荒野の絶景

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【102日目 6,253km】

 

 

赤土の大地が織りなす絶景・アーチーズを堪能すると

モアブを後にして、次なる絶景を目指して進みます。

 

 

 

日中の酷暑を考慮して

「一人サマータイム」を導入しました。

朝5時には起きて7時までには走行開始。

涼しい午前中の内に

少しでも距離を稼ぐという作戦です。

夏には夏の走り方がある。

 

 

 

モアブを離れると

どこまでも砂の平地が

広がっていました。

観光案内の掲示板が

貴重な日陰をつくっており

お昼の休憩をとる。

 

 

 

暑さで食欲もわかないので

昼も夜もトルティーヤばっかり。

アボカド、玉ねぎ、ベーコンを刻んで

ソースをかけてクルクル。

巻き方がどんどん上手くなっていく。

メキシコに行く頃には飽きてないだろうか。

 

 

 

15時頃には目的の

「モンティセロ」の町に到着。

途中でにわか雨も降って

意外と涼しく、まだ走れそうだけど

無理をしない。

暑い時期は刻んで刻んで進みます。

 

 

 

商店にはドリンクバーのマシンがあって

自分で注いでレジに持っていくのですが

「ジュースだけ?なら払わなくていいよ」

とタダにしてもらうのは3回目。

サービス精神というより少額清算が

面倒くさいからではなかろうか、良い国…。

 

 

 

スーパーで割引のものを買って

夕食にする。

自炊を楽しもうという気持ちが

ひとかけらも無くなるユタの夏。

冷やしうどんをつるっと流し込んで

ちゃちゃっと済ませたいくらいです。

 

 

 

 

町はずれに湖を発見。

ほとりには大きめの東屋もあり

ここで寝させてもらうことに。

ユタ州に入って野宿場所の確保が

若干容易になったように感じます。

人気もないしゆっくり眠りに落ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

モアブ出発2日目。

湖の向こうから登る朝日を眺めつつパッキング。

空気がひんやりして気持ちいい5時起き生活。

悪くないです。

 

 

 

ここ数日続いていた熱波が去り

だいぶ涼しくなっているのを感じます。

適度に休憩を挟めば

熱中症の心配もなさそう。

一時はどうなるかと思った暑さも

なんとか乗り越えられそうな予感。

 

 

 

 

70kmほど走った所で

「ブラフ」という集落に到着。

このあたりからゴツゴツとした岩が

周囲に沢山見られるようになりました。

本当に不思議な形をしたものが

あちこちにあります。

 

 

 

町にはクーラーの効いた

ヴィジターセンターもありました。

ランチ休憩も兼ね暑い昼過ぎの時間帯を

ここでやり過ごさせてもらうことに。

「えっアラスカから!?」と

10回くらい聞かれる。

 

 

 

 

雲が厚くなったタイミングを見計らい

再び走り出す。

ブラフを離れるといよいよ

カラッカラに乾いた荒野が

広がり始めました。

そして緩やかな上り坂。

 

 

 

日が傾くと、あっという間に

表面の色が変わるのが

赤土の岩山の面白いところ。

影が差し込み立体感の出た

山肌を眺めつつ、下り坂を滑っていく。

思い描いたアメリカならではの景色。

 

 

 

“メキシカンハット”という集落に到着。

生鮮のほとんど置いてない小さな商店で

買い物をして、お菓子のような夕食に。

ドーナツばっかり食べてたら

すぐにアメリカ人のようにコロッコロの

体型になるんだろうな…。

 

 

 

集落の横を流れる川辺に

テントを張る。

テントなしで地べたでも

寝られる気温だけど

水辺だけに蚊がすごいんです。

日が暮れると数が増える。

 

 

 

 

 

 

 

 

モアブ出発3日目。

いよいよ目的としていた絶景まではわずか40km。

朝から雲一つない快晴に気分も高まります。

 

 

 

走り始めて10kmあまりの所。

岩山に向かってまっすぐ進む印象的な道は

映画のワンシーンでも知られる

「フォレストガンプ・ポイント」。

アメリカで走っておきたかった

道の一つです。

 

 

 

ただの道路なのですが

名所ということもあって、

写真を撮りたい人が順番待ち。

僕も旅情ある一枚を、と思ったけど

どうやら三脚立ててのんびりやってる

余裕もなさそうなのでやめとくことに。

 

 

 

ここで声を掛けてくれたご夫婦が。

アラスカから走ってきたことに

とても感心してくださり、

「ランチでも食べて」と

御心付($20)を頂いてしまいました。

大切に使わせて頂きます。

 

 

 

 

 

 

さらに15kmほど進んだところで

ついに目的の場所「モニュメントバレー」に着きました。

アメリカでも特に楽しみにしていた場所です。

 

 

 

公園内は自転車禁止の為

観光ツアーに申し込み(2万!)。

同じトラックに乗り合わせたのは

なんと日本からお越しのご夫婦。

よく考えればアメリカ入国以来

日本の方は初めてです。

 

 

お二人の旅行を邪魔して申し訳なさを感じつつも

久しぶりに交わす日本語での会話も嬉しく、

しばらくご一緒させてもらいました。

 

 

 

“モニュメント(記念碑)”のように

雨と風に浸食された岩山は

「ビュート」と呼ばれています。

こないだ見に行ったアーチーズとは

また違う形状につくり出された

自然の芸術。

 

 

 

西部劇のような風景ですが

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

「イージー・ライダー」

「インディ・ジョーンズ」など

数多くの名作映画の撮影でも

使われてきています。

 

 

 

これまで世界各地の自然遺産を

訪ねてきましたが、

アメリカ南西部に広がる

赤土の台地が織りなす沢山の絶景は

特に深く心に刺さります。

波長が合うというか。

 

 

 

ネイティブアメリカンたちの信仰の対象

ともなっているこの地域の自然遺産ですが、

神とか宇宙といった大きな存在と

結び付けてしまうのもうなづけるほど

目の前に立った時の力強さは

すさまじいものがあります。

 

 

 

 

お昼に頂いたお金でディナーに

ハンバーガーを(¥3,200)。

振り返ると、幾度かマクドナルドで

ちょっとしたもの食べたくらいで

アメリカではレストランは

初めてかもしれない…。

 

 

 

 

 

 

 

朝日を迎えるモニュメントバレーは

さらに神々しい。

 

これを見るためには公園内のキャンプ場に

泊まらなくてはいけないのですが、

テントを張るだけでなんと¥9,000。

お昼の観光ツアーも含めると¥30,000。

今アメリカを旅行するとはこういうことでございます。

まぁ、良いものは見れたんだけど。

はぁ…。