宝石箱のような…
【165日目 9,610km】
大都市グアダラハラを出発して4日目。
目指す街「グアナファト」まではわずか70km。
昼過ぎには着けるだろうか…。
スタートした宿から30kmほど
走った所で
“レオン”という都市を通過。
かなり発展しているようだけど
ここは特に用事が無いので
走り去る。
グアダラハラ以南は
多くの人口を擁する街が増え
街同士の間隔もかなり近い。
何もない山が数十km続く、
なんてことも
ほとんど無くなりました。
目的地まで10kmほど。
数日にわたり平坦な道が続いたけれど
ここからは若干の山道です。
メキシコでもかなり
楽しみにしていた場所なので
ワクワクしてくる。
そして市街地へ突入。
その景観が有名な街とあって、
中心部へ行かずとも
鮮やかな色をした家が
乱立した様子は
期待を高ぶらせます。
ただ街の中心に向かうには
かつての坑道を利用した
トンネルを通る必要があります。
これが迷路のように
複雑に入り組んでおり大苦戦。
狭いし、暗いし、坂も急だし。
そして到着しました「グアナファト」。
住宅やお店がひしめき合っており
狭い路地に車が通り、
観光に訪れた人が闊歩しております。
世界遺産にも登録されているこの街の魅力は
丘の上から全体を見下ろしたこの景色。
これまで旅をしてきて
“目に飛び込む鮮やかな色彩”というのが
メキシコの強い印象ですが、
まさにその魅力がぎゅっと詰まった場所です。
さらに遠くの山まで見渡すと
どこまでも家々が広がっています。
かつて銀の発掘で発展した街は
丁寧に区画整理されたというより
とりとめもなく所狭しと
拡大していった様子。
ガイドブックなどでも
“宝石箱をひっくり返したよう”
とも形容されるグアナファト。
見た目にも華やかだし、
見下ろす家にそれぞれの生活が
あると、想像力も掻き立てられる。
この街の楽しみ方は、
入り組んだ細い路地に踏み込んで迷子になること。
ぐねぐねと曲がりくねっている上に
階段や斜面も多いので、慣れるまでは
自分がどこにいるのかも分からなくなってしまいます。
寒色、暖色問わず
まさに“色々”な壁の色。
イスラム圏で青が尊重されるような
宗教的な意味合いはさほど無いらしく
シンプルに装飾として塗ってるそう。
陽気なメキシコ人を象徴してます。
路地が狭いばかりに、日中でも
光が届かない場所も多いけど
カメラを構えてるうち
影とのコントラストも
この街の魅力だと気付きました。
鮮やかな建物がより映える。
こちらは市街地の中心に位置する「グアナファト大学」。
なんと今も現役の学生が通っている正式な大学です。
世界遺産の真ん中にある学校に通えるなんて
どんなに素敵なことか。
滞在2日目には
マウンテンバイクのダウンヒルが
行われていました。
ものスゴイ勢いで滑降していく
沢山のライダー達。
自転車の乗り方にも色々ある。
沢山の観光客が訪れる街には
楽器を抱えて
バスキングする人も多いです。
こないだお邪魔した家で
ちょっとギターを触ってから
無性にギターが弾きたい…。
そんなグアナファトの本当の美しさが
味わえるのは日没頃。
散らばった宝石たちがキラキラと輝き始めます。
完全に日が沈むと
街は一層輝きを増します。
メキシコで一番とも称される夜景。
メキシコどころか世界中でも
こんなに豪華な夜景は
そう多くないのでなかろうか。
ちなみに日没待ちの展望台では
テノール歌手の方が熱唱してました。
「写真撮りたいから、そこどいて」
なんて思っても言っちゃダメです。
“オーソーレミーオォーー”って
気持ちよさそうに歌ってんだから。
グアナファトの象徴でもある
バシリカ教会も、夜になると
さらにその存在感を増します。
思えばヨーロッパには
色の塗られた教会というのは
ほとんどないのでは…。
外見に違わず
内部の様子も荘厳です。
造りはこれだけ派手だけど
少し緊張感のある静けさが
教会の良さ。
祈り方も知らずにじっと佇む。
結局3泊もして散策を楽しんだグアナファト。
メキシコ観光の定番であるだけに
しっかり心を奪われました。
これから観光地巡りが続きそうですが
ゆっくり楽しんでいきます。