メキシコ湾へ

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【186日目 10,613km】

 

 

カルロスさん達にお世話になったプエブロを発って3日目。

涼しい気候の続いたメキシコ中央高原から

海抜100m程度の低地まで下りてきました。

 

 

 

高速道路は

熱帯雨林のような深い森を

突っ切っているため、

暑さだけでなく湿気も高い。

汗を拭き流しながら

黙々と漕ぎ進めていきます。

 

 

 

海もほど近くなったことで

山も減り、起伏が穏やかに。

まっ平らってほどでもないけど

必死にペダルを踏み込むほどの

坂はありません。

スムーズにどんどん距離を伸ばす。

 

 

 

すでに沖縄より南に位置する

あたりまで南下しています。

地域によっては常夏ともいえる

気候のメキシコ。

10月というのに立派な

積乱雲が空に浮かんでいます。

 

 

 

夕方18時に、高速道路をはずれ

「ラ・ウニオン」という村に到着。

公園では子供に混ざって

複数のお母さんも一緒に

バレーボールを楽しんでいます。

晩御飯作らなくていいのだろうか。

 

 

 

ある食堂に、

“テント張ってもいいかい”と尋ねると

快く許可を下さいました。

本当はテントも張りたくないほど

暑いけど、蚊が多いので

そのまま寝るわけにはいかず。

 

 

 

ご主人の“オスカルさん”。

宿泊許可をもらう際に

「どこから来た?」

「仕事は何してたんだ?」

と面接のように聞かれました。

ニコニコ愛想よく対応するのがコツ。

 

 

 

なんと晩御飯まで

ご馳走してくださいました。

メニューはもちろんタコス。

そろそろ違うのが食べ…、

刻んだビーフと辛みの効いたソースが

抜群のコンビネーションです。

 

 

 

 

 

 

 

 

ジメジメとしてた割には意外とスッキリ眠れた翌朝。

オスカルさんはじめ、食堂のお姉さん方と記念撮影。

 

「気を付けて、良い旅を。」

胸の前で十字架を切りながら祈ってくれる皆さん。

こんな人の助けがあるから、まだまだ安全に進んでいける。

 

 

 

熱帯気候ならではの

躍動感のある樹木。

景色として楽しむのはいいんだけど

朝からのジトっとした

蒸し暑さは

サイクリングに向かない。

 

 

 

引き続きオウトピスタ(高速道路)の

路肩を走っていく。

メキシコ旅も後半に差し掛かるけど

総じて運転は荒くないです。

スレスレを追い抜かれることもなし。

故障車よく停まってるけど…。

 

 

 

日本帰ったら

タコス写真展やろうか、

というほどにタコスばかり。

同じように見えて

ちゃんと当たり外れもあるんですよ。

美味しい所は本当に美味しい。

 

 

 

徐々に上り坂も減ってきて

遠くに見える山も

無くなってきました。

中央高原を離れた南は

平地が広々と続きます。

これはこれで退屈。

 

 

 

120kmを走って

「クアツァコアルコス」

に到着。

カルロスさんと別れ

プエブラから走ること4日。

この街でひと休みしてきます。

 

 

 

 

 

 

クアツァコアルコスは海辺の街。

目の前に広がるのは大西洋の一画、“メキシコ湾”。

アラスカ出発以来、西側の太平洋に沿って走ってきましたが

ついに大陸の東側、大西洋までやって来ました!

 

 

 

ただ感慨に浸ろうにも

ものすごい暴風が吹いております。

ちょうど北のフロリダでは

ハリケーンが猛威を振るっている頃。

ゆっくり散策などできなさそうなので

宿を探すことに。

 

 

 

海の近くに

¥3,000ほどの

やたら細長い宿を発見。

テント泊慣れてても

やっぱりベッドで眠れば

疲れがしっかり取れます。

 

 

 

 

 

 

1日だけ休んですぐ走り始める予定でしたが、

お腹が張ったような違和感のため2日間休むことに。

思えば現地で薬を購入するのははじめて。

なんか変なもの食べたっけな…。

 

 

 

写真整理にブログ、

今後のルート確認など

休みの日って

なんやかんやとやることは

多いんです。

でもそんな作業も楽しかったりして。

 

 

 

 

 

 

 

特筆するイベントもなく街に着いてしまったので、

ここでメキシコに関する小話を。

 

旅行者の間では有名なメキシコのコーラ。

世界中どこでも飲まれるコーラですが、

メキシコのものは特に美味しいと評判です。

 

その秘密は“砂糖”にあり。

基本的にコーラには

トウモロコシを原料とする甘味料が使われるのですが、

メキシコ産のものには

ちゃんとサトウキビ由来の砂糖が使われているそうです。

 

 

 

コーラの後味って口の中にべっとり

甘味がまとわりつく印象があり

ジンジャエール派最右翼の僕は

日本ではあまり飲まないのですが、

メキシコ産だとそれが

スッキリして飲みやすく感じます。

 

 

 

そんな事情もあってかメキシコ人のコーラ消費量は世界第1位。

平均で一人当たり年間160リットルも飲むそうです。

ヤバいですよね。

 

サトウキビ使用はガラス瓶のほうで

ペットボトルのコーラは通常の甘味料の味だそう。

 

 

 

写真のような

3リットルのペットボトルなんか

冷蔵庫の中で邪魔になるじゃん、

と思うのですが

数人でシェアしながら

あっという間に飲み干すのだとか。

 

 

 

メキシコは水道水が飲めないので

飲み水として各家庭でミネラルウォーターを購入するのですが、

「どうせ買うなら味のついたジュースのが良いじゃん」

っていう感覚もどこかにあるんじゃないかなぁ、

と僕は勘ぐっています。

あと、タコスとの相性が良すぎるってのも大きいはず。

 

実際に僕も走行中にお店を見つけたら

冷たい水もいいけどやっぱジュースにしとこ、

と普段以上に炭酸飲料を多く飲んでいます。

 

そんな具合のメキシココーラ事情。

といっても、味の違いとしては後味がちょっと違う程度なので

メキシコにご旅行の際はあまり期待をしすぎず、ぜひご賞味ください。