首都サンティアゴを目指す①
【287日目 15,600km】
チリ入国と同時に突入した
アタカマ砂漠の旅が思った以上に過酷で
疲労感もそれなりのもの。
たどり着いた「チャニャラル」の町では
2日間の休養を取ることにしました。
滞在先のゲストハウス。
ペルー、ボリビアより物価は上がり
個室で1泊¥3,000。
ただ移動中は毎日野宿で無料なので
休みの日はためらわず
一人部屋をとるようにしてます。
確認せずとも
Wifiは完備されてるし、
シャワーからお湯は出るし、で
まだ大きな街ではないにせよ
チリがいかに整った国なのか
よく分かります。
海沿いとはいえ
人口も少ない小さな町・チャニャラル。
リゾート感は全くないし
漁港ならではの賑わいみたいなのも
ほとんどありません。
なんだか寂しい…。
そんな町でちょっとテンションが上がったのがスーパー。
南米大陸3カ国目にして劇的に品揃えがよくなり、
アメリカ・カナダで見てきたブランドもラインナップされてます。
そしてペルー、ボリビアでは
探しても無かった
「クスクス」まで発見。
物価高で自炊ばかりだった
北米旅を支えてくれたアイテムです。
迷わず3袋購入。
夕食は町の食堂へ。
これはペルー、ボリビアと変わらない
白身魚のフライなんですが、
物価はグッと上がって
何を頼んでも¥1,000ほど。
そのぶん特に美味しいわけでもなく。
¥300以下で1食を済ませられた
ここ数カ月とは全く別の世界。
ここからは北米の様に
自炊を中心に旅を進めていく必要がありそうです。
2日間の滞在を終え、体力も回復。
引き続き首都サンティアゴを目指して南へ走り始めます。
サンティアゴまでおよそ1,000km。
しばらくは海に沿って道が続いており
久しぶりの太平洋を眺めながら
走っていきます。
この日は雲が厚く
どんよりしてることもあって
さほど綺麗ではないのが残念。
休憩中の野良犬。
“だるまさんがころんだ”の
ごとく、振り向くたびに
こちらに近づいてきました。
そんな目で見つめてこないで。
仕方ないからパンの切れ端をあげる。
正午を過ぎると
空を覆っていた雲が流れ
一気に青空が広がりました。
同時に海も青く輝き始め
眺める景色も綺麗に。
気持ちの良いコーストライン。
バス停一つでも
こんなしっかりしたものが建って
チリは綺麗だなぁ、なんて
感心しながら休憩させてもらいます。
道路にヒビも無いし
確かに“南米のヨーロッパ”だ。
午後になってしばらくすると
再び海を離れ内陸方面へ。
核心部は終えたようだけれど
もうしばらくアタカマ砂漠を
出たり入ったりしながら
道は続いていくようです。
予定以上の130kmを走った夕方6時。
道路脇にレストランを発見。
高速道路の脇にはこうしたトラックドライバー向けの食堂が
一定間隔で現れてくれます。
すでにチリ入国から
2週間近くたちますが
料理の方向性は
ペルー、ボリビアとは
大きく違わないみたい。
シンプルに焼く、揚げるが多いです。
嬉しかったのが食後、
店主のお母さんに声を掛け会計をしようとした時でした。
「ここよくサイクリスト通るのよ。
応援してるからお金は要らないわ!」
そしてそのままお店の横に
テントを張らせてもらうことに。
ドライバーさん達からも
水をよく貰うし、
チリに来て人の温もりを
一段と感じるようになりました。
チニャラル出発2日目。
スクランブルエッグを食べて今日もスタート。
夕食をごちそうしてくれた店主マルシアさんと
記念に写真が撮りたかったけど
まだ寝ているらしくお店にはおらず。
今日も変わらず高速道路の脇を
ひた走って行きます。
チャニャラル以降、
午前中の空は
必ず曇った状態です。
暑くもなく寒くもなくちょうど良い。
ここからおよそ
200km続く砂漠地帯に突入。
またか、という気分だけど
まぁ2日間で走りきれる距離なので
黙々と漕いでいこう。
同じ景色が続きます。
しばらく大きな見所がないだけに
寄り道もせず
どのみち真っ直ぐ走るだけなんだけど、
道路脇にお店もなにもないので
ちょっとだけ心細い。
砂漠の景色にももう飽きてます。
すると12時を回った時点で異変が。
真っ正面から強烈な向かい風が吹きはじめたんです。
ほんの数日前に苦しんだばかりなのに
砂漠にはコレがあることを忘れてた…。
目的の食堂は60kmほど先、
それまでは何もないことが予想される。
ということで今日のところは
進むのを止めといて、
20km戻った街に滞在することに。
風を考慮して
もっと朝早くから
行動をはじめておくべきだった。
「コピアポ」という街には
割りとたくさんの宿があり、
すんなりと泊まれる部屋を
見つけることが出来ました。
¥2000ほどで安いし
延泊したいくらい快適な宿です。
しかし風ひとつで
その日の走行を中止するのも
かなり珍しいです。
南米大陸も南下するにつれ
どんどん強風地域が増えるらしいので
ちょっと不安。
そして翌日、チャニャラル出発3日目。
朝7時には宿を発ちました。
ここ数日の様子を伺うに、
日の出が7時前で、日没が21時頃。
太陽が真上にのぼるのも13時頃だし
チリの時刻って1時間ずれ込んでる感じがします。
朝は曇って、
午後からは曇一つない快晴。
律儀なほどこのパターンを守る
ここ何日かの天気。
この日は曇りというより
雲の中を走ってる様な気分。
しばらくひんやりとした
モヤの中を進むと、
墓地が現れました。
視界の悪さも相まって
非常に怪しげな雰囲気。
お墓は1人に1つみたいです。
昼食はスーパーで買っておいたパン。
ヨーロッパからの影響が大きいチリ。
その恩恵を受けてか
パンがかなり美味しいんです。
小さな町でも歩くと
小麦の良い香りがするほど。
あいかわらず起伏の多い
アタカマ砂漠の道。
午後3時にもなると
日差しは暑くなり
汗をかきながら
必死にペダルを踏み込んでいく。
夕方6時、
この日もやはり道路脇の食堂へ。
まずは食事をして
「あのぅ…、実はお願いが…。」
とテント泊のお願いをするのがお決まりになりつつある。
アメリカの田舎にある
ダイナー(食堂)のように
飾り気はないんだけど
小綺麗に整えられたチリの食堂。
夜も7時頃から作業着を着た
ドライバーさん達で賑わいます。
「カスエラ」という
牛肉と野菜のスープ。
ペルーでもよく食べたけど
疲れた体に嬉しい1品。
やはり値段は¥1000近く
テント泊お願いするための必要経費。
という風に
似た景色、似た行動パターンを繰り返しながら
首都サンティアゴへの距離を縮めています。