どこまでも続くアンデス
【226日目 12,651km】
プキオを出発し、ブラジル人サイクリストの
“アウレリオ”と走り始めて4日目。
ナスカを出発しアンデスの山々を走り始めてからは
8日目となります。
「クスコ」を目指しつつも
標高4,000mの旅はまだまだ続きそう。
走り始めの朝8時頃。
気温は7°ぐらいだろうか、
ほんのり寒いくらい。
道脇でこちらを見つめてくる
モフモフ達は
この高所でも温かそう。
出発して1時間走った所で
集落に到達。
その集落がそのまま峠に
なっていました。
ここから一気に
下り坂をおりていく。
峠の向こうを見下ろすと
ゴツゴツと隆起した山を
うねるように道が続いています。
アンデス突入以降
何度かこんな景色を見ているけれど
これはいつ見ても爽快。
標高4,200m地点から
一気に3,000m地点まで
下りてきました。
ここからしばらく平地になり
ペルーでは初めて
水の流れる川に沿って進みます。
一気に下ったことで
気温がぐっと上がります。
朝は寒くて冬用のタイツを
履いていたので、
ここで荷物をひっくり返して
衣替え。
数十kmにも渡って
平坦が続くなんて
何日ぶりだろう。
力まず気持ち良く
ペダルを漕いでいるときは
自転車って良い乗り物だなと思う。
ちょうど昼頃に町に到着。
チャンチョ(豚肉)の丸焼き
でお腹を満たす。
アンデスの高所ではマスばかり
続いたので肉が嬉しい。
疲労回復にはやっぱり豚です。
午後からも川沿いを走ります。
スタートのナスカと比べて景色がガラッと変わりました。
砂漠から森林帯へ、アンデスにはいろいろな表情がある。
夕方4時頃、
久しぶりに100km超を走って
「サンタ・ロサ」という
小さな町に到着。
ほとんど登りのない道が
最高に気持ちいい日でした。
寒さを嫌うアウレリオさんの
リクエストもあって
ここ数日、宿に泊まることが多い。
ベッドで寝られるのはいいけど
毎日じゃなくでいいかな。
お金も掛かってしまうし…。
プキオ出発5日目。
気持ちの良い布団で目を覚ますと
今日も走り始めます。
昨日に引き続き
今日も平坦な道が続きます。
景色は単調だけども
ここ数日が過酷すぎたので
良い休憩です。
たまに楽な日が無いと体が持たない。
標高3,000mまで下りると
アルパカは姿を消し
集落が沢山あらわれます。
4,000mというのが
人間の生活圏には適さない
というのがよくわかる。
路肩の食堂にてお昼休み。
ペルーはスープ料理が
充実しているのが嬉しい。
疲れて食欲無い時でも
エネルギー補給のため
ささっと体に流し込めるのが嬉しい。
午後からは上り坂。
山中にある町を目指すのですが
獲得標高は600m。
そこそこの高さだけども
数千m級を登り続けたことを思えば
なんてことのない高さ。
斜度はそれなりだけども
フラットな道が続いたこともあり
脚が絶好調。
スイスイと漕ぎ続け
どこまでも登れそうなほどです。
ランナーズハイ的なものだろか…。
2時間以上にも渡って
坂を上り続けたところで
「アバンカイ」の町に到着。
山の斜面にへばりつくように
町が広がっており
どこも坂だらけで大変。
プキオから連日走ること5日間。
町の中心に位置する宿に泊まり
ここで1日休みをとることに。
山を登って下りての繰り返しで
遅々として進まないようだけど
クスコは徐々に近づいているはず。
到着の晩に食べたこちらが逸品でした。
その名も“アエロプエルト(空港)”。
名前の由来は謎ですが、チャーハンに細い麺が混ざったもので
まさに関西で食べられる“そば飯”なんです。
これまでの食堂でもメニューにあったけど
ここで食べたものが、ごま油の風味も良く
日本でも通用するくらい圧倒的に美味しかった。
もちろん麺なしでお米だけのチャーハン(チャウファ)もありますよ。
ついでにペルーの代表的な料理を
ささっとご紹介します。
“カルド・デ・ガジーナ”
鶏をよく煮込んだスープに
ソフト麵とじゃがいも、ゆで卵
が入った国民的スープ料理。
当たりのお店だと本当に美味しく
まさに鶏塩ラーメンです。
“ロモ・サルタード”
牛肉とじゃがいもを炒めたもので
ほとんど必ずご飯がつけ合わせ。
シンプルで予想通りの味なんだけど
お腹がすいているときの
食べ応えは抜群。
“セビーチェ”
以前もご紹介した
白身魚を柑橘系の果汁で
マリネしたもの。
サッパリとした前菜で
日本人はみんな大好き。
中華料理がかなり国民食として浸透しているようだし、
セビーチェに至っては
日系移民が持ち込んだ食文化の影響なんだとか。
メキシコにおける“タコス”のような
アイコニックな一品が無いように思えるけど、
その背景には他国からの影響を受け入れ
多様化してきた食文化の歴史がひしひしと感じられます。
まだまだ滞在中はペルーグルメを満喫していきます。