旅の最終章、パタゴニアへ!

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【316日目 17,566km】

 

 

首都サンティアゴから1,000kmの旅を経て

たどり着いたのは「プエルトモント」。

海に面した都市にはたくさんのビルも建ち並んでいます。

 

 

 

南北に細長く伸びるチリの国土でも

かなり南に位置する

プエルトモント。

ここからさらに南に広がる

“パタゴニア”といわれる

地域への玄関口ともなっています。

 

 

 

街の中心を歩くと

首都サンティアゴと同じ

近代的な印象を受けます。

ただ南に真っすぐ

下ってきたこともあり

日中でも1枚羽織りたいほどの気温。

 

 

 

 

 

プエルトモントを訪れる観光客の多くは

周辺の火山や湖を目的とするそうですが、

街中にも見所はあります。

 

 

 

それが“アンヘルモ”という

街の西にある魚市場。

ちょうど滞在が週末と

重なったこともあって

沢山の人で賑わっていました。

そこらに溢れる海鮮の数々。

 

 

 

もちろん魚も沢山売られてるのですが

甲殻類や貝類も充実しております。

これまで海に面した都市を

そんなに通過していないので

ここまで活きの良いものが並ぶと

見てるだけでワクワクしてきます。

 

 

 

魚市場には当然食堂も。

チリ入国以来3杯目となるのは

「パイラマリーナ」。

貝やエビの旨味が

ぎゅっと濃縮されたスープは

海鮮の魅力を味わうには一番です。

 

 

 

別日に再訪して食べたのは

こちらの「チュペ」。

牛乳やパン粉がベースの

濃厚なグラタンでございます。

具材は贅沢にもタラバガニ。

そりゃ、美味しいに決まってます。

 

 

 

 

滞在していたのはコチラの宿。

到着時にはここまでの都市と同じように

どこも満室だったり高額だったりで

数軒尋ね歩いてようやく見つけた場所です。

 

 

 

1泊¥3,000ほどだけど

この街の個室ではかなり安い方。

しかもすごく綺麗で

これから向かう大自然に備えて

たっぷりと休養のとれる

最高のお宿となりました。

 

 

 

 

 

 

宿に滞在する時の楽しみは自炊。

ということで日中訪ねた魚市場で

サーモンとウニを仕入れておきました。

 

 

 

大体200gほどで¥800。

普段ウニなんて買うことないから

相場が分かりません。

クリーミーかつ塩気のあるウニは

パスタにしてやりました。

あぁ、美味しい。

 

 

 

サーモンは定番のムニエルに。

馴染みのある魚だけに

食べるとほっとします。

思えば日本のスーパーでも

チリ産のサーモンは多いですよね。

海鮮グルメの日々、幸せ…。

 

 

 

同時に泊まっていた

アルゼンチンのご家族には

マテ茶をご馳走になりました。

渋みが強いけど、日本人には

かなり合うお味です。

ちなみに上の白い粉は砂糖ですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて。

プエルトモントから引き続き南へと向かうわけですが、

ここから旅は新たな局面へ突入します。

 

南に向かうほど先細っていく南米大陸。

特に南緯40度以南、

つまりこのプエルトモントから先の地域は

「パタゴニア」と呼ばれ圧倒的な大自然が広がります。

 

 

 

 

さらにプエルトモントから続く

ギザギザに入り組んだ海岸線に沿って1,200kmに及ぶ道路

「アウストラル街道」は、

その道中の自然美を楽しむため世界中からサイクリストが訪れる

自転車乗りの聖地ともなっております。

 

 

 

1年通じて雨や風が多いことに加え、

寒さも待ち受けるパタゴニア。

雄大な自然の厳しさと美しさを感じながら

南北アメリカ大陸、そして世界を巡る旅の“最終章”を

楽しんでいきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

プエルトモントで休むこと3日間、

荷物をまとめて宿を発つと

いよいよパタゴニアの旅が始まります。

海辺の遊歩道にはアウストラル街道の起点を示す

“KM0,00”の標識。

 

 

 

走り始めて30分ほど、

思いのほかコンパクトな

プエルトモントの郊外へ出るまでは

あっという間でした。

午前中は100%に近い率で

厚い雲が広がります。

 

 

 

海辺を走る道路は

まっ平らか、起伏が激しいか

のどちらかなのですが

どうやら後者であるよう。

写真では伝わりませんが

かなりの激坂です。

 

 

 

昼過ぎの1時には

45kmほどを走って

港に到着。

実はここで道路が途切れており

対岸へと

向かう必要があります。

 

 

 

 

 

パタゴニアのチリ側海岸は

氷河によって陸地が複雑に削られた“フィヨルド”

であるため、こうした

フェリーの利用が不可避なポイントが複数あります。

最初のポイントはわずか30分で料金も¥500ほど。

 

 

 

昼過ぎなので

ちょうど良い休憩に。

街で買っていた

パンをかじりながら

ゆっくりと流れる景色を

のんびり眺めて過ごします。

 

 

 

 

 

予定通り30分でフェリーは対岸へ到着。

このあたりで1泊と考えてましたが、

時間は午後2時なのでまだまだ漕げそうです。

 

 

 

パタゴニアを南下するにつれ

集落は減るものの、

全く無くなるわけではなく

道路沿いには人家が

まばらに現れます。

土地が安いのか立派な家が多い。

 

 

 

都市間を行き交う

大きな物流トラックが通らないからか

道路の起伏が容赦ありません。

公道ではあるけど

こんな急な坂は

経験がない、というほど。

 

 

 

 

 

 

平坦な道などほとんど無く

常に上るか下るかの道を数時間漕ぎ続け、

夜7時に「オルノピレン」の町に到着。

次なるフェリーの港もあるので

今日はここで泊まっていきます。

 

 

 

町中のキャンプ場へ。

キャンプ場というより

「裏庭にテント張って良いですよ」

という感じで、

サイクリストや登山客でぎっしり。

1泊¥1,000ほどです。

 

 

 

道が起伏に富んでいるうえに

フェリーの利用もあることから

ここまで2日掛かるかも、

と想定してたのですが

1日で順調に来れました。

アウストラル街道、良いスタートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

アウストラル街道2日目。

ここ数日では珍しく朝から広がる青空の下、

港へ向かうと

すでに10時出港予定のフェリーが停泊していました。

 

 

 

いざ船に乗り込むと

すでに沢山の自転車が。

昨日の時点で

「どこから来たの?」なんて

全員と話せばキリのないほど

たくさんのサイクリストと遭遇してます。

 

 

 

今日のフェリー移動は

2つの船を乗り継いでいく行程で

60kmも南下します。

入り江を進むので

波も無く穏やか。

故郷の瀬戸内海のよう。

 

 

 

あたりを見回すと

チリやお隣アルゼンチンの方が

多い様子。

やはり地元の人でも

パタゴニアにはテンションあがるのか

パシャパシャ写真撮りまくりです。

 

 

 

3時間ほどかけて

船は港に到着。

ここから10km自転車を漕いで

次の港を目指さなければなりません。

シャトルバスが欲しいけど

景色が綺麗だから良しとする。

 

 

 

無事次の港について

20分ほど待ったところで

フェリーが到着。

まずはサイクリスト達が続々乗船。

地元チリや

アメリカ、カナダの方たちです。

 

 

 

気温は20℃を少し切る

くらいでしょうか。

船の上は風が吹くから寒いけど

走る分にはちょうど良い気候です。

まぁ多分それも今だけで

どんどん寒くなりそう…。

 

 

 

 

 

 

2回目のフェリーは45分ほどで港に到着。

この時点ですでに午後4時半。

今日は船旅メインでほとんど走れそうにありません。

 

 

 

といっても港付近に

町は無く、うっそうと

森が広がっているばかりなので

少なくとものんびり

テントを張れるところまでは

走らなければ。

 

 

 

アウストラル街道は

「世界一美しい林道」とも

呼ばれており、さっそく

奥深い原生林へと入り込んでいきます。

道は未舗装である上に

山中なのでアップダウンも多い。

 

 

 

 

 

 

港から走り始め

わずか17kmの距離に2時間半も費やして

下調べしておいたキャンプ場へ。

どうやらスタッフもいないようでタダで泊まれそう。

 

 

 

風に揺れる木の音を聞きながら

クスクスを茹でていると、

改めて大自然に足を踏み入れた

のだと感じさせられました。

プエルトモント出発翌日にして

ガラリと変わった景色。

 

 

 

ということで、いよいよ

旅の最終章・パタゴニア編が始まりました。

これから進む道には

これまでに眺めてきたどの景色にも負けないような

雄大な自然美が待っているはず。

 

砂利道と上り坂に苦しみながら1日ずつ前進していきます。