アメリカ大陸、前半終了。

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【202日目 11,703km】

 

 

チチェンイッツァの観光を終え、

いよいよカンクンまではわずか150km。

2日間あれば十分すぎる距離なので

先を急がずユカタンの定番観光地へ足を運ぶことに。

 

 

 

滞在していた“バヤリド”の町から

わずか5kmあまりの場所に

それはあります。

入場口で料金を払い先へ進むと

地下へと進む洞窟が

口を開いておりました。

 

 

 

 

 

 

階段を下りた先に待っていたのがこの「セノーテ」。

ユカタン半島に4,000か所以上も点在する天然の湖です。

 

ユカタンの特徴である山のない地形。

これにより大きな河川が存在しない代わり

豊富な地下水脈が流れております。

 

 

 

さらに比較的もろい石灰岩地帯が

多いことによって

浸食、陥没が発生しやすく

洞窟ができやすいのだそう。

そこに地下水が流れ込み

形成された湖をセノーテと呼びます。

 

 

 

なんと浸かって泳ぐこともできます。

水温は冷たすぎない21°。

日が差し込む水中をのぞけば

その透明度がよく分かります。

神々しさすら感じる空間。

小さな魚も泳いでいますよ。

 

 

 

「セノーテサムラ」と呼ばれる

このセノーテが穴場だったらしく

朝いちだったこともあり

広い洞窟空間をのんびり楽しめます。

人気のセノーテでは

人がごった返すそう。

 

 

さらにすぐ隣の

「ケケンセノーテ」にも入りました。

こちらは22m上の天井から

垂れ下がる鍾乳石が見所。

超現実的で芸術的な空間が

広がっております。

 

 

 

ここまで鍾乳石に近づけて

触れることまでできる場所って

世界でもなかなか

ないのでは無かろうか。

水面に浮かびながら

贅沢な時間を過ごしました。

 

 

 

さほど期待してはいなかったのですが

自然の作り出した景観にしっかり魅了されてしまいました。

別に泳げるからとテンションが上がる方ではないのですが

このセノーテはかなり興奮してしまいました。

メキシコのユカタン方面にお越しの方には

強くお勧めいたします。

 

 

 

 

 

 

セノーテを満喫したら、

バヤリドの街まで戻り

いよいよカンクンを目指して

走り始めます。

2ヵ月以上にも渡る

メキシコの旅がもうすぐ終わる。

 

 

 

ユカタンでは

こんな森の中の一本道を

ひたすら走っておりました。

坂も無くホントにまっすぐ。

何の出来事も起こりません。

思えばアラスカもこんなだったな。

 

 

 

夕方5時過ぎには

もう暗くなり始めてしまう。

焦りながらなんとか“スカン”

という集落に到着。

夜間走行は危ないので

もっと余裕を持たねば。

 

 

 

テントを張る場所を見つけられず

ウロウロしていると

こちらのハンバーガー屋台の

奥さんが、

「閉店後ならここに張っていいよ」

と言ってくださいました。

 

 

 

メキシコ走行最後の夜も

しっかり安全な場所で

眠ることができそう。

突然のお願いにもかかわらず

迎え入れてくださる方が

沢山いる国です。

 

 

 

もちろん晩御飯は

ハンバーガー、そしてコーラ。

メキシコでは定番の屋台メシ

なんですよ。

今日はタコス嫌だって時に

よく食べています。

 

 

 

お店を片付けると

「やっぱり家の中で寝なよ」

とのことで

部屋にぶら下がったハンモックで

寝させてもらうことになりました。

意外としっかり寝られます。

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてメキシコ走行最終日。

お世話になったヘルミーさんに別れを告げると

90km先のゴール・カンクンを目指します。

 

 

 

まずは道路沿いの屋台で

ユカタン名物「パヌーチョ」。

ほぼタコスじゃん、っていう

料理ばかりだったけれど

メキシコ料理はしばらくしたら

絶対に恋しくなる。

 

 

 

 

いよいよゴールが迫り

気持ちは高ぶるものの

景色はなんら変わることは

ありません。

ユカタンは最後までユカタン。

熱帯雨林は果てしなく続く。

 

 

 

カンクン付近は

高速道路の自転車走行禁止の為

路肩のない一般道を走ります。

思えば入国前のメキシコは

めちゃくちゃ不安だったな。

轢き殺されるんじゃないかと…。

 

 

 

いよいよあと15km、

という地点で何とパンク。

ずっと一人で旅をしてると

独り言が増えます。

「えー、今ー!?」って

デカい声で愚痴を言う。

 

 

 

やっとパンク修理を終え

カンクン郊外にやってきた時には

日も暮れ始めていました。

後ほど気が付きましたが

タイムゾーンが変わり、

5時だと思ったのが実はすでに6時。

 

 

 

 

予約していたゲストハウスに着く頃には

すっかり日も暮れてしまいました。

ゴールの感慨に浸る余裕もなく

汗だくになってシャワーを浴びる。

朝から時計が1時間ズレてるから

損した気分になってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

到着翌朝。

リゾート地・カンクンの定番は

白い砂のビーチ。

ただ遠くで発生している

ハリケーンの影響から吹く風で

のんびり眺められる様子じゃない。

 

 

 

リゾートホテルがずらっと並ぶ

カンクンのビーチ沿い。

どこも宿泊者専用に囲われており

誰もがふらっと立ち寄れる

海辺ってほとんど無いんです。

ちくしょう。

 

 

 

 

 

 

ということで

メキシコのゴール地・カンクンに到着しました!

 

入国から2ヵ月半、

サボテンだらけの砂漠や熱帯雨林、3,000m越えの高所など

様々な表情を見せてくれたこの国。

治安に関する悪評にビビりまくっていたものの

たくさんの素晴らしい出会いに満ち溢れた旅路となりました。

 

 

 

このカンクンをもって、アラスカからスタートした

アメリカ大陸の旅の前半は終了となります。

 

寒さに凍えていたアラスカの大地が

同じ一つの旅とは思えないほど遠い昔に感じます。

辿った旅路を地図で辿るのは旅の醍醐味。

この赤い線の上にどんな景色が広がっているのか

今の自分にははっきりと分かる。

 

 

 

 

 

 

 

 

やれひと段落、と言いたいけれど

カンクンではこなすべきミッションがあります。

それは飛行機搭乗のための準備。

向かったのは宿から一番近い自転車屋さん。

 

 

 

南米旅に備え

予備チューブとチェーンを購入。

さらに大切なのは

自転車を梱包するための

段ボールをもらうこと。

といっても、大抵タダであっさりもらえます。

 

 

 

大きな箱を抱えて宿に戻ると

いよいよ分解作業が始まります。

面倒くさがってダラダラやるのでなく

一気に勢いで片付けてしまうのがコツ。

事前にエネルギードリンクを補給して

すぐに作業に取り掛かります。

 

 

 

やる前はすごく嫌なんですけど

いざ取り掛かると

でっかいプラモデルを扱うみたいで

意外と楽しいこの作業。

1時間ちょっとで

順調に完了。

 

 

 

 

 

 

カンクンでの滞在は各国の旅人が集まるゲストハウス。

リゾート地だしどんちゃん騒ぎしてたらヤダな、と思ったけど

とても静かで落ち着いた場所です。

一泊¥1,500。

 

 

 

データの整理や

南米に向けての情報収集など

やることは盛りだくさん。

リゾート地なのに

宿の共有デスクで黙々作業。

豪遊するお金がないってのもある…。

 

 

 

メキシコの締めくくりグルメは

カカオソースがたまらない“モレ”。

悪くなかったけど、

プエブラでラウラさんが

作ってくれたヤツのが美味しかった。

何でも手作りに限る。

 

 

 

南米に向け荷物整理をする中、

飛行機に載せられない荷物がありました。

アラスカでもらった“ベアスプレー”。

クマに怯えていた日々が懐かしい。

宿のオーナーが「こんなのあるんだ!?」

と興奮気味に貰ってくれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

3日間の滞在を終え、いよいよフライトの夜。

昼間のうちにタクシー乗り場で

お願いしていた運ちゃんが時間通りに来てくれました。

 

ちゃんと来てくれるか心配で

時間と住所のメモを渡していた甲斐がある。

 

 

 

郊外の空港まではわずか20分ほど。

後に手遅れになって気づきますが

この車内に、旅に欠かすことのできない

ウインドブレーカーを置き忘れます。

普段慣れない動きをすると

必ず何かミスをする。

 

 

 

 

 

 

そして新たな門出の場となる

カンクン国際空港へ到着。

大きな荷物を携えてカウンターの前に立つと

出発の成田空港を思い出す。

 

では、新たな大陸に向かって飛び立ちます!