首都サンティアゴを目指す③

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【293日目 16,109km】

 

 

チリの首都サンティアゴを目指して南下中。

ラ・セレナの街で2日間の休養をして

再びペダルを漕ぎ始めます。

 

ここからサンティアゴまでは500km足らず。

5日間あれば到着できるはず。

 

 

 

出発した後にも続く都市を見渡して

改めてラ・セレナが

割と大きな街であったことに気付く。

高層ビルや綺麗な住宅が並ぶ様子は

ペルー、ボリビアと眺めた来た

南米の様子とは一味違う。

 

 

 

海沿いを走る高速道路から

右手を見下ろすと

優雅なビーチリゾートが。

おそらくチリだけでなく

各国の富裕層が訪れるんだろうな。

海も建物もすごく綺麗です。

 

 

 

そして例に漏れず

今日も午後から強い風が吹き始める。

目に見えない障害に苦戦してるからか

チリに入国してからとにかく

疲労がスゴイです。

風と戦い続けている。

 

 

やはり夜は食堂へ。

もっと地元の人と積極的に

関わろうと思うのですが、

そもそも村が無く食堂しかないので

食事をしてテント泊のお願い、という

パターンが固定してしまっている。

 

 

この日は豚のソテーと

スパゲッティ。

すごく美味しいワケじゃないんだけど

1日走り切った後の肉は

やっぱり体に染みます。

素朴でシンプルなお味。

 

 

 

南から吹き上げる風がやまず

場所選びに苦戦するも、

給水塔の陰に

テントを張らせてもらうことに。

風さえなければ食堂横じゃなくても

テント泊できるんだけど…。

 

 

 

 

 

 

 

ラ・セレナ出発2日目。

朝食は街で買っておいたパンに

チリの定番キャラメルクリームを塗る。

 

宿にいるときはパンをレンジで温めるんですが、

それがもう美味しくて美味しくて。

 

 

 

朝って大体気分が高揚するんですが、

さすがに絶景も無く

ただ進むだけの日が続きすぎて

ワクワクみたいなものが

無くなってしまっている。

でも安全のために気は抜いちゃダメだ。

 

 

 

ウインドミルの群れを見ると

ゾッとしてしまう。

これが回転しはじめるまえに

この地帯を抜け出さなければ。

もはや強風恐怖症です。

追い風ならいいのに。

 

 

 

 

 

 

海沿いを走るここ数日アップダウンは激しいのですが

今日は特に上りが多い。

 

汗をかきながらやっと上り終えたと思えば

はるか向こうに次の峠が見える。

体力と同時にメンタルも疲弊してくる。

 

 

 

勾配が急になる場所では

自転車を降りて押しながら、

なるべく止まらないように

少しずつでも進んでいく。

同じ景色ばかり繰り返すのも

やはり辛い…。

 

 

 

夕方、家族連れの車が

わざわざ停まってくれて

エナジードリンクを貰いました。

こんなちょっとしたことで

元気が湧いてくるから

人の優しさってありがたい。

 

 

 

 

 

 

疲れ果てお腹もすいた夜7時頃。

反対車線側に一軒の食堂を発見。

 

今日は80km程度しか走れてないけど、

そろそろここまでにしておくことに。

少し先に陸橋があり、向こう側へと渡ります。

 

 

 

注文したのは白身魚のフライ。

身が柔らかくて美味しいです。

付け合わせの野菜があるんだけど

いつもイモとトマトばかりで

緑が無いのが残念。

わがままでごめんなさい…。

 

 

 

 

 

 

旅の話で一緒に盛り上がったのは

近くの席で食べていたトラックドライバーの“ホルヘさん”。

 

アラスカから来たことに感激してくれ

「俺のおごりだ!コーラも飲んでいいぜ!」

と振る舞ってくださいました。

ありがたや。

 

 

 

今日は上りに苦しみ

遅くまで走ったけれど、

人の温もりに触れたことで

気持ち良く眠りにつくことが出来ました。

やっぱり旅は人だなぁ、と

人の少ない砂漠の中でこそ強く感じる。

 

 

 

 

 

 

 

ラ・セレナ出発3日目。

食堂には看板犬に別れを告げて今日も出発です。

 

時に人的被害すらもたらすピットブル、

激しい愛情表現でなついてくれました。

ちょっとブサイクなところも可愛いですよね。

 

 

昨夜食堂にて

ごちそうしてくれたホルヘさん曰く、

昨日で最も起伏の激しいエリアは

走り切ったはずとのこと。

厚い雲の下

ゆるやかな坂をくだっていきます。

 

 

 

 

 

「エンテラウケン」という小さな町を過ぎたところで

ある食べ物屋さんに到着。

グーグルマップでたまたま見つけたのですが

ここを通り過ぎる人たちは皆立ち寄るのだとか。

 

 

お店の名物は“チーズエンパナダ”。

ラテン文化圏で広く食べられる

具入りのパイ“エンパナダ”ですが

このお店のチーズが

たっぷり入ったものが

大人気なんだそう。

 

 

 

熱々のエンパナダをかじると

中にはとろけるチーズがぎっしり。

ただのチーズパイでしょと思ったけど

これは予想以上に美味しかった。

そして1つ¥600ほどと

予想以上に高かった。

 

 

 

天気の良くなる午後には

波が打ち寄せる海岸線へ。

地球の裏側の日本まで

この大海原が続くんだから

太平洋ってホントに大きいよなぁ

としみじみ感じる。

 

 

 

 

 

ガソリンスタンドで声を掛けてくれたのは

おそろいのホンダのバイクでツーリング中の

“ロドリゴさん&ホルヘさん”。

 

 

 

ジュースとホットドッグを

ご馳走してくれました。

首都サンティアゴが近づくにつれ

交通量も増え、

人と接する機会も

少しずつ増えている気がします。

 

 

 

昨日までの上下に

うねり続ける道が噓のように

まっ平らになりはじめました。

時速20km近い早さで

漕いでいけるのが気持ちいい。

自転車は押すのでなく漕ぐもの。

 

 

 

夕方6時、高速道路脇の

ガソリンスタンドへ。

ファストフードやトイレなども

充実していてとても綺麗です。

しかもWiFiも完備だから

つい長居してしまう。

 

 

 

 

 

 

ガソリンスタンドの敷地の隅に

人目を避ける場所を見つけ、

そのままテントを張ることに。

 

サンティアゴまではいよいよ200km。