世界遺産巡り
【170日目 9,757km】
宝石を散りばめたような絶景が広がる
グアナファトでは3日間の滞在。
ここから首都のメキシコシティを目指してすすむワケですが
道中に待つ個性的な街にも立ち寄りながら南下します。
今日向かう街への近道となるので、
都市間をつなぐ高速道路ではなく
山間の田舎道を行く。
少し起伏もあるけど
交通量が少ないので
景色を楽しみつつのんびり。
すると早々に
道を間違えたことが発覚。
正しい道へ復帰するために
農道をショートカットしたところ
避けようのない水溜りが…。
仕方なく覚悟を決めて前に進みました。
結果、靴も靴下も泥水でビショビショ。
道路脇のガソリンスタンドで
ゆっくり洗いました。
今日は走行距離も短いし
天気も良いのに、
なにをやっているんだ…。
気を取り直し
引き続きペダルを漕ぎだす。
このあたりで遂に
標高は2,000mに到達。
20℃を少し超えるくらいか、
湿気もなくかなり快適です。
メキシコで“UFO”といえば
空飛ぶ円盤ですが、
日清の方も展開されとります。
現地向けのTERIYAKI味なので
日本のモノと全く一緒ではないけど
全然オッケーな味でした。
気持ち良く走っていた午後に
またパンク。
ここ一週間かなり
続いてしまってます。
おかげで修理作業が劇的に
早くなってしまったではないか。
16時前には70kmを走り切り
「サンミゲル・デ・アジェンデ」
に到着。
グアナファトの観光を
終えたばかりですが、
この場所も楽しみにしておりました。
予約していたゲストハウスに
チェックインを済ませると、
中華レストランへ。
大体、¥700~800で
お皿いっぱいに持ってくれるのが
メキシコ流中華料理。
到着翌日はゆっくりと街を散策。
実はこちらの「サンミゲル・デ・アジェンデ」。
こないだ訪れたばかりのグアナファトと同じく
世界遺産にも登録されており、多くの観光客が訪れる場所でもあります。
トレードマークとなっているのは
中心部に堂々とそびえ立つ教会。
うっすらピンクがかった色も独特で
むしろお城のような佇まい。
教会を中心に
植民地時代の趣を遺した
コロニアル建築の建物が並びます。
グアナファトとは違い
赤と黄の暖色を基調とした
統一感のある街並み。
木造が主流の日本と違い
石造りが主なメキシコですが、
しっかりと温もりも感じるんです。
石のままだと無骨で冷たい印象だから
カラフルな装飾が発展したんだろうか。
街中がホントにおしゃれ。
お昼ごろには
原住民族の衣装を着た人たちの
ダンスが行われていました。
ヨーロッパが持ち込んだ文化と
以前から栄えていた文明の調和。
大陸ならではの光景です。
夜になるとまた違う表情を見せる
サンミゲル・デ・アジェンデ。
ライトアップされた教会は
一層神々しさを増します。
賑やかな街は治安も良く
危なさを感じる場面もありません。
広場には伝統音楽マリアッチを
演奏するバンドがいくつも現れます。
互いの演奏がぶつからない
絶妙な距離であっちでもこっちでも。
弦楽器の重奏と伸びやかな歌声が
涼しい風によく溶け合う。
演奏されるのは
スタンダード曲が多いようで
聴衆の皆さんもお酒片手に
合唱したりダンスを踊ったり。
人々が純粋に楽しんでいる風景に
どこか胸がじわっときます。
「サンミゲル・デ・アジェンデ」には2日滞在。
さらに南に向けて首都メキシコシティへと近づいていきます。
アラスカを発って
今が一番快適ではなかろうか。
朝晩も寒くないし、
水を飲みまくるほど日中が
暑いわけでもない。
これがずっと続けばどれだけいいか。
出発1時間でまだパンク。
後輪の調子がどうも悪い。
というかグアダラハラ以降
都市が続くからか、
路肩の塵やゴミが多いのが
原因だろうな。
道路脇のお店でランチ。
そういえばタコスを注文しても
「小麦粉か、トウモロコシ粉か?」
を聞かれなくなってきました。
トウモロコシの一択なんだけど
これも地域差だろうか。
目的の街「ケレタロ」
が近づいてきました。
かなり発展した都市なようで
遠くからも高層ビルが見えます。
緩やかな坂を下って
中心部へと向かう。
到着しました、ケレタロ。
今朝出発したばかりのサンミゲル・デ・アジェンデと同じく
歴史的建造物が残る世界遺産です。
見晴らし台に上ると築200年の水道橋が遠くに見える。
ゲストハウスに向かう前に
市街の見所を回ってみることに。
数多い建築物の中でも
見所はこちらの
「サンタクルス修道院」。
900年近くも前に建てられた
歴史ある修道院です。
青空の下、石の壁がよく映える。
ただ“グアナファト”、“サンミゲル~”
そして“ケレタロ”と
世界遺産の街が続いているからか
食傷気味であまりワクワクしない…。
建築のテイストも似てるので
もうお腹いっぱいなんです。
それぞれの街同士が
100km足らずの距離にあり
すぐに到着してしまうのも原因。
バスならたった1時間で着くほど。
観光と自転車走行のほどよい
バランスが大切だと気付きました。
ひと通り街を見ると、どうしても
甘いものが欲しくなったので
3段アイスクリームを食す。
注文してビックリ¥600。
何で3段なんか頼んだんだろう。
ちょっと奮発しすぎた…。
すると大きな荷物を積んだ自転車を見た
店主さんが旅に興味津々。
「アラスカから来たのか、スゴイな!
心ばかりだけど応援したいから受け取ってくれ」
ご主人が財布から取り出したのはなんと200ペソ(約¥1,400)。
「いやぁ、そんなの悪いよ」とか言いつつ
僕の手はしっかりお札を掴んでいました。
ウフフ…。