アウストラル街道、走破!

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【338日目 18,398km】

 

 

「アウストラル街道」最後の休養地となる“コクラン”に滞在中。

何日か走り続けて、山間のひっそりした町でひと休みをする

という街道サイクリングのルーティンが心地良くなりつつあります。

 

そして休養日は必ず快晴。

走行日も晴れて欲しいけど、まぁ良しとする。

 

 

 

宿泊はコチラのお宿。

休みは一日だけなので

町はちょろっと歩いて回る程度で

そんなにじっくり見たりはしません。

写真整理や荷物の整理やら

何かと地味に忙しい。

 

 

 

どの地域よりもたくさんの

サイクリスト達に出会える

アウストラル街道。

「今どこまで行った?」と

SNSでやり取りできるのは

現代の旅の魅力です。

 

 

 

宿のキッチンが使用不可だったので

夜は久しぶりの外食。

食材が豊富じゃないからか

ステーキにポテトと目玉焼きを

添えただけのもの。

これが¥1500近くしちゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

休養を終えると再び南へと漕ぎ始めます。

町の周辺は嬉しいアスファルト舗装。

 

アウストラル街道に突入してからは21日目となりますが、

ゴール地である“ヴィジャ・オイギンス”という村は

ここから200km、あと4日で到着の予定です。

 

 

 

天気は概ね晴れの予報。

ここまで雨に苦しんできたけど

終盤戦は割と天気に恵まれる

ことが出来そうです。

青空が広がると

やっと景色を楽しむ余裕も出てきます。

 

 

 

コクランを出て10kmあまり走った所で

未舗装路へと変わっていきました。

アップダウンも激しく

思ったほどスムーズには

距離が伸びていきません。

時には押しながら黙々と前へ。

 

 

 

雪を被った山々と

その麓に鬱蒼と広がる森林。

旅の始まり・アラスカの景色を

彷彿とさせます。

南北の両極に近づくほど

風景も似てくるのが面白い。

 

 

 

アウストラル街道の象徴ともいえる

木々のトンネル。

気持ちよさそうに見えるけど、

路面はガタガタと洗濯板状の

“コルゲーション”なので

走りにくいこともしばしばです。

 

 

 

 

 

65kmを走った夕方5時半ごろ。

道路から開けた場所が見えたのでテントを張ることに。

遠くに岩山を臨む最高の景色です。

 

 

澄み切った清流が

さらさらと流れる川辺。

水が流れる音以外には

何も聞こえない静かな場所です。

贅沢なパタゴニア大自然のキャンプ、

素敵な時間が過ごせそうです。

 

 

 

雨が続いたことで

あまり良いキャンプも出来てなかった分

最高の気分で焚火を眺めました。

とっぷり暗くなるとパチパチと

薪の爆ぜる音を聞きながら

テントの中で読書、あぁ幸せ。

 

 

 

 

 

 

 

コクラン出発2日目、

前日とは違って雲が掛かった重たい空模様。

降られなきゃいいんだけど

とにかく可能な限り早く進んでおこう。

 

 

 

と思ったら、パンク。

凸凹道に強くタイヤを

打ち付けてしまいました。

もうタイヤも擦り減って

ツルツルだけど、このまま

ゴールを迎えられるかしら。

 

 

 

くねくねと

左右にそして上下に

森の道はどこまでも続いていきます。

意外とバイクや車も多くて

皆さん結構飛ばしていくので

砂埃が小さなストレス。

 

 

 

僕とは反対方向へ進んでいく

アメリカのカップルと遭遇。

なんと数回に分けてアラスカを

目指すそうです。

あんな遠いとこまで行くなんて…。

良い旅を!

 

 

 

 

 

 

午後3時頃、二手に分かれた分岐に到達。

ここから左に曲がって、

久しぶりのフェリー乗船が待ちうける港に向かうのですが

その前に大き峠越えをしなければいけません。

 

 

 

400mほどとさほど高くはないけど

勾配が異常なまでに急でした。

斜度10%はあろうかという箇所もあり

坂というよりもはや壁。

結果わずか2km進むのに

40分も要してしまいました。

 

 

 

最初の2kmを過ぎてしまえば

傾斜も落ち着いて若干緩やかに。

しかし今度は雨が降ってきてしまった。

雨宿りなどできる場所はなく

もうこれは濡れながら進むしかない。

はぁ、最後までびしょ濡れなのか…。

 

 

 

結局、峠を上って下るまでに

3時間近くかかり

ようやく港が近づいてきました。

30分以上雨に打たれたので

頭からつま先までびしょびしょ。

今日は薪ストーブで乾かせそうにもない。

 

 

 

 

 

さらに進んで港到着。

6時の最終便はもう出てしまったようので、明日まで待たなければ。

あぁ、寒い…。

 

 

港の待合室が解放されてました。

係員も誰もいないので

ここで夜を越すことに。

雨もしばらく降り続きそうなので

とりあえず屋根の下で

眠ることが出来て嬉しい。

 

 

屋内だけどテントを設営。

テント泊ばかりしてると

テントの狭い空間の中の方が

落ち着いて眠れるんです。

若干ながら寒さ対策にもなるかな。

旅人病でございます。

 

 

 

 

 

 

 

コクラン出発3日目。

目を覚ましてゴソゴソ準備をしてると、

湖の対岸に向かう10時の始発フェリーがやって来ました。

「アウストラル街道」序盤以来、久しぶりのフェリー移動です。

 

 

 

わずか40分で対岸に到着。

昨日パンク修理時に変なとこ触ったのか

ギアの調子が悪く、調整をしておきます。

作業してるとお腹も減ったので

インスタントマッシュポテトで腹ごしらえ。

気付けばすっかりお昼になってました。

 

 

 

12時になってようやく出発。

対岸もこれまでと変わらず

未舗装の林道が続いておりました。

ゴールの“ヴィジャ・オイギンス”

までは残り90km。

雨は昨日ので終わりにしてくれ。

 

 

 

 

 

 

2時間ほど走った所で、路上に停まった一人のサイクリストが。

北上しているというアイルランド人のキムさんですが

チェーンが切れて困っていたようです。

僕は道具を持ってるので、修理をしてあげることに。

 

 

 

スムーズに作業は完了。

普段は他人に

助けてもらってばかりなので

お役に立てて光栄でございます。

お礼にクッキーを頂きました。

キムさん、良い旅を!

 

 

 

 

「この先、大きな峠よ」と

キムさんから情報を貰ってたのですが

標識がものスゴイ角度。

これ、わざとなのかミスなのか。

でもこんなの張られると

おかげで覚悟はできます。

 

 

 

さすがに標識が示すほどではないけど

確かに坂は急でした。

それでは1時間ほどで

峠を越え下り坂へ。

雨がまたブレーキすり減ってるので

下りが怖い…。

 

 

 

 

 

予想以上にアップダウンが激しく、

そもそも出発が遅かったこともあり

朝の港から30kmちょっとの所で野宿をすることに。

 

 

 

「アウストラル街道」最後の夜も

ゆっくり焚火と向き合うことが出来ました。

この先、ここまでの大自然の中で

野営することも無いかもしれないので

どうしても野宿で

締めくくっておきたかった。

 

 

 

 

 

 

 

コクラン出発4日目。

そして、アウストラル街道走行24日目。

いよいよ今日にはゴールに到達できそうです。

 

 

 

遂に最終日と

意気込んだのはいいものの、

朝からとんでもない斜度の

アップダウンが続いておりました。

ほとんど漕ぐことなどできず

押しながらゆっくり進む。

 

 

 

峠に差し掛かった所で

振り返ると、雄大な景色が。

さっきまで走っていた道を

はるか下に見下ろす。

最悪ヒッチハイクも想定してたけど

なんとか自力で完走できそうです。

 

 

 

 

 

お昼を過ぎたところで

ようやく道は平たんになり青空も広がり始めました。

このまま晴天の下、ゴールできそうです。

 

 

 

そのまま緩やかな道が続き

景色を楽しむ余裕も出てきました。

湖畔の爽やかな道を行く。

アウストラル街道だけで

いくつの湖を見てきただろう、

とにかく緑と青がどこまでも広がります。

 

 

 

やがてちょっとした起伏も無くなり

道がどんどん穏やかになってきました。

絶対、最後まで雨なんだろう

と思っていたので

青空を拝みながら走り終われるなんて

すごく幸せ。

 

 

 

 

 

そして、夕方4時半頃

ついにアウストラル街道のゴール「ヴィジャ・オイギンス」に到着しました!

 

スタートの街・プエルトモントから距離にして1,200km、

東京から九州に至るほどの長さに及ぶ道中は

たくさんの雨と森と水辺に溢れていました。

そして、余裕がなくてほとんど写真に撮れなかったけど

たくさんのサイクリスト達と出会えたのも、この道ならでは。

 

 

 

 達成感を覚えつつも

オイギンスの村自体は

地味というか、簡素というか

ひっそりとしてホントに静かな様子。

でもこの静けさこそが

“最果て”を感じさせてくれるのかも。

 

 

 

 

 

しばらく好天が続くようなので

ここではキャンプ場に滞在することに。

アウストラル街道は走破したものの、

実はまだ“冒険”は続くのです…。