アンデスの湯

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【239日目 12,826km】

 

 

観光と休養のため、クスコにはたっぷり一週間の滞在。

これ以上休んでしまうと体がなまってしまうので

準備を整えると久しぶりにペダルを漕ぎ始めます。

ここから目指すは国境付近の街「プーノ」。

 

 

 

クスコ周辺の交通量が

予想より少なかったことに加え

緩やかな下りが続いたこともあり、

思いの外スムーズに郊外へ。

休み明けの出発前は気分が重いけど

スタートすればいつも通り快調。

 

 

 

と思いきや、出発1時間で

南米での初パンク。

クスコの宿周辺を抜ける時

階段が多かったので

おそらく“リム打ち”だと思われる。

30分でスムーズに対処。

 

 

 

クスコまでの道のりは

過酷な山道ばかりだったけれど、

ここから国境までは

割と平坦な道が続きます。

それでも標高は

3,500m程度の高原地帯。

 

 

 

道の脇を見上げると

高層マンションの

ミニチュアのようなものが。

実はこれらはお墓なんです。

それぞれが小さな家のような形で

なんとも可愛らしい。

 

 

 

昼頃に通りがかった街でランチ。

屋台で見つけたのは

豚の揚げ焼き“チチャロン”。

脂ギッシュで重いけど

疲れてお腹ペコペコの時には

食べ応えバッチリなんです。

 

 

 

クスコまでの道もそうであった様に

午後から厚い雲が広がる

雨季のペルー南東部。

ゴロゴロと雷もなってきたけど

プーノまでの旅程を考えると

もうちょっとだけ進んでおきたい。

 

 

 

午後3時頃、「クシパタ」に到着。

空模様を眺めつつ

どこまでいけるか考えていると、

とたんに大雨が降り始めました。

食堂も宿もひと通り揃っている様なので

今日の所はここでステイ。

 

 

 

¥1,000で十分良い部屋を

見つけられました。

これでちゃんとWi-Fiもついてるから

ありがたい。

移動中は極力宿は避けたいけど

雨なので仕方ありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

クスコ出発2日目、まずは屋台にて朝食。

最近は“シエテ・セミージャ(7つの種)”

という飲み物にハマっています。

 

ペルーのどこでも飲まれている定番ドリンクで

“トウモロコシ、オーツ麦、キヌア”など

穀物系がミックスされた健康的な飲み物。

 

 

 

昨日の夕立から打って変わって

気持ちの良い青空が広がる朝。

でも今日もどうせ

午後から降るんだろうなと、

空模様を疑い午前中のうちに

出来る限り漕いでおく。

 

 

 

急斜面が減り平地が増えたぶん

耕作地も増えたように感じます。

トウモロコシを中心に

様々な作物が育っています。

こんな景色を見ると

日本の田舎みたいだと思う。

 

 

 

気温は20℃を少し

越える程度でしょうか。

標高が4,000mに近づいても

全く寒くはないです。

そういえばこの高さまできても

頭痛もしなくなったな。

 

 

 

昼頃には「シクアニ」という街に到着。

ランチ休憩にオレンジジュース。

一緒に走ったアウレリオさんが

好きだったこともあって、

最近フレッシュジュースに

ハマりすぎています。

 

 

 

“さぁ、午後の部スタート”

というタイミングで

途端に大雨。

街中だったのが幸いして

お店の軒下で雨宿り。

30分程度、空を眺めて休憩です。

 

 

 

クスコで買っておいた“コカキャンディ”。

これから標高が少し上がるので

いちおう高山病対策です。

ほんのり甘いお茶の味が美味しいけど

ヤベェ白い粉の原料になるコカの葉が

由来なので日本には持ち込み不可。

 

 

 

雨が上がって走り始めた道は

緩やかな上り坂。

力を込めずのんびり漕げる程度だけど

久しぶりに標高4,000mを

越えていきます。

呼吸を整えゆっくり進む。

 

 

 

午後5時、何とか着きたいと

思っていた場所まで来られました。

道路脇の看板には

“アグアス・カリエンテス”。

アグアス(水)、カリエンテス(温い)。

水、温かい。…温かい水。

 

 

 

 

 

 

そう、やってきたのは「温泉」!

リマの日本人宿桜子のナツキさんより情報を得てから

ずっと楽しみにしていた場所なんです。

 

 

 

“熱め、普通、ぬるめ”

と温度別に分かれた

いくつもの露天風呂。

茶色に濁ったお湯からは

ほんのり硫黄の匂い。

正真正銘の温泉です。

 

 

 

目の前には雲のかかった

アンデスの山々。

何にもない田舎だから

お客さんもまばらで

ほぼ貸し切り状態。

ここは天国なのか…。

 

 

 

入浴料は¥320、

敷地内のテント泊が¥200。

入湯税なんてもちろん無し。

あちこちからのぼる

湯気を見るだけで何とも幸せ。

ここは天国なのか…。

 

 

 

 

 

 

「どうせ海外の温泉だし、ぬるいうえに

子供がばしゃばしゃ泳いで、しかも色々浮いてんでしょ…」

と過剰な期待はせずにやって来たのですが

実際には本物の天国でした。

 

午後6時を過ぎ空気もひんやりし始めたところで

熱めのお湯に浸かる。

「あ゛ぁぁぁ…」

 

半分のぼせたぽかぽかの状態でそのままテントへ。

旅史上最高の野営地となりました。