サンティアゴ到着!

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【299日目 16,307km】

 

 

首都サンティアゴまでいよいよ200km。

チリ入国以来走り続けてきたアタカマ砂漠の旅も

ようやく終わりが見えてきました。

 

 

 

砂漠を越え気候が変わりつつあるのか

このあたりから朝の曇り空が

パタリと無くなりました。

しかもサンティアゴに近づくにつれ

坂も減っていってるので

気持ち良く漕ぎ進めることが出来てます。

 

 

 

それと同時に気温も

少しずつ上がっているように

感じてます。

南下して赤道から

離れているはずなのに。

日中は25℃くらいでしょうか。

 

 

 

お昼過ぎ、南米大陸では初めてとなる

トンネルに差し掛かりました。

ただ高速道路を2kmも進む

長さということで自転車は走行禁止。

トラックに載せてもらうか

周り道をしなければなりません。

 

 

 

トラックがつかまりそうもなく

仕方なく遠回りをしようとしたところ

あるドライバーさんが

声を掛けてくれました。

50kgにも及ぶ自転車を

二人で荷台に抱えて載せる。

 

 

 

10分ほどでトラックは

あっという間にトンネルの反対側へ。

どうしようか、と思いましたが

無事に乗り越えることが出来ました。

ドライバーのカミーロさん、

ありがとう!

 

 

 

サンティアゴに向け道は

内陸へと曲がります。

そのぶん山も多いと思いきや

道路はどこまでも平坦。

嬉しい誤算に

ペダルを漕ぐ足にも力が入る。

 

 

 

 

 

野宿をするための十分な水が無いことに気付き

気が付けば道はなにもない荒野へ。

 

何とか集落へたどり着こうと夜8時過ぎまで

ペダルを漕ぎ続け、ようやく道路脇に食堂を発見。

 

 

 

店主のヴェロニカ&ロベルトさんご夫婦

にテント泊の許可ももらい、

翌朝お店で売るための

パンを焼く作業のお手伝い。

お店の横にある大きな石窯で

次々と焼いていきます。

 

 

 

そのまま店内で焼きたての

パンを食べさせてもらうことに。

近くの村で作られたという

ヤギのチーズと一緒に食べると

もちもちのパンがさらに美味しい。

チリのパンは絶品です。

 

 

 

風を避ける小屋の横に

テントを張らせてもらう。

良い場所に寝られると思いきや、

夜中にご夫婦の飼ってる犬が

近くに寄ってきて

ワンワンと30分くらい吠えてきました。

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、出発前にお二人と記念写真を撮ろうと思ったのに

いつまでも起きてこない。

お店開けなくていいんだろうか…。

 

残念だけどもう出発しなくては、

昨夜のうちに撮っておけばよかった。

 

 

 

数週間に渡って目指し続けた

サンティアゴまでわずか80km。

やっぱり逐一見所がないと

長期の旅は辛いです。

この3週間はホントに

ただ進むばかりだった…。

 

 

 

南米の都市はどれも

高台にあると思っていたけど

サンティアゴの周辺は

本当にどこまでも平坦。

思いの外スムーズに

都心部までたどり着けそうです。

 

 

 

サンティアゴまでわずか10km。

徐々に大型の小売店や

道路の高架なども現れ

都市空間の片鱗が見えつつあります。

たった数日前とは

全然違う風景。

 

 

 

街の中心部に近づく際には

川沿いの遊歩道を走ります。

こんな綺麗にデザインされた道を

走ること自体、南米では初めてだ。

道沿いに植えられた樹から

漏れる日が美しい。

 

 

 

そびえる高層ビルに

立体交差する道路。

人口550万人を擁する都市とあって

かなり近代的で

人も車も慌ただしく

行き交っています。

 

 

 

 

 

 

そして、ついに到着しました

チリの首都・サンティアゴ!

 

入国からおよそ3週間、

周辺に町の少ない高速道路ばかりを走ってたことで

半ばモチベーションを失いかけ、

ただ機械の様にペダルを漕ぐだけの日もありましたが、

久しぶりの大都市に気分が高まっております。

 

 

 

 

 

 

まずは宿に向かうのですが、

2日ほど前に予約したはずの所が

カード決済処理が上手くできていない

と言われ、予約できてませんでした。

モヤモヤしつつも地元の人に聞きつつ

飛び込みで別のゲストハウスへ。

 

 

 

ささっと荷物を部屋に移し

5日ぶりのシャワーを浴びたら

近くのラーメン屋へ。

大都市に着いたら

まず一番にラーメン屋を探すという

謎のルーティンが出来上がってます。

 

 

 

 

 

 

 

到着翌日はさっそく市内の観光へ。

大都市サンティアゴといえども

観光客が訪れる見所は、昨日到着してすぐに向かった

中心部の「アルマス広場」周辺に集約されています。

 

 

 

まず最も目立つ建物

「サンティアゴ大聖堂」へ。

およそ500年の歴史を持つ

風格のある建築は

入植してきたスペインの影響を

大きく感じさせます。

 

 

 

色々な捉え方が出来るだろうけど、

世界中のあらゆる土地において

共通の文化圏を築き上げてきた

キリスト教の力は凄いと感じます。

人類って宗教なしでは

発展できなかったんだろうな。

 

 

 

他にも広場の四方は

歴史的建造物が取り囲んでおり、

こちらは100年以上の歴史を持つ

中央郵便局。

大地震にも耐えてきた

頑丈な作りです。

 

 

 

 

 

広場から数百m離れたところにあるのは

大統領官邸の「モネダ宮殿」。

現役の官邸ということで、周囲に賑やかさは無く

荘厳な様子が漂います。

 

 

50年前、クーデターにより

社会主義政権が転覆した際、

当時の大統領が

ここで自害したということで、

チリ民主化の歴史においても

大きな意味を持つ場所です。

 

 

 

 

 

 

街を散策する中で、気になるのがこちらのドリンク。

そこらじゅうの屋台で売られています。

名前は「モテ・コン・ウエシージョ」と言って、

桃を砂糖とシナモンで煮出した甘い飲み物です。

 

これまでのペルー、ボリビアでも似たような

コンポート系の飲み物はありましたが、

特徴的なのが底に沈んだ粒。

実はこれ、殻付きの小麦でございます。

 

 

 

キンキンに冷えたコンポートを飲みつつ、

スプーンで小麦をすくって食べる

というのがこの飲み物の味わい方。

小麦とコンポートの組み合わせが

何とも不思議ですが、夏の風物詩であり

チリを代表するソウルフードだそうです。

 

 

 

 

 

滞在2日目に向かったのは

宿からすぐ近くにある山、

「サンクリストバルの丘」。

サンティアゴの街には

ポコポコと小さな山が

いくつか点在してます。

 

 

 

小さいとはいえ高さは

300mほどあり傾斜も急。

自転車乗らない日は

なるべく体力使いたくないけど、

一応観光スポットは網羅しておきたい。

気温は30℃ほどでじわっと汗をかきます。

 

 

 

頂上まで歩くと

大きなマリア像が立っていました。

日光が眩しいし

どう撮っても逆光になるけど

それがまた神々しさを

演出してます。

 

 

 

 

頂上からの景色がコチラ。

高層マンションがいくつも建ち並ぶ様子は圧巻で、

これまで走ってきた砂漠の景色とはかけ離れています。

 

海まで100km以上離れているので

どのみち太平洋は見えないのですが、

真夏の昼間ということで空気はかすんで遠くまで

はっきりとは見渡すことができません。

 

加えて、人口が密集しているサンティアゴは

大気汚染も深刻なようでより空気を濁らせてしまってるのだとか。

 

 

 

 

 

 

こちらはアルマス広場からも

ほど近い中央市場。

チリ入国からそれほど多くの

町を通過してないので

市場というもの自体

チリでは初めて見ることに。

 

 

 

中を覗くと

魚介専門の市場だったようで

魚や貝などがズラリ。

場所によっては市場って

生臭さがヒドいんですが、

ここは新鮮なのかそんなこともなく。

 

 

 

 

ということでまた食べてしまいました

ラ・セレナの街で虜になった「パイラマリーナ」。

熱々のスープに溶け込んだ魚介の旨味が溜まりません。

 

チリで美味しいものを食べようと思ったら

やっぱり海鮮になるんだろうな。

これから南下していくのが楽しみ。

 

 

 

さらに観光だけでなく

これから旅の終盤に突入する前に

自転車のメンテナンスをすべく、宿の近くのバイクショップへ。

 

 

 

ギアの変速がスムーズにいかないのが

気になってたのですが、

細かいパーツの取り換えや

ワイヤーの張替えが必要だということに。

アラスカから1万5千kmも走れば

何かとガタもきます。

 

 

 

という感じで、砂漠の疲れを癒しつつ

首都サンティアゴでの3日間の滞在を満喫。

 

美味しいグルメも堪能しつつ、

柔らかいベッドで横になりつつ、

砂漠の疲れもしっかり癒すことが出来ました。