首都リマ滞在記
【207日目 11,703km】
メキシコのカンクン国際空港にて。
大きな荷物を携えてタクシーで無事に空港までやってきました。
23kgの荷物を2つまで預けられるチケットを購入しております。
おかげで料金は倍に跳ね上がり、全部で7万円ほど掛かりました。
自転車の重さは把握しており箱に入れた状態で21kg程度。
もう一つの旅の荷物がすべて入ったカバンは、量ってすらないのに
なんとほぼ限度重量の「23.1kg」!
この時は自分で自分を褒めてあげたくなりました。よしよし。
(0.1kg分は見逃してくれます。)
尚、心配していたメキシコ入国審査のスタンプ押印が無い件ですが
移民局の事務所に行くと
ティファナ国境にて払うはずだった¥5,000程度の入国税だけ払って
すんなり押印してもらえました。3分で終了。
「最悪、搭乗拒否されたりして」なんて思ったけれど
心配事の9割は実際には起こらない。
宿を出る前に晩御飯を済ませたけど
離陸が深夜1時とあって
やっぱりお腹がすいてしまう。
¥2,000の無駄に高いバーガーが
メキシコ最後の食事になってしまった。
味はとても普通。
そして、予定通り深夜1時に飛行機は離陸。
なにかと不安の付きまとう空路移動もとりあえずはひと安心。
時間も時間なので席に着くなり爆睡してしまいました。
約5時間の飛行の後、現地時間の朝6時に
南米ペルーの首都・リマの空港に到着しました。
ちなみにカンクンとリマに間に時差は無し。
実は、僕は飛行機に乗るのがあまり好きではなく
飛んでる間は不安で仕方ないので、
無事着陸した時にはパイロットの方に、心の中で大きな拍手を送っています。
今回も衝撃の少ない見事な着陸でした。
入国審査を終えると
すでに2つの荷物が
受取所に置いてありました。
過去に例がないほど
スムーズな流れで空港を出られそう。
荷物もすごく綺麗だし。
そのまま空港を出てしまうと
競り市場のごとく
タクシーに声を掛けられまくるので、
ちょっと割高だろうけど
無難に空港オフィシャルタクシーを
利用することに。
余裕のあるサイズの車を
ご用意してもらえました。
飛行機を降りてこの時点まで
ほぼ全ての行程に待ち時間が無く、
30分程度でやってこれました。
幸先のいい南米旅のスタート。
予約している宿までは20km程度。
窓の外に広がる雑然としたリマの街を
キョロキョロと見渡す。
暑い雲が覆っているせいで
スカッとした気分にはなれない。
アラスカ到着時も曇ってたな。
まだ朝も早い7時過ぎに着いたのは「お宿 桜子」。
日本人のオーナーさんが経営されており、
南米を旅する日本の旅人の間では有名な
いわゆる“日本人宿”です。
久しぶりに日本の方との
交流を楽しめると思ったけど
いくつもベッドが並ぶドミトリーには
なんと僕一人だけ。
いいんです、いいんです
一人好きだから。
結果、滞在中には一泊利用の方が
2組泊まっただけ(それも個室)。
広いドミトリーにポツンと一人で眠る毎日でした。
いいんです、いいんです
一人好きだから。
到着当日は移動の疲れもあるけど
何もしないのも勿体ないので
早速、自転車の組み立てを。
数日前に分解したばかりなので
ここではとてもスムーズに
作業が進みます。
翌日からはバスに乗って
リマの中心部の旧市街へと出かける日々です。
のんびり観光という訳にもいかず、
南米旅本格スタートの前に
やっておかなければならないことがいくつもある。
※
ちなみに、今回のブログは
“飛行機移動”と“治安の良くないリマの散策”ということで
カメラを持ち歩かず、スマホで撮影した写真が大部分です。
普段より画質悪いのでご了承ください。
まずやってきたのは電気街。
カメラ周辺機器ばかりのお店が
いくつも並んだエリアへ。
実は、ユカタン半島で
カメラと三脚を固定する“クイックシュー”
という部品を紛失おりました。
同サイズのクイックシューが
見つからないので、
「雲台」というパーツごと
新調することに。
取り寄せになるかも、と思ってたので
すぐ見つかってよかった。
飛行機に乗る前の
梱包作業中に気が付いたのは、
荷物を取り付けるリアキャリアの
ネジ穴が金属疲労で折れていたこと。
暑さ寒さに加え、乾燥と湿気も。
三大陸も巡ればこれだけくたびれて当然。
近くの自動車工場で溶接を
お願いしましたが、
軽量スチールの接合は難しく
これが上手いことくっつきません。
他の場所を尋ねても
無理だと断られてしまいました。
どうにも難しそうなので
ホームセンターで“エポキシ樹脂”を
購入し、自分でくっつけてみる。
ついたけどこれでは弱いだろうな。
応急処置にすぎないけど
一応これでオッケーとしておく。
10,000km以上を走って
かなりすり減った後輪のタイヤ。
メキシコではかなりパンクの回数も増えていました。
大陸規模のサイクリストがほぼ全員使用している
ドイツメーカー“シュワルベ社製”のタイヤ。
耐久性では群を抜いていると評判の製品。
果たしてペルーで見つかるだろうか。
旧市街の自転車ショップエリアで。
分野ごとのお店が密集しているのが
とても助かります。
ただひと通りのお店を見ても
シュワルベタイヤは見当たらない。
違うのを試してみようか…。
手に入れたのはCSTという
台湾メーカーのタイヤ。
¥5,000のシュワルベに対し
わずか¥1,500なので、
3本以下の交換で南米を走り切れたら
CSTの勝ち、結果はいかに。
空港に向かうタクシーで失くしたのは
ウインドブレーカー。
ユーラシア・アフリカを共にしただけに
最後まで一緒に走りたかった。
ご提供いただいたモンベル様、本当に申し訳ございません。
こちらは旧市街の衣類の問屋街へ。
最初はワクワクしたけど
店が無数にありすぎて探すのが大変。
そもそもアウトドア用のジャケット
というものの取り扱いが少ない。
山岳国家なのに。
購入したのはコロンビア製の
ウインドブレーカー。
限られた選択肢の中から
選んだので、あまり気に入ってないけど
これなしで旅はできないので
仕方ない。
という具合に、旅の後半戦に向けて
諸々の準備を整えておりました。
すっきりまとめて書いていますが、
たった一日でスムーズに見つかったのは三脚の部品くらい。
他のものは数日探したうえに、妥協して選んだりもしているので
“のんびり4日間”の予定だったリマの滞在は
“バタバタの5日間”になってしまいました。
最後に滞在中に食べた
ペルーの料理をご紹介。
白身魚をレモンなどの
柑橘系の果汁でマリネにした
“セビーチェ”。
サッパリとして日本人なら誰もが好き。
新鮮な魚じゃなければいけないので
内陸に入ると食べられないだろうな。
一番感動したのは、牛のハツ(心臓)を
串焼きにした“アンティクーチョ”。
スパイスに漬け込んでるので臭みもなく
新鮮だからかすごく柔らかかった。
日本の焼き肉屋を思い出す
最高のグルメでした。
全大陸でも一番といわれる
南米産の牛肉。
市場では200gを
¥250ほどで買うことが出来ました。
シンプルにフライパンで
ステーキにしてみる。
いざ食べると、評判に違わないその美味しさ。
決して“良い肉”とはいえないランクだろうけど
ちゃんと柔らかいし、塩コショウで焼くだけで
しっかり旨味があります。
いよいよ始まる南米旅。
料理だけでなくどんな人がどんな風景が待っているのか、
目の前に待ち受けるすべての出会いが楽しみです。
準備が整ったら、いよいよペダルを漕ぎ始めます!