと。

 

休暇シーズンに訪れてしまったタイミングの悪さを悔やみつつも、

こみあげてくるのは旅を進められないもどかしさ。

走行距離が伸びない日々が続きます。

旅人でありながら旅をしない、旅用語でいうところの「沈没」状態です。

 

 

ということで、何もせずムダに過ごすこともできないので

キルギス各所の観光に行ってみました。

 

 

■ブラナの塔

 

数少ないキルギスの世界遺産の一つがコチラ。

平原に立つ20mほどの塔は

1,000年ほど前に栄えた都市・ベラサグンの遺跡で

シルクロードの象徴の一つでもあるそうです。

 

 

■アニマル・マーケット

 

キルギス東部の都市・カラコルで毎週日曜日の早朝に

家畜たちの売買がおこなわれる市場。

大勢の人と家畜でいっぱいの会場は熱気とケモノの臭いに溢れています。

 

 

売られる家畜は主にヒツジ、牛、馬。

ヒツジ1頭=約6,000円

牛1頭=約80,000円

馬1頭=約120,000円

 

買われた家畜はよその土地に連れていかれるのを予感するのか、

呻き声をあげて暴れるものもいます。

 

 

■アルティン・アラシャン

カラコルの町から少し離れたところにある登山口から

15kmほどにわたるトレッキングルート。

 

ヨーロッパを中心に様々な国からやってきたハイカーたちが

大きなザックを背負って黙々と歩いています。

 

ゴツゴツとした岩場や砂利道を、

時には急斜面を登りつつ

およそ4時間に亘って進み続けました。

 

 

たどり着いた谷は“アルティン・アラシャン”。

川が流れる山間にキャンプサイトやゲストハウスが並びます。

現地語で“黄金の温泉”を意味するその名の通り

ここでの名物は温泉!

 

「ぬるい」「お湯が汚い」などの前評判もあり

あまり期待はしてなかったんですが、

貸し切りの小さな浴槽のお湯は予想に反して熱々で綺麗です。

日本を出て以来3カ月ぶりのお風呂は体の芯まで癒してくれました。

 

 

という感じで、時間を潰すように色々な場所へ行ってますが

ぼちぼちキルギスもお腹いっぱいです…。

 

いつになれば先に進めるのか。

大使館の人、ビザ早くちょうだい。

 

 

 

首都ビシュケク

2018.08.8

【76日目 3,446km】

 

 

秘境「ソンコル湖」での滞在を終え、はるか下界を目指します。

 

湖の周辺エリアは未舗装のオフロードが続きスピードもなかなか出ません。

加えて、アップダウンの多い丘によって体力が着実に奪われていきます。

 

ハンドル操作もままならない急こう配を下りつつ、

ガイドブックにも載らない小さな町で休みつつ、

3日かけて、何とか麓の町“コシュコル”に戻ってきました。

 

キルギス山間部のハイライトを終え、

首都の「ビシュケク」を目指します。

 

 

キルギス最後の目的地となるであろうビシュケクに向かって

ある山を登り、峠を越えようとしたまさにその時、

ふと男性の集団が声を掛けてきました。

 

「ヘイ、フレンド。どこに向かってるんだ?」

これまで幾度となく聞かれた質問に、さらっと答えて進もうとしたとき

意外な言葉が…。

「ちょっとインタビューさせてもらってもいいかな?」

 

実は彼ら、

キルギスで一番の人気を誇るインターネット番組(自称)の撮影クルーでした。

 

「なぜ世界を旅しているのか?」

「キルギスの感想はどうか?」

「トラブルに遭ったことはないか?」

「一番の旅の思い出は?」 …などなど

矢継ぎ早の質問を受けたあと、

ヘルメットにカメラを装着され、頭上にはドローンが飛び始めました。

イメージ映像の撮影だそうです。

 

30分ほどで突然の撮影は終了。

編集が終わって公開するときには連絡をくれるとのことでした。

(まだきてないけど…。)

思わぬ出会いがあるもんですね。

 

引き続き西へと走り、コシュコルから2日かけて辿り着いたのが

キルギスの首都「ビシュケク」。

特にこれといって見どころもない街ですが、

今後訪問予定の国のビザを取得するという重大なミッションを果たします!

 

 

滞在しているのが日本人オーナーの経営する“さくらゲストハウス”。

これまでまったく関わりのなかった日本人バックパッカーの方々とも交流。

重要な情報交換の場にもなっています。

 

 

到着翌日、ビザの申請をおこなうため旅行代理店へ行くと、

「大使館の人が夏休み入っちゃったんでビザ出るの10日後です。」

 

思い通りに進まないことなんていつものこと。

早く先に進みたくて仕方ないんですが、

この街で足止めを食らうことが決定しました。

 

 

てことで、しばらくココでのんびりしまーす!

 

 

 

 

標高3,000mの日常

2018.08.4

【70日目 3,012km】

 

“イシク・クル湖”の湖畔サイクリングを終えたあと、

キルギス西部山中の町・“コシュコル”に滞在しておりました。

 

小さな町でありながら多くの観光客が集まるコシュコル。

その目的は、町から1,000m以上登った先にある秘境「ソン・コル湖」。

多くの湖があるキルギスのなかでも、ソン・コルは高い人気を誇るそう。

コシュコルはそこを目指す人たちの拠点となっています。

 

 

さっそくソン・コル目指して走りはじめますが、

拠点のコシュコルの標高はすでに2,000m弱。

少し走っただけで息が荒くなってしまいます。

高山病の症状が出るのは3,000m付近だそうですが、

自転車で体力を使っていることもあってか、軽い前兆が現れ始めました。

 

 

 

やがて舗装路も途切れ、ときには自転車を押しつつ悪路をなんとか進んでいきます。

すると、通りすがりのワゴンが停まり

降りてきた二人組のおっちゃんが「乗っていけ!」と、

救いの手を差し伸べてくれました。

自力で登りたかったので断ったのですが、

「遠すぎる!いいから乗ってけ!」と

半ば強引に乗っけてもらうことになりました。

おかげで絶景ドライブ楽しめました。ありがとう!

 

 

たどり着いたところが標高3,016m、「ソン・コル湖」。

 

気温も一気に下がり、10℃ほどだったでしょうか。

湖畔には移動式住居“ユルト”で家畜と共に暮らす人々の姿が見えます。

 

ワゴンを降り、自転車にまたがったと同時に

地元の子供たちが大勢集まってきました。

当然英語は通じませんが、ものすごく興味を持ってくれているのは分かります。

手を引かれるままに連れていかれたのがひとつのユルト。

 

 

中に入ると、ティータイムだったようでテーブルには

チャイとパンが並んでいます。

そのまま勧められチャイをいただきました。

なぜ何の予告もなくやってきた言葉すら通じない人間を

こんなにも自然に受け入れてくれるんだろう?

 

 

テレビもマンガもない標高3,000mの日常はとにかく自然に寄り添ったものでした。

羊の群れを導いたり、馬の手入れをしたり。

牛の乳を搾ったり、犬とじゃれたり。

小さな子どもたちだって皆上手に馬を乗りこなします。

 

遊ぶばかりではなく、

食事の用意をしたり、ストーブの薪をくべたり。

羊の毛を刈ったり、肉を捌いたり。

家族みんなで生活のための仕事をこなしていくのがここのスタイル。

 

 

 

そんななか、娯楽はもっぱらトランプ。

日が沈み夜が更けても、懐中電灯のもとみんなでカードに興じます。

ちょっとまぜてもらいましたが(無理やりやらされただけ…)

ルールが全くわかりません。

 

そのまま晩御飯もご馳走になり、ユルトの中でぐっすり寝させてもらいました。

観光用のユルトでくつろぐ予定が、思わぬかたちで現地住民の方との交流の機会に。

ゆったりと良い時間が過ごせました。

 

 

“バカイさん”一家、ありがとう!

お邪魔しました!!

 

 

 

湖沿いを行く

2018.07.31

【67日目 2,918km】

 

国境を通過した後、

引き続きベルギー人サイクリスト“ヤン”と共に

キルギスの首都・ビシュケクの方面へ向けて西に走ります。

 

 

山中の道は舗装されておらず、砂利の上をガタガタいわせながら進んでいきます。

スムーズには走れませんが、

青々とした山を遠目に眺めつつ、草を食む馬たちの横を通り過ぎるのは

なかなか乙なモノ。

 

しかし、のんびり走っていると時に遠くから大きな鳴き声が!

唸り声とともに草原を駆けこちらに猛ダッシュしてくるのは民家の番犬です。

牙をひんむいて自転車のすぐ後ろまで迫ってくるのはスリル満点。

ただの“のどかなサイクリング”では終わらせてくれません…。

 

 

 

東部の都市・カラコルではこの旅はじめての教会を見に行きました。

100年以上の歴史を誇る、珍しい木造の教会です。

国民の多数がイスラム教徒であるキルギスにおいて

教会という建物自体、決して数は多くないようですが。

火事になったらよく燃えそうですけど大丈夫なんでしょうか?

 

キルギスの地図のなかで、

圧倒的な存在感をあらわしているのが“イシク・クル湖”。

東西の幅は約180kmにも及びなんと琵琶湖の9倍もの面積を誇ります。

浜辺に立つと、まるで大海を目の前にしているかのようでした。

この湖に沿ってひたすらペダルを漕ぎます。

 

 

途中に現れたのが、うねる様な大地の起伏が美しい“フェアリーテイル・キャニオン”。

波のような地面の浮き沈みと、様々な色に彩られた地層が

その名の通り“フェアリーテイル(おとぎ話)”の世界を演出しています。

カザフスタンのチャリン・キャニオンとはまた違う地球の芸術でした。

 

ここで、南に向かって山に登っていくヤンさんとはお別れ。

 

再び一人ぼっちになり、湖の西端の小さな村・オットゥクの浜辺で

テントを張ろうかと準備していたその時、ある親子が声をかけてきました。

「風が強くてキャンプ大変だろうから、家へおいで。」

 

家に着くなり、パンとチャイでもてなしてくれました。

日本が大好きな娘の“アクニエトちゃん”は

18歳になったら東京に留学するのが夢だそう。

単語を覚えたり、ひらがなを書く練習をしたり

楽しそうに外国の言葉を勉強するする姿が印象的でした。

 

仲良く食事の準備をするマナトさん親子。

裏庭のニワトリが産んだばかりの卵を使った目玉焼きは最高でした。

 

夢に向かってガンバレ!

日本で会いましょー!!

 

 

3か国目“キルギス”

2018.07.27

【62日目 2,734km】

 

カナートさん一家にお世話になった後、

南に向かってたどり着いたのはカザフスタン最後の町“ケゲン”。

 

旅をしていると新たな出会いがとどまることなくやってきます。

夜中、滞在していた古いホテルの隣室にやってきたのはベルギー人のサイクリスト。

そして彼の開口一番は、

「君が自転車で世界を旅している日本人かい?」

 

聞けば来る途中に別の旅人から

このあたりを走っている日本人がいるという噂を耳にしたそうです。

恐るべし旅人ネットワーク。

 

元・写真家で教師でもある“ヤンさん”は

連休のたびに自転車で外国をまわっているそう。

50ヵ国以上を訪れた生粋の旅人です。

向かう先が同じく南のキルギスということで一緒に走ることに。

 

 

翌朝、国境に向かって走りはじめます。

すれ違うのは人よりも動物の方が圧倒的に多いという

のどかな草原を進んでいきました。

 

 

静かな1本道の向こうに見えてきた小さなゲート。

カザフスタン~キルギスの国境です。

緊張感のようなものは全くなく、

ちょっとお喋りしたのち、荷物の中身を簡単に(適当に)見られて

あっさり出国および入国審査は終了しました。

 

振り返って写真を撮ろうとしたのですが制止されちゃいました。

そこはちゃんとしてます…。

 

カザフスタンにはほんの1週間ほどの滞在で、

あっという間に3か国目の“キルギス”にやってきました。

国境を越えたとはいえど、

広がる風景は相変わらず延々と続く草原で、

違う国にやってきた実感はあまり沸きません。

 

 

数十kmおきに現れる小さな村で休憩をはさみつつ、

夕方にたどり着いたのが警察の検問所。

外国人サイクリストは対象外で、

地元のドライバーを取り締まっているようです。

 

雲行きも怪しくなってきており

このあたりにテントを張れるところがないか聞いていたまさにその時、

土砂降りの大雨が降りはじめ、さらに雹(ひょう)も降りだしました。

一瞬のうちに天気が変わってしまう山間部ならではの気候です。

 

困ったときに頼りになるのはやはり警察。

「検問所に泊まってきな。」と、優しい一言をくれました。

“検問所”なんて聞こえはいいですが、

実際は道ばたに置かれたトラックの荷台でしたけども…。

 

 

 

雨雲も過ぎ去り、無事に夜を明かすことができました。

これからも色んなかたちで警察にお世話になるんだろうな。

 

 

 

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