クスコ到着!
【230日目 12,852km】
アンデス山間の街「アバンカイ」にて
1日休みを挟んで
引き続きペルー第二の都市・クスコを目指します。
斜面に広がるアバンカイとあって
出発時点からいきなり激坂。
ナスカからクスコまでの間に
4,000m越えの大きな峠が
4つあるのですが、
今日挑むのはその3つ目。
街からの獲得標高は1,800m、
1日で登りきってしまいたいところ。
遠いと思っていたクスコも
あと200kmを切りました。
文字通り“山場”はまだあるんだけど
終盤に近づいてるのは間違いない。
容赦のない上り坂を
自分で鼓舞しながら登っていく。
午後4時頃、
疲れ切ったアウレリオさんから
「ここまでにしよう」と提案があり
頂上付近に無人の小屋を見つけ
野宿をすることに。
酪農作業用の小屋のようです。
雨も予想されるので
小屋の中にテントを張る。
風もしのげるし
人目も避けられるし
ここはどうやら
快適な宿泊ができそう。
薪を集め焚き火で
インスタントラーメンを調理。
冷え込む夜に
暖をとるにもピッタリです。
曇って星は見えないけど
良い夜を過ごせました。
アバンカイ出発2日目。
すでに標高4,000mに近づいていることもあり
雲が下に見える。
昨日出発したアバンカイの街を
はるか下に見下ろしながら
昨日登り残した峠を
目指してペダルを踏み込みます。
若干昨日の疲れは残るけど
朝はまだ余裕を持って漕げる。
そして1時間あまり漕いだところで
峠の頂上に到達。
アンデスは他でなかなか経験できない
標高差1,000mの下り坂が
あるから楽しい。
まぁ、登りが大変だけど…。
下り坂の途中で集落に到着。
本当は昨日のうちに
ここまで来ておきたかった
という場所。
朝ご飯をちゃんと食べてないので
ここで食べておくことにします。
朝には重いけど
豚肉の煮込みを頂きます。
水と油が混ざった
不思議な液体で
煮てるのか揚げてるのか
よくわからない調理法。
引き続き坂を下る。
このあたりから
小さな集落が一気に増えました。
どこか日本の田舎にも
雰囲気が似てて
のんびりした空気感が気持ちいい。
雨季の始めということもあり
雲が掛かりがちなここ数日。
雨は困るけど、
雲が山の頂上を被うと
ときに神秘的な景色を
つくりだします。
夕方5時頃、
道路脇に食堂を見つけ
テントを張らせてもらうことに。
思えばペルーで
テントのお願いをして
断られたことはないです。
この日も屋根の下に
寝られることができます。
もちろんテント濡れてもいいけど
朝は乾かす必要があって
出発が遅れるので、
濡れないに越したことはないです。
アバンカイ出発3日目、
この日はスタートから上り坂。
クスコまでの4,000m級峠のラストを攻めます。
嬉しいのは集落が点在しており
食料の補給ができること。
安い食べ物が路上で手に入るので
走行中に食料を運ぶ
必要がありません。
これだけで、結構助かる。
斜度5%になる上り坂を
せっせと登り午後3時頃に
また一つの集落に到着しました。
ちょうどこの村に着くと同時に
後ろから
別のサイクリストの姿が…
それがこちら「武藤大輔さん」。
そう、南北アメリカ大陸においては初めて出会う
日本人のサイクリストです。
実はSNSで連絡を取り合っており
今日あたりにそろそろ道の上で会えるはず、
と分かっていたんです。
もともと和歌山県のパンダが有名な動物園で
“ドルフィントレーナー”をされていた武藤さん。
イルカショーのお兄さんということで、
とても明るい性格でございます。
ちょっと遅れてやってきた
アウレリオさんとも合流。
三人で走るのはこの旅でも初めて。
久しぶりに話せる日本語が嬉しく
べらべら喋りながら
ゆっくりと進み始めます。
夕立に降られた午後5時前、
やむを得ずお家の軒下で雨宿り。
もう峠越えは難しそうだと、
そのままそのお宅に
泊めさせてもらうことに。
スペイン語堪能なアウレリオさんのおかげ。
雨上がりに夕日が差し込む
アンデスの山あい。
散々この山に苦しんでもきたけど
いよいよ明日には
ペルー旅の区切りとなるクスコ
に到着できそう。
お家の方が晩御飯に
ふかしたジャガイモを
用意してくださいました。
そりゃジャガイモの原産地だから
美味しいんですよ。
でもイモばっかり…。
アバンカイ出発4日目。
男三人で物置らしき部屋に川の字で寝ていました。
なかなか無いシチュエーションなので
修学旅行みたいで楽しかった。
目を覚ました時から
気になっていた雨が
止む様子は無く、
覚悟を決めて走り出す。
雨季とは言え
終日降り続くことは少ないそう。
旅はひとりが良いに決まっていますが
たまにこんな大所帯で走るのも
悪くないです。
ちょっとした休憩時に
だらだら話すなんて
いつもはないこと。
そしてついに
最後の峠の頂上に到達。
雨の上にまったく見晴らしもなく
感慨も何もないですが
ナスカから散々上ってきた
山もとりあえず一区切り。
降りやまない雨に
徐々に体も冷えてきました。
防水ジャケットとはいえ
長時間降られ続ければ
内側に水が染みてきてしまいます。
靴もソックスもビショビショ。
11時頃に「アンタ」の町に到着。
クスコの前に他の場所へ寄る武藤さんとは
ここで一度お別れ。
つかの間のグループライドもここで終了です。
別れを告げる前に
みんなで食堂へ。
鶏のスープで体を温めます。
昨日の晩御飯がジャガイモだけ
だったのでなお美味しい。
いや、イモも美味しいんですよ。
武藤さんと別れ
1時間ほど走った所で
クスコ郊外に突入。
気づけば雨もだいぶ弱まっており
ほっとした気持ちになります。
過酷な山登りの旅がとりあえず終わる。
小さな丘から見下ろす
クスコの街並み。
想像していたよりも
ずっと大きく
周囲の山肌まで
びっしり家々が並んでいます。
ナスカの砂漠からはじまり
高山の頭痛に悩まされ
雨に打たれ寒さに凍え、
アンデスの美しさも厳しさも
たっぷり味わったこの2週間。
ひとまずこのクスコで疲れを癒せそう。
街の中心部までやってくると
カフェでひと休み。
一週間以上も共に旅路を共有した
アウレリオさんともここでお別れ。
引き続きお互い
良い旅をしていきましょう!
ということでペルー第二の都市「クスコ」に到着。
ただ休養をとるだけでなく
この都市の周辺には楽しみな観光スポットがたっぷり。
一度、自転車を置いて
“休日”を楽しんでいきます!