バハを南へ進む日々
【142日目 8,466km】
熱中症の疲れをとるためにも
ゲレロネグロの町では2日ほどお休み。
足の重さは残っているものの、疲労は絶えず付きものなので
全快を待たず
再び南に向けて漕ぎ始めます。
ここからバハカリフォルニア半島も
後半戦に突入といったところですが、
景色はこれまでと変わらず
サボテン砂漠。
もう半島にいる間は
最後までずっとこれなんだろうな。
そして砂漠の真ん中に現れる町にて
お昼の休憩。
メニューなんやかんや書いてるけど
聞くとタコスしかない。
美味しいからいいんだけども、
もっといろんなメニューに挑戦したい。
この日は、アラスカ出発以降
一番といっていいほど、
まっ平らな道のりでした。
坂もなく風も吹かなければ
時速25kmはでます。
勢いに乗ってぐんぐん進む。
出発時、全く意気込んでなかったのに
今回の旅の一日の最長距離144km
を走破してしまいました。
しかもまだ夕方16時半、
サンリノという小さな集落に到着。
さらに砂漠が続くので今日はここまで。
事前情報に従って向かったのは
「La Casa del Cyclista」
“サイクリストの家”という場所。
一般のお家なのですが
100ペソ(¥750)で
サイクリストを泊めてくれるそう。
庭先にテントを張らせてもらいます。
さらにシャワーもWi-Fiもついて
大助かり。
夕食は久しぶりのインスタントラーメン。
メキシコに浮かれ奮発しすぎなので
“1日1タコス”ルールが制定されました。
メキシコで大変なのは飲料水の確保。
アメリカ・カナダでは簡単に手に入った水ですが、
メキシコの水道水はとてもじゃないけど飲めたものじゃありません。
ということで各家庭はこちらの「ガラフォン」という
10Lの大きなボトルを購入して飲料水としているのだとか。
なので道中は1.5Lのペットボトルを購入するか、
このガラフォンから頂けるときは頂いて走っております。
ちなみに走行中は3L程度持ち運んでいます。
地図を見る限り、メキシコは1日中ずっと町がなく
補給ができないことはなさそう。
ゲレロネグロ出発2日目。
昨日ずっと平らだった分、
今日は朝からなだらかながらも
起伏があります。
そして、海辺のゲレロネグロを離れて
また暑くなり始めました。
いくつかの坂を越えた昼前、
目の前に真っ青の海が広がりました。
こちら半島の東側「カリフォルニア湾」。
すかっと気持ちの良い景色な気がするけど
太平洋側と違い、熱気がこもって
全く涼しくないです。
海沿いにやけに鳥が多いな、と
思っていたら
大規模なゴミ捨て場がありました。
ちゃんと管理されてるんだろうか、
異臭がすさまじいです。
暑さもあいまって、くらくらする。
さらに少し走って
「サンタロサリア」という町へ。
この時の気温は32℃。
最近の世界情勢を考えると
大したことない数字に感じてしまうけど
かなり暑いです。
そして今日のタコス。
海辺の町の定番は
白身魚やエビのフライ。
これに唐辛子のソースをかけて
ライムを絞るのが美味しいんです。
一つでおよそ¥300。
引き続き海沿いを南へ。
左手に海を臨むけども
風も吹かないし全然気温が
下がらない。
バハカリフォルニアの後半、
暑さとの戦いはまだ続きそうです。
90kmほど走った所で
海辺にキャンプ場を発見。
ところが受付が見当たらず
係の人も誰もいない。
勝手に泊ってしまうことに。
シャワーも浴びれたしラッキー。
夜になってもなかなか気温は
下がらず30℃。
暑さにうなされながらふと
頭上を見上げると、
これまでの旅路でも
最高の星空が広がっていました。
ゲレロネグロ出発3日目。
テントの向こうには空を綺麗に染め上げる朝焼け。
ただ熱帯夜が続いているので、基本的に夜は熟睡できません。
日毎に疲労は溜まっていく。
ただ良いのか悪いのか、
どれだけしんどくても
サドルにまたがってしまえば
足は動いてしまうサイクリストの性。
9時5時で働く公務員のように
今日もきっちり走っていきます。
ルート上、最も暑くなると
予想していたのが
アメリカ南部からメキシコにかけて。
予想はしていたものの
やはり実際に走ると
決して楽ではない。
アラスカの寒さも厳しかったけど、
着込むことで夜は眠れていました。
あの時は「早くメキシコへ」と
ずっと考えていたけれど
今は雪山の景色が懐かしい。
道端で出くわすクマが恋しい。
せっかく世界を旅してるのに
よその土地に想い焦がれるなんて
もったいないとふと考えてしまう。
寒さに耐え、暑さを忍んで進んでますが
各土地の快適な時期に
旅行をした方がいいと思います。
カリフォルニア湾の海沿いは
起伏が激しいけれど、
透き通ったビーチを楽しめる
バカンス地にもなっています。
アップダウンを繰り返すたびに
次のバカンスホテルが姿を現す。
ふと道路の横を見ると
サボテンのてっぺんにちょこんと
乗っているのはコンドル。
20羽ほどのコンドルが皆
同じ方向を眺めていました。
なにを考えてるんだろうか。
90kmを走った1日の終わりに
ビーチに建つレストランを発見。
この日は営業してないものの
アメリカ人のオーナーさんに
宿泊許可を頂きました。
しかも、シャワー付き。
治安面も含め心配だった
メキシコの宿泊事情ですが、
バハカリフォルニアに関しては
毎日スムーズに
野営場を見つけられています。
砂漠地域が広いからかもだけど。
ゲレロネグロ出発4日目。
蚊も出ないので、ビーチに絨毯とマットだけ敷いて
寝ていました。
実はオーナーさん曰く、
「このビーチでは、深夜の1時から3時頃
東の空に不規則に動く光が観察される」とのことでした。
暑さで上手く眠れないこともあり1時頃起きてたのですが
残念ながら何も発見できず。
メキシコ滞在中、UFOを目撃することはできるでしょうか。
引き続き今日も海沿いを進みます。
暑さには悩まされているものの
思いのほか順調な
メキシコ旅。
どこか淡々と日々が
進んでいるように感じる。
午前中、割と大きな峠があり
自転車を押しながらなんとか
乗り越えました。
ただバハカリフォルニア、
どこを撮ってもサボテンばかりで
山の過酷さが伝えられない。
助かるのが、
こんなに広い砂漠でも
何故かポツンと商店や食堂が現れて
最低限の補給が出来てしまうこと。
100km以上の無補給は
ほとんど無いのではなかろうか…。
南に下りるにつれて
徐々に気温が上がっているようです。
午後になるとものすごい汗が。
半島から本土に移れば
若干なりとも暑さは和らぐようなので
はやくバハを走り切りたい。
夕方、飲み物目当てに寄った商店で
お母さんがサボテンのトゲを
取り除く作業をしてました。
一つ頂いたけど、
そのままでは味もないし微妙。
サラダに入れると美味しいそうです。
そして100kmを走り「ロレト」に到着。
あまりに睡眠がとれていないので
この街で少し休むことにします。
バハカリフォルニアの最終地・ラパスまで
あと400km。